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「QuinRose」
アリスシリーズ

幸せの約束(ブログ企画、ユリアリ)

 ←2010Valentine~ver.G~(ジョーカーの国、グレアリ) →Red Rose Dream(ブログ企画、ビバルディ&アリス)
「はい、奥さん、お待たせしました」
「え?」
「ああ、それとも旦那さんがお持ちしますか?」
「はあっ!?」

 買ったばかりの小さなアレンジメントを受け取りながら、にこやかに告げられた言葉に瞬きをする。
 女性は悪びれた様子もなく、実に微笑ましいものを見るような目で、アリスと・・・・・・そのすぐ横で衝撃に固まっているユリウスを見つめていた。

 とある昼の時間帯。
 出不精なユリウスを無理矢理外出につき合わせることになんとか成功し、あれやこれやと街での買い物を楽しんでいた時の出来事だった。
 散々帰りたいと愚痴るユリウスをなだめつつ、じゃあ最後に部屋を飾る花を買って行きたいと説得して立ち寄った花屋。
 少し年のとった店主らしき女性をもう一度見つめる。どうやら彼女は本気で、ユリウスとアリスの関係を「夫婦」だと思い込んでいるらしい。

(・・・・・・普通、恋人って思わないかしら?)

 真っ赤になって何も言えずにいるユリウスの横で、アリスは冷静にそう思う。
 「恋人」ならまだなんの躊躇いもなく、「ありがとうございます」と返せるが・・・・・・「夫婦」となると、どう答えていいものか少し悩む。時計塔をしょっちゅう訪れる迷子騎士には「熟年夫婦みたいなオーラがすでにある」だのなんだの言われるが、実際はまだユリウスとアリスの関係は「恋人」同士という感じだ。
 ・・・・・・・そりゃあ、結婚云々を考えたわけでもないのだけれど。

(赤の他人から見ても、夫婦と間違われるほど熟年夫婦みたいな感じなのかしら、私達って)

 それはそれで複雑なものもある。
 まあ、だけれども。悪い意味で言われたわけでもないし、それはそれでいいのかもしれないと思いなおしたアリスは、にっこりと笑みを浮かべた。


「ありがとう。私が持ちます」
「っ!!!!???あ、アリス!?」
「はい、どうぞ。ふふっ、本当に夫婦仲がよさそうで、羨ましいこと」
「そうですか?そう言われると、少し恥ずかしいんですけど」


 初々しいものを見るような女性にもう一度だけお礼を言い、店を後にする。「またどうぞ~」の声が背中にかけられる。
 歩きながら、受け取ったアレンジメントをもう一度見つめた。仕事の邪魔にならない程度の控えめで、けれど殺風景な部屋を明るくするような花を、とお願いした。かすかに顔を近づけると、ほのかに優しい香りのする、綺麗な薄ピンクと黄色の花束。思った以上にピッタリなアレンジメントで、あの部屋に置くのが少し楽しみになってくる。
 窓辺の辺りがいいかとあれこれ考えていると、後ろから慌てた足音が聞こえてきた。
 少し振り返れば、まだ顔を赤くしたままのユリウスが横に並ぶ。

「お、おまっ、お前・・・・・・・!!」
「なあに、ユリウス?」
「アリス、お前、その・・・・・・・否定しなくてよかったのか?」
「何が?」
「ふ、夫婦、とか・・・・・言っていただろう、さっきの花屋の店員が!私はてっきりお前が否定するものだとばかり・・・・・・」
「嫌だった?」
「・・・・・・・・」

 どうしてそこで黙りこむのか。アリスはちょっとムッとした表情を浮かべる。
 ユリウスは否定して欲しかったのだろうか。「夫婦」と呼ばれたことを。
 ユリウスも、少しは自分と同じ気持ちでいてくれると自惚れていたけれど、実は違ったのだろうか?
 ・・・・・そういうわけじゃないんだろうと実は知っている。それでも、言ってくれないとわからないし、不安になる。
 態度だけでわかるだろう、なんて。そんな風に思わないで欲しい。

「・・・・・・・・私は嫌じゃなかったもの」
「!!?」
「あなたとなら・・・・・・ユリウスとなら、別にいいと思ったわ」

 言ってから猛烈に恥ずかしくなり、アリスは歩く速度を速める。
 少しして我に返ったらしいユリウスが追いかけてくる足音が聞こえたけれど、追いつかれたくないとばかりにアリスはさらにスピードを速める。そうするとユリウスもまた足を速めて・・・・・・
 気が付けば、どちらとも全力疾走で街を駆けぬけるような状況に陥っていた。
 どうして逃げているのかよくわからなくなってくるまま、アリスは走る。とりあえず今は、いろいろな感情が胸をごちゃごちゃしていて、何だかユリウスと顔を合わせづらいのだ。

「な、なんでっ・・・・・・追ってくる、のよ!!」
「お、お前がっ、逃げるから、だろう・・・・・・っ!!」

 その後、二人の追いかけっこはしばらく続き。
 時計塔にたどり着く直前で、ようやくユリウスがアリスに追いついてその腕を掴んだ頃には、二人とも完全に息切れととてつもない疲労感に襲われるハメになっていた。





「・・・・・・今日はお前のせいで、無駄に走らされた」
「普段の運動不足が解消されて、よかったんじゃないの?」

 時計塔の最上階で、夜風に吹かれながら外を見やる。空の色は藍色で、星がいくつも光って見える。
 綺麗な夜空だとアリスはいつも思う。時計塔から見る空は、いつだってキラキラと綺麗だった。
 風邪を引くぞ、とぶっきらぼうに渡された毛布の一部を肩にかける。二人で一枚の毛布に入って、コーヒーを飲む。ひとつずつ持つマグカップは、今日の外出の際に一緒に買ってきたものだ。ペアカップにしようと我侭を言ったら、ユリウスは予想通りに慌ててみせ、けれど結局はアリスの我侭を叶えてくれた。

「折角ピクニック風のランチタイムにしようと思って用意したのに、天体観測になっちゃったわね。この花も、陽射しがないとちょっと可哀想かも」

 ガラスの花瓶に入った可憐なアレンジメントを軽くつっつく。
 風に合わせて、小さく薄ピンクの花が揺れた。

「昼にするか?」
「ううん、大丈夫。星がすごく綺麗だもの。時間帯変えちゃうのが勿体無いくらい」

 こつんと頭をユリウスの肩に乗せる。
 少し動揺した気配が間近から伝わってきて、けれどやがてアリスの肩に片手が回される。優しく、温かい力が嬉しくて、アリスはうっとりと瞳を閉じた。

「・・・・・・・誤解のないように、言っておくが」

 唐突なユリウスの言葉に、瞳を開ける。
 彼の顔を見ようとして、だけどそれは抱き寄せられた手によって阻まれる。胸に顔を押し付けられているせいで、少し視線を上げるのが精一杯だった。

「私も、嫌じゃなかった」
「ユリウス?」
「お前と夫婦に間違われても・・・・・・・嫌じゃなかった」

 不意に視界がくるりと回る。
 気が付けば、アリスの視界にはユリウスの顔が映っていた。
 夜空の色に似た群青色の瞳が、じっとアリスを見つめていて・・・・・・・そこで初めて、ユリウスに押し倒されていることに気が付いた。


「私は・・・・・本気で、そうなりたいと思った。お前と夫婦になりたいと」


 思いがけなく誠実な、とても優しい口調で言われて。
 アリスは一瞬泣きたくなった。
 少し前によぎった不安が流れていく。ユリウスも同じ気持ちでいてくれた。この人となら、夫婦になってもいいと・・・・・抱えた気持ちは同じなのだと感じる。

「・・・・・・プロポーズはもうちょっとハッキリ言って欲しかったけどね」
「なっ、ぷ、プロポーズ!!?」
「あら、違ったの?」
「ち、違っ・・・・・・・いや、違わなくもないが・・・・・・わ、私だって、プロポーズするならもう少し言葉を選ぶ!!今のはプロポーズじゃなくて、その・・・・・・ただの、事実だ」
「・・・・・・・・・・・ユリウス、実はものすごく恥ずかしいこと言ってるって知ってた?」

 十分、立派なプロポーズだと思う。少なくともアリスにとっては、十分すぎる。
 外は満天の星が散らばる夜空、二人きりの屋上、目の前には好きになった男の人。
 人を押し倒すような大胆な部分があるくせに、ちょっとしたことで顔を赤くして照れてみせる。強気かと思えばネガティブで、無愛想で冷たいかと思えばとびっきり優しくて。

 ・・・・・・・恋は悪いことばかりじゃないと、教えてくれた。

 しばらく見つめあった後、どちらともなく唇を合わせる。
 深く重なっていくキスに溺れて、視界が滲んでいく。戻れなくていい。囚われたままでいいのだ。
 アリスはそっと、自分を組み敷く男の背中に腕を回した。
 高まっていく体温と快楽に飲まれていく。少しの肌寒さも感じないほどに、熱く深く求める。

「っ・・・・・は、ユリウス・・・・・・?」

 完全に熱に溺れきる前に、片手をとられる。軽く食むように指に口付けられ、アリスはぼんやりと首を傾げた。
 彼にしては珍しく悪戯っぽい笑みが、視界に映った。

「今度、ここに贈るものを用意するから、空けておけ」
「!!」
「・・・・・・・他の男に、くれてやるなよ?」
「・・・・・当たり前でしょ?」

 目の前の首にぎゅっとしがみつく。幸せという言葉を、今ほど実感したことはないかもしれない。
 嬉しさで、どうにかなってしまいそうなまま、アリスは微笑む。


「あなた以外、夫になってほしいなんて思ってないもの」


 予約されたのは、左手の薬指。
 いつかのための二人の約束を見届けたのは、あまたの星と小さな花束。


 少女のその指が、幸せの約束で飾られるようになるのは・・・・・・それから数時間帯後のことだった。





End.
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