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「QuinRose」
アリスシリーズ

年下カレシ その3

 ←年下カレシ その2 →年下カレシ その4
 なんだろう、この展開には覚えがある。
 ちらりと横目で、隣を歩く少年を見やる。
 今、私とグレイは塔の外へ買出しに来ていた。ちょっとした用入りのものがあって出かけようとしていた矢先、グレイと会って・・・・・・・で、何故かついていくと言って聞かないグレイと一緒に、こうして歩いているわけだが。
 さっきから、隣を歩くグレイは落ち着かない。あちこちと辺りを見渡して、まるで、誰かを探しているような。

(なんか本当に似たようなことあったな・・・・・・前に)

 あれは確か、大人姿のグレイと見回りなんかをやっていた時だったろうか。
 あの時にきょろきょろと落ち着きがなかったのは、私の方だったけれど。
 グレイには恋人がいると思い込んで、その見たこともない恋人を探して人ごみを・・・・・・・・・ちょうど、今のグレイがしているのと同じような感じで。


(いやいやいや、まさか)


 あまりに状況が似ているせいで、ちょっとありえないような考えに行き当たってしまう。
 元の姿のグレイならともかく・・・・・・・・今の姿のグレイに好かれているなんて思うほど私は自惚れていない。初対面よりかは幾分か態度も軟化しているし、それなりに親しくなっているとは感じているけれど・・・・・子供姿のグレイとは、一緒に過ごした時間もまだ短い方だ。

 今のグレイにとっての私なんて、良くて「それなりに親しい女友達」レベルに違いない。
 年頃の男の子にありがちな「年上の女性への憧れ」という線も薄いだろう。生憎と私はそんな憧れを向けられる類の美貌もスタイルも持ち合わせてはいない。実際、子供姿のグレイには何度「壊滅的に色気のない女」と鼻で笑われたことか。それ以前の問題として、年上として見られていないような気がする。
 もう少し私が「年上のお姉さん」という雰囲気があれば、違ったのかもしれないけれど。


(・・・・・・・・グレイが好きになる女性、かあ)


 ふと思った途端、無性に気になってくる。
 元の姿のグレイの恋人は私だけれど、未だに少し信じられない気持ちになる。私は絶対にグレイの横に立っていても、不釣合いな存在だと思う。彼に似合うのはもっと大人で、美人で・・・・・・・・
 彼だって本当は、そういう方が好みなんじゃないかと思うわけで。

「・・・・・・・・・ねえグレイ、今ちょっと思ったことなんだけどね」
「ああ・・・・・・・」
「グレイって、好きな人とかいるの?」
「ああ・・・・・・・っ、え、はっ!?」

 お、なかなか面白い反応。
 内心ちょっと感心するくらいに、グレイの反応はわかりやすいものだった。
 適当な相槌を打っていた顔が、質問の内容を理解した瞬間に硬直し、目をまん丸に見開いてこちらに向けられる。と思ったら、次の瞬間にはカアアっと顔が赤くなっていって・・・・・・・そうかと思えば、大慌てでそっぽを向いてしまう。

 大人姿のグレイではまず見られない、ものすごく新鮮な表情だ。
 そしてわかりやすい。


「・・・・・いるんだ、好きな人」
「なっ、なにも言ってねえだろうが!!第一お前卑怯だぞ、不意打ちでそんなこと聞くなんざ・・・・・!!」
「ふ~ん、へえ~・・・・・・いるんだ、好きな人。初恋の相手とか?やっぱり美人な年上のお姉さんだったりするの?」
「人の話を聞けよ!!」


 そんなことを言われたって、明らかに先ほどの態度でグレイに好きな人がいることはバレバレだ。
 内心、ちょっと面白くない気分になる。過去に嫉妬したってしょうがないのはわかっているけれど・・・・・・グレイが好きだった女の人というのは、どんなだったろうかと考えてしまうと無駄に落ち込みそうだ。
 昔のグレイが、それなりに女遊びをしていたことは知っている。最低なことに顔すら覚えていないことが大半だったと彼は罰が悪そうに言っていたけれど、もしかしたらその中に一人くらい、彼が本気で好きになった女性がいたのかもしれない。

「そ、そういうお前はどうなんだよ!・・・・・・・恋人、いるんだろ、一応」
「一応も何も、ちゃんといるわよ。言っとくけど、騙されてもいないからね」
「本人はわかんねーもんだろ、騙されてるだとか。大体、仕事でしばらく帰ってこれないとか怪しいよな・・・・・浮気でもしてんじゃねえの?」
 
 ・・・・・・・どうあってもグレイは、私を「年上に騙されているバカな女」にしたいらしい。
 この件については何度も弁解を試みているが、彼は頑ななまでに認識を改めてくれない。挙句には「そんなに言うなら俺が見極めてやるから、会わせろ」とか言ってくる始末で。
 だけど会わせろといわれて会わせるわけにもいかない(というか無理だろう)ので、子供姿のグレイには「彼は仕事でいない」と誤魔化している。ちょっと怪しまれている感はあるが、いないのは半分くらい事実なので仕方がない。


「騙されてもいないし、浮気もされてないってば。本当にただちょっといないだけで・・・・・」
「・・・・・・・不安じゃねえの?離れている間、とか」


 不意に落ちたトーンに、思わずグレイを見やる。
 どこか真剣な金色の目に、どきりとする。
 今は年下のくせに・・・・・・たまにそんな大人びた目をするものだから、困ってしまう。元のグレイを思い出して、鼓動がやたらとうるさくなる。

「大人って、皆そんなもんなのか?ちょっとでも離れているとモヤモヤしたり、会いたいと思ったらすぐに会いたくなったり、そういう気持ちになったりしねえ?そういうのを全部我慢できるのが、大人か?」

 問われて、考える。
 もしもグレイが本当に仕事で帰ってこなかったとして・・・・・・私は、どんな気持ちだろう。

 仕方ないと自分に言い聞かせて、大人しく帰りを待つのだと思う。でも、不安に思わないかと言ったら嘘になる。怪我をしていないかだとか・・・・・ちょっとくらい、浮気を疑ってみることもありえるのかもしれない。
 時間を経つほどに会いたい気持ちはまして、寂しくなって・・・・・・・


「・・・・・・・・大人だって、寂しいわよ」


 少し手を伸ばしてグレイの髪に触れる。
 彼は驚いたように身を引こうとしたが、私は構わずその頭をなでる。変わらないその手触りのいい黒髪に指を這わせる。大人姿のグレイと同じ感覚に、気持ちが少しだけ楽になる。
 会いたくないだとか、不安じゃないだとか。そんな風に思うわけない。
 本当はすごく・・・・・・会いたくて仕方がない。大人姿のグレイに。私の恋人である唯一の人に。


「大人はね、そういうのを隠すのがうまくなるの」


 寂しいだとかそういうのだけ隠すのはうまくなって、その分ずるくなっていく。
 私だって「大人」と言えるほどの年齢ではないけれど・・・・・・・少しずつ、その気持ちがわかってきた。
 今、目の前にいるグレイほどに、私は素直に会いたいとも言えない。子供姿のグレイに元のグレイの面影を求めることで寂しさを紛らわしているというずるさも、自覚してしまった。
 大人になりたいとずっと背伸びしていたけれど・・・・・・・この時間の流れがはちゃめちゃな世界で、確かに私は大人になっていたのかもしれない。

 グイッと唐突に手を取られ、グレイの髪が指先から離れる。
 子供扱いするなと怒られるかと思ったが、少し俯いたままのグレイの様子に目を瞬かせた。握られたままの左手に痛いくらいの力が込められ、思わず眉をよせる。


「グレイ・・・・・・ちょっと、痛い・・・・・・」
「・・・・・・・・・なら、俺は大人になんてならなくていい」


 何と思う間もなく、力強く引っ張られ、そのままぐいぐいと引きずられるようにして歩かされる。なんとか踏ん張って立ち止まろうとしてみたり、片手で掴まれた腕から逃れようと暴れてみるけれど、びくともしない。

「い、いい加減にしなさいよ!!離して!!」
「・・・・・・・・・」
「グレイ!!」

 怒鳴る私の声に返事を返すこともなく、グレイはそのまま人通りの少ない道へと歩いていく。
 やがて街並みが途切れ、眼前に森が見えた。固い煉瓦で舗装されていた道が、下草がうっすら生えた柔らかい地面へと変わる。不安定さが少し増した足元に何度も転びそうになりながら、薄暗い森を引きずられていく。
 どこか遠くから聞こえた鳥の羽ばたきのような音に、びくりと大げさに肩が揺れる。
 今更ながら、得体の知れない恐怖を覚え、それでも私は立ち止まることを許されはしなかった。


「・・・・・・・・この辺りでいいか」
「なに、・・・・・っきゃ!?」 


 唐突にグレイが呟いたと思った瞬間、乱暴に肩を掴まれた。息が止まるかと思うくらいに思いっきり背中を傍の木に打ち付けられ、あまりの痛みに涙が浮かぶ。
 逃げようと咄嗟に動いた体は、両手を強く押さえつけられただけで簡単に縫いとめられてしまう。あざができそうなほどに強く掴まれた手首に悲鳴が出そうになるが、負けじと眼前に迫った顔を睨みつけてやった。

「ここなら、あの夢魔の力も届かない。ここはあいつのテリトリーじゃないからな。邪魔はさせねえよ」

 淡々と紡がれた、子供とは思えないほど低く物騒な声音。
 ぞくりと本能的に背筋が震えた。無表情に私を見下ろす金の目が、冷たく光って見える。
 体は逃げようとするのに、自分よりも年下であるはずの少年の力は振りほどけないほどに強い。

「ほら。大人じゃなくても、アリスは俺を振りほどけない。力で敵わないだろう?ガキでも・・・・・・俺は男なんだよ。お前を力づくでどうこうなんて、いくらでもできる」
「っ・・・・・・・どういうつもり!?」
「気持ちを我慢することが大人なら、俺はガキのままだっていい」

 呟かれた言葉と真っ直ぐ私を映す瞳に、状況を忘れて見惚れた。
 爬虫類を思わせる目が、確かな熱情を持って私だけを見つめる。まさかと思っていた気持ちが確信に変わる。
 こんなに熱い視線を向けられて・・・・・・・・・・彼の想いに気付かないほうが、おかしい。


「この気持ちを我慢したままでいなきゃいけないって言うなら、ガキのままでいい。アリスにあんな顔させといて、それでも放っておくのが大人なら・・・・・・・そんなもの、なりたくもない」


 どんな表情をしていたと言うのだろう。わからなくて、少し首を傾げる。
 もしかしたら、彼の髪を撫でていた時・・・・・・少しだけ、元の姿のグレイを思い出していたからかもしれない。そんなに恋しそうな表情でもしていたのだろうか。


「アリス、俺・・・・・・・・・」


 切なそうに名前を呼ばないでほしい。
 そんな風にグレイを思い出させる声で、瞳で・・・・・・・捕らわれてしまえば、抵抗なんてできなくなってしまう。
 ゆっくりとグレイの顔が近づく。幼さを残した精悍な顔立ちに、艶やかさを映した綺麗な顔。



「俺を・・・・・・・・・選べよ・・・・・」



 吐息とともに囁かれた言葉を感じると同時に、唇が重なった。





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