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「お題もの」
QuinRose系

愛と恋の分かれ道(エリアリ←ブラッド)

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「まったく不覚だ」


 お茶会の最中、深々とした溜息と同時に呟かれた言葉に、アリスは怪訝そうに眉を寄せて隣を見る。
 優雅な所作でお気に入りの紅茶をすするブラッドは、いつも通りだるそうだ。少し違うのは、厄介そうに眉をよせているところくらいだろうか。

「なによ、突然」
「私としたことが、とんだ不覚をとってしまってなあ。まったく忌々しい・・・・・・・・厄介だよ・・・・・・・・もっと早くに気がついていれば、面倒じゃない方法がたくさんあったろうに」

 面倒そうに呟くブラッドに、それは大変ねなんて曖昧な相づちを打ちながらアリスはスコーンに手を伸ばす。
 オレンジ色のフルコースを並べ、嬉々として頬張っていたもう一人は、ブラッドからの仕事を片付けるために外出中だ。すっかり恒例になりつつある夜のお茶会は、今日はブラッドとアリス2人だけのお茶会だった。
 こうした席ににんじん色のものが姿を見せないようになってから、結構な時間が経つ。
 エリオットがアリスのため(?)ににんじん断ちをするようになってから、ブラッドの言うところの「平和な食卓」が守られている。
 ブラッドはご機嫌かもしれないが、代わりにがじがじと噛まれるようになったアリスとしては迷惑きわまりない話だ。そろそろエリオットににんじん断ちを止めるよう本気で説得しようとアリスは半ば真剣に思っている。

 たとえブラッドが何を言ってきたとしても・・・・・・・・



「私は、君のことが恋愛の意味で好きらしいんだよ、アリス」

「・・・・・・・・・・・は?」



 間抜けた声が零れて、スコーンが手から転がり落ちた。
 ブラッドは平然とティーカップに口をつけつつ、不覚だ面倒だと溜息をついている。
 急なことでついていかない頭で、ブラッドの言葉を何度も反復し、ようやくその意味を理解する。理解・・・・・・・・したところで、信じられるわけがないが。


「なんの冗談?」
「私は冗談が嫌いだ。こんな面倒な冗談、折角のお茶会の席で言わないさ」
「信じられない」
「ならば何度でも言ってやろうか?私は、君が好きだと」
「好きだという態度じゃないわよ、どう見ても」


 ブラッドに気に入られているということは知っていた。そうでもなければ、この気まぐれで面倒やつまらないことを嫌う男が、アリスを自分の屋敷に滞在させたりお茶会に招いたりするわけがない。
 アリス自身、ブラッドのことは家主として友人として、感謝も好意も抱いている。

 けれどまさか恋愛感情で好きだなんて。

 冗談じゃないとしたら嫌がらせに違いない。しかも相当悪質な。それほどまでにブラッドの態度は、恋する男という表現から程遠い。
 身近に、かなりわかりやすい例の恋する男が傍にいる分、余計に。


「大体、私はエリオットと付き合ってるのよ?」
「そんなことは知っているさ。君もエリオットもお互い想いあっていることくらい、十分承知の上だ。おかげで私の食卓は平和を保たれているわけだしね。大切な腹心と客人が幸せで結構だ。私にも喜ばしい」


 ただ・・・・・・・・とブラッドはティーカップを机において、アリスをちらりと横目で見つめた。口元が皮肉っぽくつりあがり、けだるげに細められた瞳が暗く光った。
 ぞくりと背筋に寒気が走る。
 獲物を狙う肉食獣に睨まれたような、そんな感覚。
 いつでも容易く捕まえて喉元に喰らいつくことができるのに、獲物が怯えて逃げ惑うのを楽しむかのように。



「壊してやりたくなるんだ、無性に。君がエリオットに笑いかけるのを見るたび、エリオットを撃ち殺してやりたくなる・・・・・・・君をアイツの目の前で奪って、閉じ込めてしまいたくなる・・・・・・・・厄介だろう?」



 ちっとも厄介だとは思っていない口調で、ブラッドは言う。
 楽しそうに、面白いことを考えたと言わんばかりに、そしてどこか愛おしささえ感じる口調で。


「・・・・・・・・・まあ、今のところは安心しなさい」


 彼が視線をティーカップに戻した途端、緊迫した空気が一気に消える。
 知らずに止めていた息をアリスはそっと吐き出した。怖い男だと改めて思う。視線ひとつ、態度ひとつで空気を凍りつかせる。
 普段だるだるとしていても、紅茶となるとおかしなくらい態度が変わる人だとしても、彼はマフィアのボス。その気になれば、どんな手段も厭わず、いくらでも残酷になれる人。

「まだエリオットには働いてもらわなければならないし、今のところはそんな面倒な愛憎劇を繰り広げるよりは君とこうして紅茶を飲んでいる方が好きだからな。私の食卓の平穏も守られていることだし、当分はそんな局面は来ないと思ってくれていい」
「・・・・・・・・・つまり、これから先にそういうことが起こるかもしれないと?」

 じろりと睨みながらそう尋ねると、ブラッドは新しい紅茶をカップに注ぎながら平然と答える。

「否定はしない。今はまだそんな気は起きないが、この先もっと君が私を虜にしてしまったら、そういうことになるかもしれない」
「あなたを虜にした覚えはないんだけど」
「しているさ。無意識だから余計に厄介なんだ。もっと早くに気付けていたら、エリオットのものになる前に、君を私のものにできたんだが・・・・・・・・本当に不覚だよ。どうしてくれるんだ?」

 どうしてくれるも何もないだろう、といいかけてアリスは止める。本気かどうかもわからないブラッドの戯言にマジメに付き合うのも馬鹿らしい。
 目の前のティーカップを持ち上げ、静かに口をつける。
 まだたっぷり残っている紅茶は、すっかり冷め切っていた。


「でもまあ、いいさ。欲しい物というのは、障害があったほうが燃えるものだ。手に入れる楽しみが増える」
「あんたなんかが手に入れられるものじゃないわ」


 思わず口に出たキッパリした言葉に、アリスのほうが驚く。
 こんなのブラッドの悪質な嫌がらせだ。本気にせず、適当に流せばいい。
 そう思っていたはずなのに、どうしてこんなムキになったような言葉が口から飛び出たんだろう。

 本気じゃないなんて、わかりきっているはずなのに。


「・・・・・・・・・手に入らない、か。その時は決まっている」


 ブラッドは楽しそうに笑って、もう一度アリスを見た。
 先ほどより強く昏い狂気を瞳の中に揺らめかせて。



「奪うまで、だ」



 絶対に嘘だ、信じちゃダメなんて思いながら。
 やっぱりまだ当分、エリオットにはにんじんを我慢してもらおうとアリスは誓った。





愛と恋の分かれ道





(お願いだから、恋になんてならないで)



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