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「ネオロマ」
遙かシリーズ

イメージカラー~Red~(遙か3、ヒノ望)

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「赤って警戒色なんだよね、そう言えば」
「危険?赤が?」

 独り言のつもりで呟いた言葉が、拾われる。どうやら隣にいたヒノエにしっかり聞こえていたらしい。
 夕焼けに照らされ、いつもより紅みを増したような瞳が、不思議そうに望美を覗き込んだ。

「そう。警戒心を刺激する色なんだって」
「ふうん・・・・・・・・・オレは危険かい?」

 にんまりと、何もかも理解したような笑みを浮かべたヒノエに腹が立つ。一を聞いて十を知る天才タイプ。人の機微に聡い彼には、望美の言いたいことはお見通しに違いない。
 そう、ヒノエほど赤が似合う人はいないと望美は思っている。
 色鮮やかな紅緋の髪と瞳を持ち、炎を持って白龍の神子を守る八葉。赤と言えばヒノエ、なんていう連想がポンと出てくるほどに。
 見透かされているような気恥ずかしさに、望美は返事の代わりに顔を背けた。


「ふふ、危険な男か。姫君から受ける評価としてはなかなかいいけど・・・・・ちょっと悲しいかな。オレはお前に対して、この上なく真剣に情熱的に接しているつもりだけど」


 からかうような調子から一変、寂しげに目を伏せながら呟くヒノエに、望美はうっと言葉に詰まる。
 妙に女慣れしているヒノエは、望美に対してもまるで口説いているような態度をとることが多い。本人曰く、「いや、だから口説いてるんだって」とのことだが、望美にはそれが信じられない。その気になればどんな女の子だって振り向かせることができそうなヒノエが、怨霊を封印できるという以外特別なところは何もない至って普通の少女に本気で惚れるわけがないと望美は思い込んでいた。
 だけどこんな風に寂しそうに言われたら。
 甘い言葉や「好きだよ」とか「本気だ」とか優しく囁かれたら。
 信じてしまいそうに、なる。

「そ、そういう嘘ばっかり言うからヒノエくんは危険なの!」
「・・・・・・・・・嘘、ねえ」
「そうでしょ?ヒノエくんが私を本気で好きだなんて・・・・・・・ありえないもの。思ってもいないのにそういう軽いことばっかり言ってると、本当に好きな人ができた時に誤解されちゃうよ?」

 違う。
 本当に危険なのは・・・・・・・怖いのは、ヒノエの言葉を信じてしまいそうな自分。
 赤を、ヒノエを、愛しいと感じるこの気持ち。

 望美はスカートの裾をぎゅっと両手で握り締めた。
 沈黙が重い。こんな時に限って、ヒノエは何も言ってくれない。



「・・・・・・・そうだよ。本気なんかじゃない」



 ようやく口を開いたヒノエの、怖いくらい淡々とした声に望美は肩を揺らした。
 やっぱりねなんて自嘲する気持ちと締め付けるような胸の痛みにうつむきかけた瞬間、ぐいっと強引に肩を引かれて顔を上げさせられる。
 次にはもう、何もかも焼き尽くす射抜くような紅い瞳に捕らわれ、望美は目を離すこともできずに息を飲んだ。



「・・・・・・・なんて、言うわけないだろ」



 怒ったような口調で、不機嫌そうに眉をよせるヒノエ。それは感情を直接的に表すことが珍しい彼の、初めて見る姿だった。
 強く肩を掴む手の熱さも、余裕そうに浮かべる微笑を消した表情も、紅く燃え上がったような真剣な瞳も・・・・・・・全てが「本気」を示しているようで。

「どうして伝わらない?信じてくれない?オレは望美が好きだよ。本気になったのは・・・・・・・・お前だけ」
「だ・・・・・・・から!!そういうのが・・・・・・・・・」

 言いかけた言葉が唐突に途切れる。
 目の前が紅一色に染め上げられ、柔らかい何かが言葉を紡ぐ手段を優しく奪ってやんわりと離れる。
 紅が視界から遠ざかる間際、この上なく愛しさをこめられた二文字が望美の耳に熱と共に注ぎ込まれ、それは静かに奥で木霊した。
 触れるだけのそれがキスだと気がついたのは、ヒノエが悪戯っぽく笑った後。

「嘘ばっかり」

 さっきの真剣な姿が嘘のような、けれどいつもより柔らかく笑ったヒノエは、固まったままの望美の頬を指で愛おしそうになぞった。



「伝わってないなんて、嘘つきだね。望美は」



 真っ赤だよ、と笑ったヒノエに顔を背けながら、やっぱり赤は警戒色だと望美は確信したのだった。





終わり
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