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「QuinRose」
アリスシリーズ(パラレル設定)

パーレイ!(海賊パロ、グレアリ)

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 色彩の異なる青が視界いっぱいに広がる。
 緑にも見えるマリンブルーは、深く澄んだ大海原。そして透明なスカイブルーは、雲ひとつなく晴れ渡った空。
 遮るものが存在しない絶景を船の甲板から眺めながら、少女はうんと両手をあげて伸びあがった。

「う~ん・・・・・!!風も気持ちいいし、天気はいいし・・・・・何より綺麗な景色、最高ね!」
「君の感覚だとそうなんだな。俺はもうこの景色は当たり前になりすぎて、何も思わなくなっていたが・・・・・」
「まあ確かにあんまりにも航海が長いと飽きるかもしれない光景だけど・・・・・でもやっぱり、綺麗だわ。解放感があるっていうか、自分が小さい存在だと思い知らされると言うか」
「そうだな。海を見て綺麗だと思うなんて感覚、忘れかけていたが・・・・・君と見ていると、不思議と綺麗に見えてくるよ」

 隣に立つ背男の言葉に、視線を海へ向けていた少女が慌てて振り返る。
 海軍のような制服に身を包んだすらりと背の高い黒髪の男。見た目の第一印象は少し怖そうだが、切れ長の金色の瞳とその整った顔立ちはいかにも「仕事のできる大人」といった風情で、そんな彼に穏やかな優しそうな眼差しを向けられてしまうと、まだ年頃になったばかりといった少女はどうしようもなくドキドキと高鳴る胸を抑えられなくなってしまう。
 赤くなった顔をなんとか隠そうと、潮風になびかせていた栗毛色の長い髪を片手で押さえるフリをしながら俯く。何か言い返そうと思って口を開きかけるより早く、平和だった甲板に悲痛な声が響き渡った。

「グレイさまああああああああ!!!!また船長が吐血されましたああああああ!!!!」
「現在、吐血なされた船長は重要書類数十枚を壊滅させたのち、船内を逃走しておりますっ!!グレイ様、船長確保の指揮をお願いいたしますっ!!」
「ナイトメア船長~~~~~~~~お願いですから吐血しながら逃げ回るのやめてくださいっ!!倒れますよ!?」

 鬼気迫る叫び声と物が倒れるような音、いくつもの駆け回る足音。
 ・・・・・・・・この船ではすでに日常である喧騒に、グレイと呼ばれた男は軽く頭を抱えて深々と溜息をついた。


「・・・・・・・・また、か・・・・・・」
「・・・・・・・・なんというか、平和ね・・・・・・・手伝いましょうか?」
「すまないが、そうしてくれると助かる。君から言い聞かせてくれた方が、ナイトメア様も聞き分けがいいんだ」
「任せて!捕まえたらたっぷり説教してやるんだから!」
「ああ、頼む。おいで、アリス」


 申し訳なさそうに苦笑しながらも差し出された手を、少女・アリスは迷いなく掴む。
 初めこそ、この船にいる人すべて・・・・・・いや、海に存在するすべてが信じられなくなりかけていたけれど、今はもう彼女にとって、この船の人々は家族も同然だ。

 この船に乗るは、クローバー海賊団。
 私掠を生業とする、政府に飼われた海賊たち。




 いわゆる「海賊」と呼ばれる集団が世界中で海を占拠し、我が物顔に略奪を繰り返し、各国の政府と激しく対立を繰り返していた時代。
 とある国でそこそこ平凡な暮らしを家族と過ごしていた中流貴族の次女アリス=リデルは、赤の国と呼ばれる大帝国の宰相によって攫われたことにより、運命が狂いだしてしまった。
 なぜそんな会ったこともないお偉いさんに攫われたのかは未だに謎だ。理由を知りたい気もするが、あんな変質者ちっくな男と再会するくらいなら知らないままでいいと心底思っている。

 とにもかくにも、攫われた彼女は船に乗せられ、遠く異国の赤の国へと連れて行かれることとなった。しかしその途中、アリスが乗せられた船は、船乗り達の間で伝説と恐れられてきた幽霊船に襲われ大混乱に陥る。
 パニックとなった船内から脱出したアリスは、とっさに幽霊船へと身を隠してしまい、成り行きからしばらく幽霊船で暮らすこととなり・・・・・その後、紆余曲折を経て今に至る。

 アリスが現在身を寄せている海賊「クローバー海賊団」は、緑の国と呼ばれる公国から許可を受け、自国の船を襲う海賊や他国の軍船を相手に襲う、いわゆる「私掠」を行う政府公認の海賊団だ。
 緑の国でかなり高位の立場を得たナイトメアという男を船長に、有能な補佐であるグレイがそれを支えている。
 行く当てを失っていたアリスに手を差し伸べてくれたのがナイトメアだったというのが、アリスが彼らと行動を共にしている理由なのだが、初めの頃こそしぶしぶ海賊との共同生活をしていた彼女も、今やすっかりクローバー海賊団の一員のように働くのが当たり前になっていた。

「よしっと、洗濯はこれで全部だから次は廊下のあたりを掃除して・・・・・と」
「ああ、アリス。これから掃除か?」
「グレイ!お疲れ様。ナイトメアの様子、どうだった?」
「ようやく大人しく横になってくださったよ。多分いつものごとく、船酔いを我慢しているうちに吐血したんだろうな・・・・まったくあの方はどうしていつも・・・・・」

 心底疲れ切った様子のグレイに思わず同情の視線を向けてしまう。
 ナイトメアは確かに一般の「海賊船長」という部類からは外れている。家柄が高貴というのもあるだろうが、常に紳士らしく服装には気を遣っているようだし、この船のたたずまいや船員の格好も、どちらかというと「海賊」というより「海軍」に近い。だが見せかけだけの豪華な船というわけではなく、近海の海賊達にはかなり恐れられるほどに実力もある・・・・・らしい。
 その恐怖の象徴となっているはずの船長が、とんでもなく病弱で性格が子供な仕事嫌いという、傍から見る限りひどすぎるダメ男なので、いまいち信じられないが。

(顔だけはいいのにね・・・・あと、人の心を読めるとか微妙に空を飛べるとか夢の中に入ることができるとか、地味にすごい能力持っているはずなのに・・・・・どうしてかしら普段のダメダメっぷりのせいで、すごいとまったく思えないのよね)

 何しろ、吐血するほど病弱なのに、病院に行きたくないからとそれだけのために陸に行くのを拒むほどだ。船医の同行も全力で拒否して、おかげで「クローバー海賊団」の船員はもれなく全員医療知識には詳しく、怪我をした仲間は別の仲間が治療するのがこの船での常識だ。
 船長で高位の立場にあるはずの男が、船酔いで吐血というみっともないことになるくらいなら、医者や薬ぐらいは我慢しろとアリスも嫌と言うほど言っているのだが、頑として耳を貸そうとはしない。もういっそあそこまでいくと見事とも言える。

「グレイは・・・・・・ああ、これから鍛錬?」
「そうだな。船長が寝込んでしまった以上、ひとまず近場の島に航路を変更したところだ。この辺りは海賊も少ないから、見張りも少しでいいだろうし・・・・・・空いた時間で、部下の鍛錬に付き合おうと思ったんだが・・・・・」

 ちらりとグレイが向けた視線を辿って、アリスも苦笑を浮かべる。
 広い看板にはぐったりと疲れ切た様子の船員たちが何人も転がっている。涼しい顔で汚れひとつなく立っているグレイとは対照的に、船員は誰もかれも息がすっかりあがってしまっていた。

「ぐ、グレイ様もう勘弁してください・・・・・・」
「まったく情けない・・・・・お前たち、実戦でそんなんじゃ死ぬぞ。早く立て」
「グレイ様が強すぎるんですって!!アリス様からも言ってやってくださいよ~~~~」
「え、私!?えっと・・・・・まあ、頑張って!!」

 懇願の視線を一蹴して笑顔を向けると、船員たちはがっくりと項垂れる。
 この船で、アリスの立場は少し特殊だ。名目上は船長であるナイトメアの補佐、つまりグレイと同僚・・・・・といった立場が与えられているが、主な仕事内容はナイトメアが処理する書類の整理や資料作成、他に船の掃除や洗濯の手伝いといった簡単な雑務レベルだ。とても他の船員から「様」と呼ばれるようなことはしていない。
 そもそも女を船に乗せるのは不吉という概念が根深いというのに、彼らは普通にアリスを仲間として受け入れてくれている。親身に接してくれる彼らを最初の頃こそ疑ってかかっていたが、今となっては素直に嬉しいことだった。


「あ、そうだ!じゃあ、グレイ様から一本取れたら、アリス様が祝福のキスをくれるとか、そういうご褒美つけません?」
「え?」


 突然そう言いだした船員の一人の言葉に、アリスは思わず目を丸くする。
 グレイに鍛錬をつけてもらうだけで、どうしてご褒美とかそういう話になるかがいまいち理解できなかったが、他の船員には奮い立たせるものがあったらしい。先ほどまでぐったりしていた船員たちが、イキイキとした顔で立ち上がり始めた。

「それいいな!!オレ達のやる気も出るってもんだ!!」
「よおおおおおおおおっし!!グレイ様から一本とってやるぞおおおおおおお!!!
「え、ええ!?ちょ、ちょっとそんなのでやる気でるの?私が言うのもなんだけど、もうちょっといいもの望んでやる気出しなさいよ」
「いやいや、我らが海賊団の憧れからキスを頂ける権利が手に入るなら、グレイ様の鍛錬も安いものですって!」
「そんな大げさな・・・・・・ねえ、ぐれ・・・・・い?」

 目の前で熱くなる船員たちに苦笑しつつ、グレイに視線を向けたアリスは、心なしか感じる寒々しさに言葉を止める。気のせいか、無言・無表情で立っているグレイの周囲にブリザードが見える。
 何かを察したらしい船員が、やる気を出している男達の頭を「この馬鹿!!」と叩き、全員が一斉に顔を青ざめさせた。


「ふっ・・・・・・なるほど。てめえら、いい度胸だな」
「ええっと・・・・・・グレイ?」
「アリス。いい子だから、君は下がっていなさい」


 有無を言わせぬ笑顔を向けられ、アリスは思わず何度も首を縦に動かして数歩後ずさる。
 船員たちの方へと顔を向け、腰につけたカットラスの柄に手を添えるグレイの表情はアリスからは見えない。だが、一様に脅えた表情の船員たちから、きっと相当な恐怖なのだろうなということだけは感じ取れた。

「面倒だ、まとめて相手してやる。俺から一本取ろうと言うんだ・・・・・・・・・死ぬ気で来いよ」

 きらりと抜き放たれた白刃が、太陽に照らされてまばゆく輝く。
 その背中が、なんだかひどく殺気に満ちているようで。

「ぐ、グレイ!!怪我させちゃダメだからね!?」
「・・・・・・・努力しよう」

 とりあえずそれだけ約束させるのが、アリスには精一杯だった。



 グレイによる手荒な鍛錬を見学して数十分後。
 アリスとグレイは船内の談話室で、並んでソファに腰かけていた。窓から差し込む光はそろそろ傾き始め、オレンジ色の混じった光が室内をやんわりと照らす。微かに聞こえるカモメの鳴き声と鼻をくすぐるコーヒーの香りを楽しみながら、アリスは手に持ったマグカップをそっと口に運んだ。

「まったくあいつらは・・・・・・鍛錬だと言うのに、不謹慎な。今度、徹底的に根性を叩き直してやる」
「さっきので許してあげたらいいじゃない。見ていて可哀想なくらいグレイに倒されちゃって・・・・・」
「手加減はしたぞ?」

 至極まじめそうに言うグレイに苦笑し、アリスはカップを目の前のテーブルに置く。
 確かに上司との鍛錬に「一本取れたらご褒美に女の子からキス」なんていう条件をつけたら、ふざけていると怒られても仕方がないのかもしれないが、それにしたって同情する。大怪我を負わされるようなことはなかったが、完全に起き上がれなくなるほどに疲れ切っていた船員たちを思うと、自業自得とは言え気の毒だ。
 アリスが船員たちの肩を持つのが気に食わなかったのか、グレイが少しムッとした表情を浮かべる。金色にも見える光彩の瞳が何か言いたげに見つめてくるのを感じ、アリスが何?と首を傾げると、グレイの顔が少し近づいた。

「君は・・・・・・・あいつらにキスしてもよかったと言うのか?」
「ええ?そ、そうね・・・・・その時になってみないとわからないけど、もし本当にグレイから一本取った人がいて、ご褒美にキスしてほしいって言ってきたら・・・・・・・頬っぺたくらいにだったら、してあげてたかしら」
「・・・・・・そうか」

 間近にある整った顔立ちに、アリスの顔が自然と熱くなる。
 キスでもするような姿勢に、つい視線が唇へと向かってしまう。急に意識した距離の近さに軽く混乱しかけていたアリスの耳に、グレイの低い声が聞こえた。


「なら、今回は俺にキスをしてくれないか」
「はっ・・・・・!?」


 思わず声が裏返ってしまったが、そんなことを気にしている余裕、アリスにはなかった。
 冗談でしょと誤魔化したくても、グレイの視線が真っ直ぐすぎてどうしたらいいのかわからなくなる。

「俺から一本取れたヤツに、褒美のキスをやるつもりだったんだろう?誰も俺から一本取れなかったのだから、それを望む権利は俺にあると思うんだが」
「そ、そんな無茶苦茶な理屈でほいほいキスなんてしないわよ!」
「・・・・・・・他のヤツはよくて、俺はダメなのか?」
「そっ・・・・・!!そんなこと、ない、けど・・・・・・」

 すぐ傍にある熱に堪えきれず、アリスは視線を下に落とした。
 嫌とかそういうことじゃない。だけどどうしたって意識してしまうのだ。グレイは、アリスにとって特別な存在なのだから。


(と、友達にするキスならともかく、好きな人にキスなんて・・・・・そう簡単に頷けるわけないじゃない、グレイのバカ!!!人の気持ちも知らないで・・・・・!!)


 盛大に心の中で文句を言ったところで、人の心が読めないグレイに伝わるわけがない。
 ・・・・・・・・そう、知られていないはずだ。アリスがグレイに、片思いしていることは。

「アリス?」
「っ・・・・・・・わ、わかったわ。キス、すればいいんでしょう?」

 耳元で囁くように問いかけられて、アリスは咄嗟に頷いた。
 先ほどから心臓がどうしようもなく早鐘を打って、顔が熱くてどうしようもない。談話室を染める光がすっかりオレンジ色になっていることが、せめてもの救いだ。こんなに真っ赤な顔を見られたら、彼女の気持ちは目の前の意中の人にきっとすぐバレてしまっていたことだろうから。

(頬にキスするだけ!親愛とか友達のキスとか、そういうのと同じなんだから意識しちゃダメ、しっかりしなさいアリス!!これはただのご褒美のキス、ご褒美のキス・・・・・・・)

 必死に何度もそう言い聞かせながら、恐る恐るグレイの肩へと手を置く。
 緊張で震えそうなアリスとは反対に、グレイの表情からは何も読み取ることができない。じっと見つめる金色の目に射すくめられると、自分がとても子供になったような気分になる。


「・・・・・・目、閉じてよ」


 悔し紛れにそう呟いたアリスに従い、金色が静かに伏せられる。
 吐息を感じられるほど近くにある顔をじっと見つめ、アリスはひとつ息を吐く。まつ毛が意外と長い、とか。目を閉じると少し幼く見えるんだな、とか。気が付かなかった部分を発見して、胸の奥がぎゅうっと締め付けられる。
 暴れだしそうな心臓を何とか押さえつけて、アリスはその頬にそっと唇を寄せた。

 唇越しに触れた体温は一瞬。

 それでも死んでしまいそうなくらい顔が熱くなって、頭が軽くパニックに陥る。
 失態を見せないようにと、慌ててアリスは体を離して元いた位置へとソファへ腰かけなおした。隣にいるグレイの顔をまともに見れず、ぎくしゃくとマグカップを持ち直してコーヒーを一心不乱に口へと流し込む。
 隣で小さな笑い声が聞こえて、なんだかもう泣きたい気分になった。


「・・・・・・いいな、こういうのも。確かにこれは最高のご褒美、だ」


 そっと大きな手が、子供を褒めるように優しくアリスの頭を撫でる。
 無性に子ども扱いをされているような悔しさと同時に、その優しい感触に心が心地よく落ち着いていく。じとりと上目遣いで隣を軽く睨むと、ひどく嬉しそうな顔のグレイと視線が合った。

「・・・・・・また、子供扱いして」
「ああ、すまないな。君が可愛いものだから、つい」
「なによ。頬にキスしただけで狼狽えるなんて、子供みたいとか思ってるんでしょ、どうせ」

 可愛くない言い方しかできない自分に内心落ち込みながら、アリスは再び視線を手元へ戻す。
 マグカップの中、揺れる黒い水面に、拗ねた表情の少女がゆらゆら揺れているのが見えた。

「いや、そんなことはないが・・・・・ただ、そうだな」

 すっと頭を撫でていた手が離れ、アリスの長い髪を掬う。
 軽く髪を引かれる感触にアリスがそちらへと目を向ければ、グレイが手元に引き寄せた髪へと恭しく口づけた。


「ぐ、グレイ!?」
「次があるとしたら・・・・・・今度は違うところへのキスを、期待してもいいか?」


 伺うようにアリスを見つめる金は、夕焼けと混ざり合っていつもより明るく見える。
 どこか獲物を狙うような強い瞳に、静まりかけていた心臓がまたドキドキとうるさくなる。真っ直ぐで、どこか艶っぽい視線に、逃がさないと宣言されているようで、心ごと捕らわれてしまいそうな気分になった。

「か、考えとくわ・・・・・・・・」

 なんとかそれだけ言葉を返して、アリスは今度こそ顔を背ける。
 捕らわれてしまうわけにはいかない。いくら優しく見えようと、彼らは「海賊」だ。奪い、壊し、気ままに生きるのが彼らの本質であり・・・・・それは結局のところ変わらない。故郷から遠く攫われてくることがなければ、出会うはずもなかっただろうほどに、アリスとグレイはすべてが違いすぎる。
 恋をした、それは事実。どうしようもないほど好きになった気持ちは、アリス自身も認めている。

 だけどそれをグレイに伝えるわけにはいかない。
 これと同じ気持ちを、グレイに求めてはいけないのだと思う。


 いつか故郷に戻り、平和な日常を取り戻すだろうアリスは、グレイと一緒に生きることはできないだろうから。


 無駄かもしれないとわかっていて、それでお鮮やかな黄彩に惑わされないよう、アリスは顔を背けた。
 なんだかんだ言いながら、それでもこうしてグレイの隣に留まっていることを選んでいる時点で、もう捕らわれてはいるのかもしれないけれど。いずれ覚悟を決めなくてはいけない時が来るまで、片思いのままで、ワガママに悩んでいたい。
 口に含んだ冷めかけのコーヒーは、さっきより少しだけ苦かった。



 これは、大人のフリが上手い海賊と素直になりきれない少女のお話。

 少女と海賊の一方通行な片思いは、少女が海賊に攫われる覚悟を決めるまで続く・・・・・。





End.
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