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「QuinRose」
現代の国のアリス(現代パラレル)

本編 日常風景~ボリス、学校に来る!の巻~

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 久しぶりに落ち着いた気持ちで、アリスは授業終了のチャイムの音を聞いた。
 生徒達がざわつき、次々に席を立つ。アリスもひとつ伸びをして、授業からの開放感を満喫する。
 ここのところ学校にいる間はひたすら気が抜けない生活を送っていた分、こういう平穏さは嬉しかった。それもこれもすべて、あのストーカー白ウサギが原因だ。

 ありえないほどに普通で平和な世界にやってきて、もう何日も経った。この世界では「余所者」はむしろワンダーランドからやってきた知り合いの方で、彼らはひたすら浮きまくっている。
 なかでも問題児はペーターで、アリスはここのところしばらくペーターにつきっきりだった。つきっきりでないと、何をしでかすかわかったもんじゃない。
 ウサギ姿のペーターを学校にこっそりと連れ込んでまで面倒を見てきたが、それでもやはりペーター、いろいろ問題を起こしてくれた。それはもう・・・・・・いろいろと。その度にアリスの心労が溜まっていったことは、言うまでもない。
 いい加減に堪忍袋の緒が切れたアリスが最後通牒(=「大人しく部屋で留守番してなきゃ、絶交するわよ!」)を突きつけ・・・・・・ようやく、落ち着いて学校の授業を受けることができる時間を手に入れるに至ったわけだ。

(う~ん、でもこの手が使えるのは1日くらいがせいぜいかしら・・・・・・ペーターのことだし、何が何でも学校についてくる手段を見つけ出してきそう・・・・・・・)

 もしかしたら、もう何らかの言い訳を思いついて、学校まで押しかけているかもしれない。人間の男がウサギ耳をつけている姿など、この世界では「変質者」としか受け取ってもらえないのだといくら言ったところで、ペーターは聞きやしない。
 ウサギ耳の美形の男が、満面の笑みを浮かべて駆け寄ってくる姿が簡単に想像できて、アリスは思わず身震いをした。


「ア~リスっ♪」
「っ!?」


 突然名前を呼ばれ、慌ててそちらを振り返る。
 教室内の雰囲気が驚きと困惑にざわつくのが聞こえる。何人かの女生徒が黄色い声をあげた。
 そこにいたのは、まさしく考えていた相手ではなかったが、それと同じくらい、ここにいてはまずい相手だった。
 三階の窓の向こうから、のんびりと片手を振っている男には、恐ろしく見覚えがある。どピンクの巨大ファーを抱えているにも関わらず、彼は全く危なげもなくするりと窓から教室内へと滑り込んだ。

「ぼ、ボリス!!!??」
「やっ、アリス。遊びにきちゃった」

 全く悪びれた様子もなく、ボリスは笑った。





 今日は午前中しか授業のない日ということもあって、いつもならばお昼休みにざわめく生徒達も大半は帰宅の途へとついている。思い思いに校門へと向かったり、校庭で部活の仕度を始める人影を見下ろし、アリスは一時の平穏を懐かしんで溜息をついた。
 いつもならこの時間、お昼を食べにくる生徒でちらほら埋まる屋上は、今はアリスとボリスの2人しかいない。

「にしても、珍しいね。あんたの傍に宰相さんがいないなんて」
「・・・・・・・置いてきたの。大人しく留守番できないなら、絶交するって言って」
「ぜ、絶交?・・・・・・・ぶっ、はははは!そ、それで宰相さん、大人しく引き下がったんだ!?あの人って、本当にアリスのことになると性格変わるよね~」
「・・・・・・・で?」

 にっこり、とわざとらしい笑顔を浮かべてアリスは振り返った。
 折角久しぶりにのんびりできると思った時間をぶち壊しにしてくれたのだ、それなりの用事があるに違いない。・・・・・・・「面白そうだから~」だの「アリスの顔が見たかっただけ」だのの理由だったら、とりあえず尻尾を思いっっっっっきり引っ張ってやろうとアリスは密かに心に決めていた。

「そ、そんな怒らないでよ。これでも目立たないようにちゃんと変装してきたんだし・・・・・」
「目立たないように?それで?」
「え、目立ってる?」

 心底不思議そうに問われ、アリスは軽く眩暈を覚える。これで目立ってないと本気で思っているなら、ボリスは大物だ。
 確かに今のボリスは制服姿だ。どこから持ってきたのか知らない(「ちょっと借りただけだよ」としらっと言っていたが)が、黒の学ランを着ている。
 しかもちゃんと猫耳を被ったキャップで隠していた。以前、あまりにも堂々としている動物組に「耳を隠す配慮くらいしてよ、この世界じゃただの変質者になるのよ!?」と怒ったことを一応覚えてはいてくれたらしい。他の動物系が未だに耳を隠す気がないことを考えれば、隠そうとしてくれている分ボリスの方が聞き分けがいい。
 だが・・・・・・・・いくら変装しようが、そのピンクを何とかしない限り、ボリスが「目立たない」などと言うことにはならないだろう。

 呆れた気持ちで、アリスはピンクのファーを見つめる。
 ピンクの髪はまだ目立たないとして、あんな巨大なものを制服姿で抱えている時点で、遠目からでも誰と判別できそうだ。恐ろしく目立つ。
 しかもボリスは美形の部類だ。そんじょそこらのアイドルには負けない美形っぷりなのだから、女子高生達が黙ってはいない。ボリスの行くところ行くところ、大騒ぎになるのが目に見えた。

「と・に・か・く!!学校は関係のない人が勝手に入っちゃダメなの。何をしにきたかしらないけど、早く帰って・・・・・・・」
「えええええ~、なんでだよ。宰相さんはいっつもあんたと一緒に来てるっていうのに、俺はダメなんだ?ずるくない?」
「うっ・・・・・そ、それはその・・・・・」
「・・・・・・・・はあ、いいよ、別に。あんたを困らせたいわけじゃないし・・・・・安心して。やりたいことやったら、大人しく帰るから。それだけ付き合ってよ」
「やりたいこと?」
「そう!俺、ど~~してもやってみたことがあってさ」

 明るい笑顔で言い放たれた言葉に、アリスは少しだけ後ずさる。
 ボリスにとっての「楽しいこと・やってみたいこと」が、アリスにとっても同じとは限らない。むしろアリスにとっては全力で遠慮したいことだったりする方が多いのだ。
 じゃん!とボリスが紙袋を取り出す。
 思っていたより普通のものが飛び出し、アリスは目を瞬かせた。次に言われたのは、予想外にまともな提案だった。

「一緒に、お昼食べようぜ?」



 晴天の屋上で、学ランの男の子(ど派手なピンクのファーを持っている、猫耳つきの男ではあるが)と一緒にお昼を食べる。
 あまりに普通で平穏すぎる時間に、アリスは内心戸惑っていた。
 普通にアリスの横に腰掛けたボリスは、持っていた紙袋の中をがさがさと漁っている。

「アリスっていちごが好きだったよな?」
「え、あ、うん」
「じゃあアリスはこっち。俺は普通のミルクでいいや」

 ひょいと手渡されたピンクの紙パックを咄嗟に受け取る。
 『イチゴ牛乳』と書かれた文字に目を瞬かせている間にも、ボリスは紙袋からいろいろ取り出している。

「これがメロンパンで、これが・・・・・・あんぱん、とか言ってたっけか?アリス、どれがいい?甘いやつがこの辺りで、惣菜パンってのがこっち側のパンだけど」
「ぼ、ボリス、これどこで買ってきたの?」
「ん?購買ってとこ。今日は午前授業だからモノが少ないって言われちゃったんだけど、とりあえず扱ってた全種類を1個ずつ買ってきた」
「ぜ、全種類・・・・・・・」

 どうりで2人で食べるには多すぎる量のパンがあるわけだ。この学校の購買が、こんなに種類豊富だとは知らなかった。
 「どれがいい?どれ食べたい?」と弾んだ声に急かされ、アリスはちらりとボリスを伺った。ひどく嬉しそうな顔だ。取ってきた獲物をご主人に見せて、偉いねと褒めてもらいたがっている猫の顔。
 いくら見た目が人間とは言え・・・・・・・アリスはそういう、小動物っぽい行動に弱かったりする。

(そんな顔されたら、さっさと昼ご飯を食べてボリスを追い返さなきゃなんて、思えなくなっちゃうじゃない)

 もうちょっとのんびりボリスと一緒にいたい、なんて思ってしまう。
 自分とお昼を食べたいがためだけに来てくれて、こんなにたくさんパンを買ってきてくれるなんて・・・・・・・なんだか、くすぐったい。
 ほっこりと温かくなった気持ちのまま、アリスは並べられたパンのひとつに手を伸ばした。

「じゃあ、これ・・・・・・・」
「え?それ、カレーパンだよ?」
「?知ってるわよ。なに、ボリス食べたかったの?」
「い、いやそういうわけじゃなくてさ・・・・・・・辛くない?」

 恥ずかしそうに告げられた言葉に、アリスは思わず小さく噴出す。

「ぼ、ボリスって辛いものダメだったのね」
「む。しょうがないだろ、俺、猫なんだから。猫は刺激の強いものは食べられないんだよ」

 少しむくれながら、ボリスはやきそばパンの包みを開く。大口でかぶりつくのは、照れ隠しだろうか。
 アリスもカレーパンを一口ほうばる。香ばしく焼きあがった表面生地が、口の中でサクッという音を立てる。舌を刺激する辛みと独特の匂いが、空腹に溶け込んでいく。

「どう?」
「ん。おいしい!そんなに辛くないわよ?ボリスもちょっと食べてみれば?」

 ひょいとカレーパンを差し出すと、ボリスは少し嫌そうに顔を顰める。本当に苦手なんだなと思うと面白くて、アリスはまたくすくすと笑った。
 片手でカレーパンを持ったまま。紙パックのイチゴ牛乳にストローを差し入れ、一口すする。先に辛みのあるものを食べたせいか、口中がいっきに甘ったるくなった。ほのかなイチゴの匂いが甘くて、おいしい。
 ああは言ったが、本気でボリスに食べさせるつもりはない。アリスにとってはそこまで辛くないが、猫のボリスにはきついかもしれない。嫌がるものを無理矢理食べさせるような趣味、アリスにはない。
 もう一口、とカレーパンを自分の口に引き寄せかけ、しかしそれは、別の手に阻止された。カレーパンを持った手首をボリスがつかみ、ぐいっと引かれる。

 金色の片目が近づき、やや伏せられる。やっぱりボリスは整った顔をしているとぼんやり思った瞬間、ボリスがぱくりとカレーパンにかぶりついた。
 もぐもぐと口を動かし、何かに耐えるように眉をよせ、最後にぺろりと自分の唇を舐める。

 間近でそんな表情を呆然と眺めていたアリスは、ややあって一気に顔を赤く染め上げた。


「~~~~~~~~~~~!!!??」
「ん~・・・・・・やっぱ、俺には辛いかも。舌がひりひりする・・・・・・」


 確かにカレーパンを差し出したのはアリスの方だったし、今更間接キス程度で動揺するような可愛さは持ち合わせていないはずだ。そのはずだったのに・・・・・・なんだろう、この妙な気恥ずかしさは。
 顔を赤くして、アリスは勢いよく視線をそらす。ボリスをまともに見ていられる気がしない。

「ねえ、アリス・・・・・・・」
「な、なに・・・・・・っ!?」

 今度は肩を引かれ、とっさに振り返ってしまうのと同時に柔らかく唇が重なる。
 軽く食まれ、ぺろりと舐められて・・・・・・・・アリスは今度こそ本当に、その場で硬直した。



「・・・・・・・甘い。イチゴの味がする」



 艶然とした微笑に覗き込まれ、アリスはとっさに口元を押さえる。イチゴ牛乳が手元から滑り落ち、ストローから中身が零れてしまう。
 顔が熱い。心臓がばくばくと早鐘をうって、今にも飛び出してしまいそうだ。


「俺は、これくらいの甘さの方がいいな。甘口カレーじゃないと無理なんだよね、猫だから」
「ぼ、りす・・・・・」
「ねえ、まだ辛いのが口の中に残ってるんだけどさ・・・・・・・甘くしてほしいな。ダメ?アリス」


 にこりと笑った男に、アリスはますます顔を赤らめる。
 そしてゆっくりと息を吸い込み、震える手を握り締め・・・・・・・・


「このっ、バカ猫!!!!さっさと出て行きなさいよーーーーーっ!!!!」
「え、ええ!?ちょ、あ、アリス、いたっ、痛いって!!ここ、怒る場面なの!?普通さ、こうもっと甘い展開が・・・・・・・」
「知るか、そんなもの!!」
「えええええええ、だって屋上でのキスシーンって『お約束』なんでしょ?だからもっとこうさ・・・・・・・・って、わ、ごめ、ごめん!!ごめんなさい!!俺が悪かった!!悪かったから、あの、尻尾だけは勘弁・・・・・・・・ぶにゃっ!!!??」


 結局、屋上で繰り広げられた大騒ぎは、もうしばらく続いたという。


 現代の国は、今日もにぎやかで平和である。




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