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「QuinRose」
アリスシリーズ

Chocolate Kiss(クローバーの国、ボリアリ)

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 たっぷりとした茶色の液体が入った鍋をアリスはじっと見つめる。
 むせ返る様な甘い匂いと湯気が漂って、緑の森をゆったりと覆っていくような、そんな錯覚に陥る。それほどまでに、目の前のチョコレートフォンデュからは甘ったるい香りが漂っている。

「どうしよう・・・・・・・・」

 少しばかり絶望した口調で、アリスは小さく呟いた。
 たまたま、店の発注ミスとかでおすそ分けしてもらったチョコレート。一人で食べるには少し多いからと、職場の宿から鍋や食材を分けてもらい、いつものごとく森にいる恋人とフォンデュを味わおうかなんて思って準備して持ってきたまではよかった。
 が、ここにきてアリスはあることに気が付いてしまったのだ。今更、本当に今更なことに。


「猫って・・・・・・・・・・チョコレート食べさせちゃいけないんじゃなかったかしら・・・・・・・」


 アリス自身、くだらないことに思い当ってしまったものだと思っている。普通の猫や犬にチョコレートを与えると、中毒症状を起こすことがあるというのはよく聞く話だ。クリスマスやそういったイベントごとでの残飯をペットに与えてしまい、ペットが死んだり病気になったりしてしまった例をいくつも聞く。・・・・・・・が、それがボリスに当てはまるかどうかは謎だ。
 なにせ彼は自称「猫」だし、実際の行動も、触り心地のいい耳や尻尾も、確かに猫といって間違いはないのだけれど・・・・・・・・外見はどう見ても人間だ。少なくともチョコレートを食べたくらいで死にそうなタイプには見えない。実際、彼は何度もアリスが作ったチョコレートフォンデュに口をつけているが、今でもピンピンしている。
 だから多分心配のないことだろうが・・・・・・・・一度気になってしまうと、どうにも不安になる。実はチョコレートフォンデュを食べた次の時間帯とかに体調を崩しているんじゃないか、とか。
 あの猫は憎たらしいほどに、怪我とか体調不良といった類を隠すのは得意なのだ。

「ピアス・・・・・・・は大丈夫そうよね。ネズミだし」

 普段一緒にフォンデュの鍋を囲む、もう一人の住人を思い出す。
 彼に関しては心配いらないと断言できるのだけれど。なにせ、チョコレートフォンデュにチーズをつけて食べようとか言いだすネズミだ。しかも普段、彼が「食事」と言ってはばからないものは大量のお菓子・・・・・・・別の意味で心配だが、とりあえずピアスが今さらチョコレートくらいで体調を崩すことはないはずだ。


「今回はピアスにあげちゃおうかしら・・・・・・・」
「ピアスがどうしたって?」


 聞きなれた声に驚くより早く、するりと背後から回された腕に抱きしめられる。
 柔らかくて気持ちのいいピンク色のもふもふを視界に入れ、アリスはなんとか首を動かして後ろを軽く睨んだ。予想と違わず、そこには金色の猫の目。少しばかり不機嫌そうに口を尖らせたボリスの顔が間近にあった。

「ボリス、気配なく近づかないでよ。驚くじゃない」
「だってアリス、なんかずっと難しい顔して考えてるからさ。ちょっと驚かせてやろうかな~って思ったのに・・・・・・・・よりにもよってさあ」
「なによ?」
「・・・・・・・・・・・ピアスが、なに?」

 すうっと猫の瞳孔が開く。威嚇する時の瞳が向けられたことに気がつき、アリスは少し固まった。
 こういうときのボリスは下手な嘘や言い逃れを絶対に許してくれない。そんなことをすれば、不機嫌ど真ん中にいる彼をさらに怒らせることになる。
 観念したように溜息をひとつつき、アリスは正直に言葉を口にした。

「チョコレートフォンデュ作ってきたんだけど、ちょっと思い出したことがあって・・・・・・・・・」
「思い出したこと?」
「猫って、チョコレート食べちゃダメじゃない?」
「は?」

 そんなことを言われると思ってなかったのか、アリスを囲っていた腕から力が抜ける。
 その隙に少し体を動かすと、呆気にとられたような表情のボリスと視線があった。

「・・・・・・・今さらじゃね?」
「うるさいわね、私だってそう思うわよ。だけど気になっちゃったら、なんかいろいろ心配になって・・・・・・・・だから、今回はピアスに全部あげちゃおうかなって思ったのよ」

 言ってるうちに恥ずかしくなり、言葉がどんどん尻すぼみになっていく。
 なんだか物珍しいものを見るようなボリスの視線がいたたまれず、アリスは下を向いた。ひどくバカなことを言ってしまったという意識が一気に湧き上がり、穴を掘って埋まってしまいたい気分になる。


「・・・・・・・・・アリスって、相変わらずカワイイよね」


 心底嬉しそうな呟きに顔を上げるのと、ボリスがチョコレートフォンデュの鍋に手を伸ばすのはほぼ同時だった。
 男のくせに綺麗で、それでも少し節ばった人差し指が、チョコレートの中に沈む。するりと指で掬ったチョコレートを、ゆっくりと、ボリスは自らの口に運んだ。

 ボリスの唇の中に、指が消える。

 ちゅっと小さく音を立ててチョコレートを吸い上げ、指に残った残滓を赤い舌で舐めあげる。

 ゆっくりと、見せつけるようなその行動に、アリスは思わず赤面した。
 自分の指でされたわけでもなんでもないのに、心臓がやたらとばくばくし、ボリスの一挙一動から目が離せなくなってしまう。自分の行動が人からどう見えているかを知っているのかいないのか、おそらくは前者なような気もするが、一通りチョコレートをなめ終わったボリスは悪戯っぽく笑って満足そうに頷いた。


「うん、おいしい。やっぱりアリスは料理が上手だね」
「え!?あ、ありがと・・・・・・・・」
「こんなにおいしいものをあのネズミにだけやるなんて、やっぱり許せないよ。そんなことされたら、本気でネズミを食いたくなっちゃうぜ・・・・・・・・・まあ、俺はそれでも全然かまわないんだけど」


 そう言いながら、また鍋の中へと指を入れ、掬いあげたチョコレートを口へと運ぶ。
 普段なら「行儀悪いことしない!」なんて言ったりするところだけれど、アリスは何も言うことができないでいた。何か口を挟んではいけないような、目を奪われて言葉を忘れてしまうような、そんな雰囲気に圧倒されてしまった。

「ぼ、ボリス・・・・・・・・・」
「ん~?」
「・・・・・・・・わかったから、それ、やめて」
「何を?」

 なんとか口にした言葉も、くすくすと笑いながら問い返される。チョコレートのついた指をくわえながら、上目づかいで見つめてくるボリスに、確信犯な行動だと悟った。

「~~~~~~~~~っ!!からかったわね!!」
「ははっ、怒らないでよ。だってアリスがあんまりにも可愛いこと言ってくれるからさ。手料理をピアスにだけあげようとか考えていたことへのお仕置きも含めて、ちょっと意趣返ししただけだって」
「可愛いことなんて言ってないわよ。あんたがチョコレート食べられるのか、とかすっごく今さらなこと言っただけじゃない。本当・・・・・・・・・・今さらだし、バカげてる質問よね」
「可愛いよ。だって、俺のこと心配してくれたんだろ?」

 確かに心配はした。猫なのに、チョコレートを食べてもいいのか、とか・・・・・・・今までそのことに気を留めずにボリスに差し入れしていたけれど、実は迷惑なものもあったんじゃないか、とか。
 でもそんなに、嬉しそうに言われることじゃないのに、とアリスは気恥ずかしい気持ちになった。
 ボリスは本当に嬉しそうに笑っている。アリスに心配されたことが嬉しいと、表情で尻尾で声で、語っている。


「俺さ、アリスが俺のことを心配してくれるのが嬉しいんだ。本当はあんまり不安にさせたくないなって思うけど・・・・・・・・・でも、嬉しい。アリスが俺のこと気にかけてくれるのが嬉しい」


 そう言って、笑う顔を愛しいと思ってしまう。
 猫だからとか、心配だからとか、そんな言い訳を抜きにして、ボリスのことが好きだと・・・・・・・・アリスはいつも思い知らされるのだ。
 ちょっとだけ悔しくて・・・・・・・・でも幸せ、なんて思えるくらい。
 恋なんて、面倒で疲れるものだったはずなのに。

「・・・・・・・・・・チョコレート、本当に大丈夫なのね?」
「もちろん。俺、強い猫だから」
「そう」

 もう一度だけ確認をし、アリスはチョコレートフォンデュの鍋に人差し指を浸した。ボリスがしたのと同じ行動。違うのは、その指を自らの口ではなく、ボリスの口元へと近づけたこと。
 甘い芳香を放つ茶色の液体を目の前に持ってこられ、ボリスは少し驚いたようにアリスとチョコレートを掬う白い指を交互に見つめていた。



「じゃあ、食べて」
「・・・・・・・・・・アリス?」
「あんたのために作ってきたんだから、ちゃんと食べてよ」



 少しばかり上目づかいで、微笑んでみせる。
 さっき、思わず見惚れてしまったボリスの行動と、自分を恋へと引きずりこんでくれたこの愛しい恋人へ・・・・・・・・今度は、アリスからの精一杯の仕返し。
 赤くなったその顔に満足する。困惑したような、普段より少し幼い表情に幸せな気分になる。

「あんたって本当に・・・・・・・・・時々、悪女みたいだよね」
「あら、嫌?」
「まさか」

 差し出していた手を取られる。そのまま口に運ぶのかと思いきや、チョコレートのついた指先は意外にもアリス自身の口元に運ばれた。
 自分の指が唇に触れる感触。口元に生暖かい感触と甘い匂いが広がる。
 それと同時に顔が近付けられ、不敵な笑みで眼前が埋め尽くされる。



「大歓迎♪」



 どうせ食べるなら、こっちで食べさせて。なんて可愛らしくねだってみせて。
 ボリスの舌が、そっとアリスの唇をチョコレートごと舐めあげた。

 そのまま深められたキスの味は、いつもよりずっと濃厚で甘い、チョコレートの味がした。





End.
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