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たった一人に捧げる祈り(遙か3、敦望、悲恋)

 ←旅立つ君を見送った日(遙か3、ヒノ望、BADエンド) →なんかエロ担当を終えた感
 いつかは別れる時が来るとわかっていても。
 それでも願ってしまう。あなたといつまでも・・・・・・共にあることを。



 ふとした瞬間に思い知らされる。あなたと私は違う存在であることを。
 この世は常に動いている。全てが流れ、変わっていく。止まることなく時は進み、あなたもそれに流れながら変化していく。

 だが、私の時はすでに止まっている。

 出会った頃よりもさらに美しくなった笑顔で微笑むあなたに、ただ曖昧に笑い返す私は・・・・・・変わらない。
 怨霊である私に、時の流れは関係ない。いつまでもこの姿のまま、変わっていくあなたをただ見ているだけしかできない。


『敦盛さんは敦盛さんですから。好きなことに、変わりはないです。ただ、傍にいてくれれれば・・・・・・それでいいです』


 あなたはそれでもいいと言う。
 優しく微笑み、穢れたこの身を抱きしめて。そして私の好きな言葉を囁いてくれる。

 「大好きです」と。

 その言葉を聞くたびに、嬉しさと悲しさが入り混じった気持ちが湧き上がる。どうしようもなく泣きたくなり、ただ彼女の細い体を抱きしめ返す。
 温もりが愛しくて、離したくなくて。
 永遠にこのまま時が止まればいいと・・・・・・そんな願いさえ抱いてしまう。

 あなたの優しさに甘えすぎて。
 ただ今だけの幸せに慣れすぎて。

 私が抱いた愚かな願いが、叶うはずもないことを・・・・・・忘れていた。



―――永遠など、どこにもないのだということを。



 そっと寄り添った肩口が、とても温かかった。
 その温もりと重みを感じながら、笛を吹く。
 私の吹く笛が好きだとあなたはいつも言ってくれた。だから、私もあなたのために笛を吹くことが、いつの間にか好きになっていた。自分のつたない笛でも、あなたが笑ってくれる。それはとても、嬉しいことだ。

 高らかに、それでも響く音にあわせるように、川辺に集まっていた蛍が静かに上へと昇っていく。
 一つ一つは小さいけれど、どんなに暗い夜も照らしてくれるような強い光。
 以前、蛍は身を焦がすほどの想いが溢れ出して、ああして光っているのだろうかとあなたに尋ねたことがあった。あなたは笑って、それは素敵ですねと微笑んでいた。

―――決して手に入らないと思っていた、その笑顔。

 私はもう、死んだ存在で。
 生きているあなたの隣にあってはならない存在で。

 だから、私のこの叶わぬ想いが蛍の一匹となり、あなたの指先にほんの一瞬でも止まることができればそれでいい。それ以上は望まないと。
 その頃の私はそう思っていた。


 けれどあなたが私を好きだと言ってくれて。
 再び、あなたの傍にいることができることが叶って。
 私は、欲張りになってしまったのかもしれない。


 永遠なんて約束できない。
 そう言って、それでもあなたが好きだと告げたのは私だ。あなたの傍にいたいと願ったのも私だ。
 いずれは消える運命と知りながら、私はあなたを縛り付けた。


「・・・・・・すまない」


 笛を置いて精一杯の謝罪の言葉を告げる。
 それしか、できなかった。


「謝らないで・・・・・・覚悟、してたことだから・・・・・・」


 震える声でわかる。
 彼女がどんな表情をしているのか。どんな気持ちなのか。


 残された時間が長くないことは、厳島の舞台に戻ってきた時にわかっていた。
 けれど、あなたがあまりに優しいから。あなたの隣があまりにも心地よかったから。
 そのことをすっかり忘れて、今日まで過ごしてきた。

 そして、ふと気がついた。

 私はあなたの隣にいていい存在ではないことに。
 もう、あるべき場所に還らなくてはならないことに。



「!?敦盛・・・・・さん・・・・・・」



 驚いたような彼女の声に、自分の体を見下ろす。半透明に透ける自分の体は、もう終わりだと告げていた。
 まるで他人事のような気持ちでそれを見つめながら、隣にいる彼女を見つめる。
 涙の浮かぶその瞳が、蛍火の中で妙に映えて見えた。


「もう、行かねば」


 この身は、龍脈に還って再び生じるだろう。
 生じるために、消えるのだ。何も恐いことなどない。
 すでに捨てた命。惜しいことはないし、それが自然だ。

「敦盛さん・・・・・・っ!!」
「すまない。あなたに・・・・・・辛い思いをさせて。あなたと過ごした時間は、楽しくて・・・・・・心地よかった。あなたに会えて、本当によかったと思う」
「・・・・・・やだ・・・・・・嫌だよ、やっぱりわたし、わたし・・・・・・!!」

 つかまれた腕に力がこもる。震える肩が痛ましい。
 あなたをこんなに悲しませることになるとわかっていたら、私はあの時戻ってこなかっただろう。あなたに想いを伝えなかっただろう。


―――私を思ってあなたが泣いてくれるというのなら、私の想いなど知らないほうがあなたの悲しみは軽くてすんだだろうから。


「・・・・・・望美・・・・・・」


 ようやく違和感なく呼べるようになった、あなたの名前。
 これもきっと最期になるだろう。あなたの名を呼ぶことも、あなたをこうして抱きしめることも。





「・・・・・・幸せになってほしい。あなたは、笑顔が似会う。私のことなどで、もう泣かないで。私はいつまでも・・・・・・望美が幸せであるよう、祈っているから」





 もう、今となってはそれしか。
 あなたの幸せを願うことくらいしか、私にはできないのだけれど。



 蛍火が霞んで、いっそう輝きを増していく。私をあるべき場所に誘う、灯火のように。

 あなたの顔が見えなくなっていく。

 何も感じなくなっていく。

 消えていく。





「・・・・・・・・・・・・ありがとう・・・・・・・・・」





 永遠などないのなら、初めから出会わなければよかったのに。
 後悔も悲しみも、きっとなかったはずなのに。

 でも・・・・・・それでも。


 あなたと出会えたことを私は嬉しく思う。


 永遠でなくても、あなたを愛し、そして愛してもらったことが幸せだと思う。

 ただ、願わくば・・・・・・あと少し、一緒にいたかった。



たった一人に捧げる祈り



 もう、あなたの顔が見えない。

 何も、見えない・・・・・・・・・・・・・・・・・・





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