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「ネオロマ」
遙かシリーズ

夏色騒動(遙か3、裏熊野)

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 人のことを言えた義理じゃないが、思えばあいつの、ある人物に対する執着も並々ならないものがあった。
 絶対口には出そうとしなかったが、ちょっとした態度とか視線にはちらほらとそういう執着が表れていて。
 ああ、本気で好きなんだなって、すぐにわかる。

 逆に、こいつはそういう初々しさは欠片もない。
 執着を隠しもしないし、どう取ればいいか困惑する意味の言葉を平然と投げかけるし、一歩間違えばセクハラで訴えられるんじゃないかと思うくらいのチョッカイかけて、しょっちゅう殴られたり罵声を浴びせられたりしている。
 だけど、ある人物に対する執着というところとか、ちょっとした態度や視線に込められた熱だとか。そういうところは、似てると思うんだ。
 あいつとこいつの共通点なんざ、それくらいしか思い当たらないが・・・・・やっぱり、思わずにはいられない。


 俺はどうやら、『弟』と恋敵になる宿命らしい。



夏色騒動



「とももり~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!」

 部屋から響き渡った怒声に、またかという気持ちでため息をつく。毎朝毎朝、本当に飽きない連中だ。
 初めの頃は何事だと目を丸くしていた宿の主人や客達も、さすがに同じ光景が3日も続いたので慣れたらしい。昼に食べる予定の握り飯を片手に廊下を進んでいても、誰も部屋から顔を覗かせる奴はいなかった。
 俺も最初の頃は、このすさまじい怒鳴り声に慌ててあいつらのいる部屋へとかけこんだもんだが・・・・・これまでのところ、血を見る騒ぎには至っていないので、今はとりあえず放っておいている。

 ギャアギャアとわめく声の聞こえる部屋の襖を開ければ、今にも剣を抜いて切りかからんばかりの形相の幼馴染と、未だに眠そうな目をしながらもどことなく楽しげに口元を歪めている『弟』の姿。

 いつもは大抵、起こそうとした望美に知盛が眠いだの何だのとぐだぐだと文句をたれ、挙句2度寝を始める様子にぶち切れた望美が、例の怒声と鉄拳をお見舞いするという光景なのだが・・・・・・・なんだか、今日は違うようだ。
 いつもに増して顔の赤い望美といつもに増して楽しげな知盛。

 ・・・・・・・なにか、あったに違いない。

「お前ら、朝からほんっとに元気だよなあ・・・・・・・」

 内心の動揺を隠し、あえていつも通りに呆れたような声をかければ、望美がパッとこちらを振り向いて「将臣くん、聞いてよ!!」と悔しそうな表情ですがりついてきた。
 一瞬、布団の上で胡坐をかいてこちらを見上げる紫の瞳が不機嫌そうな光を宿す。それにほんの少しだけ優越感を覚えつつ、一体あいつは何をやらかしたんだという疑問がわきあがった。

「知盛ってば、人が折角起こしてあげようとしたのに・・・・・・この、この変態男はっ・・・・・・!!」

 思い出すと怒りがこみ上げるのか、ふるふると肩を震わせながら望美が知盛を睨みつける。
 怨霊と戦っている時のような鋭い視線をまともに向けられても、当の知盛は平然としたまま。むしろ、望美の注意が自分に向いたことに喜んでいるようにさえ見える。

「お気に召さなかったか?神子殿が大胆な誘いをかけてきたから・・・・・・・それに応えたまで、だが」
「だ・れ・が誘いをかけたのよ!!大体ねえ、いきなり布団の中に引きずり込まれて、首を噛むなんてどういうつもり!?痛かったじゃない!!」
「噛まれたぁ!?」

 思わず素っ頓狂な声をあげれば、望美が大きく頷いて長い髪の毛を少しずらして、自身の首筋を指でさした。
 あまり日焼けしていない白い項に一瞬ドキリとしたが、すぐにその肌にハッキリと赤く色づいた『噛まれた跡』に眉をよせる。

「?将臣くん、なんか変な風になってる?」

 俺の表情が固まったことに気がついたのか、望美が不安そうに俺を見つめる。

「ん?ああ・・・・・いや・・・・・赤くなってるだけ、だけど・・・・・・」
「赤くなってるの!?もお、信じられない!!ちょっとどうしてくれんのよ、知盛!!」
「クッ。いいじゃないか・・・・・・虫除け程度にはなるさ」
「はあっ!?あんた何言ってんのよ!!大体ねえ、人を噛んでおいて謝りもしないなんて・・・・・・非常識にも程がある!!」


(望美、これは『噛んだ』んじゃないと思うぞ・・・・・・・・)


 色事にはとんと鈍い望美に脱力しつつ、未だに曝されたままの首についた赤い跡を睨みつける。
 きっと実際にされたことがない(当たり前だ。されてたら、俺とかが黙っちゃいない)から、知盛が悪ふざけのつもりで首筋に思いっきり噛みついてきたとか思ってるんだろうが、これは明らかに『キスマーク』・・・・・・・所有の証みたいなもので。

(~~~~~っのやろおおおお!!!)

 こみ上げる怒りそのままに知盛を睨みつければ、それに気がついたあいつは口元を再び歪めて挑発するような視線を返してきた。


 ―――幼馴染、なのだろ?


 その余裕に満ちた表情が、視線が。そう言っているような気がして。



『有川。神子殿はお前の・・・・・・・女か?』
『はあっ!?何を聞くかと思えば・・・・・・違えよ。幼馴染だ』
『幼馴染、か。本当にそれだけの感情で・・・・・あの女を見ているのか?』
『・・・・・・・・何が言いたい』
『まあ、お前がそう言うのなら・・・・・それでいいさ。お前の女じゃないと言うのなら、俺のモノにしても問題はあるまい?』



 昨日の晩、酒を飲みながら話した会話が不意に頭をよぎる。

 ・・・・・・・これは、俺への挑戦と受け取るべきか?
 いや、そんなのはどうでもいい。
 挑戦だろうが何だろうが、売られたケンカは買ってやる。

 本気でムカついた。


「望美」
「なに・・・・・・って、将臣くん!?」


 振り返った望美の腕を引き寄せ、細い体を胸に抱きこむ。
 突然抱きしめられたことにうろたえる望美の首筋に顔を埋め、知盛の『跡』が残るそこにそっと舌を這わせた。望美が驚いて固まったままであるのをいいことに、そのまま何度かその部分を舐める。
 少し視線をあげ、望美の肩越しに知盛を見る。
 何を考えているのか相変わらずわからない表情のまま、俺と望美に視線を向ける切れ長の紫の瞳を挑戦的に見返してやった。

 ほんのわずか、だが。
 あいつの視線に一瞬、殺気と不機嫌が込められた。

 ―――ざまあみろ

 仕上げに知盛がつけたのと同じ場所を軽く吸い上げれば、抱き込んでいた小さな体がびくりと震える。
 その反応と知盛の視線に満足して、俺は機嫌よく望美の体を解放する。
 何も言えずにポカンとしていた望美は、ハッと我に返ったような表情になったと思うと、すぐに顔を真っ赤にして『跡』をつけた場所を手で押さえ、勢いよく立ち上がった。

「ままままままままま、まさおみくんっ!!!!!?????」
「ん?」
「いいいい、いま、今っ・・・・・・・!!!」
「ああ消毒だ消毒。気にすんな」

 笑いながら何でもないことのように言えば、望美は不意に心配そうな表情をした。予想外の反応に首を傾げれば、望美はおずおずと口を開いた。


「えっ、消毒しなきゃいけないほど思いっきり噛まれてたの?」


 ・・・・・・・脱力するって、きっとこういう時だろうな。
 血は出てなかったっぽかったのになあとぼやく望美に深くため息をつく。相変わらず、天ボケは健在のようで。
 まあ、そのおかげで今の関係が続いているんだけどな。俺の気持ちに気付いてほしい気がするけど、まだやっぱり知らないでほしい・・・・・・なんて矛盾してるけど。

「ああ。消毒しといたからもう大丈夫だろ。けど、念のため冷やしとけ」

 苦笑しながら近くにあった手ぬぐいを渡せば、望美は素直に頷いて手ぬぐいを冷やしに部屋を出て行く。
 その後姿に複雑な気分を覚えながら、俺は部屋に残ったもう1人を見下ろした。

「クッ。兄上も苦労するな・・・・・・・」
「知盛。生半可な気持ちであいつに手を出すなと言ったはずだ。」

 そう、あの日。
 自分のモノにしても問題ないだろうと言ってきたこの男に対し、俺は言った。そして知盛は・・・・・・・・

「俺も・・・・・・・言ったはずだが?」
「・・・・・・・・」
「生半可な気持ちではない、と。恋や愛などという生易しい言葉で片付けられないほど・・・・・・俺は、あの女を欲しているとな」

 こいつの言葉がどこまで本気かはわからない。
 だが、これだけは言える。平家の世話になるようになって3年半、戦場以外で何の興味や執着を見出そうともしなかった知盛が、ここまで執着するのは・・・・・・・初めて見た。

「お前こそ、先ほどの態度・・・・・・ただの幼馴染というのは偽り、か?」
「ウソじゃねえよ。望美は俺の幼馴染だ。ただ・・・・・俺の気持ちは違うけどな」

 そう、俺はあいつが好きだ。みっともなく嫉妬して、さっきみたいなことをしちまうくらいに。
 だけど今は幼馴染のままでいい。
 平家を守ると決めた俺は・・・・・・・あいつの傍にずっといてやれない。望美のわがままも聞いてやれず、いつも守ってやることさえできない俺には、あいつを好きだという資格はまだない。



「望美が好きだ。関係は幼馴染のままでも、俺はあいつを欲している。知盛、お前に負けないくらいにな」



 ほう?と知盛が鼻で笑った。馬鹿にしたような態度に腹が立ったが、黙って睨みつけるだけにしておく。
 はだけたままだった夜着をだるそうに羽織りなおし、ゆっくりと知盛が立ち上がった。自然と目線が同じ高さになる。ゆっくりと紫の瞳が細められた。

「ぬるい、な」
「何とでも言え。お前に負けるつもりはねえ」
「はっ。幼馴染の関係を壊せず、あの女の本当の姿を見てもいないお前が・・・・・・?」
「お前があいつに何を見ているのかとか、何を求めているのかとか・・・・・・そんなこと、知ったこっちゃねえ。ただ、言えるのは・・・・・・・」

 一瞬だけ、譲の顔が思い浮かんだ。
 あいつも、望美に恋していて・・・・・・血の繋がった弟と同じ女を取り合うことが、何となく苦痛で・・・・・・遠慮してる部分があったと思う。
 それは他の八葉に対しても同じ。俺よりずっと長く、あいつの傍にいれる八葉の連中に対しても・・・・・・どこか、遠慮していたんだ。望美があいつらの中の誰を選んでも、俺には何も言う権利はない。そんなことを思ってさえいた。
 だけど、こいつに対しては。もう1人の『弟』に対しては。


「お前には、手加減も遠慮もなしに相手できるっていうことだけだ。」


 遠慮も何もしたくない。
 絶対に、負けたくない。

「クッ。おもしろいじゃないか・・・・・・兄上の本気、見せていただこうか?」

 そう言ってからかうように笑った知盛は・・・・・・・本気の目をしていた。



 夏の熊野で、最も熱い騒動が繰り広げられようとしていた。





終わり
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