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「QuinRose」
アリスシリーズ

罪愛~Acedia~(メアアリ、ヤンデレ注意)

 ←そのときまで、またね →課題X:昔の遊び体験 前編(小学生組わいわい、時系列やや無視)
 いつもの風景。
 仕事をして、たまの休みには買い物に出たり友人に会いに行ったり・・・・・・・・そうして戻ってくる場所は、いつも同じ。
 病弱で情けなくて子供っぽい・・・・・・でも優しくて、たまにものすごくカッコいい恋人の隣へ。
 それが少女にとっての、日常だった。

 ―――本当に?

 ふと、彼女は考える。
 本当にそうだったろうか。本当にこれが、少女が選び取った道だったろうか。

 小さな疑問は波紋を生み、やがて大きくなって胸を突く。
 何か堪えきれないものが言葉になるより早く、少女は強烈な眠気に飲み込まれる。
 抗えない引力に、彼女は大人しく身を委ねた。落ちていくのは楽だ。その先の暗闇は、不思議と安堵できる。
 そうするうちに、彼女は感じ取った疑問すら忘れた。

 まだいいの、後で考えるから。後で思い出すから。もう少し・・・・・もう少しだけ。
 そう言って、静かな微睡みに落ちていく。



罪愛~Acedia~



 すぐ近くに人の気配を感じて、アリスは目を開いた。ひんやりとした白い手が、優しく顔にかかった髪を払ってくれる。その心地よさにまたウトウトしてしまいそうになる。
 少しだけ体を動かして、アリスはすぐ傍に腰かけている人物を見上げる。灰色の瞳と視線がぶつかると、穏やかな微笑が向けられた。


「おはよう、アリス。いい夢は見れたか?」
「ゆ、め・・・・・・・・?」


 ぼんやりとした意識のまま、掠れた声で言葉を繰り返す。
 夢を見ていた気がする。長い長い夢。楽しかったようで、悲しかったようで・・・・・・・でももう曖昧に消えてしまった。夢は覚めてしまえば、どんなに鮮明で心に残ったものであっても、そんな風に霞んでいくものだ。

 寝起きの頭でそんなことを考えていたアリスは、ふと近づいた気配に意識を戻す。
 体温の低い手が、少女の頬を挟み込む。
 軽く力がこもったと感じるのと同時に、唇が重なった。


「ん・・・・・・・・っ、ふ・・・・・・・」


 重ねられた瞬間の唇は少しだけ冷たかったくせに、そのままアリスの口内を探るように差し出された舌はぞくりとするほどの熱を孕んでいて。そのギャップに、おかしいほどクラクラする。
 気が付けば、すがりつくようにその首に腕を回してしまっていた。

 艶めいた吐息を零すアリスに、ナイトメアがキスをしながら含んだような笑みを零したのがわかった。覆いかぶさるようにして激しいキスを仕掛けてくるくせに、アリスをつぶさないようにきちんと気をつかっている余裕めいた態度が、少しだけ苛立たしい。
 いつもはあんなに情けなくて、こちらから仕掛けないとキスひとつまともにできないようなダメダメっぷりなのに・・・・・・・・どこか頭でも打ったに違いない。


「・・・・・・・・・キスの最中に、随分とムードのないことを考えるな、君は」
「あ、聞こえた?」
「聞こえるように思っただろう!?大体、私は頭など打っていない!!私だって、そ、その・・・・・やる時はやる!!」
「キスひとつで一生分の勇気を使っていそうなくせに、無理しちゃって・・・・・・・」


 そんな風に言って、今度は軽くアリスの方から引き寄せる。頬に触れるだけのキスを送ると、ただそれだけで、ナイトメアは顔を真っ赤にさせて固まってしまった。
 先ほどみたいなキスは平然とできて、今みたいなものでよくもまあ純情な反応ができるものだとアリスは思わず笑う。こんな時間を過ごせることが、正直未だに不思議だった。

 好きな人の傍にいて。夢のように幸せで、穏やかで楽しくて・・・・・・・


(今が夢なら・・・・・・・・じゃあ、現実ってなんだった?)


 ふとした疑問に、笑顔が止まる。
 ほんの一瞬、世界が揺らいだ気がした。



「アリス」



 名前を呼ばれる。
 途端、消え去ったと思ったはずの強烈な睡魔が再びアリスの瞼を重くした。
 考えていたことも、どうでもよくなっていく。
 何を考えていたのかすら、忘れていく。
 意識がかすんで、自分さえ曖昧になって。


「ごめ、なさい・・・・・・・なんかまだ、眠い・・・・・」
「ああ、眠るといい。もう少しだけ・・・・もう少し、あと少し・・・・・ずっと・・・・・眠りなさい。君の夢は、誰にも邪魔はさせないから」


 優しい夢魔の声。不思議な安堵感に包まれて、アリスはゆるりと笑った。
 ナイトメアがそういうのなら、大丈夫。まだまだ眠ったままでいられる。
 幸せな夢を・・・・・・・・見たままで、いられる。


 どこまでが夢だったのか。
 姉と過ごした穏やかな午後?
 白ウサギに連れ込まれて飛びこんだ先での、はちゃめちゃな住人達との騒がしい狂った時間?

 楽しい時間もあれば、悲しい時間もあった。
 どれもこれも忘れてはいけないものだった。確かに記憶の中にあったはずだった。

 それが現実だったのだとしても、今はもう「夢」にすぎない。
 曖昧になって消えていく。忘れられていくだけの・・・・・・・



(ああ、そうか。ここが、夢だ)



 夢に落ちる直前に、アリスは思い出した。
 この世界こそが夢だということに。





 きらきらと光り、あるいは闇に消え。
 上も下も右も左もない夢の世界で、ナイトメアはひとり、眠り続けるアリスを抱きしめる。

 穏やかな微笑を浮かべて、死んだように眠る少女は知らない。
 彼女が夢に捕らわれていることに。

 人は唯一の思考する動物だ。
 思考するが故に人間であり、そうして彼らは発展を遂げてきた。考えることをやめた時、人は人であることをやめるのと同義なのだと。

 だからこそ、「怠惰」は罪とされるのだ。

 考えることをやめてしまう。決断を後回しにしてしまう。あと少し、もう少しと過去に縛られ続けていることは・・・・・・・・人である権利を消しかねない、大きな罪だという。
 前に進むことをやめてしまった時、人は人として生きていけなくなる。


 ・・・・・・・・・だけど、それでいい。


 眠り続けるアリスの額に、ナイトメアはキスを落とす。
 考えることをやめ、夢に依存して時間を止めたアリス。それが罪であり、彼女がもう「人」として終わってしまったというのなら・・・・・・・今こうしてナイトメアの腕にいるのは、もはや「人形」と言っていいのかもしれない。

 それでいいのだ。それをアリスも望んでいた。
 何も考えることのない世界を・・・・・・・・心の奥底で望み、夢魔はそれを叶えた。
 この結末は、ただそれだけの話なのだ。



「おやすみ。愛しいアリス・・・・・・・永久の夢を、君に捧げるよ」



 そう。これでもう、アリスは現実に帰れない。
 夢で生きる人形は、夢の支配者のもの。
 永遠に・・・・・・・・誰も手出しのできない場所で、二人きり。
 これはナイトメアも、望んだ夢。


 思考を止めた、眠り人形。
 人形の眠りを守る夢魔は、美しくも儚い籠の中、大切に大切に人形を閉じ込める。

 夢は現実に、現実は夢に。世界が変わったことなど、籠の人形にわかりはしない。
 狭く美しい世界、何も考えない少女は、それを現実と信じて生きていく。

 その夢が、壊れるまで。



 永久の愛を得るための罪。

 それは、思考することを諦めた怠惰な欲望。





End.
 
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