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「QuinRose」
アリスシリーズ

罪愛~Invidia~(クローバーの国、ボリアリ、ヤンデレ注意)

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※流血描写あり。後味そうとう悪いと思うので、ご注意ください



 ふと聞こえた音楽に、アリスは足を止めた。隣を歩んでいたボリスもそれに気が付いて足を止める。

 どこか懐かしい、ヴァイオリンの音。

 こんなに綺麗な音ではなかった。やかましくて耳がもげるかと思うほどで・・・・・・それでも今となっては、少し恋しい音色。
 音を辿った視線の先には、大道芸人らしき数人の男女の姿があった。ちらほらと観客もいて、ヴァイオリンの音に合わせて芸をする彼らに拍手を送っている。
 ヴァイオリンを弾く顔なしの青年は、その中心から少し離れた場所でたった一人。
 それでも楽しそうに、仲間や観客を見つめている。


「・・・・・・・・いいわね、こういうの」


 そう呟くのと同時に、やや乱暴にアリスの手が引かれる。
 驚いて意識を隣へ戻す。足を引きとめた音楽が、どんどん後ろへ遠ざかっていく。

「ほら、早く行こうぜアリス!もうすぐ会合始まっちゃうよ?」
「あ、うん・・・・・・・・」

 何も気に留めないような、いつもの明るい笑顔。
 それなのにどうしてだろう。
 振り向いた猫の瞳に、アリスは一瞬、背筋が凍りそうな違和感を覚えた。



罪愛~Invidia~



「ヤキモチって、可愛いと思わない?」

 猫は笑う。
 grin like a Chesire Cat・・・・・・その由来を名前に持つに相応しい、三日月の笑みを浮かべてチェシャ猫は佇む。他の猫は、こうも残酷に笑うことなんてできない。
 冷たく楽しそうに・・・・・・上に立つ傍観者として笑っていられる猫は、チェシャ猫だけだ。

「響きも可愛い。アリスもさ、たまにほんのちょっとしたことでヤキモチ妬いてくれたりするんだけどさ・・・・・・もうマジで可愛い。俺はアリスしか見えてないのに、変なこと心配して悩んで・・・・・そういうところ、本当に堪らない」
「・・・・・・・・っ・・・・・・・ぐ、あ・・・・」
「愛されてるな~って実感できるっていうかさ、めちゃくちゃ幸せな気分になれるんだよね。俺って束縛嫌いだから、そういうヤキモチとかってうざいだけかと思ってたけど・・・・・・アリスにヤキモチ妬いてもらえるなら大歓迎♪」

 幸せそうに瞳をうっとりさせながら、ボリスは引き金をひくことをやめない。
 間髪いれずに何度も何度も、”的”に向かって撃ち続ける。


「でも、俺のコレは可愛くないんだ」


 ”的”が力なく床に崩れ落ちたのを見て、ようやくボリスは手を止める。
 つまらなそうにくるりと銃を片手で弄ぶと、”的”の方へと近づいていく。

 ぱしゃり、とボリスの足元で紅が音を跳ねさせる。

 灯りなどないも同然のどことも知れない密室を、咽返る血臭と硝煙の香りが満たしていた。
 壁際に追い詰められ、撃たれるがまま、苦痛の悲鳴をあげる気力も体力もなくなるほどに撃たれた”的”を、冷たい金の瞳が見下ろす。


「元は多分同じ気持ちなのに、何でだろーな。俺のこの・・・・・・ヤキモチみたいなのはさ、アリスみたいに可愛くないんだよ。本当はアリスにも俺に愛されてるんだーってもっと実感してほしいんだけど、アリスはこういうの多分苦手だからさ。こんなところ見せたら、嫌われちゃうよ。だから、しょーがなく・・・・・面倒だけど、あんたはアリスの知らないところで消えてもらおうと思って」


 あくまでも淀みのない口調のまま、ボリスは横たわって途切れ途切れの呼吸を零す”的”の髪をぐいと掴んで引き上げた。
 顔の見えない、血まみれの男。
 すぐ横には、壊れて残骸も留めないヴァイオリンが転がっている。
 口元が微かに動いて、ころしてくれ、と声なき言葉を紡ぐ。

「ああ、安心しなよ。そのうち死ねるから。まさか助かるなんて思ってないだろ?あんたのこと別に知らないし、興味もないんだけどさあ・・・・・俺のアリスが、あんたのこと気にしてたみたいだから。特別念入りに”挨拶”してやったんだ」

 ひどく優しげな口調で、ボリスは男に言葉をかける。
 急所はすべて外してある。すぐに死なないように。
 苦しんで苦しんで・・・・・・・そして自分がもう助からないと絶望しながら、最期を迎えるように。


「俺以外のやつが、アリスに近づくなんて許せない。アリスが俺以外に興味を引かれるなんて許せない。アリスが好きになってしまう可能性のあるものなんて、全部なくなればいい」


 もはや自分で体を起こすこともできずにいる男の頭を床に叩きつけ、ボリスは立ち上がる。
 暗闇と多量の出血で視界が虚ろであろう男の目に、金色の瞳と三日月形の笑みが浮かんだ。



「アリスは、俺だけ見てればいいんだよ」



 誰も知らない部屋。チェシャ猫の空間。
 乾いた一発の銃声が響く。
 あ、しまった、殺しちゃった。
 紅に染まる狭い暗闇で、猫は無邪気に首を傾げた。





「ア~リス♪お待たせっ!!」
「もう、なんなのよ。人のこと待たせておいて・・・・・・用事とやらは終わったわけ?」
「ごめんってば。俺だってアリスと離れてると寂しいし、心配なんだぜ」

 すりすりと甘えたように抱きつくピンクの猫に、アリスは溜息をつく。相変わらずこの恋人は人目をまったく憚らない。
 ふと彼の服から漂った香りが、いつもと違うように感じ、アリスは少し眉をよせた。鼻を掠めた違和感に首を傾げるより早く、ボリスの体がさっと離れる。かと思えば、しっかりと片手を絡めとられて優しく傍に引き寄せられる。
 無駄のない動きに、違和感のことなど忘れ、彼女は呆れた溜息をついた。

「そう言えばこの前の時間帯、ここでヴァイオリン演奏つきの大道芸やってたけど・・・・・・・もういないのね。ここらで結構活動しているって聞いたから、また見られるかもって期待してたんだけど」
「・・・・・・・・アリス」
「なに・・・・・・・・ん!?」

 突然のキスに、アリスは驚いて目を丸くする。
 少しだけ味わうようにスルリと口の中を舐められ、しかし深く求められることなく離された唇に逆に体の熱が煽られるような錯覚を覚えた。

 口元を押さえ、アリスは慌てて周りを見渡す。
 街中のど真ん中で堂々とキスをしかけておいて、ボリスは全く気にした様子はない。それどころか、どこか拗ねた表情を浮かべている。


「な、なに考えてるのよ、あんたはっ!!」
「だ~~ってさ。アリスってば、俺と一緒にいるのに違うことにばっかり目を向けて・・・・・・・いい加減に余所見するのやめてくれないと、俺、そこら中のやつら殺してまわらなきゃならなくなるだろ?」
「またそういう物騒な冗談・・・・・・・・・実行しちゃダメだからね?」


 クギをさすと、猫は大人しく「はあい」と返事をする。
 それを見届け、今度はアリスの方からボリスの手を引く。先ほどのキスのせいで、街行く人々の視線がなんだか痛い。さっさとこの場を離れるに限る。

 ふと、また鼻先を掠めた香りに、アリスは再び眉を顰める。
 どこかで嗅いだことのある、鉄サビのような・・・・何度かこの世界で感じたことのあるもの。不安な香りが、心臓の鼓動を早まらせた。




「冗談なんかじゃないから・・・・・・・・イイよね?」




 風に乗って微かに届いた不穏な言葉が、聞き間違いかと振り返る。
 アリスの視線に気が付いたボリスが、微笑む。
 三日月のにやりとした笑みが、いつもより冷たく見えた。



 その愛の罪。

 それは嫉妬に捕らわれた独占欲。





End.
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