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「オトメイト系」
AMNESIA

頂戴なんて言ってみせて(イッキGoodエンド後)

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「じゃあ、電気消すけどいい?」
「は、はいっ!」

 振り返った恋人に問われ、慌てて背筋を伸ばす。なるべく普通に出したつもりの声は、みっともなくひっくり返った。
 ガチガチに緊張した顔でベッドに正座する少女に、イッキはいつものような艶然とした笑みを向ける。電気のスイッチを押す音がパチンと響き、視界が暗闇に包まれた。
 カーテン越し、わずかに差し込む月光の青白い光が、近づいてくるイッキを照らす。


「・・・・・・おやすみ」
「え、あ、はい・・・・・・おやすみ、なさい」


 そのまま彼女のいるベッドに近づくこともせず、脇に敷かれた布団に横になったイッキをそっと覗き込む。こちらに背を向けてしまっているイッキの顔は、彼女から見ることはできない。
 緊張で詰めていた息を落胆混じりに吐き出して、おとなしくベッドに横になる。

 イッキと同棲を始めて、もう早3週間。
 同棲はOKをしたと言っても、さすがにいきなり一緒のベッドで恋人と寝るというのは断固拒否した彼女の希望をしっかりと尊重し、イッキはずっと今まで別に寝てくれている。・・・・・・まあ、「君の方から一緒に寝たいと言わせる」の言葉を実現するため、それこそ毎晩寝る前に耳元で「好きだよ」だの「愛してるだよ」だのを囁いて、ひたすら誘惑してくるのだけれども。
 何度もそれにぐらつきながら、絶対に負けるもんかと半ば意地になり続けて3週間を耐えた彼女だったが、最近あることに気が付いて不安が心を掠めていた。

 ここのところ、イッキが彼女に必要以上に触れないようにしている気がするのだ。

 ほぼ日課のように、ベッドに腰を下ろして誘惑の言葉を囁きまくっていたのが、ここ数日は「おやすみ」の一言だけ。
 二人きりの時にしょっちゅう交わしていたキスの回数も減ったし、ちょっと勇気を出してすり寄ってみてもやんわりと躱されてしまう・・・・・・気がする。

『飽きたら、即効で捨てちゃうって、有名な話だよ?』

 前は気にも留めないし信じないようにしてきたイッキの噂が、今になって頭をよぎる。
 実際のイッキはそんな人じゃないと知っているし、信じている。変わってくれたのだとわかっている。噂よりも本人を信じるのが一番と思っているのに、不安な気持ちが後から後から湧き上がってくるようで。
 そんな気持ちを振り払うように、彼女はぎゅっと目を閉じた。





 結局あまりよく眠れないまま、少女は差し込む日差しにぼんやりと目を開けた。
 ひどく眩しく感じる光だったけれど、寝返りを打って見つめた時計は普段の起床時刻よりもずっと早い時間を指している。部屋はしんと静まりかえり、外から聞こえるのは鳥の声と新聞配達のバイクの音だけだった。

 ノロノロと上体を起こし、少しの違和感に首を傾げる。
 いつもだったらこうして彼女が起きる頃には、先にイッキが起きていて「おはよう」と声をかけてくるのが常だったのだが、イッキから声はかけられない。ふとベッドから覗くと、まだ床に敷いた布団で寝息を立てるイッキの姿がそこにあった。

「・・・・・・珍しい。私の方が先に起きちゃったんだ」

 貴重な出来事に、意識から眠気が吹き飛ぶ。
 折角だからという好奇心に押され、彼女はそっとベッドの上から降りてイッキに近づいた。起こさないように慎重に床に膝をつき、イッキの顔を真上から覗き込んでみる。
 起きる気配のないイッキの顔は、本当に間近で見れば見るほど整っている。瞳の力なんてなかったとしても、この容姿なら女の子たちに騒がれてたのは変わらないだろう。
 だけど彼女が惹かれたのは、外見のカッコよさじゃない。見惚れはしても、心なんて許そうと思わなかったし、最初は父親を思い出して大嫌いなタイプだった。

 でも彼が悪いわけじゃないと知ったから、彼の告白を受け入れて付き合って・・・・・・見えなかったイッキの「本音」を感じて。
 本当はすごく一人を寂しがっていて、誰より一途な恋を欲しがっている人だと知った。

 そして気が付いたら、すごくすごく好きな人になっていた。


「・・・・・・好きです、イッキさん」


 起こさないような声で囁いて、そっとイッキの唇に自分のそれを重ねる。
 普段なら恥ずかしくて絶対にやらないことだけれど、今はここのところ胸をくすぶる不安に、なんとなく彼の温もりが恋しくなってしまう。
 こんなに好きで、ちょっと距離を置かれただけで辛くて寂しいのに・・・・・嫌われてしまったのじゃないかと思うと、どうしようもなく胸が痛くなる。

 もしかしたら、いつまでも体を許さない恋人に嫌気がさしたのかもしれない。
 キスを何度交わしても慣れずに照れてばかりいることに呆れて、頑なな態度ばかりとる女に面倒くさくなって・・・・・・もう、恋人として扱いたくもないのかも。

 そんな想像をして少し泣きそうになった彼女が唇を離そうとした瞬間、いきなり伸びてきた腕に体を抱きこまれる。
 突然深くなったキスに驚いて逃げかけても、しっかりと頭と腰に回された手はそれを許してくれない。噛みつくようなキスが遠慮なく口内を蹂躙し、酸欠気味の頭がくらくらと揺れる。
 胸元に添えた手で何とか苦しいと抗議すると、ようやく唇が離れる。流れ込んできた酸素を大きく吸い込んで呼吸を整える少女をしっかりと胸に抱きこみ、イッキはオマケとばかりにその額に軽いキスを落とした。


「・・・・・・朝から反則。襲うよ、本気で」
「い、いま十分襲われましたっ・・・・・・!!」
「ん、あれはちょっとした意趣返し。まさかあんな可愛いことしてくれるなんて、思ってもみなかったから、僕も不意を突かれて悔しかったっていうか・・・・・ああ、それともちゃんと襲った方がよかった?ご希望なら、今からでもしっかり襲ってあげてもいいけど」


 言うなりするりと体勢を入れ替えられて、先ほどまでイッキが寝ていた布団に押し倒される形になり、彼女は慌ててブンブンと首を振った。「残念」と肩をすくめてみせながら、イッキは彼女を解放しようとはしない。
 さっき彼女がイッキを見下ろしていたのとは逆の立場で、なんだか勝ち誇ったような表情でくすくすと笑っている。

「まさか君から寝込みを襲ってくれるなんてね・・・・・・引いてみた甲斐があったな」
「ね、寝込みを襲っ・・・・・!?って、え、ちょっと待ってください。引いてみた・・・・・・ってまさかイッキさん、ここのところちょっと素っ気なかったのは・・・・・・」
「知ってる?恋の駆け引きにはね、『押してダメなら引いてみろ』っていう名言があるんだよ」

 確信犯的なイッキの笑みに、少女はがっくりと項垂れる。
 さっきまでいろいろ不安に思っていた自分が、一気に馬鹿らしく思えた。これでも結構真剣に悩んで軽く寝不足気味にもなったと言うのに、「恋の駆け引き」なんて平然と言われてしまったら・・・・・・・振り回されたことに怒るよりも、脱力する気しか起きなくなってくる。

「何はともあれ、君が寝起きを襲ってくれるほど僕のこと欲しがってくれてるっていうのは、よおくわかったことだし・・・・・・今晩は、期待してもいいのかな?」
「ええ・・・・っと、ど、どうしてそういうことに・・・・・・」
「ダメ?だって、君も僕に触れなくて寂しかったから、ああやってこっそりキスしてくれた・・・・・ってことじゃないの?それとも、全部欲しいとか思ってくれるほどじゃない、ってことなのかな。僕はずっとずっと、君の全部が欲しいって思っているのに・・・・・薄情なお姫様だね」

 拗ねた口調でそう言って、イッキは彼女の横にごろりと寝転がった。つまらなそうに口を尖らせ、じっと見つめるアイスブルーの瞳はいじけた子供のようだ。
 綺麗な透き通った魔性の瞳。見た人を虜にするその眼から、うまく視線が逸らせない。前までは効かないはずだったこの瞳なのに、最近は効きすぎるほどよく効いているんじゃないかと彼女は思う。効かないのなら、こんなにドキドキするはずない。

 そっとイッキの指が伸ばされ、少女の頬をなぞる。
 ただそれだけなのに何とも言えない感触が背筋から這い上がってくるようで、けれどそれは決して嫌なものじゃなくて・・・・・・・未知の感覚に戸惑って、彼女は何も言えず顔を赤らめた。


「ねえ、本当に・・・・・そろそろ折れてくれない?僕のこと、欲しいって言ってくれない?このままじゃ、君のこと欲しすぎて、僕が壊れちゃいそうだよ・・・・・・」


 猫が甘えるように、すりっと肩口に頭を埋めるイッキを、思わずそっと抱き返す。
 「カッコ悪いこと言ってるって自覚はしてるけど、結構本気の本音だからね?」と苦笑する恋人を見つめ、少女はぎゅっと自分の手を握りしめた。

「あ、したは・・・・・・バイトお休み、です!!」
「え?そうだね・・・・・・どうしたの突然」
「お休みなのでっ!!た、多少くらい寝坊したってゆっくりしたって、問題はないと思います」
「・・・・・・・・・・」
「だからそのっ、明日ならどうなってても大丈夫、なはず、なので・・・・・その」

 何度も口を開いては閉じを繰り返し、彼女は必死で言葉を探す。
 告げようとしていることを考えると、羞恥心で頭がいっぱいになって考えが固まらない。とんでもなく恥ずかしくて、顔がとにかく熱くなる。


「っ!?」
「・・・・・・ん、ありがと。今晩、楽しみにしてる」


 ちょんと軽く触れたバードキスに、言葉は立ち消える。
 穏やかに、照れくささを滲ませたイッキの笑顔が、視界いっぱいに広がっていた。

「あーやばい、どうしよう。僕、すっごい浮かれてる・・・・・・今日バイトなのに、ミス連発しそう。基礎トレコースは避けたいところなんだけどなあ・・・・・」
「私もなんか今日、変な失敗しちゃいそうな気がしてます・・・・・」
「そう?じゃあ、2人で仲良く店長に怒られようか。店長と一緒に裏で『客は敵だ』の複唱とか」
「ううっ、それだけは嫌です」

 他愛のない会話を交わして、笑い合って・・・・・窓の外は、段々と陽がのぼり、朝が来る。
 今の距離感が、また少しだけ変わる約束。その先にどうなるか、なんていう期待と不安を抱きながら・・・・・・それでも2人で共に進んでいく。

 真実の愛と信じた相手の手を取って。

 今日も幸せでいられたら、と。そっと祈った。





End.
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