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「QuinRose」
アリスシリーズ

アリスさん家の猫~甘えさせてvの巻~(クローバーの国、ボリアリ)

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「それでね、ダイナったら可愛いのよ?甘えたい時に私が構ってあげると、ころんとお腹をみせてくれるの。なでてあげると喉を鳴らせて擦り寄ってきて・・・・・・・」

 気兼ねなく存分にダイナの話ができるのは久しぶりだ。ここにはダイナの名前を出しただけで拗ねる相手はいない。
 ここは帽子屋屋敷の庭で、私の前にいるのは少し呆れ気味の顔をして話を聞いてくれる双子の門番達。
 私は今、ディーとダムに会いに帽子屋屋敷へ遊びにきている。

「甘えすぎて時々噛んできたりもするんだけど、ちゃんと手加減してくれてるからあんまり痛くないし、何よりも甘えてくれているってわかるから許せちゃうのよね~」

 親バカになっている自覚はあるけれど、どうにも止まらない。
 ダイナは本当に本当に可愛いネコだったのだ。思わず他人に自慢したくなってしまうほどにいい子でお利口さんな仔猫だった。・・・・・・・・今の恋人、ボリスに話すと拗ねるだけじゃなく暴れだすので言わないけれど。
 うっかりダイナのことを会話に出して何度か苦労したので、私は近頃特に気をつけるようになった。猫っぽい(というか実際に猫だ。猫に本気で妬いている辺りからして)ボリスを見ていると必然的にダイナとの共通点を見つけて懐かしくなるが、それを我慢して口に出さないようにしていた。
 その分、今日は普段よりも数倍親バカ度が高い話をしてしまっている。

「ねえねえお姉さん~、もう猫の話なんてどうでもいいよ。」
「そうだよ。猫なんてボリスだけでいいよ。それより遊ぼうよ~」
「ダメ、聞いたんだったら最後まで聞くのが礼儀でしょう?聞いてくれなきゃ、もう遊んであげないわよ?それでね・・・・・・・・・」

 双子は完全に呆れてしまっているようだが、そもそも遊びに来るやいなや興味津々に「お姉さんって元の世界で猫を飼っていたんだってね?」とうっかり私にたずねてしまった2人が悪い。
 これは自業自得というやつだ。そういうことにしておいて、しゃべり続ける。

 結局、私のダイナ自慢はその時間帯が終わるまで止まることはなかった。





 数時間帯後、自室として使わせてもらっている宿屋の一室で、仕事を終えた私の帰りを迎えたのは、ぶすーーーーーっとした顔のボリスだった。
 あまりの機嫌の悪さに、思わず回れ右をしてもう1回出かけたくなるくらいに、ボリスは不機嫌オーラを隠しもしない。ベッドの上に腰かけ、腕組みをして・・・・・・・金色の目を私から逸らさない。
 ・・・・・・・・機嫌が悪いどころじゃない。怒っている。絶対に怒っている。

(こ、こわ・・・・・・・・っ)

 私は何かしただろうか。あきらかにこの苛立ちは私に向かっている。
 何か・・・・・・・・・ボリスを怒らせるようなこと、しただろうか。ここ最近は全く心当たりがないのだけど。
 大体、仕事に行かなければいけない直前までボリスとは一緒にいたが、全くいつも通りだったし機嫌はむしろよかったはずだ。

「アリス」
「は、はいっ!?」

 いろいろと考えをめぐらせていた私をボリスが呼ぶ。
 声からも滲み出る不機嫌さに驚いて、思わず引きつった返事が出た。そんな私をじとっと睨みながら、「こっち、来てよ」と自分の隣を叩く。
 有無を言わせない口調に私はそろそろと近づき、ベッドの上、ボリスの隣に腰かけた。

「・・・・・・・・・・・」
「?」

 途端、ドサッと倒れこむようにして仰向けにボリスはベッドに寝転んだ。
 そして意味がわからずに傍観している私の手を取り、甘えるようにして顔をすり寄せる。それ自体は珍しいことじゃない。猫が甘える時によくやる仕草だ。自分を猫と言って憚らないボリスも、構ってほしい時にしょっちゅうやる行動。

 ・・・・・・・・機嫌が悪そうなのに、どうしてここで甘えられるのかは謎だけど。

 不思議に思っている私に焦れたのか、ボリスは軽く手を引っ張る。上目遣いの視線がイタイ。拗ねたような甘えるような光を宿して見てくる金色の目は、反則だと思うくらいに・・・・・・・・こう・・・・・・・可愛らしい。
 外見は立派な人間の青年だと言うのに、なんだろうこの動物的な可愛さは。
 この世界の獣人は基本的にそうだ。獣耳や尻尾のついた男なんて気持ち悪いだけだと思うのに、時々とてつもなく可愛い姿を見せる。そして私はそれに弱い。


「ねえ、アリス・・・・・・・・・撫でてよ」
「へ?」
「いい子いい子、ってさ。俺の腹を撫でてよ」
「・・・・・・・・・・・・・」


 何だって?


 なんだか果てしなくおかしなことを聞いた気がするけれど、空耳だろうか。
 が、ボリスが掴んだままだった私の手を自分のお腹に触れさせたところで、今のが空耳でも冗談でもないことを悟る。
 お腹。ボリスのお腹、だ。
 あのヘソ出しスタイルの、わりとギリギリまで露出した、うらやましいくらい引き締まった肌に、手が触れた。


「~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!?????」


 思わず力いっぱい手を振り払って、ベッドの隅まで勢いよく後ずさってしまった。
 なんだろうなんだろう、このとてつもなく恥ずかしいことをしてしまったような気分は。顔が勝手に熱くなる。何か文句を言いたいのに言葉が出ない。
 無駄だとはわかっていても、真っ赤になった顔を見られたくなくてうつむいた。
 ボリスが体を起こして、はあっと溜息をつくのが気配で感じられた。

「なんだよ・・・・・・・・いつもはもっとすごいこともしてるんだし、これくらいで照れることないだろ?」
「なっ・・・・・・・・!!あ、あんたはどうしてそういうことをサラッと・・・・・・・・!!」
「だって本当のことだし。いいじゃん。昔の猫にはやってたんだろ?それなのに俺にはやってくれないんだ?」

 面白くない、とデカデカと書かれた表情でボリスはこっちを見る。
 昔の猫、でピンとくる。ボリスはそれを言う時、ものすごく嫌そうな悔しそうな顔をする。実に・・・・・・・・わかりやすく嫉妬する。彼にとっては、人間の男と同じくらい、あるいはそれ以上に嫉妬の対象となる猫。

「だ、ダイナのこと?だってダイナは猫・・・・・・・・・」
「何度も言ったと思うけど、俺だって猫だよ?そのダイナとかいう性悪猫の腹は撫でるくせに、俺には撫でてくれないんだ?ずるい、不公平だよ。」

 こっちだって言わせてもらいたい。
 ボリスとダイナのお腹じゃ、全然別ものだ。

 声を大にして言いたい。
 あのふわふわでさわり心地のいい毛並みに覆われた柔らかいお腹をわしゃわしゃと撫でてあげるのと。無駄のない筋肉がしまったツルツルで・・・・・・・あまり言いたくないけれど、正直女の私よりも色気を感じる腰つきをした、どこからどう見ても人間のお腹を撫でてあげるのと。・・・・・・・同じ「撫でる」だって、意味合いも感じ方も何もかもが違う、違いすぎる。
 ダイナのお腹を撫でる時は、こちらも癒された。だけどボリスのお腹を撫でたら、どう考えたって癒されるどころじゃない。変にドギマギして緊張するに決まっている。


「だ、ダイナは飼い猫だからいいの!!」
「よくないっ!!あんたは騙されてる、絶対騙されてるっ!!甘えてゴロゴロ言いながら腹出して・・・・・・・挙句に甘噛みして甘えるなんて、下心見え見えだよ。それなのにあんたは騙されちゃってさ・・・・・・・・嬉しそうに他の猫のことを惚気るなんて、信じらんないぜ。浮気だよ、浮気っ!!」
「の、惚気・・・・・・・?」
「惚気てたんだろ!?ディーとダムが、あんたが昔飼っていた猫のことで散々惚気られてまいったとか何とか言ってたぜ!!俺のいないところで、昔のヤツの惚気話をするなんて・・・・・・・俺の目の前で惚気られても腹立つけど・・・・・・・・今回のは、許せない。」


 あんの××××・・・・・・・・・っ!!!なんでしゃべるのよっ!!!!!
 満面笑顔な双子の顔が思い浮かび、思わず心の中で下品な悪態をついてしまった。
 確かに延々と親バカ話に付きあわせたのは悪かったかもしれないし、ボリスには言わないでねと口止めしていなかったかもしれない・・・・・・・・が。

 惚気話はないだろう、惚気話は。

 双子は知っている。ボリスにそういう話をしたら、どういうことになるか予想がついたはずだ。だって私は、どうやらボリスがダイナに対抗心を持っているらしく、話すと不機嫌になってしまうということも一緒に話していたのだから。
 あの2人はそれを聞いて、面白そうに「ボリスがねえ・・・・・」なんてにやにや笑っていた。・・・・・・・・・今思えば、あれは絶対にこれをネタに私とボリスをからかうことを思いついたからに違いない。
 余計なことをしてくれたものだ。けれど、今はそれに憤りを感じているよりも先にやらなければならないことがある。
 この、かなり剣呑になった目つきで、じりじりと迫ってくる猫の恋人を、どうやって宥めるか、だ。


「あ、あの・・・・・・・ボリス・・・・・・・・?」
「甘噛みはされたんだったっけ?じゃあ、他には何をしたの?何をしてないの?」


 落ち着いて!と言うより先に、するりと距離を縮められて・・・・・・・気がつけば、ベッドの上に押し倒されていた。前にも似たようなことがあったような・・・・・と妙に冷静な部分がデジャヴを感じていると、真上に見えるボリスの顔が、楽しそうに笑った。
 楽しそうに・・・・・・・・・楽しそうに・・・・・・・・・・獲物をいたぶる時のように、楽しそうで酷薄な笑み。捕らわれる、動けなくなる。

「俺があんたにとってハジメテの猫だって言うのは知ってるけどさ・・・・・・・他にはどうなの?正直に言いなよ、アリス。白状するまで離さないよ・・・・・・・・」

 そんな私の片手をするりと捕まえ、ボリスは見せ付けるようにゆっくりと自分の口もとへと引き寄せる。
 そして・・・・・・・・・・・この猫は、こともあろうに、そのまま、私の手に噛み付いた。


「・・・・・・・っ!!??」
「ん・・・・・・・・やっぱ、アリスは甘いね。」


 ぺろりと、今度は噛んだ場所に生暖かいものが何度も這わされる。
 ざらざらして湿ったそれが、ボリスの舌だと理解するまで、麻痺した私の頭ではたっぷり10秒以上はかかったように思う。彼はそれまでひたすら手に舌を這わせ、味わうように口に含んだりしては噛み・・・・・・・・

「なっ、なななななっ・・・・・・・・!!」
「甘噛みなんて、して欲しけりゃいつだってやってあげるのに。これで一個、ダイナとかいうヤツとだけの思い出は消えたね。他は?」

 ようやく、自分がとんでもなく恥ずかしいことをされているという考えに思考が追いついた瞬間、私は大慌てでボリスから離れようともがいた。
 が、しっかりとボリスの口もとに固定された手は動きもしないし、圧し掛かられるように覆いかぶさられているせいで押し倒された状態から抜け出せもしない。
 その間にもボリスは飽きもせず、人の手を噛んでくる。
 噛んでくる・・・・・・・と言っても軽く、少し痛いくらいの力の入っていない噛み方で、おまけに時折指ごと口に含んだりざらざらした舌で舐めあげたりまでするから・・・・・・・・・


「っ・・・・・・・・・ぼ、ボリス・・・・・・・・・あんたいい加減にっ・・・・・・・・!!」
「・・・・・・・・・ふふっ、アリス顔真っ赤・・・・・・・・・・そんな顔して、感じちゃった?」
「なっ・・・・・・・・!?ば、バカなこと言ってないでさっさと・・・・・・・・!」
「たまには素直に言ってくれればいいのに・・・・・・・・・潤んだ目で言われたって、誘ってるようにしか見えないってのにさ。アリスってずるいよなあ・・・・・・・・そんな可愛い顔されたら、俺が怒れなくなるの知ってるだろ?」


 そんなもの知るわけないでしょ!っていうか、誘ってるってなに!?
 言ってやりたい文句は、全部ボリスの唇に封じられた。

 ボリスのキスは、ずるい。

 何でもかんでも器用なボリスは、キスもうまい。
 だって、いつもいつも・・・・・・・私はボリスのキスで考えを溶かされてしまう。悲しみも怒りも寂しさも、思い出さえも・・・・・・・全てを溶かして忘れさせて、彼のことしか目に入らなくさせてしまう。
 だから、ボリスのキスはいつだってずるい。


「・・・・・・・・・・でも、やっぱり今回は黙って許しちゃうわけにはいかないからさ。ちゃんと教えてね、あんたが昔の猫としたこと全部」


 素直に教えてくれないとひどくしちゃうよ?
 唇を離して、にいっとまたしても楽しそうに笑ったボリスを軽く睨みつける。

「教えたら・・・・・・・・どうするつもり?」
「全部実行するに決まってんじゃん。あんたと他の猫だけの思い出なんて、そんなもの許せないよ。悔しい。だから・・・・・・・・塗り替える。俺とアリスだけの思い出もいっぱい作って・・・・・・・・そしたらいつかは、アリスは俺でいっぱいになってくれるかもしれないだろ?」
「・・・・・・・・・ヤキモチやき」
「そうだよ。俺はヤキモチやきなんだ。あんまり嫉妬させないでよ」



 ―――大好きだよ、アリス。だから俺だけを見ていて?



 囁いて、もう一度重ねられた唇。
 本当にずるい猫だ、ずるい。

 ずるくて悔しいから、離れる寸前、ボリスの首に腕を回して引き寄せた。

 何をするにもボリス相手ならドキドキして落ち着かない。
 それなのに、それすら嬉しい。
 キスをして何も考えられなくなるくらい、ボリスのことでいっぱい。
 恋を面倒くさがっていたはずなのに、いつの間にか反応は完全に恋する女。


 飼い猫じゃなくて、恋人。

 たった一人、特別で心の底から愛しいと思う・・・・・・猫。


 それをなかなかわかってくれない私の猫に、今度は私から口付けを。





End.
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