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「QuinRose」
アリスシリーズ(パラレル設定)

お嬢さん、お気をつけて!(なんちゃって御伽話、グレアリ)

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 昔々、「青ずきん」と呼ばれていた女の子がいました。
 本当の名前はアリスと言うのですが、お姉さんが作ってくれた空色のずきんをよく頭に被っていたので、こう呼ばれるようになったのです。
 ある日のこと、アリスはお姉さんにお遣いを頼まれました。森に住んでいるおばあさんの具合が悪いので、お見舞いに行ってきてほしいというのです。アリスは一も二もなく了承しました。

「いいこと、アリス。森には怖い狼がいるからね。狼の言うことを聞いてはダメよ?近づいたりしてもダメ。気をつけてね」
「大丈夫よ、姉さん。私そこまで子供じゃないわ」

 心配するお姉さんに明るく笑いかけ、アリスはバスケットにパンとぶどう酒を詰め込んで出かけていきました。
 てくてくと森の中を歩いていくと、とても美しい花がいくつか咲いているのが見えました。お見舞いにおばあさんに花でも摘んであげようと考えたアリスは、しばらく花摘みに夢中になって森の奥に入っていこうとしてしまいました。
 そんな時です。アリスの背後から、その様子を伺う怪しい影が―――


「こんなところで一人でいると、狼に襲われてしまうぞ。アリス」


 突然の声にアリスは一瞬肩を震わせましたが、それが聞き覚えのあることに気が付いてパッと顔を輝かせました。

「グレイ!こんにちは、奇遇ね」
「ああ、こんにちは。ひとりでこんなところまで、どうしたんだ?」

 肩に猟銃を背負い、小さく微笑する背の高い男性。彼はグレイ。この森の狩人で、アリスとも顔なじみの人物でした。
 一見すると冷たく無愛想に見える人ですが、誰よりも優しく気遣いのできる、面倒見のいい人だとアリスは知っています。そんな大人の彼に、アリスは淡い恋心を抱いていました。
 ・・・・・・・・大人のグレイが、まだまだ子供のアリスを好きになってくれるわけはないと、諦めてもいましたが。

「おばあさんのところにお見舞いに行くのよ。ついでだから、花でも摘んでいこうかと思ったのだけど・・・・・・」
「ひとりでか?危ないだろう」
「グレイは本当に心配性ね。大丈夫よ、この森には慣れているし」
「だが、やはり女性のひとり歩きは危険だ。近頃は性質の悪い狼がちょっかいをだし・・・・・・・いや、狼の姿をよく見かけるからな。君みたいな可愛らしい子をひとりで歩かせるには、心配だ」

 その言葉にアリスは思わず顔を赤らめました。
 グレイはたまにこういうことを素で言うので、反応に困ってしまうのです。赤くなった頬をなんとか冷まそうとしているアリスは気が付きませんでした。・・・・・・・・グレイが、そんなアリスを可愛くてしょうがないというような瞳で見つめていることに。

「もし君が嫌でないのなら、俺もお見舞いに同行していいだろうか。邪魔はしないから」
「ええ!?そ、そこまでしなくて本当に大丈夫よ。ほら、私みたいな痩せっぽち、さすがに狼も食べようとは思わないだろうし」
「たとえそうだとしても・・・・・・・俺が、心配なんだ」
「・・・・・・・・っ!」
「・・・・・・・・迷惑か?」

 仮にも想っている相手にそんな風に言われ、嫌と思うわけもなく。
 結局、アリスはグレイと一緒におばあさんの家に向かったのでした。



 その後、寄り道もせずにおばあさんの家へとたどり着いたアリスは、優しく出迎えてくれたおばあさんと二人でいろいろな話をしていました。しかしアリスの心は、外で待っているグレイに向いていました。
 もう少しグレイと一緒にいたい気持ちもあり、同行を申し出てくれたグレイに「おばあさんへのお見舞いの花をもっと摘んでいきたい」と提案してみたのですが、グレイは少し悩んだ後にそれを却下しました。曰く、「アリスが来るのを楽しみにしているおばあさんを、あまり待たせてはいけない」と。
 グレイとデートができない残念さはありましたが、帰りも送るという約束をしてあるので、アリスは大人しく我慢しました。

 ところが、アリスがおばあさんとの話を終えて外に出てみると、そこにグレイの姿はありませんでした。
 それなりの付き合いになるアリスからしてみれば、グレイが約束を破るなどよほどの事情がない限りありえません。
 なにか急な用事でも思い出したのか、それとも大変なことに巻き込まれてしまったのかと焦るアリスの耳に、草むらを掻き分けてこちらに向かってくる足音が聞こえてきました。

「ああ、アリス。すまない。もうお見舞いはいいのか?」
「グレイ!よかった・・・・・・・・って、どうしたの、そのケガ!!」
「ん?ケガ?」
「頬のところ、血が出てる!!」
「ああ・・・・・・・・多分、ちょっと掠っただけだろう。その・・・・・・・狼を追い払っていてな。ちっ、あの××××が。しつけえんだよ

 最後に何か聞こえたような気もしましたが、血に慌てているアリスはそれどころではありません。
 ハンカチを差し出して心配そうな顔をする少女に笑いかけ、グレイは「大丈夫だ」と告げました。

「もうしばらくはやってこないだろう。だがまだ少し心配だから、やはり送っていこう」
「・・・・・・・ごめんなさい」
「なぜ君が謝るんだ?俺が好きでしていることだから、君が気にする必要はない」
「でもやっぱり申し訳ないわ。私を送ったりしなければ、狼を追い払ってケガをする必要だってなかったわけだし」
「君が無事ならそれで十分だよ。だけど、君がそれで納得できないと言うのなら・・・・・・・・そうだな、今度、俺と一緒に出かけてくれないか?」
「え?」
「今日は案内できなかったが、もう少し行ったところに綺麗な花畑があるんだ。君に見せてあげたいと思っていた。俺の家も近いし・・・・・・よかったら、遊びに来てくれ」

 思わぬ誘いにアリスは目を瞬かせます。そんな条件、アリスが嬉しくなるだけなはずです。
 だってそれは・・・・・・・・お詫びにデートしてくれ、と言われているも同然なのですから。


「嫌か?」
「い、嫌じゃない・・・・・・・・わ」
「そうか、よかった」


 約束だと差し出された小指に、アリスもそっと自分の小指を絡ませました。
 他愛のない指きりにも、グレイが嬉しそうに微笑むものだから、アリスはますます顔が赤くなって困ってしまうのです。グレイがアリスを好きだと・・・・・・・・・錯覚してしまいそうになるのです。
 並んで帰り道を歩きながら、アリスはずっとドキドキする心臓を持て余していました。





『あの子を守るなんて、よく言えたよね。狩人さんだって俺と同類なくせしてさ』

 アリスがまともにグレイの顔を見れずにいる間、グレイは狼と対峙した際に言われたことを思い返していました。
 彼は・・・・・・・・今こそ狩人をやっていますが、本性は変わりません。

 元・狼の一族だった男が、今は狩人なんて。

 誰が想像できるでしょうか。もちろん、アリスは知りません。教えるつもりもありませんでした。知られて、脅えられてしまうのは真っ平だからです。
 自分を無条件に慕い、信用してくれる少女を守りたい。愛したい。傷つけたくない。
 グレイがアリスに対して向ける感情は、元が狼だったと思えないほどに優しく甘いものばかりです。


(だからと言って、他の奴らに食われるのをみすみす見ているつもりはないがな)


 大切にして、どろどろに甘やかしてあげたいのも本当。
 ですがそれと同じくらいに、めちゃくちゃにして食べてしまいたいという欲望があるのも事実。
 ・・・・・・・・・自分以外に食われるというのなら、尚更です。

「・・・・・・・・・・・・・じれったいものだな」
「?なにが?」
「いや、何でもないよ」

 そっと頭を撫でてやれば、気持ちよさそうに微笑むアリスの表情に胸が締め付けられるほどの愛しさを覚えます。
 板ばさみの感情に、狼の狩人は今日も振り回されるのでした。





おしまい
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