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旅立つ君を見送った日(遙か3、ヒノ望、BADエンド)

 ←その笑顔は太陽より眩しく(ピアス←アリス) →たった一人に捧げる祈り(遙か3、敦望、悲恋)
 昔話で、天女に惚れた男はその羽衣を奪ってしまったというけれど。
 オレの天女は・・・・・・羽衣なんて持っていなかったから。



「ごめんね。やっぱりわたし・・・・・・もとの世界に帰りたい」



 悲しげに伝えられた言葉に、急速に心が冷めていくのを感じた。
 清盛を倒し、全てが終わった今。白龍の神子である望美は、ここにいる意味を失った。
 天女は天へと帰る。それが当たり前。望美も、元ある世界に帰るのが当たり前。

 だけどオレは、それを「当たり前」にしたくなかった。

 生まれて初めて本気で惚れた女を手放すほど、オレは聞き分けのいいヤツじゃなかったから。


『・・・・・・・帰さねえよ』


 天女を帰さなければ、神々から怒りを受けるのだとしても。
 オレは目の前にいるどんな姫君よりも美しくて強く、脆さを隠しもった舞姫を帰してやるつもりは毛頭なかった。
 離れるくらいなら、死んだ方がマシだ。
 そんな幼稚な想いすら、抱いてしまうほどに。

「・・・・・・・何で?オレのこと、嫌い?」
「ち、違っ・・・・・・!!わたし、ヒノエくんのこと大好き、大好きだよ?でも・・・・・・だからって、向こうの世界を・・・・・・家族や友達を捨てることなんて・・・・・・できないの」

 だからゴメンね。
 そう言ってオレの胸で泣き崩れた望美を、どこかイライラした気持ちで見つめた。
 わかってる。望美の気持ちは、痛いほど。
 オレが熊野を捨てることができないように、望美も向こうの世界を捨てることができない。お互いを恋焦がれる気持ちとは別の強い気持ちが、そこにはある。

 わかってる・・・・・・・のに。



「へえ、姫君はオレより故郷を望むんだね」



 止められなかった。
 自分だって同じくせに、オレだけを求めてくれない望美に腹が立った。そして何よりも、望美を繋ぎとめておくことができないオレ自身が情けなくてしかたなかった。
 涙の溜まった望美の瞳が、驚いたようにオレを見上げる。

「どうすれば・・・・・・お前はオレの元に留まってくれるんだろうね?」
「ヒノエく・・・・・・」
「身動きもとれないほど、想いの鎖で絡め取ってしまえば・・・・・・たとえ羽衣があったとしても、天女は空へと帰れないのかな?試してみようか。もう、帰りたいなんて言えなくなるくらい、お前をオレに溺れさせて・・・・・・」

 様子の違うオレに怯えたように、望美が一瞬体を引こうとする。
 それを逃がさないようにすばやく捕え、強引にその唇を奪った。


 何度も何度も、深く口付けて。
 反論なんて許さないほど、震える吐息ですら奪いつくすほどに。


 望美の体から力が抜ける頃、ようやく唇を離す。
 肩で大きく息をし、頬を赤く染めた姫君は、ただ悲しそうにオレを見つめ返すだけで何も言わなかった。それは何とも言えずに綺麗で、そして言葉にできないほど悲しいものをオレにつきつけてきた。
 その大きな瞳から、涙が零れ落ちた時、オレは天女の気持ちを変えることができないことを悟った。

 せめて怒ってくれたら、思いっきりオレのことを罵倒してくれたら。

 そうしたらオレは迷いなく、今腕の中にある存在を攫っていけたのに。天に帰す気持ちなんてなくしてしまうほど、想いで縛ってしまえたのに。
 どうして最後まで、お前はオレの思い通りにはなってくれないんだろうね・・・・・・。


 お前は遠く、何処か遠くに行ってしまう。
 オレの声も手も想いすら届かない、遠い遠い天上へ。



「天つ風 雲の通ひ路 吹き閉じよ をとめの姿 しばしとどめむ」



 不意に口をついた言葉に反応し、望美が不思議そうにオレの顔を覗き込む。
 黙ってその唇を再び覆う。
 今度は優しく、触れるだけの口付けを。
 望美は少し戸惑ったように体を震わせた後、そっとオレの背中に手を回してくれた。その温もりが愛しくて、不覚にも涙がこぼれそうになる。


 こんなに近い場所にいるのに、どうしてお前は遠くへ行ってしまうんだろう。

 どうして大切なものは、1つじゃないんだろう。

 1つだけだったら、それだけを愛して守って・・・・・・そうやって生きていけたのに。

 お前と一緒に行くと言えたのに。

 こんな気持ち、しなくてすんだのに。



「望美・・・・・・・・好きだよ」

「ひ・・・・のえくん・・・・・・」

「オレは、本気でお前のことだけを・・・・・・・」



 それは紛れもない本音。
 今、これを言えば望美は困るだろう。もっと傷つけるだろう。
 だけど、ねえ・・・・・・今だけ、今だけでいいんだ。
 想いの鎖が、まだお前を留めておける間だけでいいから。


 もう少しだけ、オレのことで困ってみせて?
 そして忘れないで。
 遠くに行ってしまうお前を、それでも本気で愛してしまったオレのことを。





「・・・・・・・・・愛しているよ」





 どうか、どうか。



旅立つ君を見送った日



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