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「QuinRose」
アリスシリーズ

Only Sweet Day(ブログ企画、ボリアリ)

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 愛しい恋人の体を引き寄せながら、「いい加減空気を読んでくれない?」という気持ちを十二分に込めて目の前の主従を睨みつける。
 が、悲しいほどに伝わらない。
 いや正確には伝わっているはずだ。片方は心が読めるという特技をもった男なのだから、ボリスの声が聞こえていないはずがない。だけど片目を眼帯で隠した顔色の悪い夢魔は、意地悪くにやにやと笑ってみせるだけだし、片割れの補佐は何だか自分を見て和んでいる。・・・・・・・男にうっとりと見られても気持ちが悪いだけだから、さっさと帰りたい。

「そんなに邪険にするものじゃないよ、チェシャ猫。私はただ、君たちにお礼がしたいだけだ。安心しろ。君たちのデートを邪魔するつもりはない」
「・・・・・・・今まさに邪魔してるってのがわかんないわけ?」
「こらボリス!!」

 あまりにもブスッとしたボリスの態度に、横合いからアリスが咎めるような声を出す。
 けれどボリスはナイトメア達の方をじとりと睨んだまま、アリスを抱きしめる手にますます力を込める。お気に入りの玩具を取られまいとしている子供のような態度だと自覚はしていても、こればっかりは止められない。いつだって内心、アリスが誰かに取られてしまわないか不安なのだから。

 大体、どうしてこんなことになっているのだろう。
 本当だったら今頃は、アリスと二人きりで甘い時間を過ごしているはずだったのに。
 それもこれも全部この病弱な夢魔のせいだ。あとは・・・・・・アリスが、他の男に優しいのがいけない。アリスは自分にだけ優しくしていればいいのだ。他のヤツなんてどうなったっていいじゃないかと思う。
 少し前のことを思い出して、ボリスは不機嫌そうな溜息をついた。





 思えばそもそもの発端は、アリスがバレンタインチョコをたくさん作ったことに始まる。
 バレンタインと言っても、この世界では意味がないことの一つだ。明確な時間の判別がない世界で、季節のイベント事など無意味だ。いつだってバレンタインで、いつだってバレンタインじゃない。それはクローバーの国においても同じことだった。
 それでもアリスは「本を読んでいたら久しぶりにやりたくなった」と、働いている宿屋の厨房を少し借りて手作りのチョコレートをいくつも作り上げた。そう、いくつも、だ。

 ・・・・・・・・バレンタインに贈り物をあげる人は、別に恋人に限ったことじゃないくらいボリスだって知っている。

 知り合いの多いアリスのことだ。他の人間にもチョコを配るつもりで、あんなにもたくさん作ったのだろう。もちろん、ボリスとしては面白くないことこの上ない。
 しかも薄情なことに、アリスがボリスにあげる予定のチョコレートも、そんな「量産」されたものの一つだというのだから、恋人としてものすごく複雑というか悔しいというか・・・・・・・やっぱり自分ばかりがアリスのことを好きだという認識を再確認させられた気分だった。
 が、ここでめげてばかりもいられない。
 散々ダダをこね、半ばちょ~~っと脅しのような懇願を経た挙句、ボリスはチョコとは別に「アリスとの甘~いデート」の時間をもぎとった。
 わざわざ「甘~い」と名づけるようなデートだ。当然、普通の健全なデートで終わらせる気は、ボリスには毛頭なかった。普段つれない恋人に、甘えたり甘えさせたりできる絶好の機会を彼はとても楽しみにしていた。
 何をしてもらおうかな、なんてひどくウキウキした気分でこのデートの時間を迎えたのに。


 ・・・・・・多分最初の不幸は、吐血して行き倒れている夢魔を見つけてしまったことだったろう。


「な、ナイトメア!?あんたどうしてこんなところで行き倒れてるのよ!?」
「や、やあアリスにチェシャ猫・・・・・・・元気そうだな」
「・・・・・・・夢魔さんに比べれば、誰だって元気だと思うけどね。てか本当にどうしたの。トカゲさんとか他の部下は?」

 アリスに抱き起こされながら弱弱しい笑みを浮かべる夢魔は、確かにクローバーの塔の主だ。ボリス達が来ている場所はクローバーの塔の領土にあるので、別に彼がいてもおかしくないと言えばそうだが・・・・・・病弱な彼が出歩くにしては、なかなかの遠出と言っていいほどにクローバーの塔からは離れている。本当に町外れの場所なのだ。
 仮にも有力者の一人が、こんなところで部下も連れずに歩いているのはどうかと思う。
 まず第一段階目の手を繋いでデート~~~~というプランを初っ端から砕かれ、若干拗ねていたボリスは、それでもナイトメアを少々心配そうに見やった。それくらい、彼の格好はひどかった。
 顔はいつもにまして青白いし、周囲はなんの惨劇が起こったんだと思うくらいにスプラッタなことになっているし、なんだかもはや瀕死の男が路地あたりで倒れこんでいる図にしか見えない。

「ふ、ふふふ・・・・・・私は偉いからな。部下なんていなくとも、一人で街の巡回をだな・・・・・」
「どーせまたグレイに薬を飲まされそうになったから、脱走してきたんでしょ?」

 ・・・・・・・わかりやすく口ごもったあたり、図星だったらしい。
 本当にどうしようもないと溜息をつく。こんな手間のかかる上司の世話をするなんて、補佐役のグレイに心底同情する。まあ彼は彼で、あの「役割」に満足しているみたいだからいいのかもしれないけど。

「ねえ、ボリス。このまま放っておくのも後味悪いし、ナイトメアを送っていってあげない?」
「ええ!?う~~・・・・・ん、確かに後味悪いかも知んないけどさあ、その人自業自得じゃね?放っておこうよ」

 確かにこのまま放っておくのもアレかもしれないが、ナイトメアはこれでも夢魔。放っておいて死ぬこともないだろう。どうにかなりそうだったら、夢の中に逃げられるのだから、アリスが気にしてやる必要なんてこれっぽちもない。
 そんなことより、ボリスとしては早くアリスと二人きりのデートを再会したかった。
 開始早々、こんな厄介なものを発見してしまったのだ。無駄な時間など過ごしたくもない。
 ・・・・・だけど多分、アリスはそんな風に思わないんだろう。それがちょっともどかしくもあり、同時に優しくていい子のアリスらしいとも思うのだけど。
 案の定、アリスは「お願い!」と手を合わせてボリスに頭を下げる。
 ここで断ったら、アリスは一人でもあのふらふらな夢魔に肩を貸して塔まで送ろうとするんだろう。そっちの方がもっと腹立たしい。それに・・・・・・アリスの願いは、できる限りなら叶えてやりたいとも思う。

「・・・・・・・・・はあ。わかったよ、俺が夢魔さんに肩貸すからさ」
「ありがとう!・・・・・・・・ごめんね、ボリス」
「あんたが気にすることないよ。お礼なら、二人きりの時にしてもらうからさ」

 軽く言ってみせると、アリスはホッとしたように笑ってみせる。
 血で汚されるのも嫌なので、ファーはアリスに預け、ぐったりしている夢魔に肩を貸す。薬が嫌で脱走してきたということだったが、さすがに行き倒れては「帰りたくない!」とダダをこねている場合ではないと本人もわかっているらしい。口元を相変わらず抑えながら、「すまんなあ・・・・・」と弱々しく呟いていた。

(・・・・・・・このまま病院に押し込んでおいた方が早いかも。そうすればもう二度と、アリスとのデートでこんな邪魔も入らないだろうし)
「聞こえてるぞ、チェシャ猫・・・・・・・・」

 恨めしげな隣の声には、聞こえないフリをして。
 ボリスは半ば真剣に、ナイトメアを強制入院させることを考えた。



 考えてみれば、二番目の不幸は「ナイトメアを送る」という選択肢を受け入れてしまったことだろう。
 クローバーの塔にたどり着くと同時に、現れた塔の職員によってナイトメアはどこかへと運ばれていった。
 これで責務を果たしたとばかりに立ち去ろうとしたボリス達を止めたのは、クローバーの塔におけるもう一人の役持ち、グレイだった。

「本当に助かった、ありがとう。アリス、それにチェシャ猫も・・・・・・面倒をかけてすまなかったな。是非ともお礼をしたいんだ。上がっていってくれ」

 そうしつこく誘われては、無碍に断ることもできない。
 アリスはもちろんのこと、ボリスだって悪気のない好意は断れないタイプだ。その中途半端な遠慮が、女王の猫缶押し付けを断れない理由だったりするのだけど。
 結局、アリスとボリスはクローバーの塔の応接室で、グレイとしばらくお茶をしながら話すハメになった。いつの間にかグレイの隣には、さっさと復活したナイトメアがちゃっかりと座って、お茶菓子に出されたケーキを満足そうにパクついている。

 ・・・・・・・・・無性にその笑顔を殴りたくなったのは、ボリスからしてみれば仕方ないこととも言える。

 応接室の窓の向こうが昼から夜に変わったのを見て、ボリスは不機嫌そうに尻尾を揺らした。これじゃあ、プランがどんどん台無しだ。本当は、昼の時間帯のうちにアリスと一緒に昼寝でもしようと思っていたのだ。絶好のお昼寝スポットがあるから、そこでピクニックでもしながら・・・・・・・なんて。
 夜は夜で楽しみがあるかもしれないけれど、お昼寝の時に膝枕してもらいたいな~とか考えていた身としては、何だか無性に悔しい。
 時間なんてこの世界では山ほどあるけれど、アリスの時間には限りがある。アリスはマジメだから、仕事をサボるなんてしてくれない。あと2回時間帯が変われば仕事だと言っていたから、そんなに残されたデートの時間はないのだ。
 じりじりとした気分で、他の3人を見やる。
 アリスは先ほどからグレイやナイトメアとの会話に夢中で、ボリスのことを構ってくれない。・・・・・・・初めに約束していたのは自分なのに、この扱いは何だ。つまらなすぎる。


「な~な~、アリス。そろそろ行こうぜ?」
「え、あ、ああうん。もうちょっと待ってね。これを飲んだら、そろそろお暇しましょうか」
「いいじゃないか、もう少しゆっくりしていれば。急ぐ用事もないんだろう?」
「い・そ・が・し・い・の!!!俺らは!!」


 じれているボリスの気持ちは聞こえているだろうに、本当にしらじらしい。
 イライラした気分で、アリスを抱き寄せる。人前、しかも知人の前で抱きしめられたことにアリスが顔を赤くして慌てて離れようとするが、ボリスはぎゅっと見せ付けるように力を込めた。
 けれどナイトメアはからかうような笑みをやめないし、グレイにいたっては・・・・・・なんだか無性にキラキラした目を向けてくる。

「いいじゃないか、チェシャ猫。君は普段からアリスを独占しているんだからな。たまには私達にも彼女と話をさせてくれたっていいだろう」
「・・・・・次にあんたが行き倒れてても、ぜってー助けないから」
「すまないな、猫。引き止めてしまって。だが、よければもう少しだけくつろいでいってもらえないか。・・・・・・やはり猫はいい。見ているだけで癒される・・・・・・」
「そ、そう殊勝に謝られると逆にやりづらいっていうかさ・・・・・・てか、人を癒し系グッズみたいな目で見るのやめてくれない・・・・・・?」
「猫・・・・・・・癒される・・・・・・」
「・・・・・・・・・疲れすぎだから、トカゲさん」

 もういいや、と少し肩を落としてボリスはアリスの首筋に顔を埋める。
 構ってもらえないなら、自分から甘えにいく。それは猫の習性だ。自分の大好きな人の興味が、自分以外にあるなんて我慢できない。何をしている時であっても、自分の存在を感じていて欲しい。こうして触れていれば、少なくともアリスはボリスのことを完全に忘れることなんてできるはずないから。
 アリスはしばらく何やら小声で抗議したり、何とか逃げ出そうともがいたりしているようだったが、ボリスが離す気がないと気が付いたのか、しばらくしてようやく大人しくなった。諦めたとも言うのかもしれない。
 そうやってボリスがアリスに抱きついたまま、また少しの話に華を咲かせ・・・・・・その途中、ふとアリスが思い出したように手を叩いた。

「あ、そうそう。ちょうどいいから、二人に渡しておくわね。よかったらもらってくれる?」
「・・・・・・・ほう、君からのバレンタインチョコか。おいしそうだな」
「渡す前から人の思考読まないでよね。なかなかのできだと思うんだけど・・・・・・ボリス、ちょっと離してくれる?」
「・・・・・・チョコ、あげるの?」
「え、うん。だってそのために作ったし」
「そ♪じゃあほら、早く夢魔さん達にあげたら?」

 妙に楽しそうな笑顔とともにあっさりと離れたボリスに、アリスは一瞬不審そうな表情を浮かべながらも傍らの鞄に手を伸ばす。
 ちらりとボリスが前の二人に目を向けると、ナイトメアと視線があった。先ほどまでの余裕の笑みはなく、完全に呆れた表情だ。

「ああ、見えちゃった?残念。ビックリさせようと思ったのに」
「・・・・・・・チェシャ猫、お前なあ。充分驚いているぞ。よくやるもんだ・・・・・ああ、アリス。それを持つ時は少し気をつけたほうがいいぞ」
「え?」

 鞄の中からリボンつきの小さな箱を取り出したアリスに、ナイトメアがそう声をかけるのと同時に。
 ポンッという小さな破裂音を立てて、箱の中から何かが飛び出す。
 グレイがとっさに身構え、アリスは箱を取り落とす。動じなかったのは、にやにやと楽しそうな笑顔のボリスと呆れた視線を向けるナイトメアだけだ。



「・・・・・・・・・・・・・ビックリ箱?」



 グレイのきょとんとした声に応えるように、箱の中から飛び出したものは左右に揺れている。
 箱の中から飛び出したのは、ピンク色の意地悪く笑う猫の人形。バカにするような、悪戯に成功して喜んでいるような笑みが浮かんだ・・・・・・・ボリスの服についている猫のマークと同じ、あれ。
 ご丁寧につけられたメッセージカードには、『アリスのチョコは、あげないよ』の文字。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ボ~リ~ス?」


 地の底を這うような声で、アリスがぎろりと隣の恋人を睨みつけた。
 普通に考えて、こんな風なものを作る犯人なんて、一人しかいない。そもそも、アリスがバレンタインチョコを作ったのを知っているのはボリスだけだ。考えるまでもなく誰がやったかなど想像がつく。
 しかし睨まれた当人は悪びれもなく、楽しそうな笑みを浮かべているだけだった。

「何をしているのよっ!!本物のチョコはどこやったの!?」
「え~~~~~?食べちゃった(はぁと)」
「食べちゃった(はぁと)じゃないわよ!!いつぞやの時みたいにかわいこぶってもダメなんだからね!!!ていうか何、食べちゃったって。まさかあれ全部食べたっていうの!?」
「うん」
「う、うんって・・・・・・・・あれかなりの量があるのよ!?大丈夫なの、体調とか・・・・・・猫ってチョコを食べ過ぎちゃダメなのよ?体に毒なんだから!」
「俺はチェシャ猫だから平気だよ。何だかんだ言って、俺のこと心配してくれるなんて・・・・・・アリスはやっぱり可愛いなあ」

 最初は怒り、次は驚き、そして心配・・・・・・ころころと変わるアリスの表情を嬉しそうに眺め、ボリスは再び彼女を抱きしめる。
 ぺろりと頬を舐め、鼻、瞼と軽くキスを落としていく。
 赤くなったアリスが慌てて距離をとろうとするけれど、腰に回した手に力を込めてさらに近づく。耳をかぷりと甘噛みして、舌を這わせる。小さな肩がすくめられ、ボリスの胸に添えられた手が小さく震えた。


「俺はね、アリスが他のヤツにプレゼントする姿なんてやっぱり見たくないんだよ。アリスの優しさは、全部俺にだけ向けられてればいーの。アリスを独り占めするためなら、俺、面倒なことなんて何もないよ」
「ちょ、ちょっとボリス・・・・・・・っ!!」
「俺だけ見て。俺だけ構って。俺だけ、って・・・・・・言ってよ」


 最後に首筋に口付け、強く吸う。
 背中を震えさせた恋人の姿と咲いた赤い華に満足げな笑みを浮かべ、ボリスは少しだけ体を離した。真っ赤になって、少し泣きそうに瞳を潤ませているアリスは、今すぐ襲いたくなるほどに可愛らしくて、堪らない気持ちになる。
 もう一度だけ、と顔を近づけたボリスの耳に、無粋な咳払いの声が届く。
 じろりと視線だけを向けると、顔を赤くして何やら口をぱくぱくさせているナイトメアと少し気まずそうに視線を逸らしながら咳払いをしているグレイの姿があった。

「その・・・・・・・・余計なこととは思うが、続きは二人きりの方がいいと思うぞ、チェシャ猫。ナイトメア様にはまだ刺激も強いことだし、できれば違うところで・・・・・・・」
「あんたらが気を利かせてくれればいいだろ~?若いうちは、火がついたら時とか場所とか関係ないんだぜ」
「おっ・・・・・・・・・・お邪魔しましたっ!!!!!!!」

 沸騰しそうなくらいに全身を赤くしたアリスが、有無を言わさずにボリスの腕を引く。
 大人しくそれに従いながら、ボリスは最後にナイトメア達を振り返った。・・・・・・・ざまあみろ、の笑顔で。
 扉が閉まる瞬間の、何ともいえない役持ち二人の表情に胸をスッキリさせつつ、ボリスはアリスとともにクローバーの塔を後にした。





「何考えてるのよ、あんたはっ!!!!」

 予想通りというかなんというか。
 アリスはあの後、ものすごく怒った。そんなに怒ることもないはずなのだが、アリスはいつまで経っても人前でのスキンシップを嫌がる。恥ずかしいとよく言うが、何が恥ずかしいのかボリスにはイマイチわからない。
 好きだから抱きしめてキスをして、もっともっと触れたいと思う。そんな気持ちは、場所とか時間とか関係ないもののはずなのに。


(まあでも、アリスの可愛い姿を他のヤツに見られるのは癪かなあ・・・・・見ているヤツがいたら、撃ち殺す)


 さらりと物騒なことを思っているボリスのことなど知らず、アリスはひたすら怒っている。よっぽど恥ずかしかったのかもしれない。
 これからどんな顔してあの二人に会えばいいのかわからないだの、穴があったら入りたいだの、見えるところにキスマークなんてこれから仕事なのにどうしてくれるのだの。
 ぶつぶつと一人で繰り返すアリスと少し視線を合わせ、ちゅっとキスをする。
 勢いよく後ろに飛び退ろうとしたアリスの腕を掴み、ボリスはにっこりと笑った。

「あ、あんたはまたそういうことを・・・・・・・!!」
「ん~?だってさ、俺、これでも相当我慢したんだぜ。本当はあんたと二人きりで甘~い時間過ごすって約束だったのに、いつまで経っても二人きりになれないし・・・・・・・もういい加減、限界。外でデートしててまた邪魔が入っても困るし・・・・・・ね、俺の部屋でデートしようよ」

 途端、何やら警戒したような表情を見せるアリスを逃がさないとばかりに抱き寄せる。
 もちろん、拒否権なんてない。
 散々おあずけされたのだから、今からその埋め合わせを要求するくらい可愛いものだろう。猫におあずけなんて、向いてない。



「二人きりで過ごせなかった分も、取り戻すくらいに甘い時間にするからさ・・・・・・・覚悟してよ。諦めて、俺と一緒に過ごして。あんたの『バレンタイン』は、俺にだけちょうだい?」



 甘く甘く囁いて、ねだるように翡翠の瞳を覗き込む。
 諦めたような、でもどこか嬉しそうな表情で、彼女が頷けば・・・・・・・それが合図。

 二人きりのバレンタインは、甘いキスから始まった。





End.
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