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「お題もの」
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心が枯れるその時まで(遙か3、銀望、悲恋)

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 愛しています、愛しています。


 ・・・・・・・愛していました。


 許されないと知っていて、それでもあなたの微笑みに、何度目を奪われたでしょう。
 何も持たない私に、心を与えてくださったのはあなたでした。
 あなたの言動ひとつひとつに、こうも容易く胸が高鳴る。
 神子様が笑えば、私の心は喜びに満ちて温かい気持ちになり・・・・・・神子様が悲しげな表情をなさると、私の心は痛み、苦しくなってくる。


 傍にいたい。
 守りたい。
 愛していたい。


 止めることができませんでした。
 あなたを恋い慕う、この気持ちを。

 薄々気がついていたのに。
 心の奥にある忌まわしきものが、そして記憶の片隅に眠っていた私自身が・・・・・・・しきりに、警告をしていたというのに。



 あなたを愛してはいけないと。



 申し訳ございません、神子様。
 私はその警告から目を背けていました。あなたの苦しむお姿を見ても、代わりに私がその苦しみを引き受けることができればいいのにと願っていても。

 どうしても・・・・・・・失いたくなかったのです。
 この想いだけは。

 初めて得た、大切だと思える感情。そして神子様と過ごしてきた記憶。
 何も持たない私の、宝物であり・・・・・・唯一の真実、でしたから。

 けれどそれは・・・・・・・それは、やはり間違いだったのですね。
 望んではいけないこと、だったのですね。
 汚れないあなたを私が愛することは・・・・・・・何よりも、あなたを汚す行為だと。
 私は知っていたはずなのに。





 雪が禍々しい風に吹き飛ばされ、容赦なく体に叩きつく。
 神子様も八葉の皆様も・・・・・・・この陰の気が巻き起こす風に動けず、雪の上にうずくまっている。私と、そして異国の神を宿した北条政子だけが、この吹雪く雪原に向かい合わせで立っていた。

「重衡殿・・・・・・・あなた、まさか・・・・・・・」
「私は銀です。泰衡様の郎党であり、神子様に多くのものを与えられて『人間』となることができた・・・・・・・ただの、男です」

 そう、私は銀。

 泰衡様に拾われて名前を与えられ、そして神子様と出会い、多くの感情を知った。
 人の温かさを、誰かを愛しいと思うことを、大切な人の涙は苦しいことを、好きになるたびに募る勝手さや嫉妬を・・・・・・・知って、感じて。

 失くしてしまった記憶の分よりもずっと短い、そんな僅かな時間を持つ『銀』という存在。
 それこそが、今の私なのだと・・・・・・今なら、ハッキリと言える。



「ですから、神子様を助けるためならば・・・・・・私はどうなってもよいのです」



 想いを諦めようとしなかったは、私のわがまま。
 あなたを愛した気持ちを失うことが嫌で、あなたとの記憶を失うことが嫌で。

 けれど、あなたは私の全てだから。

 あなたがいなくては、私の存在など初めからなかったも同然だから。
 あなたを守るためなら、私は『銀』という存在を捨てましょう。



「後悔などありません。これは私の・・・・・・銀の、意思ですから」



 優しいあなたは泣くでしょうね。
 自分勝手な願いと存じてはおりますが、どうか泣かないでくださいませんか。
 私のことなど振り返らずに・・・・・・前を見据えて、進んでください。

 申し訳ありません、神子様。
 こんな選択肢しか取ることのできなかった私を・・・・・・あなたを愛して、あなたを苦しませてしまった私を・・・・・・どうかお許しください。



 さようなら、十六夜の君。
 本当に・・・・・・・あなたを愛しておりました。


心が枯れるその時まで



 その日、最後に見たのは・・・・・・・・白い、白い、空から舞い落ちる花。





「しろがね~!!ほら、見て見て。綺麗でしょ?花がたくさん咲いてたから、ちょっと摘んできちゃった」


 重ねられる温かい手。
 優しい声。


「どれにしようか結構悩んだんだけどね、やっぱり銀は白が似あうかなって。気に入ってくれた?」
「・・・・・・・・はい」


 差し出される、一輪の白い花。


「もうすっかり平泉も春だね。温かくなってきたし」
「・・・・・・・・・はい」


 翡翠の瞳が、見える。
 笑っているけれど、瞳だけが揺れていて。


「・・・・・・・・銀、この花の名前わかる?私、全然わかんなくて・・・・・・泰衡さんとか聞いても答えてくれなさそうだよね。残念、とっても綺麗な花だから名前知りたいな」
「・・・・・・・・・・はい、ご命令を」


 触れていた手が、小さく揺れた。



「あ、はは・・・・・・何・・・・・言ってるんだろうね、私。ごめんね、銀!!へ、変なこと言い出して・・・・・・わかってるよ、大丈夫、だいじょ・・・・・ぶ・・・・・・」



 温かい雫が、手に落ちる。
 絡められた温かい感触が震えている。
 力いっぱい握られた手に、忘れたはずの「何か」が浮かんで、消えた。


「冬にね、わからない花は教えてくれるって・・・・・・・やくそく・・・・・・・したんだよ・・・・・・・っ・・・・・・・なのに・・・・・・・・なのに、なんでっ・・・・・・!!」



 ―――ナンデ、コンナコトニナルノ?



「・・・・・・っ、しろがね・・・・・大好きだよ・・・・・・だいすき・・・・・・あいしてる・・・・・・伝えたかったよ・・・・・・ほん、とに・・・・・・言いたかった・・・・・・っ!!」



 温かい体に、抱きしめられる。
 手に握られた、名前も知らない白い花。
 力をこめることもないそれは、ゆらりと揺れて、いとも簡単に、風に乗って、飛んでいく。

 手を伸ばすことはできず、名前もわからない彼女の悲鳴にも似た声が・・・・・・耳に残って、離れなかった。





お題使用
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