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「ネオロマ」
遙かシリーズ

好きな人を守る覚悟(遙か4、アシュヴィン&シャニ)

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「兄様、僕好きな女性と結婚したいんだ」

 まだ年若い弟に真剣な顔で告げられ、アシュヴィンは何事かと目を瞠る。
 確かに王族の一員として、早くに婚約やら結婚やらの話が持ち上がることはあるが・・・・・こんなにもシャニが真剣なのは珍しい。

(誰か好きな女でも・・・・・・・・・・・)

 そこまで考え、いや~~~~な予感に思い当たる。
 シャニがここ最近で懐きまくっている相手、なんて一人しかいない。

「だから・・・・・・・その、僕・・・・・・・」
「ダメだ」

 頬を薄っすらと染め、恥ずかしそうにしている弟は、いかにも恋していますと言った風情で、思わず背中を押してやりたくなる。そんな姿に一瞬心揺れたが、実に容赦なくキッパリとアシュヴィンはダメ出しをする。
 一瞬驚いたように目を瞬かせたシャニだったが、すぐにむうっとした表情で噛みついてきた。

「僕まだ何も言ってないよ!」
「言わなくてもわかってる、中つ国の姫だろ?ダメだ。俺より先に花嫁をもらう気か?」
「え~~~!!??そんなのずるいよ、ずるいっ!!僕、千尋お姉ちゃんが大好きなんだから絶対幸せにするのにぃ~~~~~~~~!!!!」

 駄々をこねて不満そうに唇をとがらせようが、これだけは譲れないことだった。
 はあっと大きく溜息をつき、アシュヴィンはシャニと向かい合う。じっと真っ直ぐ見つめれば、臙脂色の丸い瞳が少し怯んだように揺れた。


「お前に覚悟はあるか?」
「・・・・・・・・・・・覚悟?」
「好きな相手を、そして自分を・・・・・・・・何からも守りきる自信と覚悟はあるのか?」


 常世と豊葦原の掛け橋。
 そう言えば聞こえはいいかもしれないが、実際はただ国と国との利害を図った手段に過ぎない。私利私益の渦巻く思惑の中で、ただ利用され転がされた挙句に斬り捨てられる・・・・・・・・・そんなことだってありえるのだ、下手をすれば。
 夫婦となる2人が、愛しあっていようと憎みあっていようと、それすらも利用の手段とされてしまう。
 そんな中に飛び込み、すべて叩き伏せてしまうだけの力と覚悟がなければ、兄としてシャニの結婚に賛成することはできない。

 ―――大事なものを守りきるという強い思い。

 そうした覚悟ができるほどには、シャニはまだ強くない。
 兄として、シャニの優しさも強さも弱さもわかっているつもりだった。これから先、シャニはきっと立派な男になるだろう。自分も誰かも守れるほど強く逞しく、それでいて真っ直ぐな気性の青年に。
 けれど、それは今じゃない。
 まだ早いのだ、シャニには。常世と豊葦原が抱える暗い部分を背負わせるには。

「・・・・・・・・じゃあ、兄様には、その覚悟も自信もあるって言うの?」
「覚悟はもちろん、自信はそれなりに、な」
「それなりって・・・・・・・・・そんないい加減な答えなら・・・・・・・!!」
「俺一人なら、それなりの自信しかない。」

 にっと笑い、アシュヴィンはシャニの頭を軽くなでた。
 不敵な笑みを零す兄の目が、いつもよりどこか優しさと愛しさを含んでいるような気がして、シャニはゆっくりと瞬きをした。



「あいつと一緒なら、絶対に乗り越えられるという自信があるんだよ。何故か、な」



 覚悟なら、とっくにできている。
 常世の国を守る覚悟はとうの昔にできていたことだから、それに「あいつの守りたい国」を含めてやればいい。
 そして、その覚悟に「彼女」の存在が加われば、それは絶対の自信に変わる。
 悲しみと恐怖を宿しながらも、常に前を向いて戦場へと向かっていた、千尋とならば。

「と、いうわけだから・・・・・・・・お前には早い。諦めることだな、シャニ」

 そう言ってその場を後にしたアシュヴィンの背中を見送り、シャニは深々と溜息をついた。
 悔しいけれど、自分が力不足であることはシャニも薄々感づいている。大好きな姫を守るには、自分より兄の方がよっぽどふさわしいということも。

「・・・・・・・・・・兄様が、いつまでも素直にならないから、いけないんだ」

 拗ねたような口調で、シャニはひとり呟く。
 言えばいいのに、一言。さっきみたく遠回りな表現ではなく、もっと直接的な言葉。


「千尋お姉ちゃんが好きだって・・・・・・・・・・大切だって、言ってくれれば・・・・・・・僕だって、ちょっとは諦めつくのにさあ・・・・・・・・・・」


 大人ってどうしてあんなに回りくどいのかな。
 シャニの溜息は誰に聞かれることもないままに消えた。





終わり
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