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「QuinRose」
アリスシリーズ

罪愛~Avaritia~(ペタアリ、ヤンデレ風味?)

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 白、汚れのない純白。
 孤高で美しい、赤いガラスの目をした綺麗な白いウサギ。
 なにかに染まることを決して許さず、誰にも汚されることはなかった。
 彼の世界はただひとつ、純白で。そこには何もなかった。

 美しすぎる白は、何にも染まらない。
 それゆえに。
 一度染まれば、それはあっという間に純白を汚して。

 世界に一人受け入れた。
 別の色を受け入れた。ただ、それだけで。

 白いウサギは、もう真っ白に戻れない。



罪愛~Avaritia~



 この世界にいてくれるだけでいい。
 唯一愛した少女を自分の中へと引き込んだばかりの頃。
 彼がただただ願うことは、それだけのことだった。

 この世界にいて、幸せになってくれればいい。

 それが変わったのは、いつの間にか。
 願いは増えていった。どんどん重なって、彼自身にも止めることはできなかった。



 もっともっと幸せになってほしい。
 ずっと笑っていてほしい。
 泣かないでほしい。
 全部全部忘れてほしい。
 僕の傍にいてほしい。
 僕のことをもっともっと愛してほしい。 
 

 ・・・・・・・・・アリスが、ほしい。


 何もなかった白ウサギは、初めて感じたその想いを知らなかった。
 どんどん増えていく醜さなんて、知らなかった。
 その醜さを嫌悪し、止められないことを嘆き。
 真っ白が当たり前だった彼は、増えていく汚れを前にどうすることもできずにいた。



 

「愛しています」

 まるで脅えるかのように、躊躇うかのように彼は触れる。
 壊さないように、失わないようにと願う気持ちが伝わってくる口付けを少女は顔色ひとつ変えずに受け止める。


「あなたを、愛しているんです。アリス」
「・・・・・・・愛していると囁く相手にする仕打ちが、これ?」


 甘く繰り返される愛を伝える言葉とは対照的に、アリスは冷たく言葉を返した。
 彼女の両手は後ろに縛り上げられている。柔らかい布だから、ほとんど痕など残らないだろう。それでも不便なことこの上ないし、どう縛ったのかもがいてみても解ける気配はない。

 赤いギンガムチェックに囲まれた部屋。
 彼が「まだマシ」と評する場所に、アリスは捕らわれ続けている。

 表情を消して問いかける翡翠色の瞳に見つめられ、ペーターはひどく困った顔をした。
 耳を垂らし、迷子になって今にも泣き出しそうな子供のような表情で。
 眼鏡の奥の赤い瞳が、途方にくれて揺れていた。

「すみません、アリス・・・・・・・でも僕、もう、どうしたらいいかわからないんです・・・・・・・」
「わからないから、私を閉じ込めたとでも言うの?随分と自分勝手ね」
「ええ、そうです。僕は自分勝手です。自分のことしか・・・・・考えていない。あなたの幸せを全てにおいて優先するべきなのに・・・・・・・今の僕は、自分の幸せを考えるようになってしまった」

 それが耐えがたい罪であるというように呟き、ペーターはそっとアリスを抱き寄せる。
 清潔な石鹸の香り。
 ふわふわとした純白にも近い銀の髪が、アリスの顔をくすぐった。


「どこにも行かないでほしいんです。僕の傍にいてほしくて・・・・・他のやつらなんて、どうでもいい。全て消してしまいたい。あなただけ、いればいい・・・・・・・あなたが僕の隣にいるなら・・・・・・あなたが、幸せでなくても構わない、なんて・・・・・・・・」


 泣きそうな声で紡がれていく言葉たち。
 言葉の合間に、懺悔をするようにアリスの顔中に触れるだけのキスが降り注ぐ。
 零れてしまいそうな赤いガラス玉の瞳が、確かな感情を宿して不思議な色を灯している。

 ――なんて綺麗な生き物なんだろう。

 触れたら壊れてしまいそう、汚してしまいそう。
 アリスはそっと瞳を閉じた。きっと自分から手を伸ばすこともできなかった。彼の方から汚れてくれなかったら、こんな風になんて・・・・・・・・・


「・・・・・・ペーター、これを外しなさい」
「っ・・・・・・・・あ、りす・・・・・・・・」
「外しなさい」


 きっぱりと言い放つと、ペーターは一瞬びくりと肩を震わせた後、すぐにアリスの拘束を解いた。
 自由になった腕を軽く動かし、目の前で瞳を伏せているペーターを見つめる。嫌われたとでも思っているのか、その表情は悲愴に満ちているようだ。

 殴られる覚悟を決めていそうな彼に、アリスは腕を伸ばした。驚いたように震えた体に気付かないフリをして、綺麗な顔を引き寄せる。
 そのまま深く仕掛けたキスに、ガラスの瞳が大きく見開かれた。


「ん・・・・・・・ふっ・・・・・・・アリス・・・・・、っ!」
「・・・・・・・は、・・・・・・・あんたはもっと、望むべきなのよ」


 名残を感じさせる銀糸が互いの唇を繋ぎ、そのままふつりと切れる。
 吐息だけで囁いた言葉と与えた確かな熱は、無機質な瞳に新たな色を加える。どこか怖い艶めいた光を見つけ、アリスはゆっくりと微笑んだ。



「好きな人に欲張りになってしまうのは、普通のことでしょう?」



 だからおいで、とアリスは手を差し伸べる。
 おいでおいで。ここまで。落ちておいで、綺麗な人。

 先ほどまで脅えるように触れていた手が、いささか乱暴にアリスの体を引き寄せる。
 そのまま柔らかいシーツに引き倒され、噛みつかれるようにキスをされても、アリスは決して拒まなかった。


 キスを雑菌の移る行為だとまで言うほどに潔癖症な白ウサギ。
 そんな彼が汚れても構わないというのは、彼女だけ。
 普通の恋人と同じふれあいを許すのは、アリスだけ。


 それはとてつもない優越感。
 例えるなら、新雪を独り占めしているかのような感覚。

 真っ白で美しい場所に自分の足跡をつけていく。自分の存在をたくさんたくさん刻み付けて。
 そうして最後はぐちゃぐちゃに汚してしまいたくなる。
 泥と自分の足跡で壊れてしまった美しさを、後悔してしまうのだとしても、自分で汚さずにはいられない。


(・・・・・・・・捕まっていてよ)


 近づくことさえ躊躇う美しさでも、少し汚せば後は簡単に触れられる。
 もっともっと汚れればいい。重くて動けなくなるほどに、汚れてしまえばいい。
 そうしたなら、走るのが速いウサギだって。
 追いかけても楽に捕まえられるだろうから。

 彼を汚すためなら、手段なんて選ばないから。

 熱のこもった視線と行為を受け止め、同じものを返しながら。
 少女は艶然とした笑みを口元に敷いた。



 彼が罪と嘆き、それでも抗えない感情。

 それは少女が望んだ強欲さ。





End.
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