スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←明日はいよいよ! →My Lovely Monster Cat(ボリアリ、ハロウィン企画、イラストコラボ)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
総もくじ  3kaku_s_L.png ネオロマ
総もくじ  3kaku_s_L.png QuinRose
総もくじ  3kaku_s_L.png オトメイト系
総もくじ  3kaku_s_L.png リジェ系
もくじ  3kaku_s_L.png その他
総もくじ  3kaku_s_L.png お題もの
  • 【明日はいよいよ!】へ
  • 【My Lovely Monster Cat(ボリアリ、ハロウィン企画、イラストコラボ)】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「QuinRose」
アリスシリーズ

ちびねこハロウィン(ちび妄想、ボリアリ、イラストコラボ)

 ←明日はいよいよ! →My Lovely Monster Cat(ボリアリ、ハロウィン企画、イラストコラボ)
※この話は漫画「サーカスと嘘つきゲーム」3巻のカバー裏における、ちびボリアリネタの妄想小話です。
 「もしもアリスが幼女で、ボリスが同い年くらいだったら」という設定です。苦手な方はUターン願います。




 華やかで賑やかな喧騒に包まれるサーカスは、今回少し変わった空気に包まれていた。
 開催される時は常に快晴だった上空は、ビロードを広げたような黒が広がる。周囲の木々やあちこちに点在する出店につけられたランプの他、道の途中に並んだ大小さまざまなカボチャの飾りが柔らかく、しかしどこか不気味に闇を照らしていた。
 そして決定的に違うのは、集まった人々の格好だ。ヴァンパイアや狼男、悪魔・・・・・・サーカスに集った多くの観客は、皆思い思いの仮装をし、楽しげに談笑をしたり出店の料理を味わったりしている。

「さすがジョーカーってとこだな。悔しいが・・・・・・やっぱ期間限定のイベントものは大事だな。夏のハロウィンなんてものもアリか・・・・・・?」

 盛況な会場の様子を見つめながら、フランケンシュタインの仮装をしたゴーランドが呟く。それを横に聞きながら、ボリスは小さな体を精一杯動かしながら人混みの中をきょろきょろと見渡した。
 彼もまた他と同様、普段と違う衣装をしていた。七分袖のシャツから覗く腕や顔巻いた白い包帯は、怪我ではなく、ミイラ男の仮装だ。ゴーランドには「お前はそのままでも十分仮装だよな」などと失礼なことを言われたのは、置いておくとして。

 現在のこの国の中心であり、サーカスの団長であるジョーカーが特別に開いた催し物。サーカスほどの強制力はないが、おそらくほとんどの役持ちが、この唐突な「ハロウィンパーティー」に参加していることだろう。となると、彼の友人でありお気に入りの少女も来ているはずだ。
 彼女はこういうイベントが何気に好きなはずだし、主催者であるジョーカーがこの突拍子もないイベントを開いたのは、聞いたところによると「俺の可愛い観客が、ハロウィンパーティーをしたいって言ってたからね」とのことらしい。それが本当かどうかは知らないが、ジョーカーの言う「可愛い観客」が誰を指すのか、子供のボリスでもわかる。

「おいこらボリス。ちょこまかすんなよ、迷子になったら面倒だろ」
「ぐえっ!?なにすんだよ、おっさん!服ひっぱんな!持ちあげんな!迷子になんてなるわけないだろ、俺は猫だぜ?」
「あー、はいはい。アリスに会いたいのもわかるがな、ちっとは落ち着け」

 襟首の辺りを掴まれ、仔猫そのものに持ち上げられて暴れていたボリスが、ぴたりと動きを止める。無言で視線を逸らす少年の顔に、ゴーランドが何もかも見透かしたような笑みを浮かべてその頭を軽く叩いた。

「まあそう焦らなくても、そのうちアリスもお前のこと探しにくるだろう。仲良いもんなー、お前ら」
「おっさんはノンキすぎなんだよ!俺に会う前にディーとダムとか、ピアスの馬鹿とか、トカゲさんとか、さいしょーさんとかに捕まっちゃったらどうすんのさ。アリスが俺以外のヤツと遊びに行っちゃうなんて・・・・・・そんなの、ヤダ」

 むすりと口を尖らせ、ボリスは俯く。
 彼の大事な友達はとても人気者だ。彼女の周りにはいつだって誰かがいて、彼女はボリスだけを見てくれない。それがとても、面白くない。
 少し目を丸くしたゴーランドが、まじまじとボリスを見つめる。次の瞬間、にんまりと口元を歪め、そのピンク色の髪をわしゃわしゃとものすごい勢いで撫でつけた。

「お前、ボリス・・・・・・かっわいいなあ!」
「・・・・・・な、なんだよきもちわるっ・・・・・・てか頭!いてえって!」
「ボリス~~~!!ゴーランド~~~!!」
「お、噂をすれば・・・・・・」

 遠くから響いてきた声とぱたぱたと走る足音に、ゴーランドが顔を上げる。弾けたようにボリスも同じ方向を見つめ、駆け寄ってくる小さな影に金色の目を丸くした。
 黒いケープにとんがり帽子、下に着ているのは真紅の上品なワンピース。手にかぼちゃのバックを持った少女は、ゴーランドのところまで駆け寄ると、その体に体当たりするように抱きついた。


「とりっく・おあ・とりーと!お菓子をくれなきゃ、イタズラするぞー!」


 にこりと笑顔で顔を上げたアリスに、ボリスは少し顔を赤くした。
 服装のせいか、なんだか見慣れた少女の姿が違うものに見える。いつも真っ直ぐに伸びたサラサラの栗毛は、今日はふんわりと緩くウェーブがかかっていて、ちょっとだけ大人っぽい。

「ははっ、こんな可愛い魔女になら悪戯されてもいいな」
「もうっ!そんなこと言ってないで、はやくお菓子ちょーだい!」
「おう、すまんすまん。ほら、アリス」

 ゴーランドがポケットから取り出したいくつかのキャンディを受け取り、アリスが嬉しそうに笑う。
 そんな少女の姿を、ようやく地面に降ろされたボリスは、ゴーランドの後ろに半ば隠れるようにして伺っていた。なんだか無性に、今のアリスを直視することが気恥ずかしくて仕方がない。何て言葉をかければいいのか、わからない。
 よくわからない気持ちに振り回されているボリスの気も知らず、当の本人は不思議そうに首を傾げているだけだ。

「ボリス?なんでかくれてるの?」
「おーおー、甘酸っぱいねぇ・・・・・・ったく、しょうがねえガキだ。気にすんなアリス、あまりにもアリスが可愛くて照れてるだけだぜ」
「て、てれてない!よけいなこと言うなよ、おっさん!」
「んじゃほら、ちゃんとアリスの顔見てなんか言ってやったらどうだ。お洒落してる女の子を前に褒め言葉のひとつも言えねえようじゃ、男として恥ってもんだぜ?」

 ぐいと背中を押され、アリスの正面に立たされる。
 真っ直ぐに自分に向けられる空色の瞳と恐る恐る視線を合わせ、ボリスは何とか口を開いた。たった一言、思っている言葉はあるけれど、それを言葉にすることだけでも喉の奥がカラカラに乾いて、緊張に背筋が伸びる。

「え、っと・・・・・・その、アリス、に、似合ってるじゃん」
「ふふっ、ありがとう!ビバルディが選んでくれたの。今日の私は、こわーい魔女なのよ」

 わざとらしくしかめっ面をしながらも嬉しそうな雰囲気のアリスの様子に、ボリスは小さく噴き出した。
 話してみれば何ともない、いつものアリスだ。安心感のようなものが胸に広がって、さっきまで感じていたよそよそしい緊張感が嘘のように消えていく。今のアリスを見て落ち着かなくなる気持ちはまだあるけれど、嫌な感覚ではなかった。

「ボリスはミイラ男なの?」
「へへっ、そう。なんか包帯ってカッコいいだろ」
「うん、ボリスも似合ってるわ!・・・・・・あれ?でもボリス。どうしてお菓子を持ってないの?歩いているだけでも、いろんな人がお菓子くれたのに・・・・・・」

 多くのお菓子が詰め込まれたカボチャのバックと何も持っていないボリスの手を見比べ、アリスが目を瞬かせる。そう言えばアリスの持っているものと同じバックを入口辺りで渡されたような気もするし、会場内で見かけた子供は全員同じものを持っていたと思い出す。
 気まずそうに視線を逸らし、ボリスは乾いた笑いを零した。

「あー・・・・・・っと、うん。これから行こうと思っててさ」

 ・・・・・・言えない。本当はアリスを探すのに必死で、お菓子なんて頭の中から吹き飛んでいたなんて。
 差し出されたお菓子なんてまったく目につかないくらい、アリスのことばかり探していただなんて。なんだかそんなの、カッコ悪い。
 ボリスの誤魔化しを信じたのか、アリスはひとつ頷いた後、少し何かを考えるように黙り込む。かと思えば、何か思いついたという笑みをパッと浮かべ、自分のカボチャバックに手を差し入れた。


「はい、ボリス!とりっく・おあ・とりーと!」


 小さな両手からこぼれそうなほど取り出したお菓子を、アリスはそのまま勢いよく差し出す。反射的に受け取ったボリスの手には、キャンディやマシュマロ、チョコレート、クッキーなど、カラフルなお菓子が小さな山となって乗っていた。
 驚きに目を丸くするボリスに、少女はただ「あげる!」と無邪気に微笑んだ。

「え、だってこれ、アリスがもらったものだろ?」
「私はいっぱいあるから。だから、ね、いっしょにお菓子食べましょ!」

 手の上のお菓子をアリスに返そうとした手は、やんわりと温かいぬくもりに抑え込まれる。ボリスの両手に優しく重ねられた手は、いつも繋いでいる手なのに、妙に優しくて落ち着かない。
 薄れたはずのそわそわとした気持ちが、彼の胸の中をくすぐった。何か言おうとして、言葉が思いつかなくて、ぐるぐるとした頭で必死に考える。
 

「あ、あのさ、アリス!俺になにかイタズラしていいよ」


 「らしくない」自分を振り払うように頭を振り、ようやく思いついて口にした言葉は、しかし少々突拍子すぎたらしい。
 突然どうしたのと言いたげな青い瞳に、ボリスは慌てて再度首を振った。

「今日はハロウィンだろ?俺ばっかりアリスにもらうのはずるいと思うんだけどさ、今はアリスにあげるお菓子もってないから・・・・・・それならもう、イタズラされるしかないだろ?」
「そんなこと気にしなくていいのに」
「ダーメ、俺が気にするの!ほら、早く。なにかイタズラしてよ」

 やや強引に、急かすようにアリスの顔を覗き込むと、彼女は少し悩んだ表情を浮かべた。うろうろと視線を彷徨わせ、なぜかふと一点で視線を止める。
 何を見ているのかとボリスもその視線の先を追ってみるが、特に目に留まるようなものはない。あちこちを歩く人以外は、自分のピンク色の尻尾が揺れているくらい・・・・・・で。
 ぞわりとした嫌な予感が、背筋を駆ける。恐る恐る視線を戻したボリスの目の前には、にんまりと口元を悪戯っぽくつり上げた少女の笑顔があった。

 反射的に逃げようとしたボリスを、重ねられたままだった手が軽く引きとめる。
 振り払えば、せっかくアリスがくれたお菓子を地面に落としてしまいそうで、無理に振り払うこともできない。結局ボリスは、楽しそうに笑う小さな魔女の傍から離れられないまま、口元を引きつらせた。

「・・・・・・ほんとうに、イタズラしていいのね?」
「え、ちょ、アリス?なんか目がこわい・・・・・・ま、まってまってまって!尻尾ひっぱるのだけは勘弁だよ!?」
「いいじゃない。なんでもイタズラしていいんでしょー?やさしくするから♪」
「なんでもなんて言ってない!それはイタズラじゃなくて、イジメ・・・・・・にゃっ!?」

 ひょいと身を乗り出したアリスの手が、ボリスの尻尾に伸ばされる。逃げられないと覚悟して身構えた瞬間、思いがけずアリスの顔が近づいた。
 何が起こったのか、よくわからない。
 予想していた尻尾を力任せに引っ張られる痛みは、ない。

 ただ。
 ちゅ、と近くで聞こえた音と。
 頬に触れた感触が、やたらとハッキリと記憶に残った。


「ふふっ、ビックリした?」
「・・・・・・」





 悪戯大成功、と少し気恥ずかしそうに笑う少女の笑顔を、ボリスは茫然と見つめる。
 時計が止まったんじゃないかと思う。それほどに頭の中が真っ白で、言葉も出なくて、動けない。

「おーい、お前ら。俺のこと忘れてるだろ?ま、微笑ましくていいけどよ」

 呆れたような声に、ボリスの肩がびくりと揺れる。
 半ば存在を忘れかけていたゴーランドが、苦笑いを浮かべて二人を見下ろしていた。どうやら今までのやりとりも全部しっかり見ていたらしく、頭をかきながらどこかからかうような笑いが浮かんでいる。

「そういやアリス。さっき向こうから、この世の終わりみてえな声で『アリスー!アリスー!』って叫んでる声が聞こえたぜ。ボリスと遊ぶにしても一言くらい言っておかないと、半狂乱な過保護ウサギにいつまでも追いかけられるんじゃねえか?」
「あっ!そうだった・・・・・・ペーターのこと置いてきたんだったわ。ちょっとまっててね!」

 言うが早いか人混みへと駆けだしていく少女の背中を見送り、ゴーランドは相変わらず硬直したままの少年の肩をぽんと叩く。
 それが合図だったかのように、ぱらぱらとボリスの手に乗ったままだったお菓子が地面へと零れる。深い深い溜息をついて、ボリスはその場にうずくまった。

「・・・・・・俺、もう自分がわかんない」

 ぼそりと呟いた声は、抱えた膝の中にくぐもって消える。
 なんで、こんなに落ち着かない気持ちになるのだろう。なんで、うまく言葉が出てこなくなるのだろう。なんで、キス、されただけで動けなくなるのだろう。
 乱れないはずの胸の奥が、早まったように思う。これが「ドキドキ」するということなのか、ボリスにはまったくわからない。


「~~~~~っ、反則だ、あんな・・・・・・かわいいの・・・・・・っ!」


 唇が触れた場所が、熱い。
 間近で向けられた悪戯めいた笑顔と手の温もりが、いつまでも残っているような気がして落ち着かない。
 「今日の私は、こわーい魔女」と笑っていたアリスの言葉を思い出す。本当に魔法にかけられてしまったんじゃないかと、一瞬そんなことを考えてしまった。それくらい、アリスのことばかり考えている。

「かーっ、いいねえ若いってのは!お前もいっちょまえに、初恋に悩んだりするんだな。思う存分悩んどけ!それが青春ってもんだ」
「・・・・・・おっさんくさい」
「言ってろ。キスひとつで真っ赤になって固まっちまうようなお子様じゃ、まだまだ好きな子に振り向いてもらえないぜ?」

 余裕めいたゴーランドを睨み、ボリスは赤くなったままの顔をぷいと背ける。
 地面に落ちたお菓子をひとつひとつ拾いあげ、ぎゅっと握った。

 初恋?これが?
 ・・・・・・こんなに、カッコ悪くなって、自分らしさもわからなくなって。それでも彼女の笑顔を思い出しただけで、なんとなく嬉しくなるような・・・・・・この気持ちが?


(イタズラしてなんて、言うんじゃなかった)


 悪戯は、ボリスの方が得意だったはずなのに。今は、ボリスの方がアリスに振り回されている。
 ひとまず、アリスが戻ってくるまでに少し落ち着こう。
 そう思って、ボリスはもらったお菓子の包装をひとつ開けた。包み紙から転がり出たピンクのハート型キャンディを、ころんと口に放り込む。

 甘酸っぱいハートが、口の中でゆっくりと解け落ちた。




 Trick or Treat.

 イタズラに心を奪われて、囚われたものは何だろう。





End.


※イラストは朝日悠さまからいただきました!
関連記事
スポンサーサイト


総もくじ 3kaku_s_L.png ネオロマ
総もくじ 3kaku_s_L.png オトメイト系
総もくじ 3kaku_s_L.png リジェ系
総もくじ 3kaku_s_L.png お題もの
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
総もくじ  3kaku_s_L.png ネオロマ
総もくじ  3kaku_s_L.png QuinRose
総もくじ  3kaku_s_L.png オトメイト系
総もくじ  3kaku_s_L.png リジェ系
もくじ  3kaku_s_L.png その他
総もくじ  3kaku_s_L.png お題もの
  • 【明日はいよいよ!】へ
  • 【My Lovely Monster Cat(ボリアリ、ハロウィン企画、イラストコラボ)】へ
  • Tag List 
  •  * |

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【明日はいよいよ!】へ
  • 【My Lovely Monster Cat(ボリアリ、ハロウィン企画、イラストコラボ)】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。