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「QuinRose」
アリスシリーズ

罪愛~Luxuria~(クローバーの国、グレアリ、ヤンデレ風注意)

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 一説によると、男と女は、かつて一つの存在だったという。

 一つの存在だったのに、二つに分かれてしまったから。
 完全の存在だったのに、互いに欠けた存在になってしまったから。
 男と女は、不足した半身を求めるようになったのだそうだ。

 性行為における欲望は、「一つに戻りたい」という本能からくるものらしい。


「・・・・・っ、は・・・・・ぐ、れ・・・い・・・・・」


 抑えきれない情欲に塗れた吐息と一緒に、彼女は自分を抱く男の名を呼ぶ。
 甘ったるくねだるような音に、男の口元が綻んだ。爬虫類に似た黄水晶の瞳が、薄闇に確かな熱を湛えて煌く。
 体内を蹂躙する熱に打ち震え、与えられる快楽に溺れながら、少女は懸命に男の背に腕を伸ばした。抱き寄せた素肌は、少女と同じくらいに熱い。

 一つになったみたいだ、と頭の片隅で考える。
 本当に一つになれるわけないのに、そうだったらいいと思う。一つになってしまえば、不安なんて知らないでいられる。いつか離れ離れになるかもしれないなんて、見えない未来に脅えることなんかなくなるのに。


「・・・・・・・俺といるのに、他の事なんて考えないでくれ」
「ふ、あっ!!」


 激しさを増した行為に、思考が一気に引き戻される。
 ただでさえ全てを彼で満たされているというのに、そんな風に囁かれてしまえば、彼のこと以外考えられなくなってしまう。
 それでいいのだというように、甘く思考を溶かすキスが与えられた。
 一つになることを求めるような行為。それを享受する感情。

 夜が明けたら、一つではいられなくなると知っていて。
 一時の夢と充足と欲望に溺れるのは、なんて幸せなことだろう。



罪愛~Luxuria~



 主のいない部屋を見渡しながら、アリスは一つ溜息をついた。
 大きめのベッドに一人腰かけ、何をせずとも天井を見上げる。そういえば、こうして天井を見上げるのは初めてではないけれど、こんな風に余裕を持って天井を見上げたことはなかったかもしれない。いつもは大概、グレイの顔越しに天井を・・・・・・

「・・・・・・・・・いやいや、何やってんのかしら、私」

 思わず呟いてしまう。何度も案内された部屋とは言え、勝手に恋人の部屋にあがりこみ、挙句の果てにアレやらコレやら思い出して一人で顔を赤くしているなんて・・・・・・・どこの変態だと言いたくなる。
 気恥ずかしさを振り払うように頭を振り、きょろきょろと意味もなく部屋を見渡した。当たり前だが、そこに求める長身の姿はない。

(ほんっと、バカみたい)

 ぼすっ、と背中からベッドに倒れこんだ。
 スプリングのきいたマットの感触が心地いい。ふわりと香ったタバコの匂いに、自然とアリスの口元が緩む。この匂いにすっかり慣れていたけれど、やはりグレイの部屋にいると彼の香りを実感できる。ワガママを言ってしまえば、シーツに彼の温もりがないのは、寂しくて不満・・・・・だけれども。

 グレイが仕事でクローバーの塔を離れて、数時間帯。
 たったそれだけで、こんなにも寂しい。

 顔を見られない。声を聞けない。傍に彼の温もりを感じない。
 それが物足りなくて、不安で仕方がない。いつからこんなに弱くなってしまったのかと、頭を抱えてしまいくらいだ。そんな依存した女にはなりたくないのに。


 会いたい、会いたい会いたいあいたいアイタイ・・・・・・

 彼を、感じたい。


(・・・・・・・・欲求不満?)


 人の心を勝手に読む上司に、仕事中、呆れ混じれに言われた言葉が頭に浮かんだ。
 一瞬固まった後、ものすごい勢いで顔を赤くして反論したアリスに向けられた生温かい視線を思い出すと、ものすごく居たたまれない気持ちになる。そんなに他人からみてわかりやすいほど、自分はグレイに餓えているのだろうか・・・・・・・・穴があったら入りたい。
 そんなアリスに、当の上司はからかうように「君のは可愛い方だ」と笑っていた。


『奴の方は、行きすぎだからな。壊れてる。愛すること、大切にすることに慣れていないからだとも思うが・・・・・・君も大変だな』


 最後にそんな風に言われたのは、何だったのだろうか。よくわからない。
 グレイが自分よりも求めてくれていると、アリスには思えない。だって自分の方は、いないとわかっているくせに、こうして休憩時間にグレイの部屋に来てしまうのだ。グレイの面影を少しでも感じてくて、傍にいると錯覚でもいいから思っていたくて・・・・・・・・


「はあ・・・・・・・グレイに会いたい・・・・・」
「嬉しい言葉だな」
「へっ!?ん・・・・・・・・・」


 突然天井に影が差したかと思うと同時に、言葉ごと塞がれた。
 鼻腔をくすぐるタバコの香りと、頬から首筋にそっと這わされる大きく節ばった掌と、甘く食む唇と・・・・・その全てに彼を感じて、うっかりと涙が滲みそうになる。
 じゃれるかのように触れていた唇がそっと離れていくのに寂しさを感じて、引き止めるように指先が伸びる。その指を優しく絡めとり、彼はアリスの手に愛おしそうにキスを送った。

「ただいま。帰ってきて早々、こんなに嬉しい出迎えが待っているなんてな」
「グレイ・・・・・・・・」
「俺も、アリスに会いたくて仕方がなかった。会いたくて会いたくて・・・・・・・君を抱きたくて、気が狂いそうだった」

 ちゅ、と見せ付けるようにアリスの指にキスをし、そのまま一本口に含まれる。味わうように舐められ、体が震える。黄水晶の艶めいた流し目を向けられ、艶然と微笑んだグレイの意図に、顔が一気に赤くなる。
 慌てて飛び起きようとしたところを、簡単に肩を抑えられて封じられる。
 落ち着かずにあちこちと視線を動かすアリスを面白そうに見つめ、グレイはゆっくりと少女の上に覆いかぶさった。
 つと触れるだけの指先が、アリスの口元をなぞる。ねだるように、求めるように。



「俺が・・・・・・・欲しい?」



 低く、抑えたような声で囁かれてしまえば、アリスに抵抗なんてできない。
 見つめられるだけで、触れられるだけで、勝手に体は熱くなる。この先にある快楽と幸福感を期待して、鼓動が早くなる。ひどく喉が渇いて、餓えた気持ちが増えていく。欲しくてほしくて、堪らない。
 こんなの、おかしいのかもしれない。
 けれどグレイに全てを教え込まれた体は、感情は、当たり前のように一人だけを求める。


「ええ・・・・・・・欲しいわ」
「君が望むのなら、いくらでも。俺も、君を感じたいんだ・・・・・・・・今すぐに」


 それ以上、言葉は必要ない。
 あとはただ、感情に溺れるだけだ。欲しいと思う気持ちに、従うだけ。
 一つになれないと知っていて、一つになりたがる。無意味かもしれないけれど、無意味ではない。一つになったように錯覚するだけで、幸せなのだから。

 離れないように。離れていかないように・・・・・・・





「おまえ、それ結構ヤバい考えだぞ?」

 心を見抜く灰色の視線に、グレイは無言で小さな笑みを返した。
 心底げんなりした表情を浮かべたナイトメアは、「アリスもかわいそうに」と肩をすくめてみせる。いつもと何も変わらないように見える腹心の部下。だけどその心中にあるドス黒い欲望をちらりと垣間見てしまったら、思わず口を出さずにいられない。


「人は苦痛なら結構堪えられるものなんですけどね・・・・・・・意外と快楽には抵抗できないものなんですよ。どんな拷問よりも、快楽漬けにされて何も考えられなくさせられる方が、本当は恐ろしい」
「快楽で縛り付けて、自分以外を求めないようにさせるって?安い官能小説みたいな方法だが、現実になると恐ろしいな・・・・・・お前の場合、相手にそれと悟らせない辺りがまた・・・・・・・」
「傍に繋ぎとめるためには、彼女を汚すことさえ躊躇わないと決めたんです。彼女は、俺より全然綺麗ですからね。油断したらすぐに離れていきそうだ・・・・・・離れられないほど汚してしまえば、そんな心配もないでしょう?」
「・・・・・・・壊れてるな、本当に」


 呆れた溜息をついても、ナイトメアはそれを咎めない。
 彼とて、アリスがこの世界に・・・・・このクローバーの塔に残ることを望んでいる。それがどんな形であれ、どんな手段であれ、彼は口を挟みはしないだろう。目的のため、欲しいもののため。平気な顔で卑怯なことをやってみせるのは、ここの住人ならば誰にだって言えることだ。


「俺の傍にアリスを縛り付けるためなら、手段なんて選びません」


 穏やかで余裕のあるフリをする、ずるい大人の笑顔。
 離れていくことを本当は誰より恐れ、縋りついている。



 子供が知らない、大人の罪。

 離れないよう、情欲の鎖で縛り付け、脅えを隠したその愛。





End.
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