スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←仁義なきファー争奪戦(クローバーの国、わいわい) →居場所(クローバーの国、グレアリ←ボリス)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
総もくじ  3kaku_s_L.png ネオロマ
総もくじ  3kaku_s_L.png QuinRose
総もくじ  3kaku_s_L.png オトメイト系
総もくじ  3kaku_s_L.png リジェ系
もくじ  3kaku_s_L.png その他
総もくじ  3kaku_s_L.png お題もの
  • 【仁義なきファー争奪戦(クローバーの国、わいわい)】へ
  • 【居場所(クローバーの国、グレアリ←ボリス)】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「ネオロマ」
遙かシリーズ

やっかいな恋敵~仮の兄と弟~(遙か3、VSもの)

 ←仁義なきファー争奪戦(クローバーの国、わいわい) →居場所(クローバーの国、グレアリ←ボリス)
 厄介な人間に気に入られたもんだよな、と将臣はつくづく自分の幼馴染を不憫に思う。
 高貴な身分で何事もそつなくこなせるくせに怠惰で、生死のやり取りができる瞬間にのみ楽しみを見出しているような、そんな危ないヤツ。
 他の何にも興味を持たず、執着もしないと思っていた、そんな男が・・・・・・・・・まさか、一人の女に興味を持つなんて誰が予想していただろう。


「よりにもよって・・・・・・・・・・だもんな」
「何の、話だ?」
「望美もお前なんかに気に入られるなんてツイてねえよな、って言ってるんだよ。ったく、無茶させやがって・・・・・・・・」


 ぶっきらぼうに言い放ちながら、将臣は横たわった望美の額に冷やした手ぬぐいを置いてやる。
 赤く火照った頬と少し早い呼吸に一瞬理性を奪われそうになるが、後ろの縁側の方でのんびりと酒を煽るそもそもの元凶の存在に手を大人しく引込めた。

「譲達のところに伝言を頼んどいたから、今日はこのままここで休ませるぞ」
「クッ。情けないことだ・・・・・・・・・あれしきで倒れるとはな。少々、買いかぶっていた、か?」

 いかにも期待はずれといった声音に、将臣はぎろりと知盛を睨みつける。
 容赦のない日差しが和らぎ、空はすでに茜色に染まっている。斜陽をあびて薄く朱色が差した銀色の髪を揺らしながら、切れ長の瞳が将臣に向けられた。

「いい瞳、だな。有川。何をそんなに怒っている?」
「当たり前だ!この炎天下の中、休憩も取らずに望美を延々とお前の手合わせに付き合わせやがって。日射病になって当たり前だ、とか考えもしなかったのかよ」
「そいつは、そんなにヤワな女じゃない、だろう?」
「ヤワだとかなんだとか関係ねえだろ!ったく・・・・・・・・・こんなことなら、もっと早めに帰ってくればよかったぜ」

 そう舌打ちし、将臣は労るように望美の髪をなでる。
 ここ数日、将臣達と望美は熊野の怪異を解決するために行動を共にしていた。本当は今日も一緒に行動するはずだったのだが、急遽来た福原からの使者への対応に追われ、将臣は朝から宿を留守にしていたのだ。
 用事を済ませた将臣は、外に出たついでにと一人で情報収集を済ませ、昼過ぎに宿へと戻ってきたのだが・・・・・・・・帰ってみると、汗だくでふらふらになっている望美とそれに対峙する知盛が、宿から少し離れた海岸で剣を合わせていた。
 急いでその場を止め、望美を休ませたもののどうにも体調が思わしくなく、宿の人に頼んで医者を呼んでもらった結果、日射病と診断され、今日はここで出歩かずに安静にするようにと告げられたというわけだ。



「知盛、言っておくことがある。今後一切、お前の勝手にこいつを巻き込むな」



 横たわる少女の頭を優しく、愛しさをこめてなでる手を止めぬまま、彼女を倒れさせた張本人に向けた言葉は微かに殺気を漂わせるほどの威圧感に満ちた声。
 誰もが思わずひるまずにはいられないほどの覇気が漂った将臣にさえ、知盛は面白そうに口もとを歪める。

「・・・・・・・・・・断る、と言ったら?」
「例えお前でも・・・・・・・・・・容赦はしねえ。もし望美に危害を加えると言うなら・・・・・・・・」
「クッ、兄上も異なことをおっしゃる。俺達とこのお嬢さんは、敵対する運命・・・・・・互いに傷つけあい戦うのが定め・・・・・・・・・・違うか?」
「っ・・・・・・・・・・!!?」

 本当は、お前も気づいているだろう?
 けだるげな、しかし誤魔化しを許さない紫の双眸が将臣を真っ直ぐ射抜く。

「俺からも、一つ言っておこう。俺とそのお嬢さんが剣をあわせる日は、遠くない未来にいずれ訪れる・・・・・・・・いずれかが死ぬ、命のやり取りだ」
「・・・・・・・・・・・」
「俺はそれを、楽しみにしている。俺がこの女に傷を刻み、この女が俺に傷を刻む・・・・・・・・実にぞくぞくする。あの熱いまなざしが向けられることも、何もかもが、だ」

 ゆっくりと腰をあげ、将臣とは反対側の枕元へと周りこむ。
 散らばった長い髪を一房すくいあげ、軽く口付けながら知盛は挑発的に笑った。その紫の目に宿る狂気に将臣の背筋がぞくりと震える。



「・・・・・・・・俺とこいつだけの、甘い時間を・・・・・・・・・・決して邪魔してくれるなよ?」



 邪魔をしたヤツは、誰であろうと切り捨てる、とさらりと言い放った男に寒気を覚える。
 愛を語るように陶然とした口調で、生死のやり取りを思いはせるような危険な相手。
 他の恋敵とは全く違った意味で厄介な、恐ろしく性質の悪い男が相手かと思うと将臣は天を仰いで勘弁してくれよと叫びたい気持ちになった。

「本当に厄介な男に目をつけられたよな・・・・・・・・望美も」
「クッ、ならば・・・・・・・・・お前は降りるか?」
「冗談!今さら諦められるような気持ちじゃないんでね。お前がそのつもりだって言うなら、俺は俺なりにお前からコイツを守ってみせるぜ」

 本当は、気づいている。
 守りたいと言いつつ、本当は傷つけなければいけない立場にいることを、将臣だって薄々は感づいている。見ないフリをしているだけで、何も言わないだけで。
 だから、この想いは矛盾しているのだろう。
 知盛のような狂気にも似た気持ちは、ある意味でこの複雑な関係の上で成り立つ気持ちとしては正しかったのかもしれない。


 ―――それでも、俺はお前を何からも守りたい。


 矛盾した立場で、将臣はそれでも望美の頭をなで続ける。
 握った手を離そうとはしない。今だけは、今、何も知らないフリをし続けることができる間だけは。
 俺は、お前を、傷つけない。





終わり





~おまけ~

「知盛・・・・・・・・言ったはずだよな?お前の勝手にこいつを巻き込むなって・・・・・・・」
「断る・・・・・・・・と俺も答えたはずだが?」
「いいからさっさと離れろ。べたべたと・・・・・・・・お前暑苦しいの苦手だろーがっ!!」
「ふん。すきんしっぷ、というやつだ。そうわめくなよ・・・・・・・・なあ?」
「てんめっ・・・・・・・・・・!!!」
「・・・・・・・・・どうでもいいけど、両側から引っ張らないでくれないかな?痛いんだけど」

 銀髪のクールビューティーと青髪の野生的な美男子に挟まれる、傍目から見れば随分と羨ましい光景。
 日差しの厳しい熊野にて、望美はしばらくこの暑苦しく迷惑な状況を味わうこととなるのだった。


関連記事
スポンサーサイト


総もくじ 3kaku_s_L.png ネオロマ
総もくじ 3kaku_s_L.png オトメイト系
総もくじ 3kaku_s_L.png リジェ系
総もくじ 3kaku_s_L.png お題もの
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
総もくじ  3kaku_s_L.png ネオロマ
総もくじ  3kaku_s_L.png QuinRose
総もくじ  3kaku_s_L.png オトメイト系
総もくじ  3kaku_s_L.png リジェ系
もくじ  3kaku_s_L.png その他
総もくじ  3kaku_s_L.png お題もの
  • 【仁義なきファー争奪戦(クローバーの国、わいわい)】へ
  • 【居場所(クローバーの国、グレアリ←ボリス)】へ
  • Tag List 
  •  * |

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【仁義なきファー争奪戦(クローバーの国、わいわい)】へ
  • 【居場所(クローバーの国、グレアリ←ボリス)】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。