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「ネオロマ」
遙かシリーズ

デートの終わり(遙か3、ヒノ望)

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「え!?今日ヒノエくん、宿に帰らないの!?」

 思わず素っ頓狂な声をあげて傍らを歩くヒノエを見上げる。
 もうすぐ夏も終わろうかという時期の熊野。
 熊野別当=ヒノエだという事実を望美が知り、熊野水軍の中立とヒノエ個人による源氏への協力が約束された数日後のこと。
 熊野を出る旅支度にそれぞれが終われる中、望美はヒノエと買出しに出かけた。本当は数人もついてくる予定だったのだが、ヒノエがうまいこと言いくるめて結局二人きりとなったのだ。

 彼おすすめの店で必要なものや頼まれたものを買い揃え、おいしいお団子をごちそうになった。おまけにたまたま目にはいった櫛を望美が気に入ったことに気がつき、「今日のお礼」という名目で買ってくれたのだ。
 初めは悪いからという理由で断った望美も、「オレは望美に似あうと思ったから買ったんだ。お前がもらわなきゃ意味ないだろう?」などと言いくるめられ、最後は嬉しそうに微笑んでそれを受け取った。


 そんなデートみたいな時間の終わり、長いことお世話になっている勝浦の宿に帰る途中。


 ヒノエが言った言葉に、てっきり一緒に宿まで戻ると思っていた望美は驚きと残念さを隠せなかった。





 思った以上に残念そうな響きになったことに気が付いたのか、ヒノエは申し訳なさそうに眉をよせて肩をすくめてみせる。
 どこかその表情が、望美と負けず劣らず残念そうに見えるのは、目の錯覚だろうか。

「さすがに今回は随分と長く留守にすることになりそうだから、ちょっと野暮用を片付けてこようかと思ってね。まあ、すぐに終わらせて明日の出発前には戻ってくるからさ。残りの連中には、適当に言っておいてよ」
「ああ、そっか。そうだよね・・・・・・・」

 唐突に思い出した現実に、望美は小さく頷く。
 本当だったら彼は、熊野を離れるわけにいかないはずの人物。自分達と一緒に来てくれると、個人としてなら協力すると言ってくれたことに浮かれて忘れていたけれど、一番巻き込んではいけない人を望美は巻き込んでしまったのかもしれない。
 おそらく今、何よりも忙しいのはヒノエに違いない。留守の間のことやら問題が発生した時の対処だとかに追われているはずだ。
 そういえば最近、宿にいないことが多かったなと今さらながらに思い出す。
 今日の買出しだって、本当は無理していたのかもしれない。断りたかったのかもしれない。途中で帰りたかったのかもしれない。

(・・・・・なのに私、デートみたいだなんて喜んで、はしゃいで・・・・・・)

 なにやってるんだろう、なんて気持ちが湧き上がる。
 望美がいよいよ落ち込みかけたその時、タイミングよくヒノエの言葉がふってきた。

「あ、そうそう。別に他の女のところなんか行かないから、安心していいよ」

 脈絡のない言葉に、は?という表情で望美は顔をあげる。
 視線のあったヒノエはいつもの余裕しゃくしゃくと言った笑みを浮かべていたが、瞳に映る光が悪戯っぽいものを帯びていた。


「あれ?オレが浮気すると思って、妬いてくれたんじゃないの?」
「やっ・・・・・・!?別に妬いたりしないわよ!!」
「何だ、妬いてくれないの?他の女のところに行ってるって疑われるのも心外だけど、ちっとも心配してくれないっていうのも寂しいものだね。今はお前だけしか目にはいってないって言うのに」
「はいはいはいはい!!もう、勝手に言っててください!!」


 腹立たしいほどいつも通りのヒノエに、一人であれこれ心配していたのがバカらしく思え、望美はわざと拗ねたふりで顔をそむけて見せる。
 くすくすと笑う声が横から聞こえたけれど、それも無視して横を向いたまま歩き出す。が、そんな彼女を細いながらもたくましい腕が軽く引き、あっという間に空いていた望美の片手をつかんだ。

「ちゃんと前向いてないと転ぶよ?」

 手を握られたことに焦って振り向いたその先に、緋色の優しい視線とぶつかる。
 あまりにも真っ直ぐな瞳に、さっきまで感じていた罪悪感が少しだけ蘇り、謝罪の言葉が自然と溢れそうになった。けれど望美の唇がそれを紡ぐ前に、ヒノエの指が軽く押しとどめた。



「オレはお前と出かけられて楽しかったよ。こんな幸せな時間の終わりには、もっと嬉しくなる言葉が聞きたいね」



 そう言った彼の視線が、望美と繋いでいない方の手に注がれる。
 大事に握られているのは、今日ヒノエに買ってもらった櫛が入った木箱。
 望美もそれを見つめ、少しだけ迷うように顔を下に向ける。が、次の瞬間には明るい笑顔で顔をあげた。

「・・・・・・・・・・・ヒノエくん、今日は楽しかったよ。ありがとう」
「どういたしまして。オレもサイコーに楽しかったよ」

 よくできました、というように笑った彼の笑顔もまた、とても明るいものだった。





 宿にたどり着いた時、すでに夕陽は傾きかけていた。
 あれからずっと繋いでいた手を離し、望美はヒノエと向かいあう。離れた手が少しだけ寂しく感じるのは、涼しい空気に触れたからだろうか。

「ここでいいよ。荷物結構軽いし、一人で持てるから」
「いや、中まで送っていくよ」
「大丈夫、これくらい。それより早く行った方がいいよ。部下の人待たせちゃ悪いでしょ?」

 口ではそう言いつつ、まだ話していたいという気持ちが湧き上がる。
 明日の朝また会えるとわかっているのに。これからまた、彼と一緒に旅できると知っているのに。

 ―――なんだか無性に寂しい。


「えっと・・・・・・今日はありがとう。楽しかった」


 また明日ね。


 そう笑って言えば、彼はきっと笑い返して、また明日って背を向けるんだろう。
 そうするべきだとわかっている。わかっているのに、うまく言えない。

(私、いつからこんなに寂しがり屋になったんだろう?)

 ギュッと一度だけ唇をかみ締め、大事に持っていた櫛の箱をそっとなでる。
 言うんだ、ちゃんと笑って。自分勝手な寂しさで、彼を困らせてはいけない。



「また・・・・・・・・・・・」



 明日、と続くはずの言葉が途切れる。

 風のように一瞬だけ触れ、すぐに離れた温もり。
 頬に与えられた熱はじわじわとそこから浸透して、望美はたちまち顔全体を真っ赤に染めた。


「ヒノエくっ・・・・・・・!?」
「そんな寂しくてたまらないって顔してるから、だよ。姫君は本当にかわいいね」


 そう笑った彼は、だけど少しだけ寂しそうで。


「明日会えるってわかってるのに、寂しいものだね。でも仕方ない。今夜、夢枕で会いに行くからさ。オレを想っていてくれよな」


 それじゃ、と名残惜しそうに去っていくヒノエを見送った後、望美はその場で頬を抑えたまましゃがみこんだ。
 顔が熱くて、とても宿で帰りを待っている仲間達に顔を見せられない。

「本当に夢にヒノエくんが出てきそうだよ・・・・・!!」

 恨めしそうに、けどどこか嬉しそうな声は、すっかり暮れた熊野の空に消えていった。





終わり
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