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「オトメイト系」
AMNESIA

恋人の距離(シンGoodエンド後)

 ←戦隊モノが好きなのかな →遠い背中に追いつけない(シンBAD「永遠に覚めない夢を」後)
 シンの部屋に行きたい、と言ったら、なぜか一歩先を歩いていた恋人は、ものすごく微妙そうな顔をして振り返った。
 どうしてそんな顔をされるのかがイマイチ腑に落ちず、少女は首を傾げる。きょと、とシンの赤い瞳を見つめていると、あからさまに逸らされてしまった。

「だって、シンが私を部屋に入れたくなかった理由って、ベースの練習してるの知られたくなかったからでしょ?」
「・・・・・・そうだけど」
「でもそれはもうバレちゃったんだから、部屋に行ってもいいんだよね。シンだって言ったじゃない。いつでも来ていいって」
「まあ、言ったけど・・・・・言った、けどな・・・・・おまえ、もう少し時間とか考えてそういうの口にしたら?」

 時間と言われ、携帯を開いて確認してみる。今は21時をやや回ったくらいだ。外はもうすっかり暗く、確かに他人の家にお邪魔するにはやや気を遣う時間だろう。
 だけどそれこそ、生まれた時から付き合いのある幼馴染の家だ。これくらいの時間に互いの家を行き来することなんてザラにあったし、勝手知ったるなんとやらというもので、特に抵抗はない。

「え、ダメ?シンのお母さん今日早く帰ってくるとか?ご迷惑になっちゃうなら、やめとくけど・・・・・・あ、それとも受験勉強に集中したいかな?」
「いや、別にうちの母親は今日も遅いだろうし、勉強は心配されるほど追いつけてないわけじゃないし、それは気にしなくていい。そうじゃなくて・・・・・おまえ、夜に男の部屋に行きたいなんて言ったら、どういう風に取られるかとか考えてみないわけ?」

 そう言って思わせぶりに近づいた顔に、思わず後ずさる。本気でキスを迫るつもりはなかったのか、シンは上出来と言わんばかりに口元を歪め、すぐに体を離した。
 恋人同士となってからも幼馴染の距離感が抜けない彼女に、「男として意識させる」ため、シンは隙あらば常にキスを仕掛けてくるようになった。とんでもなく強引な荒療治だったが、そのおかげというべきか、確かに彼女の意識も変わった。・・・・・・主に、警戒心という面で。

「おまえ、相変わらずすぐ忘れるよな。意識しとけってもう4ヶ月以上言ってるっていうのに、隙がありすぎるんだよ、バカ」
「し、シンがいつもいつも不意打ちすぎるの!意地悪だよ・・・・・シンが近くにいる時ずっと緊張してたら疲れるでしょ。私にも気を抜く時間くらい頂戴よね!」
「嫌だ。ずっと緊張してればいいよ。おまえにはそれくらいで調度いいだろうから・・・・・ずっとオレのことで、ドキドキしてればいいんだ」

 手を繋いだりするだけで全力で照れるくせに、キスやこういう台詞はさらりと言えてしまうんだから困る。彼女はむうっとシンを睨み付けた。
 シンが近づくたびにキスされるのかと身構え、ドキドキして意識が全部シンの方に持っていかれてしまう。これがシンの狙った「男として意識」するということであるなら、彼の思惑は見事に果たされたというところだ。
 それを悔しく思うと同時に、妙に寂しくもなる。
 確かに幼馴染と恋人の関係は、感じる気持ちも別物だということに気が付くことはできた。でも20年来一緒に育ってきた「幼馴染」ならではの距離感は穏やかで大切で、今更急に変えようとしても変わらないものだし、変わって欲しくないと願う。シンの隣で緊張するのではなく、穏やかに幸せを感じていたいのだ。シンには、どうしてかうまく伝わってくれないけれど。

 ・・・・・・恋人と幼馴染。その両方の距離感を求めることは、我儘なのだろうか。


「・・・・・・なんて顔してんだよ。別に部屋に来るな、って言ってるんじゃないんだから、そんな妙な顔するな」
「妙な顔ってどんな顔よ・・・・・・シンはいつも一言多い」


 視線を逸らそうとして、不意に伸びてきた手が頬に添えられる。
 そのまま軽く引き寄せられてシンが近づく。とっさに身構えて目をつぶった彼女の鼻先に、ちょんと柔らかいものが触れる。予想外の行動に驚いて目を開けると、すぐ間近にある赤い瞳と視線が絡んだ。

「寂しそうな顔・・・・・・オレの傍にいたくていたくて堪らないのに、何でわかってくれないのかって拗ねてる顔。ほんっと、おまえは昔からわかりやすいよな」
「なっ・・・・・!?」
「どんだけの付き合いあると思ってんだ。おまえの考えてることなんて、すぐわかるに決まってるだろ。折角久々のデートだからもう少し一緒にいたいとか思って、オレの部屋に行きたいって言い出したのに、断られた理由がイマイチ納得いかなくて拗ねてるとか・・・・・まあ大体、そんなところだろ?」
「ち、ちがっ・・・・・違うよ!!絶対絶対そんなこと思ってない!!シンのバカバカバカ~~~~~~!!!」

 自分でもうまく言い表せなかった気持ちを見事に言い当てられてしまい、彼女は勢いよく顔を赤くした。照れ隠しにシンの胸元を叩いて離れようとするが、いつの間にか腰に回っていたシンの手が、今の距離から離れることを許してくれない。
 仕方なくそのままの体勢で、上目遣いに軽く睨んでやる。
 「おまえな・・・・」という呆れたような溜息の後、シンの唇が今度は軽く頬に落ちた。

「オレだって、おまえともうちょっと一緒にゆっくりした時間を過ごしたいんだ・・・・・とか、思ったりしないの?」
「え?」
「ガッついてばかりいるとか思われると心外だから言っとくけど、オレだってたまには・・・・・ただおまえと寄り添っていられるだけの時間を過ごしたい、とか思う時くらいある。幼馴染に戻りたいとかは思わないけど・・・・・あの、何にも考えなくても当たり前みたいに一緒にいた時間を、恋しく思う時はあるんだよ」

 ぎゅっと腰と背中に回された手に力が込められる。
 もうすっかり夜になった住宅街には人通りなんてほぼないが、それでもこうやって抱きしめられると落ち着かない気持ちになる。
 少しだけ顔を動かして、シンの方を見やる。彼の表情は見えなかったけれど、ちらりと覗いた耳がほのかに赤くなっているような気がした。


「ただ、なんつーか・・・・・・おまえが傍にいると、いろいろ抑えられないだけで・・・・・オレだって緊張してるんだって、わかれよ。余裕ないんだから、オレの部屋行きたいとか無防備に誘うようなこと言うな。おまえ傷つけるようなことは、さすがに避けたいし・・・・・オレの勘違いとか暴走で、おまえを自分勝手に抱くようなことしたくない」


 半ば独り言のように低く囁かれた言葉を、うまく認識できない。
 ただ何となく今のシンの顔が見たくなって、必死で顔を動かしてみる。それに気が付いたシンがますます抱きしめる力を強め、どうしてか思いっきり顔を背けた。

「・・・・・・ねえ、シン。ちょっと痛い」
「我慢しろ」
「シン。シ~ン?顔、見たいんだけどな・・・・・・」
「ぜってー嫌だ。見なくていいから、ちょっと大人しくしとけ」
「シン」
「なんだよ」

 そっけない言葉と態度の裏にある優しさとか想いとかに、口元が綻ぶ。彼のすごいと思うところは、それを隠さないで伝えてくれるところ。まっすぐで一途。だからシンの言葉は、いつだって何の疑いもなく信じると断言できる。
 たとえ、記憶を失っていてさえも、シンの言葉は胸に届いて・・・・・信じられた。
 回された腕にそっと手を添え、彼女はゆっくりと目を細めた。


「好きよ。大好き」


 びくりとシンの体が震え、抱きしめられていた腕が少し緩む。
 その隙をついてわずかに体を離し、彼女は真正面からシンの顔を見つめた。

「ふふっ、シンってば真っ赤♪」
「・・・・・・・」

 不意をつかれて目を瞬かせていたシンが、深々と溜息をついて項垂れる。
 久々の優越感に、少女は勝ち誇った満面の笑顔を浮かべる。恋人同士になってシンに振り回され続けて約四か月。ようやく、シンから一本取ってやったような気持ちだ。


「・・・・・・・・・完全におまえの自業自得だからな。文句なら、煽った自分に言え」
「え、・・・・・・・んむっ!?」


 再度詰められた距離は、今度はすぐに彼女の唇を奪う。
 いきなりの深いキスにぐらりと視界が一瞬揺れ、足元が震える。すがるように伸ばした手で、シンの服を掴んだ。

 くらりくらりと揺れる意識に、シンの瞳が映る。
 情熱的な色と体現されるにふさわしい赤が、そこに込められた確かな熱情が、少女の意識をすべて塗りつぶしていく。

 本当だ、もう戻れないね。

 彼女は声に出さず、そっとシンに同意した。

 深められる熱。もっともっとと際限ない気持ち。
 恐怖さえうっすらと感じる感覚は、だけどどこか幸せで満たされて。


 ・・・・・・この熱を知ってしまったら、幼馴染の距離感じゃ、きっと物足りない。


 受け入れる熱に、心も頭もかき乱されていく。だけど、悪くない。
 自分を染める色を認識し、少女はそっと目を閉じて。

 自分勝手で情熱的な・・・・・甘い唇を、受け入れた。





End.
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