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「リジェ系」
剣が君

褒の草紙~左京~(左香、幸エンド後)

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※これは各キャラの攻略後に見られるご褒美スチルから管理人が妄想したお話です。




 あたたかくて、きもちいい。

 ふわふわとした意識の中で、頭をなでる優しい感触に口元が緩む。なんだかとてもいい気分だ。ずっと浸っていたくなるくらいに。
 口元に柔らかくて少し冷たいものが触れたのをきっかけに、少しだけ肌寒さを覚えて体を丸める。何も考えないでいた頭が急速に覚醒し始めるのを感じて、ひとつ息を吐いた。重い瞼をそのままに、香夜は自分が眠る前までのことを思い出す。
 確か、そう。左京に会いにきたのだ。江戸で寺子屋を開くという夢のために頑張っている彼は、ここ最近も忙しく動き回っている。少しでも応援したいと、差し入れに好物の香の物を届けに来て。けれど忙しそうだったから、出直そうと思ったら、左京にあがって待っていてほしいと言われて。そして……そして?
 わずかな気だるさと心地良い微睡を手放す口惜しさを振り払って、瞼を開く。二回、三回と瞬きを繰り返せば、ぼんやりとした景色は明確さを取り戻した。


「ああ、目が覚めましたか?」


 寝起きすぐの香夜の目に、真っ先に飛び込んできたのは、すぐ近くにある見慣れた顔。見慣れても思わず見惚れるほどに綺麗な……恋人の、顔。

「さ、さささささ左京さん!?」
「おや、どうかしたのですか、そんなに慌てて。ああ、いけませんよ、急に起き上がっては。体に悪いです」

 反射的に飛び起きた香夜を心配する口調で、けれど表情は実に楽しそうな笑みを浮かべ、左京は寝そべったまま微笑んだ。
 状況を把握しようと、香夜はあたりを見渡す。外はうっかり眠ってしまう前と同じで、まだ明るい。よく晴れた青空が覗く窓の向こう、満開に咲いた桜が見えた。飛び起きた勢いでずり落ちた、覚えのない打掛を手繰り寄せる。僅かに香った匂いは、左京がよく身にまとっている香りと同じものだった。

「……もしかしなくとも、私、転寝してしまいましたか?」
「ええ、それはもうぐっすりと。起こすのも忍びなくなるほどに、気持ちよさそうな寝顔でしたよ」
「お、起こしてください!恥ずかしいです……」
「おや。今更恥ずかしがることもないでしょう?私は、あなたの寝顔をもう何度となく見ているというのに。もっとも、明るいところで、こんなにじっくりと見つめるのは、初めてかもしれませんが」

 少し含んだような調子で笑う左京を、思わず恨めしげに睨む。赤くなった顔を見られまいと、手にした打掛に口元を埋めた。
 婚約した仲とは言え、意中の相手に寝顔を、しかもこんな昼間から見られるのは、女子として恥ずかしいものがある。相手が物語の姫君とはかくや、と思わせるほどの美しい顔立ちをしている左京である分、尚のこと。みっともなく口を開けて寝ていなかったか、何か寝言でも口走っていなかったか。考えれば考えるほど、不安になってくる。

「……香夜さん、こちらへ」

 くいっと手にしていた打掛が軽く引かれる感覚に、香夜は隠していた顔を上げる。紅色の双眸が優しく、どこかねだるように香夜を映す。見上げる視線に、胸がひとつ高鳴った。

「もっと、こちらへ。これではあなたを抱きしめて眠ることができないではありませんか」
「だ、抱きしめ……!?何を言い出すんですか!」
「私もなんだか眠くなってしまいまして。折角ですから、ともに午睡を楽しむとしませんか?あなたをこの腕に抱きしめて眠れば、とても幸せな夢を見られるような気がするのです」

 ね?と小首を傾げられてしまえば、香夜の気持ちはぐらぐらと揺れる。左京がこんな風に甘えるような素振りを見せるなんて、とても珍しい。
 こんな昼間から眠いだなんて、もしかしたら疲れているのかもしれない。そんな風に考え出すと、羞恥心なんてさしたる問題ではない気がしてくるから不思議だ。
 少し悩んだ後、香夜は恐る恐る左京の方へと体を動かした。伸ばされた手に誘われるまま、左京の隣へと身を横たえる。ぎゅっと背中に回された腕が、香夜の体をしっかりと抱きこんだ。

「あなたは温かいですね」
「さ、左京さんだって温かいです」

 すぐ目の前にある胸板に、香夜の心臓は落ち着かない音を奏でる。
 けれどそれほど緊張しないのは、そっと頭を撫でてくれる手が優しいからだろう。二度、三度と。あやすように香夜の髪を梳く手は、不思議なほどに安心感を与えてくれる。
 ドキドキするのに、安心する。そんな不思議な感覚、香夜は左京と出会って、初めて知ったものだ。

「……やっぱり、さっきのは左京さんだったんですね」
「え?」
「私が寝ている時、頭を撫でてもらったような気がしたんです。すごく気持ち良くて……、しあわせだなって、思ったんです」

 ぎゅっと、目の前の着物を幼子のように握りしめる。彼の身分を考えれば、本来ならこんな風に過ごすことはできなかっただろう。でも、左京はここにいる。香夜が手を伸ばせば触れられる場所にいて、いつだって会えて、心を通わせて。

 それはとても、幸せなことだ。

 頭を撫でていた手が止まったことに気が付いて、香夜は左京の方を見上げる。至近距離で見つめた彼の顔は、どこか困惑したような、どういう表情をすればいいのかわからないといったような。……それでいて、耳元まで赤くなっていて。

「左京さん?」
「……いえ。私も、しあわせ、ですよ」

 どこかたどたどしく紡がれた言葉と共に、左京の顔が近づいた。
 唇に落とされた感触は、やわらかくて、少し冷たい。目を閉じる余裕もないまま、ぽかんと目を瞬かせる香夜に、緋色の穏やかな瞳がゆっくりと細められた。

「おや、こちらの方に覚えはありませんでしたか?それならば、あなたが思い出すまで、何度も繰り返しましょうか」
「え?え、え?」

 戸惑う間にも、もう一度と口付けが交わされる。二回目の唇は、先ほどより僅かに温かい。
 脳裏に浮かぶのは、先ほどの眠りから香夜を引き上げた唇に触れた冷たい柔らかさ。まさか、という思いに目を丸くすると、正解だと言わんばかりの楽しそうな笑顔を返された。

「次は、あなたが起きている時にしようと思っていたのです。先ほどはあまりにも香夜さんの寝顔が愛らしく、我慢できずに触れてしまいましたが……。ですが、もう我慢する必要はありませんね?」

 顔を赤くしてぱくぱくと口を動かす香夜に、左京はとても綺麗な表情を形作ってみせる。
 いつの間にか押し倒されるような体制になっていると気が付いたけれど、時すでに遅し。大切な宝物に触れるように、左京の手が香夜の頬をなぞった。


「愛しています。あなたがこうして、私の傍にいてくれる。ただそれだけのことが、こんなにも……幸福なのです」


 心底嬉しそうにそんなことを囁かれてしまえば、もう拒むだなんてできるわけがない。
 近づいた左京に手を伸ばして。その唇を、彼女の方から引き寄せた。





終わり
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