スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←僕が 世界に 生まれた日(箱アリ学パロ、幼馴染過去捏造) →ある人形と男の噺(April祭、ジョカB→←アリ)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
総もくじ  3kaku_s_L.png ネオロマ
総もくじ  3kaku_s_L.png QuinRose
総もくじ  3kaku_s_L.png オトメイト系
総もくじ  3kaku_s_L.png リジェ系
もくじ  3kaku_s_L.png その他
総もくじ  3kaku_s_L.png お題もの
  • 【僕が 世界に 生まれた日(箱アリ学パロ、幼馴染過去捏造)】へ
  • 【ある人形と男の噺(April祭、ジョカB→←アリ)】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「QuinRose」
その他QuinRose作品

相独占(逢魔時、零静、ベストEnd後)

 ←僕が 世界に 生まれた日(箱アリ学パロ、幼馴染過去捏造) →ある人形と男の噺(April祭、ジョカB→←アリ)
 本当に、飽きずによくやる。
 もう半ば達観した視線を目の前で繰り広げられる言い合いに向ける。

「言っておきますけどね、静は頭のてっぺんから足の指先まで全部僕のものなんです!いい加減に馴れ馴れしくしないでもらえます!?」
「あれ、てことは和泉とこいつは体だけの関係ってやつ?いや~悪いねえ、静の心は俺が独占しちゃってるからさあ。そんな扱いしかしてもらえないなんて、和泉もかわいそうにな!」
「心だって僕のものですよ!というかあなたになんて一欠片も渡しません!静は心も体もぜんぶ僕のものなんです!」

 そろそろ殴って止めるべき頃かもしれない、と右手を拳の形に握りしめる。
 いくら密と和泉(たまに飛浦さんや日比谷さんや遠野も含む)のコレが、すでにクラス中・・・・・・いや学校中の名物になりかけているとは言え、折角の休日くらいは大人しくできないのか。
 休日、和泉とのデート中にたまたま密と会った・・・・・・ただそれだけだと言うのに、いきなり言い合いに発展してしまった二人に苛立っていいのか呆れていいのかわからなくなる。

 密の言葉に熱くなっている和泉は、どれだけ恥ずかしいことを大声でわめいているか気づいていないらしい。普段は「好き」の一言すら恥ずかしがって憎まれ口しか叩けないくせに。どうして独占欲の表し方は、こうも子供っぽくて周りを気にしないのか。
 いくら姿は見えないようにしているとは言え、ここは夕暮れ時の街中だ。ちょっと視線を向ければ、何も知らない人間だって傍を歩いている。もし霊感のある人間が近くを通って、こんな会話を聞いてしまったら・・・・・・恥ずかしさのあまり、聞いた人間を殺してやりたくなってしまう。


(まあ、別に嬉しくないとかそういうわけでもないんだけどね・・・・・・)


 生憎と私は「恋人がそんなに自分のこと想っていてくれるなんて」と感動するような可愛らしいタイプじゃないけれど、そう考える程度には毒されている。
 好意や独占欲をハッキリと態度に出してもらえるのは、嬉しいし安心する。私だって、それくらいは和泉のことを恋人として意識しているのだ。絶対、口になんかしてはやらないけれど。

「ふん、まあいいです。今更あなたが何をどう言おうが、絶対に僕達の仲は邪魔できません」
「お?こいつが止めに入る前に、和泉から引き下がるなんて珍しい・・・・・・なになに静、和泉と何かあった?」
「ちょっと!だから馴れ馴れしくするなって言ってるでしょう、離れてください!」
「相変わらず余裕がないなあ~そんなんだと、静に愛想尽かされちゃうよ?」
「ありえませんよ、そんなこと。だって僕と静は永遠の愛で繋がっているんですから!」
「・・・・・・えいえんの、あい?」

 うさんくさいものを聞いたように尋ね返す密に、心の中だけで同意する。
 確かに口に出すとものすごくうさんくさい。少し前に行った修学旅行先で、和泉と二人、実際に「愛し合う二人を永遠の愛で繋ぐ呪い」というものをかけてもらったらしい私ですら、未だに半信半疑だ。呪いを疑っているわけではないが、どうにも薄っぺらいものを感じてしまうのは何故だろう。
 けれど和泉はすごく得意げだ。腕を組み、勝ち誇った表情を密に向けている。

「ええ、そうですよ。愛し合っていると認められた男女にしかかけてもらえない、特別な呪いです。僕と静は、永遠の愛で結ばれています」
「うっわ~、なんか勘違い男の妄想みたいな言葉だね。でも永遠の愛の呪い・・・・・・そういえば俺も、ちらっと聞いたことがあるな」

 相変わらずへらへらとした読めない笑顔を浮かべながら、密が少し考え込むような顔をする。
 さすが呪術に関してはトップクラスと自他共に認めるだけあり、その呪いに興味を引かれたらしい。しばらくああでもないこうでもないと一人で呟いたあと、密は唐突ににんまりと、ひどく楽しそうな笑みを浮かべた。


「ああでも、その呪い、俺なら解けちゃうかも」
「はっ!?」
「・・・・・・さすがね。解けるんだ」


 和泉は衝撃を受けたようだったが、私は冷静に感心する。「永遠の愛の呪い」なんて私にはどんなものだか想像もつかないというのに、少し考えてみただけでこれほど自信満々に解けるかもとか言えるあたり、さすがとしか言いようがない。
 これが他のやつだったら「口ばかりで根拠のない自信だ」なんて鼻で笑ってやるところだが、密の呪いに関する実力は、付き合いの長い私が一番よく知っている。彼が「解ける」というなら、「解ける」のだろう。

「ああ。もっと強力な別れる呪いとかかけちゃってもいいし、他にもいろいろやり方はあると思うよ。おまえが和泉との呪いをさっさと解きたいっていうなら、さくっと解いてあげちゃうけど・・・・・・どうする?」
「っ、冗談じゃない・・・・・・!!」

 見せつけるように、思わせぶりに顔を近づけてきた密に、カッとなったらしい。
 私と密の間に割り込むようにして密を押しのけ、ぎっと和泉は密を睨んだ。怒りを表すかのように、片手には青白い炎が音を立てて燃え上がる。

「ちょ、ちょっと和泉!やめなさいよ、こんな人間の多い街中で!」
「止めないでください。やっぱりこの人は危険です、消しておいた方が身のためです」
「はは、やれるものならやってみれば?俺もそろそろ、本気で目障りかもなあとか思ってきてたところだし、近いうちに呪いで悲惨な死に方しないよう、気を付けた方がいいかもよ」
「密も!あんたもいい加減、和泉で遊ぶのやめなさいよね」

 火花が散っているように見える二人を強引に引きはがす。
 いつもケンカに明け暮れている私が止めるのは説得力に欠けるが、ここは人間もいるような場所だ。ここで暴れたら、日比谷さんのお説教どころですまない話になる。連帯責任で私にまで火の粉が飛んでくるような状況は、遠慮しておきたい。


「密、あんた買い物にきたんじゃないの!?さっさと行きなさいよ。ほら和泉も!店が閉まっちゃうわよ」
「っ!」
「・・・・・・あーあ、しょうがないなあ。それじゃあ大人しく退散するよ。じゃあまた明日な、静」


 私の呼びかけに、なぜか和泉が一瞬ショックを受けたような顔をする。それを少し不思議に思いつつ、マイペースにひらひらと手を振った密を見送った。無駄に絡んできたかと思えば、引き際は意外とあっさりしていたりと・・・・・・相変わらずよく読めない悪友だ。
 人と街並の中に密の背中が消えた頃、ぐいと右手を引かれる。その強さに「痛い」と文句を言ってやろうとして、何故だか妙に拗ねたような和泉の顔に言葉を飲み込んだ。

「・・・・・・行きましょう」
「?あ、うん」

 先ほどのことを引きずっているのだろうかと思ったが、なんだか少し違うような気がする。嫉妬して怒っているというわけでもなく、拗ねているというか・・・・・・落ち込んでいるというか。
 なんなのよ、と心の中で溜息をつきつつ、ふてくされた様子の恋人に手を引かれるまま、デートは再開された。




「で?いったい何をそんなに拗ねているわけ」

 夜もすっかり更けた山道。和泉の家へと向かう道の途中、相変わらずぶっちょう面の和泉にいい加減キレた私は、直球でそう尋ねてみることにした。
 言いたいことがあるならさっさと言え、と思ってしまうのは性分だ。我慢したりされたりは腹立たしい。恋人関係となってからは、特に。
 和泉の場合、言いたいことはわりと言ってくる方だし、なんだかんだと愛情表現はストレートだ。照れ隠しに憎まれ口を叩くことはあっても、一度覚悟を決めたらちゃんと素直なことだって言ってくれる。そんな彼だからこそ、隠し事をされるのは腹立たしい。
 ささくれ立った口調の私に対し、ちらりと視線を向ける和泉もまた苛立っているようだった。口元をわずかにとがらせ、まるで子供みたいな仕草を見せる。

「・・・・・・式部さんと仲がいいですよね、先輩?」
「突然何を言い出すのよ。やっぱり夕方、密が言ってたこと気にしてるわけ?それに何で今更先輩とか呼ぶのよ。和泉だって今は同学年でしょ」
「・・・・・・・やっぱり鈍い。本当に鈍い。なんで気づかないんです、あなた」

 ますますふてくされたような口調になる和泉がわからなくて、何よと文句を返してみる。
 途端、ぐいと繋がれたままの手が引かれ、温もりに包まれる。ぎゅっと抱きすくめられて、一瞬目を瞬いた。


「静の恋人は僕なのに・・・・・・どうして僕のこと、名前で呼んでくれないんですか」


 ぼそっと耳元で呟かれた言葉に、もやもやとした苛立ちが消えていく。
 思わず小さく噴き出すと、抱きしめる手にますます力が込められた。

「ば、馬鹿にしましたね!?今、絶対僕のこと子供っぽいとか思ってるでしょ、あなた」
「いいえ~、べっつに?名前呼んでもらってほしくて、ずっと拗ねてたわけ?というか、今更すぎない?」
「拗ねてません!!第一、僕は恋人になってから、ずっとあなたが名前を呼んでくれるの待ってたんです!それなのにあなたときたら・・・・・・」

 和泉と恋人になったのは、結構前のこと。それなりの時間は経過している。だから本当に、名前呼びなんて今更のことだ。私にいたっては「和泉」と呼ぶのが当たり前すぎて、違和感に気づきもしなかったほどで。和泉もそれを嫌がったことはなかったから、このままでいいものだと勝手に納得していたけれど・・・・・・まさか、恋人関係になってからずっと気にしていたとは。
 そういうところは、素直に可愛いとも思う。ついついにやけてしまうのは、仕方ないことじゃないだろうか。

「あら、名前で呼んだことだってあるでしょ?何回か、だけど」
「普段は呼んでくれたことないくせに。恋人同士なのに、僕だけが名前で呼んで・・・・・・僕が片思いしているみたいで、そんなの嫌じゃないですか。平等に名前で呼ぶべきです」
「結構こだわるわねえ。名前なんて別にいいと思うけど・・・・・・まったく。永遠の愛とやらで呪われれば、少しは安心して余裕もできるようになるかもとか言ってたのは、どこの誰かしら?名前くらいで拗ねたりしてるようじゃ、先は長いわよ」
「・・・・・・式部さんには、特に負けたくないんです」

 からかうつもりの言葉に、和泉の声が少し沈む。
 僅かに緩んだ腕から少し体を離し、和泉の顔を覗き込む。涼しげな薄藍の瞳が不安定に揺れながら、じっと私を見つめ返した。

「式部さんはあなたと付き合いが長くて、僕の知らないあなたを知っていて、あなたも彼には近い距離を許していて・・・・・・その上、唯一名前で呼んでいる。それが、とても悔しくて・・・・・・」
「・・・・・・」
「対抗してやりたくて、あなたと永遠の愛で繋がる呪いがかかっているなんて言って見せても、式部さんは平然と解けるだなんて笑って・・・・・・少しだけ、弱気になりました。あなたが、いつか・・・・・・」

 やっぱり密の言葉を気にしていたのか。
 呆れて溜息をついてやりたくなる。密のアレは完全に和泉をからかってのものだろう。そこまで気にすることじゃないだろうし、密との腐れ縁が長いことは今更どうしようもないことだ。自分の恋人が和泉であることは紛れもない事実なのだから、自信を持っていればいいのにと思う。でも和泉にとっては、そういう問題で納得できることではないらしい。
 自尊心の高い和泉が、二人きりとは言え、素直に「弱気になった」なんて言うくらいだ。相当落ち込んでいるのだろう。

 ・・・・・・それが、面白くない。

 再燃してきた苛立ちのままに、和泉の襟首を掴むようにしてぐいと顔を近づける。
 驚いて目を丸くする表情に、そのまま口づけてやった。


「ん!?っ、ふ・・・・・・」
「・・・・・・ん・・・・・・零次」
「!?」


 深いキスを仕掛け、すぐに離れる。唇が完全に離れる間際、吐息と一緒にさりげなく呟けば、和泉の肩がびくりと震えた。
 少し背伸びしていた足先を地面につけ、してやったりの笑みを浮かべる。和泉はどこか呆然とした表情で顔を真っ赤にしたまま、軽くあがった呼吸を繰り返す。

「ほら、お望みどおり、呼んであげたわよ?」
「なっ・・・・・・なんであなたはいつもそういう不意打ちの時に限って名前を呼ぶんですか!僕の反応見てからかっていません?」
「当たり前でしょう、面白いもの」

 耳まで真っ赤にしてそっぽを向く和泉の態度に、笑みが止まらなくなる。
 和泉は本当にわかっていない。私が自分からキスをしたくなるのも、こんな風な反応を見たくなるのも、体を許すのも・・・・・・和泉だけ、だ。
 言いかけた「いつか」の心配なんてする必要はない。そんなものを気にして不安になるなんて、馬鹿げている。私が和泉の傍から離れて別の男を好きになるとでも思っているのなら、それはすごく腹立たしいことだ。甘く見るなと思い知らせてやりたい。

 こんな、可愛くて楽しくてとびきり愛おしい恋人を、私が手放してやるとでも?


「ま、普段から零次って呼ぶのは、気が向いたら考えてあげてもいいわよ?」
「は!?普通ここは、これからは名前で呼ぶとかそういう流れじゃありません?気が向いたらってなんですか。普段から名前で呼んでくださいって言ってるでしょう」
「嫌よ。こういうのは不意打ちで呼ぶから反応が楽しいんじゃない。普段から呼んでいたら有難みも何もなくなるでしょう」
「・・・・・・静。まさか、あなたそれだけのために、今までずっとわざと名前を呼ばないようにしていたとか言いませんよね?」

 軽く口元を引きつらせる和泉に、さあねと首を傾げてみせる。
 もう一度わざとらしく「零次」と呼んで、軽く唇をあわせた。からかわれているとわかったからか、必死に動揺しないようにして・・・・・・けれどやっぱり隠せず頬を赤くする和泉に、心が満たされる。


(だって、勿体ないじゃない)


 私が名前を呼んだ瞬間、幸せそうな色に染まる綺麗な表情と薄藍の瞳。
 照れて赤くなる頬。どこか艶めいてさえ見える、そのすべて。

 全部全部、これは私だけのもの。
 誰にだって、見せてなんかあげない。

 普段気軽に呼べるわけがない。名前を呼んだ瞬間の零次は、私だけが見ていれば、それで。


 名前を呼ぶ。応えるように、腰に回されたままの腕が私を引き寄せ、望み通りの熱が唇に降りる。
 この時間は、私だけのもの。

 これは、私の独占欲。





End.
関連記事
スポンサーサイト


総もくじ 3kaku_s_L.png ネオロマ
総もくじ 3kaku_s_L.png オトメイト系
総もくじ 3kaku_s_L.png リジェ系
総もくじ 3kaku_s_L.png お題もの
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
総もくじ  3kaku_s_L.png ネオロマ
総もくじ  3kaku_s_L.png QuinRose
総もくじ  3kaku_s_L.png オトメイト系
総もくじ  3kaku_s_L.png リジェ系
もくじ  3kaku_s_L.png その他
総もくじ  3kaku_s_L.png お題もの
  • 【僕が 世界に 生まれた日(箱アリ学パロ、幼馴染過去捏造)】へ
  • 【ある人形と男の噺(April祭、ジョカB→←アリ)】へ
  • Tag List 
  •  * |

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【僕が 世界に 生まれた日(箱アリ学パロ、幼馴染過去捏造)】へ
  • 【ある人形と男の噺(April祭、ジョカB→←アリ)】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。