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「QuinRose」
アリスシリーズ

My Lovely Monster Cat(ボリアリ、ハロウィン企画、イラストコラボ)

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「はい、あーん♪」
「・・・・・」
「アリス?食べないの?」

 一口サイズに切り分けられ、目の前に差し出されたパンプキンパイを軽く睨む。
 正面に座った恋人へと視線をやれば、ひどく楽しそうな笑みを返された。テーブルに置かれたろうそくが揺れ、金色の瞳が猫そのものに輝く。引く気配が欠片もないことに諦めの息をひとつ吐き、アリスはぱくりと差し出されたフォークにかぶりついた。
 ほのかに温かいカボチャのほくほくとした甘みとサックリと香ばしいパイが、口の中を満たしていく。「おいしい?」と相変わらず笑みを浮かべたままの男への苛立ちを、少しだけ和らげてくれるようだ。

「・・・・・・楽しそうね、ボリス」
「うん、楽しいよ。こんな可愛い恰好したアリスを独り占めできるんだから、楽しいに決まってる!」
「そう。よかったわね・・・・・・私はあんまり楽しくないけど」

 声を低めてじろりと睨むと、ボリスはきょとんとした顔でアリスをまじまじと見つめる。悪いことを叱った時の猫の顔だ。何を怒っているのかわからない、という顔。
 無言でアリスは自分の左腕を少し持ち上げる。本当は彼の目の前に突き出してやりたかったが、それはじゃらりという重厚な音に阻まれた。


「どういうつもりよ!折角帽子屋屋敷のハロウィンパーティーに招待されたっていうのに、何でボリスの部屋で手錠に繋がれたまま二人きりでハロウィン料理食べるなんていう状況になってるわけ!?」
「えー、いいじゃん。こういうハロウィンも楽しくて」
「よくない」


 しっかりとアリスの左手とボリスの右手を繋ぐ手錠が、オレンジ色の灯りにゆらゆらと鈍く光る。日常の一場面として異常な状況だが、そもそも今の自分達の格好が非日常的なせいか、なんとなく普通に見えてしまう状況が恐ろしい。
 本当はこの夜の時間帯は、帽子屋屋敷で開かれるというハロウィンパーティーにボリスと参加する予定だったのだ。だからこそボリスもアリスも、いつもとは違う格好をしているのに。着替えた直後に、何を思ったのかボリスに手錠で繋がれて・・・・・・まったく外してくれる気のないボリスに根負けして、パーティーの出席を諦めることになるなど、誰が想像していただろうか。

「だから言っただろ?手錠したままだったら、ハロウィンパーティーに行ってもいいよって」
「行けるわけないでしょ!?どんな顔して他の人達と会えっていうのよ!ブラッドあたりに散々嫌味を言われるのが目に見えるわ」
「俺は別に構わないのに。アリスは俺のだって、周りに堂々と宣言できるし・・・・・・手錠が嫌なら、別のでもいいよ?例えば、肌が見えてるとこ全部にキスマーク、とか」

 浮かべた笑みを艶めいたものに変え、ボリスが意味深に手を伸ばす。思わず少し身を引いた途端、座っていた椅子がアリスの動揺を表すようにがたりと大きな音を立てた。
 すぐ傍にいる恋人が、いつもと違って見える。血を流したような濃い赤色のシャツと黒のマント。変わりのない派手な髪色と猫耳が、少し浮いているようにも思えたが、それでも吸血鬼の仮装をしたボリスはなんだかとても大人っぽく思えた。アリスばかりが振り回されているようで、気恥ずかしささえ感じてしまう。


「でもその格好だと、キスマークないところを探す方が大変になっちゃうかもね。試してみよっか?」
「・・・・・・全力で遠慮するわ。第一、こんな露出が多い衣装を選んだの、あなたでしょうが」


 改めて自分の格好を見下ろしながら、アリスは恨めしそうに文句を吐き出した。
 黒のミニ丈チューブトップにミニスカート、ピンクと黒のボーダーのニーソックスという、いつもボリスが着ているものと少し似たパンク系の服装。今は見えないけれど、頭には黒い猫耳カチューシャもついている。いわゆる黒猫の仮装なのだが・・・・・・いかんせん、露出が派手すぎた。
 いくらハロウィンの仮装とは言え、こんな腕も胸も腹も太腿も大胆にさらした格好で堂々と人前に出られるほど、アリスは自分に自信がない。見せられないほどの酷さとは言わないけれど、鏡で一度チェックした時は、せめてもう少し胸があればと落ち込んだ。

「うん、思った通りだった。すっげー似合ってる。めちゃくちゃ可愛い。アリスが本当に猫だったら、俺、絶対に飼い猫にするのになあ・・・・・・」
「そ、そういうのいいから!大体こういう服装は、もうちょっとスタイルの良い子の方が似合うわよ」
「アリスだから可愛いんだって!俺にはアリスが一番なんだからさ」

 さらりと言ってのけるボリスの顔を、まともに見ていられない。
 彼のストレートな愛情表現やどう考えても恋愛によるフィルターがかかっていそうな「可愛い」には、うじうじ悩んでいることさえ馬鹿らしくなってしまう。少しだけ、ほんの少しだけ。自分が、「可愛い女の子」なんてものになれたような、そんな夢を見るほどに。

「はーあ、アリスは俺のカノジョだって、すっごく周りに自慢したいけど・・・・・・こんな可愛い姿、他の奴らに見せてやるのも悔しいしな・・・・・・複雑だぜ」
「・・・・・・だから手錠つけたんだ、とか言わないでしょうね。そんなある意味ではベタな理由で、私は着替えた直後にハロウィンパーティーを強制欠席させられたのかしら?」

 何気にアリスは今回のハロウィンパーティーを楽しみにしていたのだ。折角の季節ものイベントなのだから、仲の良い友人達と楽しみたいと思うのは当然だろう。
 もちろん、ボリスと二人きりで過ごしたいという気持ちがなかったと言えば、嘘になるけれど・・・・・・それにしたって、楽しみを半減させられたような、複雑な気持ちは拭いきれない。

「え、うん、そうだけど。手錠しとけば、一発でアリスが誰のモノかわかるだろ?そうじゃなきゃ、帽子屋さんとか油断ならない相手がいるところに、今のアリスを連れていけるわけないじゃん」
「さすがにあれは露出が多かったから、何か羽織るか、ブラッドに別の衣装借りようと思ってたのに?」
「折角可愛いのに、隠すなんて勿体ないからダーメ。帽子屋さんに借りるのも却下。あんたが俺以外の選んだ服を着るだなんて・・・・・・考えただけでムカつく」
「・・・・・・あんたねえ・・・・・・なにその勝手な言い分」
 
 当然と言わんばかりのボリスに、がっくりと項垂れる。
 なんだかここまで開き直られてしまうといっそおかしくて、ついアリスの口元に笑みが浮かんだ。
 気まぐれで勝手な行動に苛立ちを覚えたことも、悪びれない態度に呆れていたことも、行けなかったことに拗ねてたことも。やっぱり、ちょっと腹が立つけれど。
 

 ・・・・・・でも、ボリスらしくて、どこか愛おしい。


「やっと笑った」
「え?」
「アリス、ずっと眉間に皺よせてたからさ。俺と二人きりのハロウィンパーティーなのに、全然楽しくなさそうだったから。俺、やっぱりあんたには笑っていてほしい」
「・・・・・・誰が怒らせてると思ってるのよ」

 むっと口を尖らせ、怒った顔を作ってみるけれど、きっとこの敏い猫は気付いているのだろう。アリスがもう、怒ってなんかいないことくらい。
 思い通りにされているようで悔しくて、アリスは自由な右手を動かしてテーブルの上のスプーンを取った。デザート用にと作られたパンプキンプリンをひと掬い乗せ、そのままボリスの口元へと差し出す。
 いわゆる「あーん」というベタなカップル同士の行動だが、照れ屋で素直ではないアリスがまさかやるとは思わなかったのか、少しボリスの瞳が丸くなった。

「珍しいね。あんたからこういうことしてくれるのって」
「ふふっ、今日はハロウィンだからね」
「・・・・・・何か企んでる?さっき怒ってるとか言ってたのに、なんか不気味・・・・・・むぐっ」

 口を開いた瞬間を狙って、半ば強引にスプーンを押し込む。
 多少咽ながらもカボチャプリンを飲み込んだのを確認し、アリスはしてやったりの笑みを浮かべる。悪戯めいた瞳を輝かせる恋人に、今度はボリスが恨めしそうな視線を向ける番だった。

「げほ・・・・・・ひどいよ、アリス。せめてもうちょっと優しく・・・・・・」
「ふふふ・・・・・・今日はハロウィンだもの。Trick or Treat・・・・・・お菓子を食べたら、もうイタズラなんてしちゃダメよ?」
「え?」
「というわけで、ボリスはこの時間帯はもう、私にイタズラ禁止。触るのもナシね。手錠もさっさと外すこと」

 にっこりと、やや傲慢な口調で言い放つ。
 散々自分勝手に振る舞っていたのだから、これくらい開き直ったって構わないだろう。意趣返しが成功したことに、アリスは機嫌よく笑った。ぽかんとしているボリスの表情が、なんだか小気味良い。

「・・・・・・なるほど。そう来たか」
「ふふん。私だってやられてばっかりじゃないのよ?」
「お菓子かイタズラか、がハロウィンのルールだもんね。しょうがない・・・・・・でもさ、アリス。残念ながら、ちょっと勘違いしてるよ?」

 がしっとスプーンを持った手が、伸ばされたボリスの手に掴まれる。
 軽く引き寄せられた指先に、彼の唇が近づいた。

「ちょ、ちょっと!?」
「俺、欲張りだからさ。あんなちょっとのお菓子じゃ、満足できないんだよね。もっとお菓子をくれないと・・・・・・我慢できなくて、イタズラしちゃうかもしれない」

 口がわずかに開かれ、ひとさし指の先を軽く食まれる。
 生温かい湿った感触と、甘く押し付けられた犬歯が、彼の言う「イタズラ」に生々しさを連想させ、アリスはかあっと顔を赤らめた。


「されたくないんだろ、イタズラ。ならもっと・・・・・・甘いもの、ちょうだい?」


 にいっと笑った猫の目が、薄闇の中で妖しく微笑む。
 そんじょそこらの化け物や幽霊よりも、ずっとずっと恐ろしい笑みだ。否応なく、引きずり込まれる。繋がれたままの手錠が、逃げられないと嘲笑うように音を立てた。

「・・・・・・ずるい」
「ずるくもなるよ。あんたの傍にいるためなら、いくらでも」

 どこかほの暗さを含んだ言葉に、安心する。留めていてくれるのだと、傍にいてくれるのだと信じられる。彼になら惑わされて、迷わされて・・・・・・それでどこにも行けなくなったとしても、きっと構わない。
 そっと息を零して、アリスはパンプキンプリンの器を引き寄せる。次に顔を上げた彼女の顔は、とても晴れやかだった。


「覚悟しなさい。もう嫌だってくらい、甘いものいっぱい詰め込んであげるから」
「望むところ。アリスも、負けて俺にたっぷりイタズラされる覚悟、しといてよ」


 互いに挑戦的に笑いあう。
 テーブルの上のろうそくが、ゆらゆらと楽しそうに揺れていた。


いただきボリアリ1


 Trick or Treat?

 甘いお菓子か、イタズラか。勝負の行方は、二人だけが知る。





End.





※イラストは朝日悠さまからいただきました。
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