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「お題もの」
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それは例えるならまるで(遙か3、知望)

 ←泣きたい時に泣けばいい(ナイトメア→アリス) →Hot×∞(ジョーカーの国、ボリアリ)
 本気で勝ちたいと思った。

   いとも容易く、私を打ち負かした圧倒的な力の差。

 本気の殺意を初めて感じた。

   炎に燃える町の中、楽しげに嗤っていたあの男。

 再び出逢ったら、この手で決着をつけると決めていた。

   憎い憎い、みんなの・・・・・・・かたき。



 あの男に対する私の感情は、強い憎悪で成り立っていた。





「いい目だな・・・・・・・」

 うっとりしたように呟かれた声に、視線をゆっくりと目の前の男に向けた。
 打ち寄せる波の音がすぐ近くに聞こえ、冷たいしぶきがストーカーを少し濡らす。太陽が照りつける、うだるような海岸で、私は銀髪の男と何をするでもなく立ちつくしていた。
 さっきまで木陰で眠っていたというのに、いつの間にか傍に来た切れ長の紫の瞳が、ひどく楽しげに私を見つめる。

 皆を失ったあの日、この男は同じような視線で私を見ていたっけ。


「なにを考えていた?」
「・・・・・・・・別に。初めて本気で殺してやりたいと思った男を思い出していただけ」
「クッ、それは妬けるな。先ほどのお前の目は、ゾクゾクするほど鋭かったぜ?その視線は俺だけに向けていて欲しいものだな・・・・・・・」


 ゆったりとした口調の中に宿る気品。
 いい加減な態度を取っているはずなのに、優雅ささえ感じてしまう物腰。
 ただの戦バカかと思っていたら、舞や歌などにも意外と優れている。


 夏の熊野。この時空で、私は初めて知盛という男に真正面から接している気がする。


 今まで幾度となく時空を越えてきたけれど、彼と出会うのはいつも戦場。
 私は憎しみのため、彼は悦しみのため。
 互いに剣を交えることが、彼と私の関係だった。

 そうするうちにいつしか、知盛に勝つことが私の目標になっていた。

 大切な仲間が生きて幸せになれる未来を探すため、誰にも負けない強さが欲しかった。
 全てを失ってしまった時空で敵わなかった知盛に勝てれば、それだけの強さを手に入れることができると思った。



 そしてついに私は、知盛に勝った。
 壇ノ浦で。私は望みを果たしたはずだった。

 私に負けた知盛が・・・・・・・・・海へと消えるまでは。



「思い出さないと・・・・・・・忘れてしまいそうだから」



 半ば無意識のうちに呟いた言葉は、知盛に聞こえたかわからない。
 キラキラときらめく海に目を向ければ、満足そうに私の前から消えていった知盛の姿が浮かんで、私はきつく目をつぶった。


 知盛が冷たい海に消えた後、私はすぐに時空を跳んだ。
 嬉しいはずの勝利も、殺したいほど憎かった男の死も。
 何もかもが納得いかなかった。


 ただ、無性に知盛のことを知りたいと思った。


 私の願いが聞き届けられたのか、今私はこうして彼と行動を共にしている。
 戦場では見えなかった知盛という人が、ここではハッキリと見えてくる。

 それを嬉しいと感じてしまう自分がいると気付いた時、私は愕然とした。



 どうかしてる。
 あんなに憎んでいた敵なのに、どうして私はこんなところにいるんだろう。
 大切な仲間を助けたいという気持ちは変わっていないはずなのに、敵であるはずの知盛を知りたいと思っている。消えないでほしいと思っている。

 そんなの、間違ってる。

 知盛を知れば知るほど、戦いたくないと思ってしまう。
 近くにいたいと思ってしまう。



「憎しみを思い出して、自分に言い聞かせるの。私の立場を」



 自分勝手に運命を書き換えているだけでも罪なのに、敵の大将を想うなんて絶対許されない。
 信頼してくれている仲間を裏切ることになる。

 だから私は、思い出す。

 知盛への憎しみを。
 負けた時の悔しさを。



 想いが積もる、その前に。



 グッと手を握り締めた瞬間、強く腕を引かれた。
 とっさに振りほどこうとしたけれど、逆にもう一方の腕もつかまれて引き寄せられた。

 つかまれた腕が熱い。
 吐息がかかるくらい、憎まなければいけない男の顔が近くにあった。


「っ・・・・・・・・何のつもり?」
「・・・・・・・なるほど、憎しみか・・・・・・・悪くない」


 何のことかと問いかける前に、熱いものが唇を塞いだ。
 それが知盛の唇だと理解する前に、ヌルリとした感触がして卑しい水音が耳に響いた。

「・・・・・・・んう・・・・・・っ!!」

 呼吸を一切許さない、何もかも奪いつくすかのようなキス。

 一方的で荒々しいそれに、息苦しさで涙が零れる。
 知盛の熱い舌が口内を這い回り、どちらともわからない唾液が強引に注ぎ込まれる。とっさに飲んでしまったけれど、それでも飲みきれなかったものが口の端からツウッと零れるのを感じた。
 容赦ない熊野の暑さと優しさの欠片もない知盛のキスに、頭がクラクラする。
 力が抜けそうになる足を必死で保ち、私は一度グッと強く目をつぶると、依然として私の口内を蹂躙する知盛の舌に思いっきり噛み付いた。

「・・・・・・・・っ」

 じんわりと錆びた味を残し、知盛の唇が離れる。
 その隙をついて拘束していた腕からも逃れた私は、肩で大きく息をつきながらも精一杯強い視線で知盛をにらみつけた。

「クッ、その目だ・・・・・・・心地いい」
「どういうつもりっ!?」
「なに。神子殿が憎しみは忘れないとおっしゃるものだからな。神子殿の心に俺を刻むのに、憎しみを植えつけるのも悪くないと思った」

 自分の唇から流れる血を親指で拭い、嬉しそうにペロリと舐めあがる姿に一瞬胸が高鳴る。
 けれど視線は強いまま、憎しみをこめて知盛を睨み続ける。
 彼はそんな私に満足げな笑みを零した。



「忘れるな、その憎しみを。お前が俺を憎めば憎むほど、お前は俺のことを考える。今の口付けを思い出すその瞬間は・・・・・・・お前は俺のもの、だ」

「ふざけないで!!知盛なんてだいっ嫌い!!」

「憎めばいいさ。そして向かって来い、俺に。わき目も振らず・・・・・ただ俺を殺しに来い。最高の宴が楽しめるだろうさ」



 ほんの少しだけ、胸に鈍い痛みが走った。
 知盛と戦うことを躊躇う気持ちが、顔を出して・・・・・・・だけどすぐに、そんな気持ちは消えた。いいえ・・・・・・無理矢理、消し去った。



「言われなくてもそうするわ。知盛、あなたの相手は私がやる」



 凛と告げた言葉に、知盛はひどく楽しそうに笑った。





それは例えるならまるで




(こんな狂った感情を、恋だなんて呼びたくもない)



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