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「QuinRose」
アリスシリーズ

re;present(ブログ企画、双アリ)

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「クッキーとかマシュマロ、あとはキャンディーとかが妥当じゃないかって聞いたよ、兄弟」
「そんないかにもな定番をプレゼントしても、つまらないよ。お姉さんだって、ガッカリしちゃうかもしれない。ここはやっぱり花なんてどうかな、兄弟」
「それはこの前もあげたし、十分お返しの定番だからダメだよ、兄弟。ワンパターンなプレゼントしかできない男は、すぐに飽きられちゃうって話だよ」
「それもそうだね。う~ん、結構難しいな。お姉さんが喜ぶものってなんだろう?」
「お姉さんが好きなもの・・・・・・・喜んでくれるもの・・・・・・・」

 そっくり同じ表情を浮かべ、ディーとダムは首を傾げる。
 悪名高き「ブラッディ・ツインズ」の姿に、街の人々や通行人が一様に脅えたような表情で遠巻きに見つめる。それを気にする様子もなく、二人は通りに沿った様々な店へと目を向けた。

「あっ、それじゃあ本は?お姉さん、本が好きだし」
「でもお姉さんが欲しがってる本なんてわからないよ?それに大抵の本はボスが持ってるから、読みたい本があったらボスに借りている可能性の方が高そうじゃない?たまには服とかどうかな。大人のプレゼントって感じがするし、ちょっと響きがカッコいいよね」
「恋人にプレゼント・・・・・って確かにカッコいいね!あ、でもさ、ボスもたまにお姉さんに服とかプレゼントしているけど、大抵『こんな高価なものいらない!』って突っ返されそうになってるよね」
「ああ・・・・・そういえば。お姉さんって無欲だよね。タダで高いものもらえるんだから、もらっておけばいいのに・・・・」
「そこがお姉さんのいいところ、だけどね。う~~ん・・・・・あ、それじゃあアクセサリーとか!女の人って、そういうキラキラしたの好きでしょ」
「お姉さんがアクセサリーしているところ、滅多に見たことないよ。あんまり好きじゃないのかも。それに、アクセサリーって、意外と好みが分かれるから実はものすごく選ぶのが難しいんだってさ」

 ここは帽子屋領でも屈指の店が集まる大通りだ。
 買いたいものがあれば大抵のものは揃うとも評判のその場所で、双子は何度も顔を見合わせてはああでもないこうでもないと言い合っている。
 主にその話題にあがるのは、彼らが「お姉さん」と慕い、恋人でもあるアリス・リデルのことだ。


「アクセサリーもダメかあ・・・・・・ああっ、もう難しいな~~~!!バレンタインのお返しって、何をあげたらいいんだろうね、兄弟」
「三倍返しが礼儀、っていうのがまた難しいところだよね。迷っちゃう」


 買い物と言えば、彼らがお気に入りの玩具を買う時くらいしか縁がないこの双子が、こんなところにいるのは他でもない。アリスへのバレンタインのお返しを探しにきたのだ。
 二人のためにとアリスがわざわざ手作りチョコレートケーキを作ってくれたのは、数時間帯前のこと。
 その場でもとびっきりの感謝と愛情を言葉だけではなく態度でも存分に返した双子だったが、それだけではとてもお返しにはならない(アリスはもうあれで十分すぎると若干顔を青ざめさせながら言っていたが)と、コッソリと仕事を抜け出して街までアリスへのプレゼントを求めてやってきたというわけだ。

 ところが・・・・・・・これが思いのほか、難航した。

 どうせならとびっきりのプレゼントでアリスを喜ばせたいと思っている双子は、アリスの喜ぶプレゼントがなかなか思いつかず、随分と長いこと頭を悩ませている。
 考えてみれば、アリスが欲しいものというのは難しい。
 彼女は物欲がある方ではないし、双子とは大分感性が違う部分もある。「自分がもらって嬉しいものを相手にもプレゼントするといい」とはよく聞くけれど、正直双子がもらって喜ぶものの大半はアリスが盛大に引きつった表情を浮かべるような代物だ。


「お姉さんが喜ぶもの・・・・・もらって嬉しいもの・・・・・・・」
「お姉さんが好きなもの・・・・・・欲しいもの・・・・・・・・」


 う~んう~んと呟く双子を遠巻きにしながら、通行人達は恐る恐るといった態度で過ぎ去っていく。
 ふとそうして過ぎ去った顔なしの女性の「あるもの」が、たまたま目に入った双子は同時に顔を見合わせて・・・・・そっくり同じ笑みを、その顔に浮かべたのだった。





 水色のワンピースの裾を揺らしながら、アリスは帽子屋領の有名な大通りへと買い物にやってきていた。
 道なりに並ぶ様々な店のウインドウを眺めながら歩く。アリスだって年頃の女の子だ、可愛いものや綺麗なものは嫌いじゃない。友人のところへと遊びにいった帰り、ついでにとぶらぶらウインドウショッピングに興じていたのだが、これがなかなか効率的な息抜きになって、アリスはすっかりご機嫌だった。

「・・・・・?なにか、あったのかしら」

 あちらこちらの店を覗き見ていたアリスは、少し離れたところが騒がしいことに気が付いて足を止める。
 暢気にウインドウショッピングなどをしているとたまに忘れそうになるが、ここは銃の保有率がほぼ100%と言っていいほどの危険な世界だ。どこにでも危険は転がっているし、いつどんなことに巻き込まれてもあまり不思議ではない。そして悲しいことに、アリスはこんな非日常が当たり前のように転がる世界にすっかり馴染んでしまっていた。
 ・・・・・・・銃声こそ聞こえないものの、集まっている野次馬の脅えた様子を見れば、この先に進んでも危ないことに巻き込まれることだろうと容易に想像がつく。
 面倒ごとには関わらないに限る、とアリスはすぐさま踵を返した。少し遠回りになるが、別の道を行った方がきっといいと本能が感じる。
 しかし不意に耳へと入ってきた言葉に、アリスは思わず足を止めた。

「おいっ、ブラッディ・ツインズがなんかやりあってるって本当か!?」
「あ、ああ・・・・・・なんか互いに斬りあっているが・・・・・・仲間割れか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・はあ」

 特大の溜息をつき、少し逡巡し・・・・・・・
 アリスは再び方向転換して、勢いよく騒ぎの中心へと駆けて行った。
 野次馬の間を掻きわけて進むと、激しい剣戟の音が耳に届く。人の波から飛び出したアリスの目に、見慣れた青と赤の制服が見えた。


「わかってないよ、兄弟!青に決まっているだろ!」
「兄弟こそ何を言うのさ!絶対にピンクだよ!」
「こらっ、ディー、ダム!!何をやってるのよ、あんた達は!!」


 身の丈以上もある斧を振り上げてにらみ合う二人に厳しく声をかけると、ディーとダムは同時にぱっと振り返る。
 そのそっくりな顔が同時に「やばい」という表情に変わったのを見つめ、アリスは真っ直ぐ二人へと近寄った。
 普通ならこんな街中で斧を振り回してケンカをするような人間、危なくて近寄れないが、相手はディーとダムだ。この双子がアリスを傷つけないと彼女は知っているし、先ほどのケンカが言うなれば「子供同士のケンカ」レベルの他愛なさだということも何となくは理解している。
 だからこそアリスは躊躇いなく二人に近づき、怒った顔でディーとダムの顔を交互に見やった。

「お、お姉さん!?」
「ど、どうしてここに・・・・・・・」
「たまたま買い物してたら、あんた達がケンカしているって聞こえたの。兄弟ゲンカはもうしないってこの前も約束したでしょう?約束をやぶるような子は嫌いよ!」

 本当はもっと注意したいところは別のところだが、この二人にはこう叱った方がいいということはアリスも近頃理解していた。常識外れの双子には、「ダメでしょ!」と叱るよりも、「そんなことをする子は嫌いよ!」と言った方が効果覿面だ。
 案の定、アリスに叱られた二人はしょんぼりと肩を落とし、「ごめんなさい・・・」と頭を下げた。

「それで・・・・・どうしてこんなところでケンカしているの?」

 思わずアリスが聞いてしまったのも無理はない。
 双子が斧を振り回してケンカしていたのは、随分と可愛らしい雑貨屋の前だった。女の子が好みそうな雰囲気の小物やアクセサリー、それに髪飾りなどを主に扱っているらしい。
 ウインドウから見える可愛らしい品々は、見ていてとても微笑ましいが・・・・・・正直、この物騒な双子が興味を持つとは思えないものばかりだ。

「え、えーっと・・・・・・・それは、その」
「あ、ねえねえお姉さん!お姉さんはピンクって好き?可愛い色だと思うよね?」
「へ?」
「あ、ずるいよ兄弟!!ナイショにするって言ってたのに、お姉さんの好みを聞こうだなんて!!」
「ずるくなんてないよ兄弟。僕は、お姉さんに好きな色を聞いただけだよ」
「僕だってお姉さんに聞く!ねえ、お姉さん、お姉さんの好きな色って何?もちろん、青だよね!?」
「・・・・・・・・えーっと?」

 何だか妙にヒートアップした二人に迫られ、今度はアリスがたじろぐ。
 ケンカの原因を聞いたのに、それが何故自分の好きな色の話になるのだろう。謎だ。


「青だよね、青!!お姉さんはよく青い服着てるし、青がとっても似合っているよ!」
「お姉さんが似合う色はピンクだよ。可愛いお姉さんにピッタリだし、すごくいい!」


 似合っている色、と言われてアリスはもう一度二人がケンカをしていた目の前の店へと目を向ける。
 こじんまりとしたドアの片隅に、『大事な彼女への贈り物にも!』などという一文が書かれた紙を見つけ、アリスは何となくケンカの原因に思い当たった。二人が縁のなさそうな女の子向けの店の前にいることも、好きな色を尋ねてきたことも・・・・・ここまで言われたら、さすがに何となく想像がついてしまう。

(そういえば、バレンタインのプレゼントあげた時、僕らもお返しのプレゼント用意するから待っててねとか言ってたっけ)

 困った子達だ。そんなことで斧を振り回して、街中でケンカをするなんて。
 そう呆れながら、アリスの口元には自然と笑みが浮かんだ。
 「お姉さんの似合う色」と二人は言った。きっと、二人がケンカしてまで選んでくれようとしているのは、他ならないアリスへのプレゼントなのだろう。それが彼女には、無性に嬉しかった。
 何よりもかけがえのない大切な子達。その二人が、アリスのためだけに何かをしようとしてくれることが、幸せだと思う。


「・・・・・・・・どっちも好きよ」


 未だに青だピンクだと言い争っていた二人は、柔らかいアリスの言葉にぴたりと口を閉じた。
 少しだけ背の低い彼らの首にそっと両腕を回し、抱き寄せる。
 いつだって斧を振り回す、残虐で危険な双子。
 一度は殺されそうになった相手を、しかも二人同時に愛することは、考えるまでもなくおかしいことなのかもしれないけれど・・・・・・・それでもアリスは、この危険な二人に慣れてしまった。いつ飽きて斬られてしまってもおかしくない・・・・・そんな子供達を、躊躇いもなく抱き寄せることができるほどに。



「ディーとダムが似合うって言ってくれるなら、私はどっちの色も大好きになれるわ」



 選ぶことなんてできないのだ、結局。
 どちらが欠けてもダメで、どちらが欠けてもこの関係は成立しない。
 「ディー」と「ダム」がいてこそ、アリスの恋は生まれたのだから。

「お姉さん・・・・・・・」
「お姉さんは、僕らが選ぶものなら何でもいいって言ってくれるの?」
「ええ。あなた達が一生懸命選んでくれたなら、それだけでも結構嬉しかったりするのよ?」
「・・・・・ねえ、兄弟」
「・・・・・そうだね、兄弟。お姉さん、ちょっと待っててくれる?」

 二人にだけ通じる何かを視線だけで会話したかと思うと、双子はアリスを残して例の店の中へと姿を消した。
 双子の姿が消えると同時に、ざわざわと余韻を残しながら散るやじうまの音をBGMに、アリスは今更赤くなってきた顔を軽く煽いだ。考えてみたら、随分と人通りの多いところで恥ずかしいことをやらかしていた気がする。

 幸いだったのは、双子が子供の姿だったことだろう。
 あれならまだ、手のかかる弟分を抱きしめるお姉さん・・・・・に見えないこともない。知り合いに見られていないことをひたすら願うばかりだ。

 そんなことを思いながら待っていると、入っていった時と同じくらいに慌しく、二人が外へと飛び出してきた。
 その手には一本ずつ、包装もされていないリボンが握られていて、双子が走るのに合わせてヒラヒラと揺れていた。

「お姉さん、お待たせ!あのね、僕ら、お姉さんにプレゼントしたいものがあったんだ」
「そうそう、お姉さんへのプレゼント。何がいいのか、僕ら、一生懸命考えたんだよ?」

 そう言って、二人は同時に手に持ったリボンをアリスの方へと突き出す。
 ディーの手には、青いサテンのリボン。端の方に刺繍も施してある、少し上品な感じのするものだ。
 対するダムの手には、ピンクのリボン。控えめなレースもあしらってあり、可愛らしい印象を与える。

「わあ、どっちも素敵ね」
「お姉さん気に入ってくれた?」
「ええ。ありがとう、ディー、ダム。私に選んでくれたの?」
「そうだよ。お姉さんのために選んだんだ。受け取ってくれる?」
「もちろんよ!嬉しいわ!」

 アリスが微笑んで頷いてみせると、双子は互いに顔を見合わせて照れたように笑い・・・・・・


「うん、それじゃあちょっと待ってね!」
「今、準備しちゃうから!」
「ええ!・・・・・・・・って、準備?何の?」


 どことなく会話の流れがずれた言葉にアリスが首を傾げるのも気にせず、双子は持っていたリボンを自分の腕へと巻きつける。
 可愛らしくリボン結びしてみせると、二人はそれを同時に、誇らしげにアリスの方へと向けて見せた。
 ・・・・・・・・思わずアリスが後ずさりしてしまうほどに、満面の笑顔を浮かべながら。

「バレンタインのお返しに、リボンだけっていうのも寂しいでしょう?」
「三倍返しが基本だもんね♪だからね、お姉さん・・・・・・・」

 もはや嫌な予感しか感じないアリスが咄嗟に踵を返すより早く、二本の腕によって腰をさらうように抱きしめられる。
 ストライプのスーツ姿と普段より逞しい腕に、アリスの心臓が一気に跳ね上がる。挟み込まれるようにして抱きしめてくるのは、大人の姿になった双子の恋人達。
 いつもより高い場所にある二つの顔は、悪戯が成功した子供のような・・・・・・けれどいつもの彼らよりずっと大人の、表情。



「「いい子で可愛いお姉さんには、僕らをプレゼントしてあげる!!」」



 腕にリボンを可愛らしく巻いた二匹の狼は、声をそろえて無邪気に笑った。





 その後。
 無性に疲れた顔をしたアリスが、「プレゼントは人と『愛情』以外のものがいい」と呟いている姿が目撃されたとかなんとか。





End.
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