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「QuinRose」
アリスシリーズ

罪愛~Gula~(ハートの国、エリアリ、ヤンデレ注意)

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 にんじんサラダ、にんじんパスタ、にんじんディップ、にんじんクッキー、にんじんケーキ、にんじんグラッセ、にんじんキャンディ・・・・・・・

 挙げていけばキリがない、彼の好物。
 どんなに食べても飽きない。もっともっと食べたくなる。
 あれもこれもと味わって、至福の表情。極上の気分。

 満足に食事をとることもできなかった過去があるからこそ、それがとても幸せなことだと彼は知っている。
 誰もが味わえるわけではない幸せ。クセになるものが自分の中へと消えてき、生きる力となっているという充足感。もっともっとという気持ちはなくならない。

 お腹がすけば、食べたくなる。
 食べて食べて、満足したくなる。目の前のおいしいもの、幸せな気分にさせてくれるもの。


 それを自分だけのものにするのは、何て幸せだろう。


 彼は知っている。
 ショクジは、最大の幸福なのだと。



罪愛~Gula~



「アリスって、うまそうだよな」

 そう隣で何気なく発せられた言葉に、アリスは思わず少し身を引いた。
 エリオットはどこか上の空といった顔で、皿の上にあるサラダをフォークでつついている。その皿の上に、彼が死ぬほど愛してやまないオレンジ色のものの姿はない。

「普通に舐めただけでも甘いんだから、食ったらもっとうまそうだよな・・・・・」
「・・・・・・・カニバリズムは全力で遠慮するからね。そんな猟奇的な愛情を向けられて喜ぶ趣味ないから!」
「?なに言ってんだよ、変なアリス」
「変なのはあなたよ!にんじん断ちのせいで、思考回路がちょっとおかしくなってるんじゃないの?」

 実際に何度も噛まれたことがある身として、エリオットが呟いた不穏な言葉をそう簡単には流せない。
 自分がウサギらしくないのだと証明するために、にんじん断ちなどというものをエリオットが始めてからかなりの時間帯が経過した。
 もはや禁断症状と言っても過言でないほどエリオットの言動はおかしいものになってきており、アリスは自分がそのうちにんじんの代わりに食われるのではないかという心配を若干本気で考え始めている。


「別におかしいこと言ってないだろ?あんたが甘いのは事実だし・・・・・・」
「だからそれがおかしいって言って、ん!?」


 砂糖菓子でも何でもないのだから、人が甘いなんておかしいと言おうとしたところを唐突にキスされる。
 生温かく湿った感触がそろりと唇を舐め、そのまま無遠慮に奥まで差し込まれる。口の中で響いた水音に体が震え、くぐもった吐息が零れ落ちた。



「ん・・・・・・・・やっぱ、甘い・・・・・・」



 幸せそうに囁かれ、アリスの頭が急に熱くなる。
 とっさに振り払おうと身を引いた瞬間、右肘の辺りに鋭い痛みが走った。

「っ、たあ・・・・・・・」
「どうした?」
「引っかけたみたい・・・・・・地味に痛い・・・・・」

 見れば、座っていた椅子の背もたれから金具のようなものが少し飛び出している。
 帽子屋屋敷のお茶会用の椅子はどれも一級品だから、こんなことはありえないのだが・・・・・・ここはしょっちゅう弾丸やら斧やらにさらされる場所でもある。元通りの姿になるより早く、何かしら損害を受けていた椅子に座ってしまったのかもしれない。
 右肘のやや上、白い肌に赤い血が滲むのを見て、アリスは少し眉を顰めた。


「ちょっと見せてみろ」
「エリオット?」
「・・・・・・・痛そう、だな」


 やや強引にアリスの右手首を掴み、その傷口を覗き込んだエリオットも痛ましそうに顔を歪める。
 普段こんなものなど物の数にも入らないほどの怪我を負うような仕事をしているくせに、アリスがかすり傷ひとつでも負うと、彼はこんな顔をする。

 大したことはないから心配しないでと言いかけて、またもやアリスは言葉を止めた。
 今度はキスで止められたわけではない。彼の顔が、血の滲むアリスの腕へと寄せられていくのを見たからだ。
 ・・・・・・・・そのアメジスト色の瞳が宿していた、なにか危うい色合いに、言葉を失った。



「っ・・・・・・!!え、りおっと!?」



 悲鳴めいた言葉が漏れる。
 エリオットはそのまま傷口へと口付けたかと思うと、そのままゆっくりと舌を這わせたのだ。
 熱いものが肌をなぞるたびにピリリと走る痛みと、わけのわからない恐怖心にアリスは完全に動けなくなった。彼の唇から見える赤い舌がひどく艶かしくて、体の芯が熱くなってしまいそうになる。油断すると変な声をあげそうになってしまい、必死でアリスは唇を噛んだ。

 そんなアリスにも構わず、エリオットは何度も何度も傷口を舐める。
 赤い血は止まらない。あとから溢れてくるそれを、味わうようにすすり上げる。
 時々聞こえるちゅ、という湿った音と肌にかかる熱い息が、アリスの頭まで侵食しておかしくしていくようだ。


「やっぱ・・・・・ん、あんたはうまいよ・・・・・」


 血がほとんど滲まなくなっても、エリオットは傷口から顔を離そうとはしない。
 ちらりとアメジストの瞳がアリスに向けられる。
 それはまるで・・・・・餓えた獣のように、鋭くて。



「本気で全部食っちまいたいほど・・・・・・・・甘くて、止まらなくなる」
「っ、あ・・・・・・!!」



 痛みがほとんど麻痺していた部分に容赦なく歯を立てられ、アリスは痛みに顔を歪めた。
 血こそ滲まないものの、くっきりと痕は残っただろうことは見なくてもわかる。名残惜しそうにそこにひとつキスを落とし、エリオットがようやく離れる。

 ホッとしたのも束の間、今度は間近で顔を覗き込まれ、アリスは肩を震わせた。
 お茶会用の椅子に縫いとめるように、エリオットの両腕がアリスを囲う。すぐ目の前で、獲物を捕まえた肉食獣の瞳がゆっくりと嗤う。


 逃げられない。
 食べられる。


 こく、と静かにアリスの喉がなる。
 それは恐怖か緊張か不安か・・・・・・・それとも、期待、か。


「そんな脅えた顔すんな。別に本気で取って食おうなんて思ってねえよ。あんたを俺だけのものにするってのもいいかもしれねえが・・・・・・・・・本当に食っちまったら、もうそれ以上あんたを味わえないだろ?」


 アリスの頬を無骨な指が優しくなぞる。
 向けられる視線は変わらない。彼は「ショクジ」を逃がす気などない。



「ずっとずっと味わってたい。食べ終わっちまうなんて、もったいなくてできねえ。だから・・・・・・別の意味で、食わせてもらう」



 首元によせられた唇を拒むことなどできない。
 強く吸い付かれて残された痕。
 それがショクジの合図なのだ。



「食わせてくれるだろ・・・・・?アリス」



 喰らわれ続ける獲物。命尽きるまで、終わらないショクジ。
 彼も彼女も、それが「幸福」と知っている。



 それが罪と呼ばれるならば。

 愛しいまでの暴食が、罪を引き寄せるのだろう。





End.
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