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「ネオロマ」
遙かシリーズ

元カノ~ver.将臣~(遙か3、将望)

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 幼馴染なんて、損だと思う。

「将臣くん、付き合ってる人いるんだって?」

 なんで教えてくれなかったんだ、という非難の気持ちをこめて睨みつける。
 小さい頃から自分の家のように入り浸っている有川家のリビングで、私は将臣くんと向かい合っていた。目の前に座ってコーラを飲んでいた将臣くんが、嫌そうに眉をしかめる。

「・・・・・・どっから聞いたんだよ」
「クラスの友達情報~~~具体的な名前は黙秘権を行使します!っていうか、ひどいじゃない。長い付き合いの幼馴染には一言も報告なし?」
「んなもん、お前にいちいち報告する義務もないだろ」

 面倒くさいと言わんばかりの態度に、少しムカッとする。
 将臣くんはわかっていない。幼馴染だからこそ、一番に知りたかったし教えて欲しかった。だって物心ついた時からずっと一緒にいるのに。一緒にいるのが当たり前で、お互いのことは何でも知っているとさえ思っていた。
 実際、中学になるまではずっとそうだったと思う。将臣くんと譲くんのことを一番良くわかっているのは私で、私のことを一番良く知っているのはその二人だった。特に将臣くんは同い年ってこともあり、血も繋がっていないのに誰よりも身近に感じる存在だった。

 なのに今回、将臣くんに彼女ができたということを、私は人づてで聞いたのだ。

「義務はなくても、一番に教えて欲しかったよ!ちっちゃい頃からの付き合いだっていうのにさ・・・・・・将臣くんってば冷たいんだもん。折角、将臣くんに初彼女ができたことを譲くんとかと一緒にお祝いしてあげたかったのに・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・だから言いたくなかったんだっつーの」
「え、何で?」
「何でもだ。お前は昔っから鈍すぎんだよ、バカ望美」
「ちょ、ちょっと何それ!?意味わかんないよ、将臣くんのバカ!!」

 将臣くんはそれっきり、不機嫌そうな顔をしてつけっ放しのテレビの方を見てしまったけれど、文句を言いたいのはこちらの方だ。彼女ができた、だなんてそんな大切なことを教えてくれなかった薄情者のくせに、こっちが悪いみたいな言い方をされるのは意味がわからない。

 そう、恋人、なんて。大切なことだ。

 正直、私にはイマイチ恋だのなんだのよくわからない。中学生になってから、そういう話が女子達との話の中で格段に増えた。小学生の頃も好きだなんだの話はあったけれど、彼氏だとか彼女だとか、そういう具体的な話が出てくるようになったし、恋に付随するいろいろな話だって耳にするようになってきた。
 そうこうするうちに、嫌でも感じるようになったことがある。
 私と将臣くん、そして譲くん。三人の距離は、近すぎる。
 幼馴染という関係は私達にとって当たり前で、家族のような距離感は不自然でも何でもなかった。だけど周りの人から見ると、それは常識なんかじゃなかった。いつも一緒にいるのが当たり前だったのに、それがおかしいと皆が言う。恋人じゃないと告げると、皆が同じように首を傾げた。

『あんた達の関係って今はいいけどさ・・・・・・・いつかあんた達に本当に恋人ができた時、その恋人が辛い思いするんじゃない?異性の幼馴染、なんて。あたしだったら、自分の恋人にそういう相手がいて、幼馴染だからってベタベタしてるような光景、耐えられないけどね』

 いつか友達に言われた言葉。そうなる前に、距離をとるべきだと言われて・・・・・・・妙に納得したまま、今までずるずると来ていた。
 そういう相手ができた時、確かに離れるべきなんだろうなとは思った。将臣くんや譲くんに彼女ができたら、きっと今まで通りではいられない。いちゃ、ダメだと思う。
 でも二人に彼女と呼べる存在ができることはなくて。
 まだいいやと思いながら、ずるずると幼馴染の距離に甘えていた。誰よりも居心地のいい、傍にいられることに安心していた。


 恋人ができた、っていうのは大切なことだ。教えて欲しかった。
 だってそれが、私達の距離が変わる瞬間になる。
 本当は・・・・・・・・・・将臣くんに恋人ができたと聞いて、ものすごくショックだった。でもそれは、きっと口にするべきことじゃないんだろう。
 私は幼馴染だから。傍にいられても、本当に奥まで踏み込めるわけじゃない。干渉まで許されていない。


(幼馴染なんて・・・・・・・・・損だ)


 散々その距離に甘えておいてなんだけれど、今は本気でそう思う。
 そんな気持ちを振り払って、私はわざと明るい声で将臣くんに話しかけた。

「ねえねえ、ちなみに彼女ってどんな人?噂でしか聞いたことないけど、美人なんでしょ?男子人気も高くて・・・・・・・・・」
「あ~・・・・・・・・?あー、まあ・・・・・・・・つーか、もう別れたしな。関係ねえよ」
「あ、そうなんだ。別れた・・・・・・・・・・・別れたっっ!!??」

 さらりとした返事に思わず流しそうになったが、聞き捨てならない言葉を耳にしてすっとんきょうな声をあげてしまう。
 将臣くんは相変わらず仏頂面で、テレビの方へ目を向けている。思わず将臣くんの隣へと移動して、無理やりこちらを向かせた。心底面倒くさそうな顔をされたが、そんなこと気にしている場合じゃない。

「だ、だってまだ一週間も経ってないんじゃ・・・・・・・・・!?」
「まあ、そうかもな」
「そうかもな、じゃないでしょ!!え、何があったの?ケンカ?それとも価値観の違い?」
「・・・・・・・・・それ、いちいち答えなきゃダメか?面倒くせえ」

 これ見よがしに大きなため息をついて、じっと将臣くんが私を見つめる。思いがけなく真面目な顔をされて、ちょっと驚くと同時に胸がドキドキと音を立てた。
 こんなに顔が近づくのは初めてじゃない。小さい頃は普通に「挨拶」と称して可愛いキスもしていたくらいの相手だ。今更・・・・・・・・・なのに、妙に恥ずかしい。
 間近で見る将臣くんの顔が、いつもの知っている「将臣くん」じゃないみたいだった。彼はこんなに大人びた顔をしていただろうか。背も、いつの間にか私より高くなっていた。近づいてみるとわかるけれど、体格もすごくしっかりして・・・・・・驚く。

「一緒にいたいと思わなかったから・・・・・・・・なんか違うと思ったから、別れた」

 それだけだ、と彼は言う。少し申し訳なさそうに瞳を細めた彼は、きっとその一時的に恋人だった「元カノ」に罪悪感を感じているのだろう。何があったのかはわからないけれど、将臣くんは多分・・・・・・・・その人の告白に、あまり本気でないまま承諾して。そして結局、自分勝手な理由で別れを切り出したんだろう。
 それって相手の子にひどいと思ったけれど、私は将臣くんを責めることはできなかった。だって私の方が、もっとひどい。
 将臣くんが別れたと聞いて、ものすごく安心している。

 今まで通りでいられることに、喜んでいる。

「・・・・・・・・・最低か?」
「だね」
「だよなあ・・・・・・・・・別れてホッとしてるとか・・・・・・・・・ひどいよな」


 大丈夫だよ、将臣くん。
 心の中で、そっと呟く。それがひどいと貴方が言うのなら、私も同罪・・・・・・それ以上、だ。


 彼に恋人なんて、できなければいいのに・・・・・・・・と。
 心の中でこっそり、願っている。





終わり
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