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「QuinRose」
アリスシリーズ

人の気も、しらないで(クローバーの国、ボリアリ)

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 ケンカ、した。
 最悪だ。自己嫌悪に吐き気がする。ボリスは何も悪くなかった。ただ勝手に、私が、イライラして・・・・・・ああ、最悪すぎる。やつあたりだなんて。

(怒ってる、わよね・・・・・・・)

 そんなの当たり前だ。心配してくれたボリスに対して冷たい言葉を投げつけた挙句、半ば強引に部屋から追い出してしまった。
 理由はよくわからない。漠然とした不安に押しつぶされそうだった。たまに、こんな気持ちに襲われる。私がこの世界を選んだその時から、どうしようもなく付きまとう疑念。
 自分が「ここ」にいることが、とんでもない罪であるかのような。
 わからなくて、イライラして・・・・・・今日はそれが特にひどかった。ボリスは落ち込んでいる私を心配してくれただけだったのに、その心配な顔さえ腹立たしくて・・・・・・・やつあたりを、してしまった。

 きっとボリスは呆れてる。
 意味がわからないって怒ってる。
 もしかしたら、嫌われたかもしれない。

 ふっと誰かに呼ばれたような気がして、顔をあげる。ボリスを追い出したきり、私はベッドの隅に膝を抱えてうつむいたままだった。
 昼だった時間帯は、すっかり暗くなっている。今、どれだけ過ぎたのだろう。わからない。
 薄暗い部屋の中、ひっそりと佇むドアを見つめる。このドアは、いつも私を呼ぶ不気味なドアじゃないけれど、何故だかこのドアに呼ばれたような気がした。
 ひきつけられるように立ち上がり、そっとドアノブに手をかける。キイッと微かな音を立てて開くその先に、おそるおそる顔を出すと、そこは森へと通じていた。
 ボリスが繋げてくれた、森への入り口。夜の少しひんやりとした風と共に、森独特の土っぽい匂いがふんわりと入り込む。


「あ、アリス」


 突然かけられた声に、びくりと震える。とっさにドアを閉めようとしたが、それよりも早く目の前に夜にも鮮やかなピンク色が飛び出してきて、それを阻止する。
 精一杯がんばってはみたけれど、猫耳生やしていようが全身ピンクだろうが、ボリスは立派な人間の男だ。力で私が敵うはずもない。あっという間にドアは開かれ、ボリスに腕をつかまれた。

「・・・・・・・・っ、離してよ!」
「嫌だよ。俺、ここでずーっと待ってたんだぜ。アリスがなかなか開けてくれないからさ。もう待ちくたびれちゃった」
「待ってた?何で待つ必要あるのよ、私があんたを部屋から追い出した理由忘れたわけ?しばらく顔を見たくないから出てけ、って言ったのよ!?」
「うん、だから大人しく外で待ってたんだよ。アリスが自分から出てきてくれるまで・・・・・・・・俺に、会いたくなってくれるまで、待ってたんだ」

 俺、偉い猫だろ?だから、褒めて褒めて。
 そう言って無邪気に笑うボリスには、怒りなんてどこにも見えない。
 さっき理不尽に私に怒られて、何が何だかわからないって顔のまま追い出されたっていうのに。ボリスは嬉しそうに私にすりつく。いつもと変わらない態度で、喉を鳴らして甘えて。

 そうだ、猫ってこういう生き物だった。
 人の気も知らないで、いつだって人の心にするりと入りこんで、何事もなかったかのように甘えて・・・・・・

「・・・・・・アリス、俺はさ、アリスが俺のこと嫌いでも好きなまんまで・・・・・・あんたが俺にどんな態度をとっても、それでも手離すことなんて絶対できないんだ。飽きたりしない。猫って飽きっぽいはずなのに、あんたのことは飽きる気がしない。むしろ、一緒にいるほど好きになっていって、なんか自分でもちょっと怖いくらいだ」

 だから、とボリスは微笑む。
 少しだけ冷たい指先が、私の頬をそっと拭う。

「あんたは、何にも悪くないんだよ。俺が好きであんたの隣にいるだけ。あんたの傍から離れないのも、あんたを待つのも、全部俺の我儘だから・・・・・・怒られたって、なんだって、俺はいつだってあんたの近くにいるよ。もう、そう決めたんだ」

 自分が泣いていると、そこで初めて気がついた。
 気がついた途端、どうしようもなく零れ落ちる。不安や苛立ちが、ボリスへの悔しさに押し出され、涙と一緒に胸の中から消えていく・・・・・・そんな感じ。

(ひとの気も、しらないで・・・・・・・このバカ猫、むかつく・・・・・・・)

 許してほしくないのに、許される。
 私に甘えているようで、ボリスは私を甘やかす。
 何事もなかった顔で、醜い私をなかったことにして、いつもと同じ優しさで。

 私はそんなこと、望んでいないのに。

(・・・・・・やつあたりして、ごめんね・・・・・・・・・)

 彼はいつだって、私の気もしらないで、私を救ってくれるのだ。





End.
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