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「QuinRose」
その他QuinRose作品

Where does a baby come from?(菓子パン、ティウェン、ベストEnd)

 ←君が居ない世界の広さよ(CZ、理一郎→撫子) →夕焼け色の恋をした(鷹→撫、切なめ)
 人は衝撃的な光景を目にすると、本気で眩暈を起こすらしい。
 くらりと揺らいだ視界で、どこか他人事のように冷静に分析する。思わずよろめく衝撃だ。ピーターに半ば攫われるようにしてこの非常識極まりない世界に連れこまれ、それこそ卒倒したくなるほどありえない事柄をいくつも体験し、ちょっとやそっとのことじゃもう動じなくなってきたウェンディだったが、さすがにこれは・・・・・・そういう非常識な事柄とは違う意味で、頭痛がする。
 数歩よろめいたところをなんとか踏ん張り、ウェンディは無言で足を進める。
 正直、他人のフリをしたい。だが、あれを止められるのも自分だけだと理解しているものだから、放っておくわけにもいかない。というか今すぐ止めなければ、羞恥でどうにかなってしまいそうだ。


「だから、俺に子供の作り方を教えてくれませんか?誰か知っていません?」


 視線の先には、にこやかに笑いながらとんでもない発言をしている恋人。
 ・・・・・・・・その周りにはきょとんとした顔で、そんな妖精を見上げる幼い子供達。ついでに言うなら、ここは天下の公道で、今の時間は太陽がまぶしい真昼間。
 人の通りも多い道の隅で、声を憚ることもなく堂々とそんな質問を子供に投げかけている美青年の姿に、道行く人がぎょっとした顔で振り返る。

「・・・・・・・ティンク」
「ああ、ウェンディ。おかえりなさい。ちょうどよかったです、今、彼らに・・・・・・」
「この・・・・・・・・・・・・馬鹿妖精~~~~~~~~~~~!!!!!!

 固く握りしめられたウェンディの右拳は、力いっぱい怒りの対象者に向けられて。
 実にいい音が、異国の町中、青空に吸い込まれていった。



「ウェンディ、どうしたんです?どうしてそんなに怒っているんですか。俺、何かあなたの気に障ることをしたんでしょうか?」

 早足でずんずんと歩くのを止めないまま、ウェンディはちらりと背後に目をやる。殴られたところをさすりながら、ティンクは心底不思議そうな顔で後を追いかけてくる。その顔に悪気という文字はかけらも見当たらない。
 二人であちこち回る異国の地。その道中、見たい店があったから立ち寄ろうと提案したウェンディに、珍しくティンクが外で待っていると言いだし。少し嫌な予感を感じたものの、ティンクと別れて行動した結果がコレだ。
 店の前にいないティンクを探し回って、遊んでいる子供達にあんなことを聞いている恋人の姿を発見した時は、本気で恥ずかしすぎて眩暈がした。

 その当の本人は、最愛の恋人から怒られたことがなかなかショックだったらしい。叱られてどこかシュンとしながらも健気についてくる姿は、大人の男性にこう言うのもなんだが、ヒヨコみたいで可愛く見える。
 別に怒っているというよりは恥ずかしくていたたまれない気持ちの方が強かったということも相まって、ウェンディはひとつ溜息をつくと、少し歩くペースを落とした。

「ティンク、あんな人通りの多いところで、堂々と変なこと口にするのはやめてちょうだい。しかもあんな小さな子達に、なんていう質問してるのよ」
「変なこと?俺は別に変なことを口にしてはいませんが。子供はどうやって作るのかと・・・・・・」
「いいから少し黙りなさい」

 懲りずにまたそんなことを言いだそうとするティンクの口を手で押さえつける。
 もう本当にここがネバーランドじゃなくてよかったと、心底そう思う。こんな調子では、ピーターやらフックやら、その辺りにもお構いなしに聞きまくりそうだ。顔見知りに意味深な目で見られるのは勘弁願いたい。
 ・・・・・・まあ、ネバーランドじゃない異国の地だったからこそ、ティンクが見知らぬ街の人間・・・・・あんな小さな子供達に「子供の作り方を教えてくれ」なんていうとんでもない質問をする事態になってしまったのだろうけど。

「というか、どうして子供にそんな質問したのよ」
「同じ子供なら、どうやって生まれたのかも一番よく知っているかと。この世界は永遠ですからね。大人になればなるほど、自分が生まれた時のことなんて忘れてしまいます」
「・・・・・・・・・理屈はなんとなくわかったけど、だからって他の人に聞かないでちょうだい。恥ずかしいし、聞かれた人がかわいそうだわ」
「でもウェンディは教えてくれませんよね?わからないままは嫌なので、自分で探すのも面白いかと思ったんです」

 ぐっとウェンディは言葉に詰まる。そこを言われてしまうと何も言えない。
 「子供」というものに興味をもったティンクに、どうすれば子供はできるのかと質問攻めにされたのは記憶に新しい。二人きりの時に教えてあげると逃げてはみたが、さすがに実の恋人にそんなことを一から説明するのも恥ずかしく、なんだかんだ誤魔化していたのだ。いくら行為自体はもう済ませているとは言え、そんなことを言った後のティンクがどう出るのか・・・・・・それがちょっと怖かったのもある。今でもわりと大変だというのに、それ以上となると体が持たないだろう、確実に。

 だけどこんなことになるのなら、覚悟を決めて恥ずかしがらずに教えておくべきだっただろうか。
 やや反省して落ち込むウェンディとは対照的に、ティンクはひどく嬉しそうな顔でにこにこ笑っていた。


「でもおかげで子供の作り方がわかりました。やはり同じ子供の方がよくわかっているんですね」
「え?」
「さっき女の子が教えてくれました。赤ちゃんは、愛し合う二人の元へコウノトリが運んできてくれるんだそうです!


 自信満々に告げられ、思わず絶句する。そう言えばティンクを思いっきり殴った後、慌ててその場を立ち去ろうとティンクを引きずって行きかけた時、一人の女の子が何やら彼に耳打ちしていたような気がする。

(それにしても・・・・・コウノトリって・・・・・・)

 幼い子供に「赤ちゃんってどこからくるの?」と無邪気に聞かれた時に親が答える、定番の誤魔化しだ。他にもキャベツ畑で生まれるなんてものもあった気がする。きっと、あの女の子もそんな風に親に教えてもらったに違いない。
 ティンクはまだ生まれてそれほど日にちが経っていないとわかってはいるが、どうにもこれだけ立派な青年が純粋な目で「赤ちゃんはコウノトリが運んできてくれる」と言い切っているのを見るのは、微妙にいたたまれない感がある。
 ・・・・・・そして同時に、何か汚してはいけないような気もするキラキラっぷりだ。

「俺はよくコウノトリというものを知らないのですが・・・・・・どういう生き物なのですか」
「え、ええっと・・・・・私もよく知らないけど、確か白くて羽の先だけ黒い、大きな鳥だってきいたような・・・・・」
「白くて大きい鳥、ですね。わかりました」
「ちょ、ちょっと待ちなさい!あなたその笑顔は何!?絶対何か企んでるでしょう!?」

 これ以上ないくらい楽しそうな笑顔を浮かべ、どこかへ飛ぼうとするティンクを慌てて止める。
 ティンクがこういう顔をするときは、今までの経験上あまりいいことに遭った覚えがない。必死の形相でティンクの腕を掴むウェンディに、空色の瞳が不思議そうに瞬いた。


「え?ちょっとコウノトリを捕まえてこようかと思いまして」
「捕まえてこなくていい」
「大丈夫です、ウェンディ。あなたのために立派で美しいコウノトリを捕まえてきますから。ああ、もちろんちゃんと生け捕りにします。俺とあなたの赤ちゃんを運んでもらわなければならないのだから」
「いや、そうじゃなくてね・・・・・・・」


 大真面目な顔をして何を言うのか、とウェンディはがっくりと肩を落とす。
 どうやら本気で赤ちゃんはコウノトリが運んでくると信じてしまったらしい。純粋なのはいいが、このままでは本気でコウノトリを捕まえに行きかねない。
 ティンクをどう説得しようかと真剣に悩み始めたウェンディの頬に、不意に優しい感触が触れる。褐色色の長い指がするりと頬をなぞった。


「だって、遅いじゃないですか」
「遅い?」
「はい。コウノトリは、愛し合う二人の元へ赤ちゃんを運んできてくれるのでしょう?俺はあなたを何よりも愛しているし、あなたも俺のことを好きだと言ってくれるのに・・・・・・全然コウノトリは、来ないじゃないですか」
「・・・・・・・・もしかして、だから捕まえに行くとか言ってるの?」


 こくりと頷いたティンクの目は、真剣で。コウノトリが来てくれないことを本気で悔しがっているように見えて。
 気がつけばウェンディは、ティンクを抱きしめていた。

(くそう・・・・・可愛いじゃないのよ)

 こんな風に素直に気持ちを表してくれることが、何よりも嬉しい。恥ずかしげもなく、真っ直ぐに本気で「ウェンディ」自身を求めてくれると確信できるから、変に羞恥を感じる自分の方がバカらしく思えてしまうほど。
 彼の前でなら、素直になれる。

「別に捕まえてこなくていいわ。コウノトリが来るまで、気長に待ちましょう?」
「でも」
「いいの!そんなに焦らなくても大丈夫よ。こうして二人で一緒にいれば・・・・・・いつかきっと、その日が来るわ」

 目の前の愛おしい人にそっとキスをして、ウェンディは微笑む。
 妖精と人間。その間に子供が生まれるのかどうかなんて、確証はないけれど。でもなんだか、その願いは叶うんじゃないかとも思う。来てほしいと、思う。

「私もあなたと・・・・・あなたの子供と、家族になりたいもの。だからもうちょっと、信じて待ちましょう?」
「・・・・・・ウェンディが、そう言うのなら」

 ちょっとだけ残念そうな声で頷いて、ティンクは代わりとばかりにウェンディに唇を重ねる。ゆっくりと優しく深く絡まる感触に、胸がどうしようもなく高鳴る。
 思考を溶かすようなキスに翻弄されて、周りのことが見えなくなっていく。


 コウノトリの訪れなんて待つことはない。
 こうして二人で触れ合っている方が、よっぽど確実に「いつか」は訪れる。


 子供は、男の子と女の子どっちがいいかしら。

 そんな幸せな妄想をぼんやりと頭の片隅で考えて、ウェンディは情熱的なキスに酔いしれた。





End.
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