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「QuinRose」
アリスシリーズ

アリスさん家の猫(クローバーの国、ボリアリ)

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 少し重苦しい圧迫感で目が覚める。
 胸元にある重みに手を伸ばせば、ふわふわとした柔らかい毛並み。感触を楽しむように指を這わせて撫でると、機嫌よさそうなゴロゴロという音が返ってくる。
 起きぬけでぼんやりした頭のまま、胸元近くの温もりをぎゅっと抱きしめた。
 あたたかい・・・・・・・・・・また眠ってしまいそうになる。日向のような柔らかい匂い。
 瞼が重くて開かない。起きるのが面倒になるくらいに気持ちいい。でもそろそろ起きないといけない時間なんだろう。
 この子が私の上に乗っているっていうことは、起こしに来てくれたということだから。私の飼い猫はとてもお利口さんだから・・・・・・・・起きなくちゃ。

「ん~・・・・・・・・おはよぅ・・・・・・・・・・ダイナ・・・・・・・・・」

 ちゅっと抱いたままの温もりにキスをして、やたらと重い目をこじ開ける。
 朧げな視界に、白い毛並みがいっぱいに・・・・・・・・・・白い・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 白、じゃない。

 予想していたのとは全く違う、目に痛いくらいのピンク。
 掌に触れるのはふわふわと柔らかい毛だけれど、普通の猫を抱いた時のような気持ちいい感触ではなくて、人間の頭を抱き寄せているように固くて・・・・・・・・・というか頭だ、これは。
 私が胸元に押し付けるようにして抱きしめているのは、猫耳のついたピンクの髪の人間の頭。
 一気に目が覚めた。腕にこめていた力が弱まり、むくりと私に頭を抱き寄せられていた当人が体を起こす。
 さっきまでの気持ちいい夢見心地が、一気に冷え切る。

「・・・・・・おはよ、アリス。いい朝だねえ?」

 にっこりと。

 上半身を起こしたまま固まった私に、ベッドのすぐ脇に座り込んだボリスは上目遣いで微笑んだ。
 ・・・・・・・・そりゃあもう、薄ら怖くなるほどの笑顔で。





 そんなこんなな目覚めから、すでに1回時間が変わった。
 困ったことに、未だボリスは拗ねまくったまま機嫌を直してくれない。

「ボリス~?」

 呼びかけても反応はなし。
 機嫌を伺うようにこうして何度も話しかけてはみているが、ボリスは私に背を向け、完全に顔を背けてしまっている。
 つん、としている姿は本当に猫のようだし、ヘソを曲げてしまった子供にも見える。

「間違えたのは悪かったわ、反省してる・・・・・・・・だから、いい加減に機嫌を直してちょうだい」

 つーん。

 実にわかりやすく、ボリスは拗ねる。ついでに言えば、彼の感情も比較的わかりやすい。
 ちょっとだけ距離を取ってはいるが、ベッドの横から離れない。本当に聞きたくないのならさっさと出て行ってしまっているだろうに、決してそうしないのは、構わないでほしいけれど人恋しいというサイン。
 機嫌が悪そうにパタパタと尻尾が揺れてはいるが、一応言葉には耳を傾けてくれているらしく、話しかけるたびにこちらにぴくりと動く耳が教えてくれる。
 猫を飼っていてよかったかもしれない・・・・・・・と思うのはこんな時。
 いや、恋人のことを理解するのに、猫を飼っていた知識が役立つのもどうかとは思うけど。もっと言えば、猫(人型に近いとは言え)が恋人という時点でアレな感じだけど。

(見かけは人間なんだけどねえ・・・・・・・・猫だわ。本人も言ってたけど、確かに猫だわ)

 私はただ、寝ぼけて飼い猫の名前を呼んでしまっただけ。
 元の世界で飼っていた仔猫、しかもメス。ずっと私の部屋で暮らしていて、寝るときも起きるときもいつも一緒だった可愛い猫。


 まさか寝ぼけた恋人に昔飼っていた猫と間違われ、本気で拗ねてしまう男がいるとは思わなかった。


 予想外だ。予想外すぎるが、猫に近い恋人を持った時点で覚悟しておくべきだったかもしれない。
 ボリスからすればきっと、元カレの名前を呼ばれて抱きつかれたみたいなものなのだろう。そう・・・・・思うようにしておく。

(なんかもう、猫という時点で間違っているというか・・・・・・・でもダイナってメスなんだけどね)

 ふうっと軽く溜息をついて、窓をちらりと見た。
 今は夕方、空は赤い。次にどの時間帯がくるかはわからないけれど、あと1回時間帯が変わったら私は仕事に行かなくてはいけない。聞いているらしい素振りはみせていると言え、話しかけても無視するほど本気で拗ねているボリスなんて初めてだったから、放っておけずに着替えもせずに彼のご機嫌取りをしていたが・・・・・・・・さすがに仕事をサボるわけにもいかない。
 せめて仕度くらいはしておこう。もし時間帯が変わる前にボリスが機嫌を直してくれなかったら、仕事を終えた後でもう一度ボリスの機嫌取りをしてみよう。少し時間を置いた方が、機嫌も直りやすいかもしれない。
 そう判断し、私はそのままベッドの上から降り・・・・・・・・・・


「・・・・・・・・・・ボリス?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」


 寝巻きにしているネグリジェの裾をはしっと掴まれた。
 結構強引なところがあるボリスにしては、珍しく控えめ・・・・・・・というか、小さな子供みたいに頼りなげな行動。私は思わずベッドに再び腰をおろし、手を伸ばせば触れられる距離でしゃがみこんでいるボリスをじっと見下ろした。

「アリス・・・・・・・・・」
「うん?」

 ようやくこちらを見たと思ったボリスは、悲痛な顔をしていた。元の世界に飼い猫がいたと初めて話したときと同じくらいに。

「元の世界に帰りたくなった?」
「え?」
「俺じゃなくて・・・・・・・・・元の世界にいる猫に会いたい?俺は、あんたの一番の猫になれないの?俺を・・・・・・・・・置いていっちゃうの、アリス?」

 普段からは考えられないほど落ち込んだ姿に、何とも言葉にし難い気持ちがこみ上げる。なんというかこう・・・・・・・・・思いっっっきり抱きしめてあげたい衝動だ。こういうのが、母性本能をくすぐられるということだろうか。
 心なしかしゅんとなっている尻尾や耳が異常に可愛らしい。

「バカね。置いていったりしないわ」

 声が柔らかくなるのを止められない。
 不安げに見上げてくるボリスをぎゅっと抱きしめる。さっきは間違えてしまったピンクの髪を優しく撫でた。彼の髪はとても柔らかくて気持ちがよくて・・・・・・・好きだなあ、なんて感じてしまう。
 恋愛でバカになるような真似だけはするものかと思っていたのに、実際はどうしようもないものだと知った。私も大概恋人には甘くなってしまっている。
 ボリス相手の場合、恋愛面と動物愛護の面がごっちゃになってしまっている感も否めないけれど。


「私が好きなのはボリスだけよ。ダイナに会えないのはもちろん寂しいけど・・・・・・・・だからと言って、ボリスと離れることになるのは嫌」
「アリス・・・・・・・・」
「ボリスは猫かもしれないけど・・・・・・・私にとって、あなたは猫である前に恋人よ。特別で・・・・・・・・置いていくなんてできない」


 そう、ボリスは恋人だ。猫だろうがなんだろうが気にならないくらいに好きな人。
 もし今ここにダイナが現れたとしても、私の「特別」がボリスであることに変わりはない。

「アリス・・・・・・・・・・・それ、本当?」
「嘘言ってどうするのよ。少なくとも、ダイナのためにあなたを残して帰るなんてことはしないわ」
「・・・・・・・・・そっか。よかった」

 安心したような嬉しそうな声に、私までほわほわした気持ちになってくる。顔は見えないけれど、きっと甘えた笑顔を浮かべているに違いない。
 すりよってくる手が、背中に回される。抱きしめられる腕の温かさに、自分でも気持ち悪くなるくらいとろけた笑みが浮かぶのを感じた。
 大人しく頭をなでられていたボリスが、ゆるりと顔をあげて。



「・・・・・・・・・それ以外の答えを言われたら、ものすご~~~くひどいことしちゃいそうだったから、さ」



 にやりと、実に性質の悪い笑みを浮かべた。

 甘い恋のムードにすっかり酔わされていた頭が一気に冷静になる。危険だと警告が鳴り響くが、しっかりと背中に回された手が逃げるのを許してくれない。
 ベッドの方に上半身だけ押し倒されたような状態で見上げるボリスの顔は、さっきまでの落ち込みは演技だったのかと言いたくなるほどに意地悪く飄々としたものだった。
 ダイナの名前を寝ぼけて呼んでしまったときに見た、あの薄ら怖い笑顔と全く同じ・・・・・・・・・いじめっ子オーラ全開の笑顔だ。

「だ、騙したの!?」
「騙した?何が?」
「さっきまでしおらしく落ち込んでたくせに・・・・・・・・!!あれは演技だったわけ!?」
「え~騙してなんてないぜ。ホントホント、俺、すご~~~~~~く落ち込んでたんだよね。あんたを起こしに来たのにさ、嬉しそうに抱きしめて撫でてくれた挙句に呼んだのが昔の猫・・・・・・・・・もうショックでショックで」


 でもあんたがずっと傍にいて俺のこと気にしてくれたし、俺のこと特別だって、置いていかないって言ってくれたから、今回は許してあげる。


 そんなことを言いながらも、ボリスの拘束は緩まない。それどころか背中に回った手が何だか怪しげな動きを始めている。
 焦ってなんとか脱出を試みるものの、獲物を見つけたように楽しげなボリスの表情は、ますます深まるばかり。

「ゆ、許してあげるとか言いつつ・・・・・・・・・絶対に許す気ないでしょ、あんた!!」
「許してるよ。間違って名前を呼ばれたことにはもう怒ってない。怒ってないけど・・・・・・・聞きたいことがあってさ。アリス、そのダイナって猫としょっちゅう一緒に寝てたの?」

 ぴたりと思わず抵抗する動きを止めてしまった。
 冷や汗がつうっと背中を流れた。恐ろしいほど身の危険を感じる。猫ににらまれたネズミもこんなものかもしれない。何度目かわからないが、ネズミの気持ちを少し理解してしまった・・・・・・・・それくらい、ボリスから感じる無言の圧力は恐ろしい。


「あそこで迷わず俺じゃなくて昔の猫の名前を呼ぶってことはさ・・・・・・・・俺と一緒に寝るよりもずっと多くの回数、ダイナとかいうヤツと寝ていたってことだよね?」


 ここで、しょっちゅうというか毎日ダイナとは寝ていた~なんて言ったらどうなるだろう・・・・・・・・・考えるのも恐ろしい。
 恐ろしさに固まっていた私に、追い討ちとばかりにボリスは笑顔を見せた。にっこりと、実に爽やかな・・・・・・・・・某騎士を思わせるほどに爽やか~な笑顔を。

「ぼ、ボリス・・・・・・・・・?私、次の時間帯から仕事が・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・ふうん、そう。サボっちゃえばいいじゃんって言いたいけど、あんたマジメだから気にするよな。でも、時間帯が変わるまでならいいよね?それまでは俺につきあって。まあ多分、時間帯が変わるころには仕事なんて行く気なくしてると思うし」
「・・・・・・・・・・」
「俺、あんたと一緒に寝たいな・・・・・・・・二度と昔の猫の名前なんか呼ばなくなるくらいに、たっっっくさん♪」


 ・・・・・・・・・・・・・やっぱり怒ってるんじゃないか。


 もはや諦めのため息を零しながら、降りてくるキスを大人しく受け止めた。
 一番性質が悪いのは、ボリスじゃなくて、どんなことをされても受け入れてしまっている私なのかもしれないと・・・・・・・・ちらっと思いながら。



 とりあえず、ダイナとお風呂に入ったこともあるということだけは黙っておこう。
 というかダイナの話題だけは、絶対にボリスの前でしないようにしよう。
 それから数時間帯後、ようやく仕事に復帰できた私は気だるい体を引きずりながら、固く決心することになるのだった。





End.
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