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「QuinRose」
アリスシリーズ(パラレル設定)

May and December 前編(小学生×高校生ネタ、ボリアリ)

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 肌寒さが混じり始めた季節の夕暮れ。
 次々と下校する制服姿の高校生達の波の中、校門の前に小さな影がひとつ立っていた。

 背中には黒のランドセル、まだ幼い顔立ちと小さな体。やや場違いな姿に、通り過ぎる生徒達はひそひそと言葉を交わし、あるいは興味深そうな眼差しを向けていく。が、少年はそれらをまったく気にした様子はない。退屈そうな表情で空を見上げ、たまに校舎のあたりを見つめては、そわそわと体を動かす。その繰り返しだ。
 やがて、昇降口から現れたひとりの女子生徒が、正門の前にいる少年に気が付いて、慌てた様子で駆け寄る。
 その姿を見つけ、退屈そうだった少年の顔も、パッと輝いた。

「・・・・・・ボリス!?何しているのよ、こんなところで」
「お、やっと来た来た!アリス~~~~~~~!!」

 無邪気に両手を振り、少年は駆け寄ってきた女生徒に抱きつく。小さな腕を精一杯回し、腰のあたりにぎゅうぎゅうと抱きつく少年に、彼女は少し困った表情を浮かべながらも、その頭をそっと片手で撫でた。
 一見すると年の離れた姉と弟の微笑ましいやり取りに、通りすがる生徒達も少し表情を和らげる。
 べたべたと女生徒に甘える少年は、思わず周りも見惚れるほどの可愛らしい笑顔を浮かべて小首を傾げた。


「アリス、デートしようぜ、デート!恋人同士の定番だろ?」


 ・・・・・・その瞬間、衝撃に見開かれた下校中の全生徒の視線が、一斉にこの二人に突き刺さったのは、言うまでもない。




 これはいたって普通の、なんの面白みのないお話だ。
 ある幼い少年が、近所のお姉さんに恋をした。いわゆる、少年の淡い初恋。微笑ましいばかりの、けれど実にありふれた出来事だ。

 少年の名前は、ボリス。
 ごくごく平凡な、6歳の小学一年生の男の子。

 ・・・・・・ごくごく平凡な小学生が、ショッキングピンクの派手な髪色をしているのかとか、完全に日本風な学校設定なのに名前がカタカナなのはどうしてだ帰国子女かとか、そんな野暮なツッコミをしてはいけない。
 ちなみに脳内で、この少年に猫耳がついているような想像をしている貴方は、即刻その耳についてのツッコミを心の中から消し去っていただきたい。猫耳については、触れてはいけない領域である。

 そして彼が恋をしているお姉さんが、アリス。
 近所に住む幼馴染で、18歳の高校三年生。彼が幼い頃から一緒に遊んだりと面倒を見てくれる、これまたどこにでもいそうな普通の女子高生である。

 子供の頃のよくある一時的な憧れ、と誰もが言うけれど、当のボリス本人はいたって本気だ。物心ついた時にはすでにアリスのことを好きで、事あるごとにその思いを伝え続けてはや6年。
 悲しいかな、その幼気な初恋は、年の差ゆえまったくもって本気にされず、ボリスの片思い状態が続いている。


「最近は日が暮れるの早くなってきたんだから、寄り道してちゃ駄目でしょ。家族が心配するわよ?」
「おっさんは別に心配しないと思うけど。ほーにんしゅぎ、ってやつ?なあなあ、せっかくなんだからデート・・・・・・」
しません。寄り道はダメよ、規則なんだから。それにそのデートって・・・・・・何のテレビ番組見たの、まったく。そういうのは本当に好きな人ができてから言うものよ」

 しっかりと手を繋いで、ボリスとアリスは夕暮れ道を歩く。
 彼女の温もりを感じられて嬉しいと思う反面、不満な気持ちにもなる。自分より大きな手だとか、見上げなければいけない身長差だとか、車側から守るように歩道側を自然と歩かされる立ち位置だとか。子供ながらにアリスを「男として守りたい」と思っているボリスからしてみれば、そのどれもが自分の幼さを実感させられて、とても悔しくなるのだ。

「・・・・・・俺が好きなのは、アリスだけだ」
「はいはい、ありがとう」
「むっ・・・・・・ちっとも本気にしてないだろ!本気なんだからな!アリスは俺のお嫁さんになるんだ!」
「はいはいはい。そう言ってもらえて嬉しいわよ。私もボリスが好きよ?」
「・・・・・・嘘っぽい」

 適当に言葉を返されている雰囲気に、ボリスは小さく唇を尖らせた。
 アリスがボリスを「好き」と言うこと自体は嘘じゃないだろうが、おそらくそれはボリスと同じ気持ちじゃない。恋だの愛だの難しいことは正直まだよくわからない年頃の彼だが、それくらいの違いならば感じ取れる。
 ・・・・・・これが、例えば同い年くらいの男からの言葉だったなら。きっとアリスは、もうちょっと本気で考えて返事を出してくれたはずだ。

「嘘じゃないわよ。ボリスのことは、ちゃんと好きよ」
「・・・・・・でも最近遊んでくれないよね」
「あー・・・・・・そう、かしら?」
「そうだよ!やっぱり俺のこと、好きじゃないんだろ・・・・・・」

 わざと大げさに拗ねた声音を出してみれば、アリスが少し焦る様子が繋いだ手から伝わってくる。
 ずるいかもしれないが、これくらい可愛い意趣返しだろうとボリスは内心舌を出す。子供子供とアリスは思っているようだけれど、その「子供」な部分を利用する程度には悪知恵を働かせるようになったということに、きっと彼女はまだ知らない。拗ねたり甘えたりは、子供の特権。まだ6歳だからと言って、打算的な部分くらいはボリスだって持っている。


「最近アリスが全然一緒に遊んでくれないから・・・・・・俺、今日こそ一緒に遊ぼうと思って、迎えに行ったのに・・・・・・遊んでよ、アリス」


 手を繋ぐアリスの腕にぎゅっと抱きつくようにして、上目遣いで見上げる。オプションは悲しそうな表情と、高めの甘え声。
 短いようで実は長い片思いの果て、幼いながらも身に付けた自然に見えるおねだりの方法だ。これが意外と生真面目で融通のきかない年上の幼馴染に効果があることを、ボリスはよく理解している。
 案の定、アリスは少しだけ迷ったように視線を泳がせた挙句、仕方ないという風にひとつ頷いた。

「わかったわ。そう言えば最近、全然遊んであげられなかったものね」
「じゃあ・・・・・・!」
「でも今日は駄目。もう遅いし、ほら、家に着いちゃうもの」
「ええ~~~~~」

 前方に見えた家の灯りに、ボリスは恨めしそうな声をあげる。
 途端に歩く足取りが遅くなる彼に、そっと優しい手が伸ばされた。

「明日、小テストがあるんでしょ?それでいい点数が取れたら、次の土曜日は一日遊んであげる」
「!本当に!?」
「ええ、約束」

 差し出された小指に同じく小指を絡め、ボリスは照れた笑顔を浮かべる。屈んで視線を合わせてくれるアリスが嬉しくて、近くなったその頬に手を伸ばす。
 そのままちゅっと頬に唇を寄せれば、アリスは驚いたような困ったような表情を浮かべて溜息を吐いた。

「もう。またそういうことを・・・・・・」
「いいじゃん。いつものまた明日、のキスだよ」

 悪びれずにそう言って、ボリスは繋いでいた手をパッと離す。ほんの少しだけ寒くなった右手に寂しさを感じたけれど、それを振り払うようにアリスに手を振った。
 手を振りかえしてくれる姿に背を向け、家へと飛び込む。少年の頭の中は、次の土曜日に何をして遊ぼうかということで、もういっぱいだった。




 翌日の放課後。高校の正門前には、前日同様、ランドセルを背負ったままで立っているボリスの姿があった。
 その手には、しっかりと折りたたまれたテスト用紙が握られている。100点の赤文字が誇らしげに輝くテスト結果に、ボリスの表情はとても明るい。昨日よりもそわそわと落ち着かない態度で、校舎のあたりを見やってアリスを待っていた。
 これで約束通り、アリスと一日遊べるのかと思うと、いてもたってもいられなかった。一番に見せたくて、一番にアリスに褒めてもらいたくて、昨日寄り道はダメだと注意されたばかりなことも忘れて、高校まで来てしまったのだ。

 ボリスがわくわくと胸を躍らせていると、不意にひとつの影が目の前で足を止めた。
 顔を上げたボリスの視線に、ひどく不機嫌そうな表情の男子生徒が映る。眼鏡の奥、神経質そうな瞳が、不愉快なものを見るような目で、ボリスを真っ直ぐに見下ろしていた。

「・・・・・・君ですか。アリスの幼馴染とかいう子供は。こんなところまで来るだなんて、厚かましいにも程がありますね。これだから馬鹿な子供は嫌いなんですよ」
「・・・・・・誰、あんた」

 向けられる冷たい言葉に怯んだ様子もなく、負けじとボリスもじろりと睨み返す。アリスの前ではできるだけ大人しく振る舞っているが、ボリスの根っこは意外とケンカっ早い性格だ。相手が自分より年上だろうがなんだろうが、大人しく虐められているような性格はしていない。
 生意気な目ですね、と男は鼻で笑うと、眼鏡を片手で押し上げる。制服を見るに、アリスと同じ高校の生徒のようだが、ボリスには見覚えのない男だ。恐ろしいほど美形だが、神経質そうな態度やすべてを見下したような口調が腹立たしい。好きになれそうにもないタイプだった。

「あなたごときに名乗る義理はありませんが、いいでしょう。僕はペーター。アリスの恋人です」
「・・・・・・は?」

 ぽかんと口を開けるボリスに、ペーターと名乗った男はふふんと笑ってみせる。その頭に長いお耳でもついていたのなら、きっとぴくぴくと自慢げに動いていただろう。・・・・・・実際には、ウサギ耳など見えいないし、仮に見えていても見えないことにしたけれど。

「アリスの、恋人?」
「そうですとも!僕とアリスはそれはそれは深い愛で結びついた、いわば運命の恋人!!ああ、アリス、僕の愛しい人。気高くも可憐で美しく、そして優しい・・・・・・そんな彼女の優しさをいいことに、どこぞの馬鹿な子供がアリスを困らせているなんて・・・・・・僕には許せません」

 再び向けられた冷たい視線に、今度はさすがのボリスも小さく肩を震わせた。
 自分より年上で背も高い男に威圧されたからではない。アリスの恋人、というその言葉が、とてもとても大きなものとして自分の目の前に現れているような、そんな錯覚に囚われたのだ。


「単刀直入に言いましょう。金輪際、アリスに近寄らないでください。あなたのせいで、アリスが今、どれだけ苦しんでいるのか・・・・・・わからないでしょう?」


 無感情に言い捨てられた言葉に、ゆっくりと瞳を瞬かせる。
 アリスに近寄るな?アリスが苦しんでいる?・・・・・・俺の、せいで?文字が頭の上っ面を撫でて通り過ぎていく。
 何も言葉を返すこともできずにいるボリスに、ペーターは容赦なく言葉を続けた。

「アリスは今、高校三年。大学受験を控えた大事な時期なんです。それをお気楽な子供が、自分勝手に遊んで遊んでなどとまとわりついて・・・・・・知っていました?アリスは近頃、成績が少し落ちてしまったんですよ。今のままじゃ志望校にとてもじゃないけれど合格できないと、とても落ち込んでいました。睡眠時間を削って勉強したりと、大分無茶もしているようです。それなのに・・・・・・」

 深い溜息を吐いて切られた言葉の先は、ボリスにも理解できた。
 そんなこと、少しも知らなかった。考えてみれば、アリスの学校での話なんてほとんど聞いたことがない。アリスがどう思って、今どんな悩みを抱えているのか、彼女から教えてもらったことはない。
 いつもボリスの話ばかりで、ボリスが楽しいと思うことばかりで。それ以外のことを、知ろうとしていなかった。

「アリスは優しいですから、それでもあなたを突き放さないのでしょう。成績が落ちたのは自分の自業自得だと言い張って、あなたみたいな子供を責めたりしない。我侭だって叶えようとする。だから、僕が言いましょう。あなたは、アリスの邪魔をしているんですよ。アリスを困らせているだけだ。子供だからと言って、許されることではない。アリスのことを思うなら、これ以上アリスの邪魔をしないでください」

 言いたいことだけ言い捨てて、さっさと踵を返してペーターは校舎へと戻っていく。
 取り残されたボリスは、のろのろと足元に視線を落とした。
 くしゃりと小さな音に、握ったままのテスト用紙を思い出す。いつの間に力を込めていたのか、白い用紙はひどい皺がよっていた。


「・・・・・・アリスの、邪魔・・・・・・」


 ぽつりと呟いた幼い声は、無感情に夕焼けの地面に落ちた。




 May and December couple:年の差カップル。
 例文の中に潜んでいた単語に、ぴたりと手が止まる。瞬時に思い浮かんだ年下の幼馴染の笑顔を慌てて振り払い、アリスは問題集から顔を上げた。
 集中力がぷつりと途切れた気分だ。ひとつ大きく伸びをして、視線を窓の方にやる。カーテンのさらに向こう、隣家に住んでいるボリスは、まだ起きているだろうかと不意に気になった。

(・・・・・・いやいやいや、何を意識しているの、私。今日ちょっとボリスに会っていないからって、気にしすぎよ)

 ぶんぶんと勢いよく頭を振り、アリスはもう一度問題集に視線を落とす。が、先ほど集中力を途絶えさせた原因の単語に意識が行ってしまい、どうにも落ち着かない気分になる。
 それもこれもボリスのせいだ、と責任を幼馴染に押し付けてみる。
 例え幼い子供の一時的な憧れだとわかっているはずなのに、ああも毎日毎日「好き」だの「お嫁さんにする」だの言われていれば、なんだか本当にその気になってしまいそうになるのだから恐ろしい。半ば暗示に近いんじゃないだろうか、と心底思ってしまう。

 ふと頬に触れる温もりを思い出して、アリスの顔が無意識に赤くなる。
 ほとんど日常になるほど繰り返された、頬へのキス。おはよう、おやすみ、また明日、ありがとう。いろいろな意味合いを込めて、ボリスは何かとアリスにキスをしたがる。しゃがんでしゃがんでとねだられて、可愛らしくちゅっとキスを贈られること自体は、アリスだって嫌いじゃないし微笑ましいと思っている。
 ・・・・・・問題なのは、近頃、なんだかボリスからキスをされた時、たまにどきりとしてしまう自分がいるということだ。

(相手は子供子供子供・・・・・・12歳差とか、ありえないから)

 勘違いしそうになる感情に、何度も何度も言い聞かせる。
 世間一般では、この単語のように「年の差カップル」だの「愛に年齢は関係ない」だの、お綺麗なキャッチフレーズが我が物顔ではびこっているけれど、実際にはそう簡単なものでもないだろうと思う。小学生相手に恋をするだなんて、そんな事態になったら間違いなくアリスは変質者扱いだ。


「そもそも、ボリスが私のことそういう意味で好きになるとは思えないしね・・・・・・」


 集中を取り戻すことは早々に諦め、ぱたりと問題集を閉じる。溜息と同時に胸のわだかまりを吐き出すと、少しだけ頭の中が冷静になったような気がした。
 例え本当にアリスがボリスを「恋愛」として意識しているのだとしても、ボリスは違うだろう。彼は恋愛を知るには幼すぎるし、どちらかと言うとボリスの向ける「好き」は家族愛に似ているのだと思う。

 ボリスは、いわゆる養子として引き取られた子供だとアリスは聞いていた。
 本当の両親がどうなったのかは知らないが、まだ彼が赤ん坊の頃に、アリスの隣家に引き取られてきたのだ。ボリスもそれは知っているようだったが、悲壮感もなく、当たり前のように受け入れていた。
 初めは同情だったのかもしれない。本当の家族がいない小さなボリスが可哀想で、なんだかんだと面倒をみてあげたい気持ちになった。姉妹ばかりの境遇で、弟ができたような気分になって嬉しかったからというのもあるかもしれない。

 実の姉のような気持ちで、ボリスに接してきた。
 無邪気に慕ってくれる彼が可愛くて、頼られることが嬉しくて・・・・・・少なからず、アリス自身も救われていた。向けられる好意の視線が心地良くて、自分が必要とされている実感が湧いて、特別になったような、そんな気持ちになれた。

 だからきっと、ボリスの「好き」は、恋愛感情なんかじゃない。
 感謝と憧れ、そして向けられる優しさへの甘え。子供だからこその、もっと綺麗な感情だ。


 ぐるぐると回る考えを頭の隅に追いやり、アリスはそっとカーテンから外を覗く。
 可愛らしい幼馴染が住む家は、灯りが消えて真っ暗だ。いつもならこの時間には誰かしらいるはずなのに、と小さく首を傾げる。もしかして家族そろって出掛けているのかもしれないが、何となく不安感が拭えない。

(心配しすぎかしら・・・・・・でも、ちょっと様子を見に行くくらいなら)

 立ち上がって、上着を手に取る。普段ならここまで心配しないが、今日は少し気になることがあった。
 ボリスは頭のいい子だ。昨日約束したとおり、小テストでいい点をとるくらい、おそらく何の問題もないだろう。それならそれとして、ボリスの性格上、すぐにでもアリスのところに来るはずだ。昨日注意されたからと言って大人しく待っていることはできないだろうし、きっと自慢げに高校の正門で、誇らしげにアリスが出てくるのを待っているに違いない。

 それなのに、放課後、予想していたボリスの姿はなかった。

 テストの結果が悪かったのかとも思ったが、家に帰って隣家の様子を覗ってみる限り、そもそもボリスや他の人間が帰ってきている雰囲気もない。
 第一、ボリスは毎日ほぼ一度は必ずとアリスと顔を合わせる。顔を合わせる用事がなくても、夜になると隣家の窓から顔を出して、アリスの名前を呼ぶのだ。近所迷惑よという言葉も気にせず、嬉しそうにアリスの顔をみて、「おやすみ」と挨拶をしてくる。
 それなのに今日は、まだ一度もボリスの顔を見ていない。それが妙に不安になった。

(まさか帰り道で誘拐された、とか・・・・・・事故に遭ったわけじゃないわよね?でもこの時間になっても誰も帰ってきていないだなんて、本当に何かあったのかも・・・・・・)

 膨らむ悪い妄想を振り払い、アリスはやや足早に家を出る。
 近くで見上げた隣家は、やはり人の気配が感じられない。しんとした家の前で、チャイムを押そうと指をのばしかけたアリスは、ふと郵便受けから飛び出している紙に気が付いた。

 急いで入れたのだろうか。紙はところどころくしゃくしゃに皺ができていて、乱暴に折りたたまれていた。
 悪いと思ったのは一瞬で、アリスはその紙を郵便受けから取り出す。
 恐る恐るその紙を開いたアリスは、そこに殴り書きされた文字に小さく息を飲んだ。


「・・・・・・ボリス?」


 ぎゅっと手元の紙を握りしめ、アリスは俯く。
 そして顔を上げると同時に、夜道を急いで駆け出した。





To be continued・・・
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