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「QuinRose」
アリスシリーズ

Sweet☆Beast(ブログ企画、グレアリ)

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 クローバーの国は、いつだって過ごしやすい気候だ。
 まあそれはクローバーの国に限ったことではない。ジョーカーの支配する、季節が乱雑に変わるような時もあるが、それ以外は基本的に時間以外は変わらない。雨も雪も曇りも滅多にない、のどかで過ごしやすい気候。
今日もクローバーの塔の執務室から見える空は、青々と広がっている。もちろん、降り注いでくる陽射しも温かい。
 ・・・・・・・それなのに何故だろう。部屋にブリザードが吹き荒れているように見えるのは。


(な、ナイトメア様~~~~~~!!!!)
(なんとかしてくださいっ、このままじゃ居心地悪すぎて、凍りそうです!!)
(うっ、うるさい!!私だって何とかできるものなら何とかしているっ!!!)


 若干顔を青ざめさせながら、心の声だけで助けを求めてくる部下達に、ナイトメアは視線だけで言葉を返す。
 ・・・・・・・今ほど、ここの上司と部下の心が通じ合っている瞬間はないかもしれない。
 普通に声を出して話すこともできない。というか、仕事の手を止めたり別のことに気をとられたりしたら、即座に斬られそうだ。それくらい・・・・・・執務室の空気は張り詰めていた。
 原因は、ナイトメアから少し離れた場所で書類に目を通しているグレイだ。
 傍から見るといつもと変わらないが・・・・・・・漂う空気がもはや極寒だった。なんだかこのレベルまで行くと、殺気と呼んでしまっていい気がする。何をしたわけでもないのに、問答無用でバッサリやられそうだ。おかげで部下達などは、先ほどから完全に脅えてしまっている。

「・・・・・・・・あー、その、だな、グレイ。何があったか知らないが・・・・・・」
「ナイトメア様、口より手を動かしてください。先ほどの書類の半分も片付いていませんよ」
「だ~~~~~っ!!!うるさいうるさいうるさいっ!!!仕事をしようにも、お前のその物騒な殺気が気になって進まないんだ!!いい加減隠せ、部下達も脅えているだろう」
「・・・・・・・・・・・・・すみません」

 思いがけず素直にうなだれたグレイに、ナイトメアは思わず片方の目を瞬かせた。
 拍子抜けという感じだ。普段ならもっと倍返しの説教が返ってくるというのに・・・・・やはり、今のグレイは様子がおかしい。
 ふとそこで聞こえてきた『声』に、ナイトメアはさらにきょとんとした顔をした。普段なら滅多に聞こえることのない『声』が、イメージが、まざまざとナイトメアの心に伝わってくる。

「なんだ、グレイ。お前アリスにバレンタインプレゼントをもらってないのか?」
「っ!?」
「ふむふむ、なるほど・・・・・・バレンタインなんて名目で、アリスがせっせとチョコレートクッキーを作ったのを目撃し・・・・・ちょっと楽しみにしてたのに、肝心のアリスはなかなか来てくれず。そんな時に、私や部下達がアリスからそれを受け取っているところをこれまた目撃してしまい・・・・・・ああ、それで、どうして仮に『恋人』である自分にはくれないのかと拗ねていたのか」
「・・・・・・・読まないでください」
「ふっふっふ~今のお前は隙だらけで読みやすいからな。いつもの仕返しだ!!」

 得意げに笑った夢魔を軽く睨みつけ、グレイは早々に思考を閉ざす。
 が、もうすでに後の祭りだったようだ。ナイトメアの顔には、「してやったり」の笑みがハッキリと浮かんでいた。アリスが関わると、グレイはどうにも思考がうまく隠せなくなってしまう。おかげで、アリスへの気持ちはこの厄介な上司にほぼ筒抜けと言ってしまってもいい。・・・・・・まあ、グレイ自身もあまり隠すつもりはないので、むしろクローバーの塔にいる全員が、グレイの気持ちを知っていると言ってもいいだろうが。
 知らないのは恐らく本人だけだろう。
 アリス・リデル。余所者の女の子。引越しでクローバーの国へと一人弾かれてしまった可哀想な子。

 そして・・・・・・グレイの「仮初」の恋人。

 グレイとアリスの関係は、言ってしまえば「恋人ごっこ」というお遊びの延長戦にある。
 もっとも、グレイ自身は「ごっこ」などで終わらせるつもりはないのだが。まだまだ恋に疎く臆病な少女は、体を繋げた関係になってさえもこの「恋人ごっこ」から抜け出すのを脅えているらしい。
 それならそれで都合がいいことだと、グレイ自身もあえて何も言わずにいる。少なくとも「恋人ごっこ」を続けてくれる間は、アリスが自分から離れていくことはないだろうと確信できるから。
 ・・・・・・・だがまあ、もどかしいことはもどかしいのは事実で。
 今回のことだって、本当に『恋人』関係ならば、アリスからチョコをもらえたのだろうかとか、他の男にチョコをあげるのを堂々と阻止できたのにとか。グレイにしては珍しく、後ろ向きがちな思考に陥ってしまうのだ。


「やれやれ・・・・・それで?肝心のアリスは?」
「・・・・・・・・出かけましたよ。数時間帯ほど前に。手作りのチョコレートクッキーを大量に入れたバスケットを持って、それはもう楽しそうに・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」


 それでか。
 その場の全員が、一斉に納得した瞬間だった。同時に、解決策はひとつしかないということも悟る。
 これはもう、何を言って慰めるよりは、早いところアリスに帰ってきてもらうしかない。

「・・・・・・グレイ。お前、アリスが帰ってきたら休憩にしていいぞ」
「え?」
「お前がそんなんじゃ、仕事にならんだろう。しばらく休んでおけ。私もその間はゆっくりと休ませてもらう」
「・・・・・・・・仕事をしてくださいよ」

 特大の溜息をつきつつ、それでもグレイは休みの提案を断らない。
 元々、アリスが帰ってきたら何だかんだ理由をつけて彼女と二人きりになるチャンスでも狙っていたのかもしれない。爬虫類を思わせる金色の瞳は、少々物騒な色を宿していた。

(すまん、アリス・・・・・・・今回は多分、君が悪いということで・・・・・・大人しくグレイに喰われてきてくれ)

 相変わらずブリザードを纏う補佐の姿を横目で見つつ、ナイトメアはこっそりともう一人の補佐に手を合わせるのだった。





「え、えーっと・・・・・グレイ。もしかして・・・・・機嫌悪い?」
「・・・・・・君がそう見えると言うなら、そうかもしれないな」

 戸惑ったように見上げてくる少女をベッドに組み敷いたまま、グレイは素っ気なく答えた。意地の悪い言葉を告げていると自覚はしているが、どうにも止められない。
 我ながらガキだなと内心で苦笑しつつ、グレイはアリスの頬へとそっと手を伸ばす。
 小さくて弱い存在。どうしようもなく心惹かれ、守ってやりたくなるのに・・・・・・どうしてだろう。まれに、めちゃくちゃに壊してしまいたくなる。所詮自分の本性は昔の愚かな頃とは変わっていないのだ。真綿でくるむように愛しむよりは、ひどく傷つけて無理矢理に傍へと繋ぎとめておくほうが簡単だと知っている。

「俺は・・・・・・君の恋人に相応しくないか?」
「そ、そんなわけないじゃない!グレイは素敵な恋人よ。私には・・・・・もったいないくらい」

 次第に語尾が小さくなっていく少女の沈んだ表情に、グレイは安堵の笑みを浮かべた。
 アリスはいつだって、「恋人ごっこ」という関係を気にしている。いつかグレイから別れを切り出されるのではないかと、グレイからすれば到底ありえないことに怯えているのだ。
 そのことにグレイは嬉しくなる。あのマジメで素直な少女が、そんな偽りの関係を続けてでも自分の傍にいたいと望んでくれることが。それだけこの少女に必要とされていることが。
 こんな心地よさを知ってしまえば、傷つけることができなくなってしまう。嫌われたくない、なんて。柄ではないのかもしれないけど。
 今の自分は、昔の自分とは違う。今のグレイは昔よりずっとずるくなって、我侭になった。
 だからこそ、アリスの体だけを繋ぎとめられても意味はない。アリスの心ごと手に入れなければ、満足なんてできない。
 
「・・・・・・・そうか。そう言ってくれると、少し安心できるよ。君が他の男にばかり構っているから、俺のことはもう必要ないのかもしれないと思ったんだ」
「え?」
「バレンタインと称して、クッキーを配っていただろう?他の男に」
「あ、あれはっ・・・・・・その、お世話になった人達にって意味で」
「俺はもらっていない」

 顔を赤くした彼女に、思わず拗ねた口調で言い返す。
 ひどく子供っぽい態度だと頭ではわかっていたが、出てしまった言葉は戻らない。アリスが驚いた顔でグレイを見上げるものだから、少し気恥ずかしくなってグレイは視線を逸らした。

「俺は・・・・・・仮かもしれないが、君の恋人だろう?俺には君の手作りのクッキーをくれないのか?」
「グレイ・・・・・もしかして、嫉妬いてくれた、とか?」
「・・・・・・・・・妬いているよ。当たり前だろう」

 素直に言葉を口にすると、彼女はますます顔を赤くする。
 アリスは自分のことを素直じゃないと思っているようだが、とんだ誤解だ。グレイから見れば、彼女は結構素直に考えていることが言動や表情ひとつに出る。細かい感情の機微まではさすがにナイトメアでなければ読めないだろうが、アリスが感じていることの大体はグレイには伝わってくる。


「たとえ真っ先に君から手作りクッキーをもらっていたとしても、他の男にクッキーをやる君の姿を見て嫉妬しただろうな。本当は、君が他の男を見るだけでも許せなくなりそうなくらいなんだ。俺は嫉妬深いんだよ。覚えていた方がいい。俺を・・・・・・あまり妬かせないでくれ」


 さもないと、とんでもないことをしてしまいたくなる。
 そっと耳元に言葉を吹き込み、赤く染まった耳に軽く歯を立てる。小さく悲鳴をあげた少女を満足げに見やると、照れのせいか、やや潤んだ大きな瞳と視線があった。

「ぐ、グレイにはちゃんと成功したのをあげたかったの!」
「え?」
「その・・・・・あのチョコレートクッキー、あんまりうまくできなくて。結構何度も作ってみたんだけど、甘くなりすぎちゃったり形がイマイチだったりして・・・・・まあ、食べられることは食べられる味だったし、多く作りすぎて勿体無かったから、他の人達に先にプレゼントしてきたの。グレイには、もっと上手にできたものをあげようと思っていたのよ。その、す、好きな人には特別なものをあげたいって思うじゃない?」

 もごもごと言葉を告げるアリスに、グレイは目を瞬かせる。
 好きな人、と確かにアリスは言った。それが自分のことを指していると思うと妙に顔が熱くなった。
 鏡を見なくてもわかる。今の自分は、とても情けない顔をしている。そんな表情を見られたくなくて、グレイはアリスを抱きしめて彼女の肩口へと顔を埋めた。

「グレイ?」
「・・・・そんなこと、気にしなくてよかったのに。君がくれるものなら、俺は何でも嬉しいよ」
「多分グレイはそういうと思ったけど、私が満足できないのよ。だってグレイ、甘いもの苦手な方でしょう?あのクッキーはさすがに甘すぎだったわ・・・・・・・砂糖の分量を間違えたつもりはないんだけど・・・・・やっぱりチョコレートの分が・・・・・・」
「俺は甘いものも好きだよ」

 体を起こし、真剣にクッキーの失敗原因を考え始めたアリスに微笑みかける。
 至近距離で見つめたアリスの翡翠色の瞳が、不思議そうに瞬く。汚れがないとは言わないけれど、充分に綺麗で純粋な瞳。そこに映る自分の姿に、そっと苦笑を零した。
 なんて獰猛な、金色。
 目の前のか弱い獲物をどうやって手中に収めようかとそればかりを狙う、危険な獣の瞳だ。



「現に・・・・・俺の大好物は、この上もなく甘いんだ」



 そのまま小さな桜色の唇にかぶりつく。
 驚いて開いた唇にそのまま舌を差し入れて深く求める。存分にその味を楽しみ、時折瞳を開けてはキスの最中の表情を堪能して。
 ・・・・・・・こんな極上の甘さを味わえるものなんて、他にはない。
 もっともっとと手放したくなくなるのを堪え、何とか唇を離す。
 息を乱したアリスが目元を赤く染め、焦ったようにグレイ見つめる。その上目遣いが男を煽るのだと、多分彼女は知らないのだろう。男を煽る怖さは何度か教えたつもりだったが、伝わっていないのかもしれない。

「こ、好物って・・・・・!!私は別に甘くないし、おいしくも・・・・・」
「甘いよ、とても。癖になるほどだ」
「・・・・・グレイってたまにサラッとものすごいこと言うわよね」
「くさかったか?本当のことしか言っていないつもりなんだが」

 軽くその額にもう一度だけ口付ける。
 嘘も冗談も言っていない。何よりも欲しいのは、この愛らしい少女だけだ。
 心も体も全て、手に入れたい。
 一方的にむさぼるだけでは、ダメなのだ。獲物の方から「食べてもいい」と言わせるほどでなければ。


「君が俺に特別なバレンタインの贈り物をくれるつもりなら・・・・・・ねだってもいいか?俺が特別に好きな、甘いもの・・・・・・」


 ねだるように絡めとり、逃れられないようにしていく。
 ゆっくりと恥ずかしげに頷いた獲物に、勝利の笑みを浮かべて。

 甘いものが大好きな獣。
 所詮は獣、お気をつけて。


 食べられちゃうよ?





End.
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