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「ネオロマ」
遙かシリーズ

Sweet Valentine~ver.M~(遙か3迷宮エンド後、将望)

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 大切な人から「特別」をもらいたいって思うのは、当然だろ?


 今は2月上旬。行事ごとには疎いし興味も薄い俺でさえ、街を歩いていてもテレビを見ていてもとにかく目に入ってくる『バレンタイン』の文字に、もうそんな時期かと納得する。
 チョコが欲しいと嘆いている奴には悪いが、俺は正直そんなにバレンタインを楽しみにしていない。てか、むしろ面倒だ。
 できるだけ断っているが、どうしてもと押し切られたり、いつの間にか机やゲタ箱に入れられている分はどうしようもない。まさか捨てるわけにもいかないし、毎年家に持ち帰るけれど・・・・・・・・・そうしたチョコの量は、譲とあわせると相当な数にのぼる。見るだけで気が滅入って、毎年この季節だけはしばらくチョコを食べたくなくなる。
 他にも1日に何度も呼び出しを受けたり、告白を断って泣かれたり・・・・・・・・とバレンタインには正直、あまりいい思い出もない。

 何よりバレンタインで憂鬱なのは、望美のチョコだ。

 望美は料理が苦手なくせに、毎年はりきって手作りのチョコを作っては、見事に失敗した作品をバツの悪そうな顔で持ってくる。
 とは言っても、別にそれが問題じゃない。
 確かに味はまずいが、他のクラスメイトとかには市販のチョコをあげる望美が唯一手作りチョコをくれるのが俺達というのは、結構嬉しいものがあるし、心がこもっているのはよくわかるからな。

 問題は、それをもらえるのが「俺達」ということだ。

 俺達・・・・・・・・つまり、俺と譲。


 幼馴染としての付き合いを始めて、もうかれこれ十数年。
 何より大切だと思える女が毎年くれるチョコは、俺と譲まったく同じ。


 それが俺には面白くなかった。
 今年こそは望美から特別なチョコをもらえるかもしれない・・・・・なんて淡く期待しては、いびつな形の手作りチョコを渡されて彼女に気づかれないところでガックリと肩を落とす。・・・・・・・・まあ俺も譲も告白してないから、仕方ないといえばそうなんだけど。
 望美が選んでくれる日を待っていたというか、幼馴染の関係を壊したくなかったというか。
 自業自得だとわかってはいても、やっぱり不満なわけだ。
 望美が特別に選んでくれないことも、特別になれないことも。
 そうやって期待して願いは脆くも崩れ去って、ちょっと拗ねた気持ちになって。
 それでもこりずに、期待してしまう自分がいる。
 特に今年の期待はいつもより大きい。迷宮での一件が終わり、無事に異世界の奴らを向こうに帰してからと言うもの、俺と望美の距離は随分縮まったように思える。
 告白はしていないものの、俺のあいつへの気持ちは異世界に飛ばされた後じゃ言葉にできないほど大きくてかけがえないものになった。あいつも・・・・・・何処となく、だけど俺に向ける視線が幼馴染としてのものだけじゃなくなったように思う。

 今年こそは・・・・・・・あいつから特別な気持ちをもらえるかもしれない。

 ・・・・・・・とは言ったものの。
 相手は自分のことにはとんと鈍いうえ、恋愛に関すると変なところでオクテな部分がある望美だ。ただ期待して待っているだけじゃ、いつもと同じ結果になりかねない。

「いい加減、待つだけって言うのにも焦れてきたところだし・・・・・・・・・」

 俺のほうからも動くとしますかね。



「望美、今年は俺と譲のチョコ、違うのにしろよ」
「ええええ!!!??なんで!!??」

 マジメに困った顔をしているところから察するに、どうやらコイツは今年も俺と譲のチョコをおそろいにしようと考えていたらしい。
 あぶねーあぶねー・・・・・・・先手打っといてよかたぜ。

「・・・・・・・・あのな、いつまでも弟と同じチョコもらって、嬉しいと思ってんのか?」

 かなり本気の言葉が出たが、その深い意味に気がついていないのか、望美は「うううう・・・・・・・・そうかなあ、そういうものかなあ・・・・・・・」と首を傾げている。
 ・・・・・・・頼むから誰かコイツに男心の複雑さって奴を叩き込んでやってくれ。

「でも、どうしていきなりそんなこと言うの?」
「いきなりなんかじゃねえよ。俺は前から譲とおそろいのチョコが嫌だった」
「え~~~なんでよ。いいじゃない、弟なんだし!!」
「弟だから、だよ」

 不平そうに眉をよせる望美にグッと顔を近づける。
 そのまま細い腰に手を回し、引き寄せてしまえば簡単にキスできそうな距離でも、望美は距離を置こうとはしない。
 ・・・・・・・・これは信頼されてると考えるべきか、男として意識されていないと思うべきか。

「弟だからこそ、おそろいも負けるのも嫌なんだよ。アイツとは違う特別が欲しいんだ」

 あまりにも真剣に言った俺の姿に驚いたのか、望美はゆっくりと瞬きをして。

「どうして?」

 そう聞いた。その頬は気のせいだろうか、少し赤くなっている。


「・・・・・・・お前が14日に『特別』をくれたら、教えてやるよ」





 そうきたか・・・・・・・・・・
 バレンタイン当日、俺はがくりと肩を落とした。
 今年の期待が大きかった分、落ち込み具合とショックもでかい。
 俺の手には簡素なラッピングが施された譲と同じ手作りチョコ・・・・・・・ではなく、有名な菓子店のマークが入った、丁寧なラッピングの高級チョコの詰め合わせ。
 さすがにコレを渡された時は唖然とした。
 そんなわけないとわかってて、「お前が作ったのか?」とか問いかけてしまったほど。

『だって譲くんとは違う特別なチョコが欲しいって言うから・・・・・・・・てっきり、私の手作りじゃ嫌なのかな~って思って』

 どこをどうすれば、そんな方向の違う解釈ができるんだよ!!とツッコミをいれなかった自分を褒めてやりたい。
 望美を攻めたって仕方ないとはわかってる・・・・・・・・わかってはいるが、マジであのニブさはどうにかしてほしいと切実に願う。確かに俺も遠まわしすぎたかもしれないが、せめてもうちょっと・・・・・・・こっちの気持ちを察してほしかった。

「・・・・・・・・・・・・はあ・・・・・・・・・」

 深い溜息をついて、ベッドの上にごろんと横たわる。もらったチョコは床に無造作に放り投げた。
 こんなことになるくらいなら、譲とおそろいでもいいから手作りをもらえた方がまだいい。買ったものをもらうのは、いくら高い店のものだからと言っても、望美の中での俺の認識が『その他大勢』に格下げされたような気がして嫌だった。

「・・・・・・・・・結局、あれも無駄になっちまったな」

 机の上で出番を待っていた小さなピンクの袋は、その役目を果たさないまま結局終わりを迎えようとしている。
 もう外は夕陽がかげり、もうすぐ夜になろうという時間だ。
 はあ~~~~ともう一度溜息をついた瞬間、微かな振動音がして携帯がメールの着信を知らせた。気のないまま手を伸ばし、差出人を見れば。

「・・・・・・・・・・望美?」

 それは今、俺をとことん落ち込ませている張本人からだった。



 今、会えないかな?
 そんなメールに促されて家の外に出れば、ちょうど望美も自分の家から出てくるのが見えた。俺を見た途端、嬉しそうに走りよってくる姿を見ると、やっぱり好きなんだよなと思ってしまう。結構重症だ。

「ゴメンね、突然」
「いや別に。で、何か用か?わざわざ呼び出したりして・・・・・・・・」

 ただの用事だったら、メールか電話で済むことだ。それをわざわざ2月の夕暮れ時の寒い時間帯に外へ呼び出すくらいだから・・・・・・・それなりの用事があるということだろう。

「あ~~~~~えっと・・・・・・・・・・将臣くんって、チョコ嫌い・・・・・・・だよね?」
「そんなに好きじゃねえな。少しだったら全然いいけど、あんまりたくさんは食いたいと思わねえ」
「・・・・・・・・・だよねえ」

 がっくりとどこか気落ちしたような感じの望美に首を傾げれば、彼女は何でもないとばかりに慌てて笑う。
 が、俺は気がついてしまった。
 望美が後ろでにもっている、ぶきっちょにラッピングされてある袋に。

「それ・・・・・・・・・?」
「え、あ、こ、これは・・・・・・・・いや、あの余っちゃって!!ほ、ほら。いつも将臣くんと譲くんの分をまとめて作っちゃってたから、つい癖で作りすぎちゃって!!で、私が持ってても仕方ないし・・・・・・・将臣くん食べないかな~?って思ったんだけど・・・・・・・・うん、嫌いならいいんだ!!無理して食べない方がいいよ、あんまりおいしくないし!!」

 それだけ言って、「それじゃ!」とばかりに逃げようとする望美を捕まえる。
 ひょいと腕を伸ばして持っていた袋を取り上げると、望美は慌てて取り戻そうとしてきたが、あいにく背丈は俺のほうが高いので取り返されるヘマなんてしない。

「ちょ、返してっ!!」
「これ、もともとは俺のなんだろ?じゃ、も~らい」
「な、何言ってるのよ!!だってチョコ嫌いって・・・・・・・・」
「多すぎるのが嫌だつってんだよ」
「だから多すぎるでしょ~!!私、将臣くんにさっきチョコあげた・・・・・・・・」
「俺はこっちの方がいいんだよ」

 顔を近づけてキッパリと言い切ってやれば、勢いに押されたのか、チョコを取り返そうと飛び跳ねていた望美が大人しくなる。
 相変わらず納得のいかなそうな表情をしているが、どことなく困惑といった感じも見られた。

「・・・・・・・・・・だって、譲くんとおそろい嫌なんでしょ?」
「嫌っつーか・・・・・・・・でもお前から手作りもらえない方がもっと嫌だな」
「何でよ?私のお菓子、あんまりおいしくないじゃない。将臣くんだって毎年のように何だかんだと文句つけてたし・・・・・・・・・だから将臣くん、譲くんとおそろいで、私の手作り食べるのが嫌だったのかなって・・・・・・・・思ったのに」

 拗ねたような顔で告げられた言葉に、望美が俺の言葉を間違って考えてしまった理由に思い当たる。
 あ~まあ、確かに・・・・・・・・それは俺の日ごろの行いが原因だったかもしれない。
 ほんのからかいのつもりで言ってたんだが、どうやら幼馴染は結構気にしていたらしい。そしてトドメに、あんな遠まわしな言葉で『特別』が欲しいなんていえば・・・・・・・この男心に鈍いヤツが、誤解するのも無理はなかったか。

(・・・・・・・・・やっぱ、望美にはちゃんと言うしかないんだよな)

 覚悟を決めて、上着のポケットに手をつっこむ。
 とっさに持ってきてしまったけど、その行動はどうやら正解だったみたいだ。

「望美、ちょっと手を出せ」

 その言葉に不思議そうにしながらも、望美は大人しく手を差し出す。そこにちょこんとピンクの袋を乗せてやれば、望美は目を丸くした。

「なに・・・・・・・・・?」
「俺からのバレンタイン。手作りクッキー」
「手作りクッキー・・・・・・・・・って、えええええええええええ!!!!!!!????????将臣くんが作ったの!!??」
「そ。初めて作ったから、そんなデキはよくないが・・・・・・・・気持ちはこめたつもりだぜ?」
「なななな、なんで!!??どして!!??」

 面白いくらい慌てだす望美は、急いでピンクの袋を開けて中を確認している。
 譲や両親に奇異の眼差しで見られつつ作ったそれは、薄かったり焦げていたりしているのもあるが・・・・・・・・それなりに形になった、クッキーだ。

「だってバレンタインは、女が男にチョコあげる日だ・・・・・なんて言ってるの、日本くらいのもんなんだろ?他の国では男が女にプレゼントあげたって何の不思議もないし、それが普通だっていうのが多いらしいし」
「そ、そうだけど・・・・・・・・・・作ったの?本当に?将臣くんが?」
「お前も相当疑い深いな・・・・・・・・そうだって言ってるだろ」
「だってキッチンにいる将臣くんが想像つかない・・・・・・・・」
「悪かったな・・・・・・・・ったく、人が折角真剣に想いこめたって言うのに・・・・・・・」

 そうぼやいた途端、望美がパッと顔をあげる。
 なんだか驚いたような顔だったが、段々それが赤く染まっていく。さすがの天然も、今日が何の日かを考えれば・・・・・・・・俺が言おうとしていることに勘付いたらしい。
 ・・・・・・・・・・それは嬉しいことなんだが、照れられるとなんつーか・・・・・・・・・俺も気恥ずかしくなってくる。

「あ~~~~~~~~~~その、なんだ・・・・・・・・・・」

 ガシガシと頭をかいて、らしくない緊張した気分を振り払う。

 言うんだ。俺は言うって決めたんだ。
 はっきりと、真っ直ぐに、偽りのない気持ちを伝えるって。



「俺は、春日望美が好きだ」



 『特別』を求めるなら、自分からも動かなきゃ何も始まらない。
 ただじっと待ってるだけなんて、俺には性にあわない。



「お前のこと・・・・・・・・・・世界の誰より、愛してる」



 かあっとゆでタコみたいになった望美との距離を縮める。
 幼馴染よりもずっと近い、ずっと踏み出せなかった一線を越える。


「返事は、望美?」


 途端、抱きつかれて・・・・・・・そして小さくアイツが呟いた言葉。
 それが答えで、なによりも『特別』な贈り物。





終わり
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