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 ←二章 白妙菊 →やっかいな恋敵~仮の兄と弟~(遙か3、VSもの)
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「QuinRose」
アリスシリーズ

仁義なきファー争奪戦(クローバーの国、わいわい)

 ←二章 白妙菊 →やっかいな恋敵~仮の兄と弟~(遙か3、VSもの)
VSグレイ

 あらゆる領土の人々が一堂に介する会合中でなくとも、同じ国にいる限り、時としてありえない組み合わせが実現したりするもので・・・・・・・・

「あれっ、トカゲさんじゃん。やっほー」
「・・・・・・・・・・チェシャ猫か」

 クローバーの街をぶらぶらと散歩していたボリスが出くわしたのは、このクローバーの国領主の懐刀(と書いて世話役、あるいはおかんとも読む)グレイ=リングマーク。
 普段は滅多に接点のない2人だが、互いに知らない顔なわけではない。

「ひっさしぶりだよね。なんだか夢魔さんに苦労してるみたいだけど平気?なんか見るたびに疲れてるような気がするんだよね~」
「いや、大丈夫だ。ナイトメア様のことは・・・・・・・もう慣れた」
「今、なんか諦めとかいろいろなものが混じった間があった気がするけど・・・・・・・そ、そっか。やっぱトカゲさんは苦労してるね」
「ああ・・・・・・・お前も相変わらずだな、チェシャ猫。その・・・・・・・・・もこもこ

 げっ、と途端にボリスの顔が歪む。
 久しぶりすぎて忘れていた。そうだ、このグレイ=リングマークという男・・・・・・ムカつくほど背が高くて、体格もよくて、目つきも鋭いくせに・・・・・・・どういうわけか、かわいいものとか癒しものに意外と弱いみたいなのだ。
 案の定、「もこもこ・・・・・・・癒されそうだ・・・・・」と呟くグレイの黄水晶の瞳は、少し危ない方向に煌めいている気がする。
 例えるなら、そう。紅茶についてうっとりと語る時のブラッド=デュプレのように。


「なあ、チェシャ猫・・・・・・・」
「嫌だよ?」


 さっとファーを守るように抱きしめながら、ボリスは警戒した表情で少し後ろに下がる。
 会合のスーツ時に持っている黒いファーなら、百歩譲ってもまだいい・・・・・が、このピンクのファーは彼にとって必須アイテムだ。
 周りから「襟巻」呼ばわりされたり、「趣味が悪い」「持っている意味がわからない」だの散々な言われようだが・・・・・・・一応、これは彼にとってのチャームポイントみたいなものなのだ。
 そう簡単に他人に触らせたり、あげたりしたいものではない。


「少しでいいんだ。そのもこもこを・・・・・・・・・」
「い・や・だ・よ?」


 一言一言を強調させて、少し尻尾を逆立たせて威嚇する。
 完全に警戒されている態度に、ボリスに近づこうとしていたグレイの動きが止まる。
 ・・・・がっくりと肩を落として、なんだか悲愴感漂う空気を纏わせて。

「ちょ、え、トカゲ・・・・・・・さん?」
「いや、そう、か・・・・・・・そうだな。俺には触られたくないか。すまない・・・・・・無理を言ったな」
「って、え、いや、そんなこの世の終わりみたいな顔されても困るんだけど・・・・・・そ、そんなに落ち込むこと?」
「いや・・・・・・・いいんだ。気に、しないでくれ・・・・・」
「いやいやいや、気にするでしょ。さすがにそこまで絶望したって態度とられると、さすがの俺でも気にするよ!?」
「もこもこ・・・・・・・癒されると思ったのに・・・・・・・・もこもこ・・・・・・・・」

 ・・・・・・・・この少し後、ファーの端っこを至福の表情で触っているグレイと、完全に同情の視線を送っているボリスの姿が目撃されたとかされていないとか。

 ちなみにこんなやりとりの後、ボリスがナイトメアに「もっとトカゲさんを労わってあげなよ」とかなんとか忠告したそうだ。



VS双子

 もはやこの世界では日常茶飯事の、銃撃の音が森に響きわたる。
 そしてもうひとつ、キインと甲高い、鋭い刃物を思わせる金属音も。

「ボリスっ!!いい加減に観念して、そのもこもこ渡しなよ!!」
「そうだよそうだよ、タダで渡してくれたら、その尻尾をちょん切らないであげるからさ!!」
「ざっけんな、誰がお前らなんかに渡すかよ!!」

 斧やら銃やらを振りかざしながら、実に楽しそうにケンカ(いつものじゃれあい的な撃ち合いよりは本気度が高いので、ケンカだ)をしている猫と双子。
 ・・・・・危ないものを見ないことにすれば、ある意味微笑ましい光景が森で繰り広げられていた。
 そして今回3人がケンカをする原因となったのは、ボリスが常に持っており、滅多に貸出されないという例のピンクの巨大ファーだった。
 お昼寝のたびにさりげなくファーの一部を貸してもらい、べたべたと触ることも比較的許容されている双子が、何故今更になってボリスのファーを本気で手に入れにかかったかというと・・・・・・・

「あのファーをプレゼントしたら、お姉さんとっても喜ぶよね、兄弟」
「その通りだよ、兄弟。お姉さん、あれが欲しいって言ってたもんね」
「だ~か~ら~~!!いくらアリスにでも、これはそう簡単にあげられないのっ!!大体、アリス本人におねだりされるならともかく、お前らによこせとか言われてはいそうですかってやれるかってんだ」
「一個くらいいいじゃないか、大して減るものじゃないでしょ?」
「そうだそうだ、ボリスのケチ~~~け~ちけ~ち~~」
「明らかに減るだろーがっ!!あと、その言葉、ダムにだけは言われたくねえよ!!」

 と、まあ、きっかけは簡単で。
 どうやらボリスのファーが羨ましいだの欲しいだのをアリスが言っているのを聞いて、双子が自分たちの好感度UPの手段に使おうとボリスからファーを奪おうとしている、と・・・・・・傍から聞くと、わりとくだらない理由から始まったケンカだったりする。


「ついでに、耳と尻尾もちょん切ってあげるよ。僕、ちょうど前からその尻尾欲しいな~って思ってたし」
「うんうん、安心してボリス。友達のよしみで、そんなに痛くないようにきれ~いにスパッと斬ってあげるから♪」
「へっ、やれるもんならやってみろよ」


 にやりと互いに挑発的な笑みを浮かべ、対峙する。
 もうすでに三人の頭の中には、ファーのことはどうでもいい事項になっていた・・・・・・・・・

 子供のケンカなんて、そんなもの。



VSナイトメア

「なあ、チェシャ猫。時に相談なんだが・・・・・・・・・・・」
「絶対に嫌だ」
「ま、まだ何も言ってないじゃないか!君は私みたいに、心を読めはしないだろう?」
「言わなくても、心を読んだりしなくても、あんたが言いたいことはわかるんだよ。っとに似たもの上司部下だね・・・・・・・」

 心底嫌そうに顔を歪め、ボリスは自分のファーを守るようにしてナイトメアから距離をとる。
 確かにナイトメアはまだ何も言ってない・・・・・・・・が、明らかに視線がこのファーに向いていた。しかも、彼の部下をやや思い出させるような、好奇心とかそういったものに煌めいた目で。


「いいじゃないか。グレイには少し貸してやったんだろう?私にも少しくらい・・・・・・・・」
「トカゲさんはまだいいけど、あんただけはぜっっっっったいに嫌だ」


 落ち込んだところを見せられようがなにされようが、ナイトメアにだけは心底貸したくない。
 心の中の声までばっちり届いたらしく、目の前の夢魔は多大なショックを受けた顔をした。もともと顔色の悪い表情が、さらに青白くなる。

「なっ・・・・・・・グレイはよくて、どうして私はダメなんだ!?私は偉いんだぞ!すごいんだ!それなのに、部下はよくて私はダメだなんて・・・・・・・」
「何と言われようと、ダメなものはダメ。嫌なものは嫌」
「何故だ!!!」
「あんたが吐血するからだろーが」


 他に理由なんてない、とばかりにバッサリ言い捨てると、ナイトメアは途端に口ごもる。
 当たり前だ。誰だって大切にしているものに吐血されたら、気分が悪いに決まっている。いくら時間がたてば元に戻るとは言え、気分的に最悪だ。あんまり身につけたくなくなる。

「だ、大丈夫だ・・・・・・・・きっと、いや、多分・・・・・・・?」
「信用ならない」
「ううっ・・・・・ひどい・・・・・ああ、気分が悪くなってきた・・・・・・そのもふもふに埋まって眠りたい・・・・・ものすご~~く気分よく眠れそうだ・・・・・・・」
「・・・・・・・・てかさ、そんなにこれが欲しいんなら、自分で注文すればいいじゃん。俺のこれ、特注なんだし・・・・・・・夢魔さんは一応クローバーの塔の領主なんだし、それくらいできるだろ?」

 そう、ボリスにとってはそれが一番の疑問だった。
 守銭度のダムがいる双子に関してはわかる。あの二人は、自分達の給料を特注品に使うよりボリスから奪ったり借りたりした方が早い、という思考回路の持ち主だから特注品なんて作るわけがない。
 けれど、ナイトメアとか・・・・・・・あるいはグレイなどもそうだが、自分のファーを貸してほしいと頼む人達は、それなりの身分も給料も持ち合わせている役持ちだ。(アリスは別として)
 貸し渋る自分に頼むよりは、自分達で作って持ち歩けばいいのにとボリスとしては思うわけで。

「一応とはなんだ、一応とは!!私は正真正銘、クローバーの塔の主だ!!」
「あーはいはい。それで?注文するって言うなら、俺のオススメ教えるけど?」
「あー、いや・・・・・・・それは・・・・・・・」
「何、急に。誰かに借りるより、自分で作って持ってるほうが、思う存分堪能できるだろ?夢魔さんが自分で作ったものにだったら、吐血しようがなにしようが文句は言わないぜ?」
「い、いや・・・・・・・気持はありがたいが、その・・・・・・・・・・・ああ、そうだっ!!私は仕事があったんだ、そうだそうだ忘れていたぞ~私は仕事のできる上司だから忙しいんだ。というわけで、名残惜しいが今日のところはここでお別れだ、チェシャ猫」
「は、仕事?夢魔さんが?」
「次の機会にはぜひそのもふもふを貸してくれ!あ~忙しい忙しい!」

 あからさまに嘘っぽい言い訳だけ残し、あわただしく去っていくナイトメアを、ボリスは小首を傾げながら見送った。



 その後、クローバーの塔にて。

「・・・・・・・・・何故だ。全く同じ店で、全く同じものを作ったというのに・・・・・・・・なぜ、あそこまで魅力的な触り心地を感じないんだ!!」
「確かにもふもふして気持はいいですが・・・・・・・・チェシャ猫が持っている時と比べると、どうにもこう・・・・・・・・・触りたくなる欲求が薄くなってしまうんですよね」
「くっ・・・・・・・・・やはりヤツのもふもふは特別製なのか!?」

 もふもふの極彩ピンクのもふもふした物体を前に、難しい顔をしてナイトメアとグレイは黙りこむ。
 ・・・・・・・実はボリスに言われるまでもなく、すでにボリスと同じファーを彼らは作っていたのだ。あまりにもナイトメアが、あのもふもふにくるまって眠りたいと駄々をこねたために。
 だが、不思議なことに、届いたファーは全く同じものであるはずなのに、何かが決定的に足りないのだ。触り心地も何もかもいいはず・・・・・・・なのに、ボリスが持っているものと比べると、どこか違う。
 こう・・・・・・・・・思わず抱きついて、ぐしゃぐしゃにして顔を埋めてみたくなるような・・・・・・・・あのもふもふ感に欠けているのだ。


「これはやはり、アレではないでしょうか?・・・・・・・・他人の持っているものは、よく見えるとかいう」
「ううっ・・・・・・・やはり、ボリスが持っているファーでなければダメか・・・・・・・あれをいつか貸してもらえるまで、私は決してあきらめないぞ・・・・・・・!!」


 ひそかな(くだらない)野望に燃えるナイトメアと、何も知らずにいるボリス。

 もふもふを巡る争いは、まだまだ終わりそうもない・・・・・・・・



End.
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