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「QuinRose」
アリスシリーズ

Cold Sweet(ハートの国、エスアリ)

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 彼はよく、逃がさないよなんて言う。
 その爽やかな笑顔で紡がれるその言葉は、傍らからすれば幸せな恋の絶頂にいる男が恋人に対して口にする、愛ある戯言に聞こえるかもしれない。

 逃がさないよ、俺だけのものだよと。

 吐き気がするほど甘い独占欲からくる、砂糖菓子みたいな言葉。
 実際はそんなものじゃないと、アリスは充分すぎるほどに理解しているけれど。



「好きだよ、アリス」



 赤いコートに視界を埋め尽くされるのも、もう何度目か。この世界に残ると決める前から、すでに「アリスの部屋」として定着している部屋でエースと抱きあう。
 数時間帯ぶりの再会、だ。恐るべきことに彼の壊滅的な方向音痴は本当に日々進歩しているらしい。前は数時間帯で帰ってくることなどできなかったのに。
 愛の為せるわざだよ、なんてうさんくさい笑顔でエースは言う。

「早くアリスに会いたくて、アリスの部屋の場所だけは必死で覚えたんだ!だから場所を変えないでくれよ?俺が場所を覚えるなんて珍しいんだぜ」

 事実、彼はアリスの部屋にだけは無事に辿り着く。
 が、他の場所に関しては、相変わらず見事な方向音痴っぷりだ。それでも進歩していると一応は言っていいだろう。一応、の話だが。


「ねえ、エース。どうして私なんかにそこまで執着するの?」


 エースの気持ちを疑ったことはない。
 彼を知れば知るほど、その爽やかな仮面の裏に気がつけば気がつくほど、簡単には信用できない危険なやつと思えてくるのに。彼の言う「好き」を疑ったことはなかった。
 どうしてだかわからないけれど、エースがアリスに向ける言葉は本当なのだと感じる。
 その言葉がどんな感情や理由に裏打ちされたものだとしても、エースはアリスに本当の言葉を投げかける。

 だからこそ、怖いとも思うし、わからないとも思う。

 一体何が、彼をそこまで執着させるのか。


「どうしてって言われても・・・・・・・・・う~ん、わからないなあ。なんでだと思う?」
「私に聞かれてもわかるわけないでしょ」
「だよなあ」
「・・・・・・・・わかるわけないわ。その時がきたら、殺してでも私を逃がさないつもりなほど執着される理由なんて」


 そう、エースの言葉はいつも本当。
 逃がさない、なんて言葉もただの甘い戯言なんかじゃない。

 その本質は、ある意味何よりも甘くて冷たい。

 とびっきり甘いものは、冷たくなると甘さが薄れる。
 同じ甘さでも、冷たいものを常温に戻せば信じられないくらいの甘さだったりする。それと同じ。

 冷たさで甘さを隠した、狂気の域さえ超えた愛。

 人をおかしくさせてしまうほど、甘い甘いモノ。



 エースは本気で、アリスを逃がしはしない。



「そうだね、俺は君を絶対に逃がすつもりはないよ」

 にっこりと、けれど作りめいた笑みをエースは浮かべた。
 アリスをしっかりと胸の中に抱きしめたまま、彼はただ当たり前のように言う。


「俺は君のこと大好きで、誰にも渡したくないんだ。だから逃がしたくない、俺だけのものでいてほしい。俺、馬鹿だから難しいことはわからないけど、執着する理由なんてそんなものじゃないかな?好きだから、側にいてほしいから。それって普通のことさ」


 だけどエースのそれは、普通というにはあまりにも重すぎる。
 アリスはエースをじっと見つめた。
 彼女の体を抱きしめる腕は、その気になればいつだってアリスを殺すことができるだろう。思えば、エースと心を通わせるようになった時点で、アリスにはもう「帰る」という選択肢は取れなくなっていたのだろう。

 それを選んだが最後、アリスは元の世界に帰る前にエースに殺されていただろうから。

 アリスを見つめ返す瞳が、無言で言う。
 逃げれるものなら逃げてご覧、と。
 どんな手段をつかっても、エースは彼女を離さない。


「・・・・・・・・・・そうね。私もあなたの側にいたいわ」


 それでもアリスはそんな彼の側にいることを選んだ。帰らないと決めた。
 好きだという一言が未だに言えない、そんな関係だけど。
 どんなにひどいことをされても、多分アリスはエースを嫌えない。逃げようなんていう気は起きない。



 とびっきり冷たく愛を与えてくれる、騎士のために。



 ほんの少しだけ面食らった表情の男に、アリスはそっとキスをした。





End.
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