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「オトメイト系」
CLOCK ZERO

悪夢を醒ます君の温もり(理撫、帰還End後)

 ←なんかエロ担当を終えた感 →まさかの涙腺崩壊
 夢を見た。
 夢とわかる夢。

 中学生の撫子が、車に轢かれる悪夢。

 そんなはずがないと知っている。オレが知っている撫子は、中学生の頃に事故に遭っていない。
 22歳になった今もぴんぴんして、オレの横で相変わらず生意気なことばっかり口にしてくる。怒ったり笑ったり泣いたり・・・・・・普段あんまり愛想がないくせに、意外と感情が出てきやすいところは昔から変わってなくて。

 今も昔も変わらないまま、これから未来も一緒にいられるように、指輪を送った。
 ずっと傍にいる約束をした。
 守ると誓った。
 ・・・・・・オレが犯罪者になっても、味方でいてくれると笑ったお前のために。


 なのに、夢だとわかっているはずのそれは、やたらリアルで。

 まるで本当に目の前で見ているかのような光景。
 誰かを待っているような様子のアイツに向かって、一台の車が猛スピードで近づく。
 とっさにその名前を叫んだけれど、体は凍りついたように動かなくて・・・・・・・危ない逃げろという言葉は、甲高いブレーキ音とアイツの悲鳴にかき消された。

 次の瞬間、音が消える。
 細くて小さな体が宙を舞って、人形みたいに道路に激しく叩きつけられる。
 数メートル転がったその体から、じわりと紅い何かが染み出した。


 金縛りが解けたように、オレは急いで倒れたままの撫子に駆け寄った。
 止まる気配もなく遠ざかった車のことも、周囲の喧騒もどうでもよかった。触れた瞬間にぬるりと纏わりついた生暖かい感触と鉄錆の匂いに背筋がぞっと冷える。
 ゆるりと虚ろな視線が、オレを見つめる。
 赤と白に彩られた幼馴染の・・・・・・大事な少女の顔が、静かに笑みをかたどった。


「だ、いじょぶ・・・・・・大丈夫、よ・・・・・・・」

(なにがっ・・・・・・・なにが大丈夫だ、この馬鹿!!!)

「わたし、は・・・・・・だいじょうぶだから・・・・・・・・」

(誰か、誰か助けてくれ!!こいつを助けてくれよ、早く・・・・・・・早くしないと、撫子が・・・・・っ、誰でもいいから、頼むからっ!!!!)


「なかないで・・・・・・り、いちろ・・・・・・・」


 血に染まった手が、そっとオレの頬を撫でる。
 オレを見つめるその瞳の中に映った、幼い自分の姿。
 嫌になるほど無力な、子供のオレは・・・・・・・何もできずに、泣いていた。


「ごめっ・・・・・・・ごめん、撫子・・・・・・オレ、また・・・・・・お前を守れなかった・・・・・・・」


 また?
 また、とは何のことだろう。自分で言っていることのはずなのに、その意味がちっとも理解できない。
 わかっているのは、オレが約束を破ってしまっているという事実。

 泣かないと決めた。
 強くなると誓って、お前を守ると約束した。
 約束、したのに。

 リアルで残酷なこの夢で、確かに彼女の温もりは失われていく。


「助けるから・・・・・・絶対にお前を、助けてみせる、からっ・・・・・・・・!!」


 オレの言葉に、なぜか撫子は悲しそうな顔をして。
 やがてその瞳は、眠るように閉じられた。





 夜遅く、しかもろくな用件も言わずに呼び出したというのに、撫子はおとなしかった。
 文句のひとつも覚悟していたが、珍しいこともあるものだと思いながら、オレは黙って細い体を閉じ込める。確かな温もりと、トクトクと感じる鼓動に不安と恐怖がゆっくりと溶けていく。
 背中に回された手が、あやすように軽く動く。子供扱いするなとボソリと呟けば、微かに笑いが返された。

「珍しいのね、理一郎がこんなに甘えてくるなんて」
「・・・・・・・甘えてない」
「甘えてるじゃない。なあに、怖い夢でも見た?」

 言い返そうとして、あながち外れていないと思い至る。
 夢見が悪かった、それは事実だ。
 目を覚ました時、撫子が隣にいないことが不安で、すぐに会いたくなった。会って、抱きしめて・・・・・・・生きているんだと、ちゃんと信じさせるものが欲しかった。

「・・・・・・・・悪いか」
「え、本当に?」

 パチクリと瞬きをしながらこちらを見つめる撫子を、押さえつけるように抱きしめる。絶対今のオレの顔なんて見せたくない。そんな情けないものをわざわざ見せる気になんてなれない。
 肩口に顔をうずめると、撫子らしい清楚な香りが鼻腔をくすぐった。
 昔から馴染んできて、そんなに意識もしていなかったけれど・・・・・こうして近づけば、ふわりと香って、いつもオレの心を落ち着かなくさせる。だけど、それと同時に、撫子がこんなにも近くにいるんだと感じて幸せにもなる。
 この腕の中に閉じ込めておけるほど近くに、世界の誰よりも愛おしい奴がいるのだという・・・・・・確かな証拠。

「本当に今日の理一郎、ちょっと変ね。だいじょうぶ?」

 労わるようにオレの頬へと伸ばされたその手が、夢の中と重なってギクリとする。
 気が付けば、咄嗟にその手をつかんでいた。驚いたように目を見開く撫子と視線が絡む。


「あ、その・・・・・・・悪い・・・・・・」
「理一郎」


 ぎゅっと。
 つかんでいたその手が、そのまま俺の手に絡められる。白く細い手は確かに夢と変わらないけれど、今こうして掴む手は血に塗れていない。
 代わりに彼女の手にあるのは、薬指につけられたシンプルな指輪。
 延々と悩み続けて、ようやく決めた・・・・・オレの一世一代の覚悟の証が、撫子の指に収まっていた。


「私を見て」
「っ・・・・・・・・」
「私は、ここにいる。ここに、ちゃんといるわ。今ここにいる私を見ていてよ」


 真っ直ぐに見つめてくる瞳に吸い込まれそうな錯覚を覚える。
 強い視線、揺るがなくて強情なその心。本当は脆いところもあると知っているけど、それでも。

(・・・・・・・・・敵わないな、本当に)

 強い、と思う。
 小さい頃はその真っ直ぐさがとても羨ましかった。泣いてばかりのオレの手を引き、オレがどんなになっても変わらず味方でいると約束してくれるその心に憧れた。

 そんな彼女に、ふさわしい男になりたくて。

 泣くのはやめると、彼女を守ると・・・・・・・・・幼心に誓った約束は、オレの本気だった。
 撫子に恋焦がれ続けた、オレの譲れない想いだったんだ。


 こつん、と軽く額を合わせる。
 息がかかるほど近くで、そっと握られたままの手を口元に持って行った。騎士がするようにその手を取って、薬指のエンゲージリングを食むように口づける。
 視線をあげたその先で、キスできるほど間近に迫っていた顔がかああっと赤くなったのを感じた。



「・・・・・・・・・・・愛してる」



 驚くほど自然にこぼれた言葉に、自分まで顔が赤くなりそうになる。
 一度しか言わないと自分で言っておいたくせに、唐突に言いたくなった。伝えたくなったのだ。こんな一言で片づけられるほどの気持ちじゃないけれど、一部だけでもいいから言っておきたくて。

 顔を赤くして、どこかポカンとした顔をして。


 次にはものすごく綺麗に幸せそうな笑顔で、あいつが笑ったから。


 じんわりと熱くなった目元を誤魔化すように、オレは撫子にキスをした。
 絡んだ指の間で光るエンゲージリングが、月明かりに光っていた。





 今目の前にいるお前こそ、俺だけの大事な存在。

 絶対、お前だけは守り抜いてみせるから。幸せにするから。

 だから頼む、傍にいてくれ。どこにもいなくならないで。

 悪夢を消してくれる優しい温もり。

 それが隣にあるならば、俺はもう、迷わない。



End.
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