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「QuinRose」
現代の国のアリス(現代パラレル)

本編 日常風景~エース、モデルになる!の巻~後編

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「ずいぶんと楽しそうじゃないか、お嬢さん?」

 撮影の最中、突然聞こえてきた声にぎくりとする。
 スタッフの制止もまったく気にせず、すたすたとこちらに向かってくる男・・・・・・・・今は帽子もあのセンスの悪い服装もしていないから、ますますあの人にそっくりだ・・・・・・・の姿に、ついアリスは頭を抱えたくなった。
 本気で嫌なタイミングで現れてくれる。
 エースの外見に騒いでいたギャラリーが、さらにざわつく。まあ無理もない。彼はやたらと向こうの世界にいた頃からモテていた。


「あっれ~、帽子屋さん。奇遇だな、こんなところで」


 周囲のざわめきをまったく気にすることなく、エースがいつも通りに話しかける。
 ・・・・・・・・わざわざ、アリスの肩を抱いた手に力をこめ、さらに体を密着させながら。
 ブラッドの眉が、不機嫌そうに寄せられる。視線が痛い。まったく悪いことをした覚えはないのに、何故こんな居たたまれない状況に置かれるのだろうかと言いたくなった。
 さすがマフィアのボスなだけあって、すごむと本気で怖い男だ。

「・・・・・・さて、これはいったいどういう状況なのか、説明してもらおうか。アリス?」
「見てわからないの?俺たち、今デートをしてるんだ」
「私はお嬢さんに聞いているんだ、騎士」
(・・・・・・・・・寒い、空気が)

 目に見えない火花が散っているような気がするのは、絶対に気のせいじゃないだろう。
 先ほどまでざわついていた周囲が、今や雰囲気に押されて静まり返っている。そんじょそこらの修羅場も目じゃないほどに、口を挟みづらい空気が漂っている。

「た、ただの撮影!!撮影なの」
「・・・・・・・撮影?」
「そう!!ちょっとエースと一緒に頼まれちゃって・・・・・・・」
「そうそう。俺とアリスが、ラブラブな恋人同士っていう設定なんだぜ」
「あんたちょっと黙ってなさいよ!!」

 必死にフォローしたのにブチ壊してくれるこのエセ騎士に、アリスは一瞬本気で殺意を覚えた。
 ますます機嫌が降下するとも思ったが、ブラッドは何事かを思案するかのように、手を顎の下へ当てる。そして・・・・・・・・にやり、と笑った。
 ものすごく、嫌な笑顔を。


「なるほどな・・・・・それは面白そうだ」
「ぶ、ブラッド?」
「私もその撮影とやらに、参加しようじゃないか。」


 案の定、ブラッドはとんでもない爆弾発言を落としたのだった。





「ほら、アリス・・・・・・・・・?恥ずかしがってばっかりいないで、俺のこと見てよ・・・・・・・ね?」
「え、エース・・・・・・・!!」
「ダメだぜ?余所見しちゃ・・・・・・・・でないと・・・・・・このまま、しちゃうよ?」
「な、何を言って・・・・・・・って、ちょ、ちょっと・・・・・・・・やっ・・・・・・!!」

 強引に上向かされ、アリスは小さく悲鳴をあげる。息がかかるほど近い位置にいるエースの顔が、楽しそうに歪められる。ほんの1ミリでも動かした瞬間に、唇が合わさってしまいそうな距離で、彼らは見つめあう。
 あまりにも恥ずかしすぎるその距離に、アリスの顔は真っ赤に染まっていく。怒りと羞恥で潤んだ瞳でにらみつけるが、エースはあっけらかんと「誘ってるの?」と吐息で笑う。

「アリスって、か~わいいよなあ・・・・・・・・」
「ちょ、だ、だからエース・・・・・・・・いい加減、にっ・・・・・・・・!?」

 ぐいっと反対方向に腕を引かれ、アリスは言いかけた文句を飲み込む。
 頬に添えられていた指が離れ、別の温もりに顎をつかまれて顔を上げさせられる。エメラルド色の鋭い視線に至近距離から射られ、アリスの体が反射的にこわばる。

「まったく・・・・・・・・お嬢さんは浮気性だから困るな。私というものがありながら、他の男になんか目移りするんじゃない」
「ブラッド・・・・・」
「どうやらこの唇が誰のものかを、たっぷりわからせてやらねばならないようだな・・・・・・・君にも・・・・・・・そして、周りの虫どもにも・・・・・・・・」
「は、えっ!?いやだからちょ・・・・・・・・・どさくさに紛れて何して・・・・・・・・・!!」

 近づくどころではなく、唇ぎりぎり横に触れてきたブラッドの行動に、もともと早かった心拍数が一気に上昇する。アウトだ、今のは完全にアウトだろう。頬にキスとかならまだ許せるが、よりにもよってアウトラインぎりぎりに・・・・・・・・・!!とアリスは内心怒り心頭だった。
 我慢できずについに怒鳴ろうとした瞬間、ぶわっと背後から感じた寒気にアリスは動きを止めた。


 ・・・・・・・・・怖すぎて振り返れない。


 明らかにその寒気を発している人物と視線を合わせているのだろうに、対するブラッドは平然としている。余裕めいた笑みさえ、口元には浮かんでいた。

「へえ、アリス。他の男にそんなこと許しちゃうんだ?」
「ば、バカ言わないでよ!!許せるわけないでしょ!?今のは完全にこの×××男が・・・・・!!」
「そうそう、ダメだよ。許しちゃ・・・・・・・・俺以外に、こんなこと」

 言うが早いか、首の筋を痛めるかと思うほどに無理矢理に顔を上向かされる。と、同時に驚くほど間近に迫ったエースの顔が、そっと鼻先に触れた。
 あまりの近さに目を見開くアリスの顔を固定したまま、エースはブラッドが触れたのとは反対側、やはり唇のアウトラインぎりぎりに唇を落とす。触れると同時にざらりとした生温かいものが這わされる感覚に、アリスの背筋が震えた。
 ブラッドにされた時よりもあからさまで、そして生々しい。
 舐められたと頭が感じるより先に、顔がかあっと熱くなった。

「なっ、あ、あんた達・・・・・・・・!!」
「ん~~~~~~~?」

 すぐ目の前で微笑むいつもの笑顔に一瞬でもドキリとしてしまったのは、きっと服装のせいだと自分に言い聞かせる。いつもの赤いコートを纏っていない彼は、一見本当に「デートしたい男」の上位にあがりそうな好青年だ。
 まあ、見た目が多少変わったところで中身が変わらなければどうしようもないが。
 対するブラッドも、大人っぽいながらもラフさを感じさせるコーディネートの服を纏っている。いつもの奇抜な格好や帽子がないブラッドは若く見える。誰が相手だろうと「私は着たい服を着たいときに着る」というセンスを崩さないブラッドが、よくもまあメイクや衣装担当の人の好きにさせたものだ。その点だけは、アリスも本気で感心する。
 それならそれで、シチュエーション撮影にも文句を言わないでほしかった。

 アリスが今、エースとブラッドに奪い合われるような状況での撮影に望んでいるのは他でもない、この常識という単語がはなから頭にない2人の男共のせいである。


『ひとつ、勝負といこうじゃないか、騎士。どちらがお嬢さんの相手役に相応しいか・・・・・・』
『勝った方がアリスと二人っきりでデートして、写真も取ってもらうってこと?ふうん・・・・・・・いいぜ、面白そうだ!』
『モデルに相応しい方を決める勝負だ。どうせなら、実際に撮影をしながら決めてもらおう・・・・・お嬢さんに、な』


 アリスの意思もお構いなしに進められた会話が頭の中に蘇る。
 あの時、一瞬本気で逃げようかとも思ったが、あっさりと捕まってこちらの反論もまったく聞かないふりをされた。結局断れないままここまで来たが・・・・・・・・流されやすい性格を、今ほど恨んだことはないとアリスは心底思う。
 ちらり、と両側をぴったりと挟み込む男達に目を向ける。 
 エースがお出かけデートの似合う好青年風なら、ブラッドはお洒落なバーでのデートが似合うホスト風といったところだろうか。(外見は)タイプの違う美形に奪い合われるシチュエーションは、ひょっとしたら女の夢とかそういうやつなのかもしれない。
 その証拠に、野次馬の大半を占める女性は、皆こぞってうっとりとした溜息をついている。ちなみにアリスに対しては羨望と妬みと不審の視線がちくちくと向けられる。

(気持ちはわかるわよ?顔だけは美形の男に囲まれてるのが、大した美人でもない小娘ひとりなんだから、そりゃあね・・・・・・・・それはいいの、別にいいんだけど・・・・・・・・羨ましいんなら立場なんていくらでも代わってあげるから、助けてほしい・・・・・・・・)

 カメラマンも監督も、この二人から発せられる殺気に青ざめているというのに・・・・・・・あの野次馬のお姉さん方には、桃色のフィルターでもかかっているんだろうか。
 こんな寿命が縮むような場所で、延々挟まれなければならない気持ちを察して欲しい。
 そんなアリスの現実逃避も許さないとばかりに、するりと腰に回された腕に力がこもる。肩口に軽く顔を乗せたエースが頬をよせてくる。


「それにしても知らなかったなあ。アリスって、そんなに帽子屋さんと仲よかったんだ?」


 後ろから抱きしめられるようにして囁かれる言葉は、拗ねているようにも聞こえるが・・・・・・・・・とりあえず浮気を責められている風にしか聞こえない。浮気も何もアリスはエースと付き合ってなどいないのだが、今それをツッコむと墓穴を掘りそうなので口を閉ざす。
 アリスの手をしっかりと掴んだまま、ブラッドは横目でにやりと笑みを深める。

「男の嫉妬は見苦しいな」
「帽子屋さんにだけは言われたくないな~・・・・・・帽子屋さんってさ、一番独占欲強そうだよね。ちょっとしたことですぐに嫉妬して、でもその性格だから素直に言えなくてすれ違っちゃって、結局好きな子に大嫌い!とか言われちゃうようなタイプっぽい。可愛いよな~、そういうの。微笑ましいよね!みっともないことこの上ないけど。それこそ男の嫉妬は見苦しい、って代表例だな」
「・・・・・・・・お前こそ。些細なことで嫉妬しては相手を笑顔で脅し、よくわからなくて怖い男と認識されていそうなタイプだな。愛情表現が歪みまくっている。巷ではヤンデレというものも流行りらしいが・・・・・・実際に恋人にはしたいかと聞かれれば、大半は嫌だと答えるだろうな。危険な男すぎて、恋人がついていけなくなる。ドン引きされるぞ」
「そうかな?俺の愛情って、すっごくわかりやすいと思うんだけど。なーなー、アリスはどう思う?」


 なぜそこで話をこっちにふる。


 頭痛を覚え、思わず頭を抱えたくなる。
 本気でどうでもいい。恋人だのなんだの言っているが、そもそもアリスにそんな気は端からなかった。ようは、両方ともどっちもどっちな最低条件の男、ということだろう。恋人にしたら苦労するのが目に見えている。
 どうしてもあのワンダーランドの友人達の中から恋人を選べといわれたら、真っ先の段階でこの2人とペーターは除外する。

「大体さ、毎度毎度結婚だの花嫁だの、エンドがワンパターンな人よりは俺の方がマシだと思うんだけどな~」
「・・・・・・・・・なんの話だ」
「なんとなく?」
「そうか・・・・・・・・では私もなんとなくで話をさせてもらうが、クローバーの国ではもはや将来的に死ぬだの殺すだのが定まっているようなエンドのやつよりは、未来が明るい私との道の方が幸せだと思うがな、なんとなく」
「あっははは、ソッチ方面までワンパターンな人よりは刺激的な未来を約束できると思うんだけどな・・・・・・・・・・俺、イロイロ楽しませてあげられるぜ?」
「誰がワンパターンだ、失礼なっ!!・・・・・・・・9割方において野外ばかりなお前よりは、優しく・・・・・・甘美な時間を過ごさせてやるとも。ベッドですらないとは、相手もかわいそうに・・・・・・・体の負担も考えてやらない体力バカに付き合わされるなど、気の毒すぎて何も言えんな」
「帽子屋さんだって、いかにもネチネチしつこそうだよなあ・・・・・・・あ、下手って噂もあるよね?本当?」
「いかにも性格の悪い焦らし方しかしなさそうなお前に言われる筋合いはないな」



 帰っていいかな。



 そろそろ放送禁止用語が飛び出しそうな低レベルな言い合いに、アリスは遠い目をする。
 というかいつになったらこの勝負がつくのだろう。こんな面倒くさいことにいつまでも捕まっていないといけないなら、もうどっちが勝ちでもいいからさっさと終わらせて欲しい。
 ひとりたそがれるアリスの視線の先、見上げた空はそろそろ夕暮れだった・・・・・・・





End.
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