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「オトメイト系」
ワンドオブフォーチュン

道化師は狂気なる夢にて嗤う(ワンドEnd後妄想、アルル、死にネタ)

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 彼女の死が、俺の死。
 俺の死が、彼女の死。

 互いに刻まれた印は、俺を繋げる首輪であり、彼女を縛る鎖でもある。
 それは永遠の誓いであり、約束だった。

 ・・・・・・ああ、じゃあコレは俺のミスだね。
 「永遠」なんてありえないと知ってたのに、一瞬信じた俺が悪い。



「・・・・・・あいっかわらず、予想外のことしてくれるな、お前」

 乾いた笑いがこみ上げる。
 思い通りにならない突発的な彼女の言動は、いつだって俺を楽しませてくれたけど、これはちっとも面白くない。

「俺を楽しませてくれるんじゃなかったっけ?俺に向けて啖呵きってみせた、あの威勢はどうしたのさ。こんなに簡単に終わられると、つまらないんだけど。」

 ベッドに横たわったまま、もう二度と言葉を返すことのないルルを見つめる。
 最後まで繋がれたままだった俺とルルの手には、かつて二人を縛っていた証が感じられない。そこにあったはずの魔力はすでに失われ、彼女は俺を置いて一人で逝ってしまった。



 いつかオワリが来るだろうと知っていた。
 俺が飽きてしまって途中で強制終了させようとするか、それとも満足したまま最期の瞬間まで二人で共に生き続けるか。
 あるいは俺が先に死ぬのか、ルルが先に死ぬのか。
 どんな結末が訪れるかは常にわからなかったけれど、そのオワリの筋書きは変わらないだろうと知らずのうちに思っていた。「二人が死ぬまで共に」という、バカな夢に浸る恋人にありがちな妄想は、俺達に限っては真実であり現実だった。

 だから、この印が互いの絆となって数年後。
 ルルが病気を患って、もう助からないってわかった時。


 ああ、これで終わるのかと少し愉しみでもあったんだ。


 思っていたよりもあっという間だったけれど、それでもルルと過ごした数年間は悪くなかった。
 たまに日常に退屈を感じることもなかったとは言えないけれど、ルルとの時間を捨ててまで自由を得ようと思うほどには飽きなかったし、彼女は数年経っても変わらずに楽しい存在だったから。一緒に運命を共にするのも悪くないと、思えた。
 ルルと生きる今の人生を捨てるのがもったいないように思う気持ちは確かにあったけれど、俺は目に見えて近くなった「オワリ」の結末に胸が躍った。
 ルルの心臓がその音を止める時、俺の心臓も音を止める。
 それはひどく甘い幻想。

 その瞬間は、決して誰の介入をも許さない、俺とルルだけのもの。

 だけどそれを断ち切ったのは他でもない、ルル自身だった。
 あいつはまさに命が消えるその瞬間、自分が数年前に俺に付けた首輪を力づくで引き離した。俺に首輪をつけた、あの時と同じように。
 本当にこれじゃあお笑い種だ。
 信じてはいけないと知っていたのに、彼女と俺を繋ぐ「永遠」だけは違うと思い込んでいた。変わらないものはないと知っていたはずなのに、俺達が迎える結末は変わらないと信じていた。
 その油断が、この結末を招いた。
 俺はルルが、そんなバカな真似をすることを止めることができなかった。

 彼女がまさに一人で呼吸を止めようというその時に、感じたのは激しい怒り。・・・・・・怒り、以外に名前を知らない。湧き上がる、どうしようもない感情のことなんて。例えばそれが本当は「悲しみ」なんて名前なのだとしても、俺は認めてあげない。悲しんでなんて、やるつもりはない。あんな勝手な女のこと。
 ふざけるな、と怒鳴る俺にあいつは笑った。
 これでアルバロは自由だから、と泣きそうな顔で笑った。


 そして最期に、ごめんねと微笑んだ。





 今、目の前に横たわるルルは満足そうに、幸せな夢を見ているみたいな表情をしている。
 そっと触れた頬は冷たい。
 繋いだままの手だけ、まだ少し温もりを残していたけれど、それがいずれ消えてしまうことは知っている。何度も人を殺してきた。人の死がどんなものか、俺は普通よりもずっとよくわかっている。


 なのに、俺は生きている。

 それがおかしい。
 あっちゃいけないことだ。


「・・・・・・なあ、ルル。お前、本気でこんなことを俺が望んでいるとでも思ってたのか?」


 そうだとしたら、がっかりだ。
 命を繋ぐ刻印から俺を解放することが、俺の自由と幸せに繋がるのだとでも、あいつは本気で思っていたんだとしたら、正直失望する。結局、あいつは何も見えていなかったってことだ。
 壊れた玩具に用はない、とルルの亡骸に背を向けて、新しい生活を始めるのは確かに簡単なことだ。
 ルルを忘れて生きることも、多分簡単なことだ。


 ・・・・・・だけど残念なことに。

「お前がいない世界は、ありえないほど退屈なんだよね」


 ルルがいなくなった瞬間、色が消えた世界。
 ここにはもう、あいつがいた時ほど面白いものは何もない。つまらなくて、くだらない、飽き飽きするほど平坦な世界に生きていたいとは思わない。



 ごめんね、なんて言われて。俺が素直に許すようなヤツだと思った?



 笑って、冷たくなったルルの唇にキスを落とす。
 残念だけど、今回は思い通りになってやらない。俺を突き放したところで無駄だって、たっぷりと思い知らせてやるよ。


 俺の命はルルのもので、ルルの命は俺のもの。
 この世の誰にも真似できない絆だったし、断ち切ることの許されない鎖だった。
 だから誰にも、ルルにさえ、邪魔はさせない。



「仕方ないから認めてやるよ・・・・・・愛してる、ルル」



 死んで自由になろうと思えなくなるほど、私のことを好きになってとルルは言った。
 じゃあ今度は、俺の番。
 死んでも離れたくないと思うほど、俺に捕らわれてしまえばいい。



 ―――死んだところで、離してあげない。





道化師は狂気なる夢にて嗤う。





End.
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