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「QuinRose」
アリスシリーズ

ダーズンローズ(企画没ネタ、グレアリ)

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 傍にいてくれることに感謝と信頼を。
 誠実で真実の想いを。
 この世界での幸福と栄光を。
 まっすぐな情熱と尊敬を。
 希望とそのための努力を。
 そして永遠と愛情を。


 すべてをあなただけに、捧げよう。

 だからどうか、この花束を受け取って。


 ・・・・・・それは一人の青年から始まった、今も伝わる愛の告白。




ダーズンローズ




 差し出された真っ白なブーケは、とても美しかった。
 赤薔薇を好むハートの城や帽子屋屋敷ではまず見られない、ワンダーランドでは珍しい純白の薔薇。触れて汚してしまうのではないかと思うほどに見事な大輪の白薔薇が12本、簡素な白レースとリボンでまとめられて目の前に差し出されていた。
 ・・・・・・差し出されているのはわかる、が、それが自分へのプレゼントだと頭が理解するのに、たっぷり数十秒ほどかかった。

 時間帯は夜。空には星が美しく輝き、クローバーの塔の最上階から見下ろす夜景はロマンチックで。
 そんな絶好のシチュエーションで、私が背伸びしてもとても釣り合わないような大人でカッコいい男の人が、白薔薇の花束を差し出してくれる・・・・・・・。

 どこぞの小説ばりの、夢のようなシーンだ。完璧すぎて、逆に現実味がない。確かに目の前で起きていて、どうやら当事者は私らしいのに、なんだか実感がまるでわかない。
 この完璧な空間のど真ん中に私がいるだなんて、場違いすぎて思考がやや停止する。


「え・・・・・っと?」
「・・・・・・す、すまない、やはり俺がこういうことをするのは、似合わなかったな」


 困惑した表情でようやくそれだけ言うと、花束を差し出していたグレイは、少し恥ずかしそうに視線を逸らした。
 どこかしょんぼりとした口調と後ろ手に花束を隠してしまう姿に、慌てて首を振る。似合わないなんてとんでもない。むしろ似合いすぎて、悔しいが見惚れてしまったほどだ。
 あんな・・・・・・普段の私だったら、即座に鼻で笑って「気障」と一蹴してしまっただろうシチュエーションだと言うのに。どうしてグレイだと、あんなにも様になっていたのだろうか。これが惚れた負けとかいうアレなのか、それとも美形だからこそ許されるものなのか、いまいち微妙なところではあるけれど・・・・・・とにかくさっきのグレイが、思わずときめくくらいにはカッコよかったのは事実だ。

「ち、違うの。ただちょっとびっくりしただけ」
「そうか・・・・・それならいいんだが」

 安堵したように微笑むグレイの表情が優しくて、心臓が落ち着かない音を奏でる。彼の顔を直視できないまま、再度差し出された花束を受け取った。
 赤薔薇よりは控えめの、けれど華やかな香りがふわりと漂う。近くで見れば見るほど、綺麗な花束だと思う。小さくシンプルながらも、高貴さを感じさせ・・・・・・なんだか普通の花屋で買うものとは、少し違うような気がする。

「きれい・・・・・なんだか受け取るのが申し訳ないくらい」
「俺が君に贈りたかったんだ。気にすることはない」
「でも、もらう理由が思いつかないわ。もしかして、今日って何かの記念日だったりする?私、なにか忘れてたり・・・・・・」
「理由がなければ、恋人に贈り物をしてはいけないか?」

 するりと自然に距離を詰められ、優しい手つきで腰を引き寄せられる。白薔薇の香りにタバコの香りがゆるく混じって、どうしようもなく落ち着かない気分になる。
 そっと視線を上げると、覗き込む金の瞳と目があった。問いかける優しい瞳に、やっとの思いでふるふると首を振る。よくできましたというように、大きな手が私の髪をそっと撫でた。

「この世界で記念日という概念は薄いし、意味がないものだ。毎日が何かしらの記念日であり、何もない日でもある。だから君が何かを忘れているということはないよ」
「そうよね。でもなんだかこの花束、普通のプレゼントでもらうには、ちょっと違う雰囲気があるというか・・・・・・どこかで見たことがある気がして、なんだか気になって」
「ああ、そうだな。実は君にその花束を渡した理由が、ないわけじゃないんだ。それにはちょっと特別な意味合いを込めていて・・・・・・」

 珍しく言葉を躊躇うようなグレイの姿に、首を傾げる。
 普段いつも冷静でどんなことにも余裕を崩しそうにないほどに大人の彼の、たまに見せるこんな姿はひどく微笑ましい。・・・・・・可愛い、なんて言ったら多分彼は困った顔をするのだろう。


「アリスは、ブーケ・ブートニアという言葉を知っているか?」
「?いいえ・・・・・」


 聞きなれない単語に首を振る。おそらくはこの花束に関係あることなのだろうが、言葉を聞いただけでは何のことか想像もつかない。
 小さく笑ったグレイが、わずかにかがむ。手元に抱き寄せていた白薔薇の花束が、そっと私の手ごと引き寄せられる。かすかに揺れる一輪に恭しい口づけを落とし、悪戯っぽい光を宿した金の瞳が、固まったままの私の姿を映した。

「ブーケ・ブートニアは、とある伝承に基づく儀式なんだ」
「儀式?」
「昔、とある女性に恋い焦がれた男がいた。彼は野に咲いていた美しい12本の白薔薇を集めてブーケにし、女性にそれを贈ったそうだ。感謝や幸福、愛情といった意味を12本の薔薇一本ずつに込めて・・・・・・・それをすべてあなたに誓うから結婚してほしい、と言ってな」
「・・・・・・・それって」
「ああ。ブーケ・ブートニアは、プロポーズの意味を持つ儀式・・・・・・男が好きな女性に白薔薇の花束を贈り、結婚の許しを請う儀式だよ」

 驚いて、まじまじとグレイとの間にあるブーケを見つめる。
 白と緑だけの色で構成された小さなブーケ。どこか特別な意味がありそうな、不思議な雰囲気を持ったその花束をどこかで見たような気がしたわけだ。

 結婚式の花嫁さんが持っているブーケ。
 それにとてもよく似ている。


「そしてプロポーズを受ける女性は、ブーケから一本花を抜き取り男の襟元にそれを挿す・・・・・それが、ブートニア。プロポーズ承諾の証だよ」


 ふわりとおでこに柔らかなものが触れた。
 慈しむような優しいキス。いつも交わすキスよりずっと可愛らしくて・・・・・・・けれどたくさんの想いを実感できるような、すごく甘いもの。 



「俺と結婚してくれ、アリス」



 真摯に告げられた、幸せの言葉。
 12本の白薔薇に込められた想いは、私の手の中に。

 少し緊張した面持ちで私の言葉を待つ、愛しい人へ。


 私が返すものは・・・・・・・・一輪の白薔薇と「愛してる」のキス。





End・・・?
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