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「QuinRose」
アリスシリーズ

Honeymoon+ ver.Extra(過去ペーパー、おもちゃ箱・収監エンド後、ジョカアリ)

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「おかえりなさい!ご飯にする?お風呂にする?それとも、わ、私!?」

 ひとつの牢の前でジョーカーが足を止めるのと、半ばケンカを売るような口調でそんな言葉が響き渡ったのは、ほぼ同時だった。
 予想外すぎる出迎えの言葉に、看守姿のジョーカーは目を軽く見開く。牢の中でぽつりと座る少女の目が、彼をじっと睨みつけていた。
 シンとした沈黙が、監獄に落ちる。元々壊れた玩具の音くらいしかない場所だ。先ほどの台詞がかなり大きく響いた分、次いで訪れた静けさは気まずくなるほどには重い。
 その静けさに耐え切れなくなったのは、少女の方だった。

「な、何とか言いなさいよ!黙られると、恥ずかしいの我慢して言った私が馬鹿みたいでしょう!?」
「……お前、何か悪いモンでも食ったか?」
「開口一番にそれ!?というか、その心底憐れむような視線止めてよね!あああああもう、だからブラックさん相手にこんなの嫌だって言ったのに!」

 ヤケクソ気味に叫んだアリスが、ぷいとそっぽを向く。
 その耳は、薄暗い牢の中でもわかるほどには真っ赤に染まっている。そういう姿は悪くない、とジョーカーは喉の奥で笑いを噛み殺した。

「んだよ、ジョーカーに入れ知恵でもされたのか?俺を驚かせる方法でも探ろうとしたんだろ。ま、ちっとは驚いたけどな」
「……別に驚かせたかったというか」
「まあいいぜ。さっきの質問に答えてやる」

 言うなり、クイッと顎を持ち上げると、アリスは驚いたようにその瞳を丸くした。一瞬前までは確かに鉄格子の向こう側にいた男が、鍵を開ける素振りもなく傍にいることが不思議なのだろう。
 口元を吊り上げ、距離を縮める。わずかに触れ合いそうな距離まで唇を近づけ、彼はそっと囁いた。


「メシと風呂がいいに決まってんだろ、バーカ」


 たっぷり数十秒ほどの間のあと、アリスの口から「は?」と小さな疑問が零れる。同時に、ジョーカーが心底楽しそうに笑いだした。

「ケケッ、何だよその間抜け面。お前、まさか自分が選ばれるとでも思ってたのか?俺様に選んでもらいたいなら、もっと色気つけるんだな、ガキんちょ」
「~~~~~~~~っ!」

 からかわれたのだと気が付いたアリスの表情が面白くて、ジョーカーはニヤニヤと笑みを濃くした。怒りやら恥ずかしさやらで赤くなって、少し涙目にさえなる顔が堪らない。もっともっと苛めてやりたくなる。
 本格的に拗ねたらしいアリスが、背中をジョーカーに向ける。そんなことをしたところで、この狭い牢の中では意味もないというのに、無駄な抵抗をする愚かしさがいっそ可愛らしい。

「いいわよ、別に!もしいらないって言われたら、俺がもらってあげるよってホワイトさんは言ってくれたから!」
「あ?なんでアイツが出てくんだよ」

 もう一人のジョーカーの油断ならない笑みが脳裏に浮かんで、ジョーカーは笑みを消した。
 愉快な気持ちがスッと消え去り、もやもやとした面白くない感情が胸のあたりを覆う。苛立ちをそのままに、こちらに背を向けたままのアリスを強引に抱き寄せる。驚いた少女がわずかに身じろぎするのを抑え込むようにして、逃がさないとばかりに腕に力を込めた。

「ちょ、ちょっと何?」
「ふざけんな、テメー。一度受け取ったモンを他のヤツにくれてやるほど、俺は優しくないんだよ」
「受け取ったモン……って。私はいらないんじゃなかったの?」
「いらないなんて、一言も言ってねえだろ」

 腕の中の少女を振り向かせ、再び顔を近づける。首筋に唇を寄せると、アリスの肩がびくりと震えた。
 強気な視線を向けるくせに、物怖じしない口調で話しかけてくるくせに。触れただけで怯えたように体を震わせる姿が、堪らない。
 そっと長い髪を掻き上げ、赤みの残る耳元に触れる。そのまま吐息を吹き込むように、笑いの籠った声をジョーカーは囁いた。



「好物はあとでじっくりいただく主義なんだよ、俺は」


 罪悪感に塗れ、堕ちていく、哀れな囚人。
 愛おしくて壊したい、ジョーカーだけの所有物。誰にも、それこそもう一人のジョーカーにも、渡さない。

 彼女がこの監獄に囚われたその瞬間から、彼女の望む不幸と罰を与えられる存在は、彼だけになったのだから。

「そうだな、まずは……俺の見張ってるこの場所で、俺以外のモンになろうとした罰を与えてやろうか。泣いて縋って許しを請うほどの、とびきりに苦しい罰を」
「……ええ。あなたからの罰なら、喜んで」

 罰を望む言葉と回された腕に、ジョーカーは軽く笑う。
 罪と罰に囚われて縛られたこの関係性を、他者は愛情ではないと言うのだろう。だが、そんなことはジョーカーにとって、どうでもいいことだ。むしろ愛なんて不確かなもの、いらないとさえ思う。

 愛情でなくても、永遠に繋いで縛れるモノならば、それが「罪」だろうと「罰」だろうと、呼び方なんてどうでもいい。

 冷たく暗い、監獄の牢。囚われの少女に口づけ、その体に罰を刻んでいく。
 恋人でもない。夫婦でもない。この関係性に呼び名はない。
 それでも確かに二人だけの世界は、時間は、言葉にならない「アイしている」を叫んでいるような気がした。





End.

※ラヴコレ2012Autumn無料配布ペーパー収録
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