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「QuinRose」
アリスシリーズ

Sweet Christmas!(2009クリスマス企画、ボリアリ)

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「すごい人・・・・・・」
「だね。さすがクリスマス・・・・・・」

 思わずそう呟いてしまうほど、冬の季節にあるクローバーの塔付近は人で溢れかえっていた。
 普段は雪に覆われていることもあって、街を歩く人はわりと少ない方なのに、今はどこからこれだけと思うほどだ。しかもその大半はカップルに見える。

 ちょうど今、クリスマスなんだよと友人の夢魔に教えてもらったのは、つい最近のこと。

 遊びに行った時、嬉々として仕事そっちのけでクリスマスツリーを飾りつけ、サンタからプレゼントをもらうんだとはしゃいでいた子供男に、「クリスマスだからってすごい浮かれっぷり・・・」なんて冷めた視線を送っていたが・・・・・・どうやらクリスマスには、大勢の人を浮かれさせる魅力があるらしい。
 うきうきとした空気をまとう人の波を見ていると、しみじみと感じた。

(まあ、私も大概浮かれているみたいだけど・・・・・・)

 ちらりと隣を歩くボリスを見やる。
 もこもこのファーがある分、防寒対策はよさそうだが、それでも吐き出す息は白く、何だか寒そうに見える。
 猫は寒さが好きじゃない。冬の炬燵は好きかもしれないが、雪のちらつく外をふらふら歩くのはボリスも好きじゃないだろう。
 寒さが苦手と知っていても、彼を冬に誘ったのは、クリスマスをボリスと過ごしたかったから。
 私だってクリスマスの魔力に浮かれている。


「はい、アリス」
「ん?なに?」
「何、じゃなくてさ。手!手だよ、手を繋ごうぜ。はぐれちゃうだろ?」


 そう言いながらちゃっかりと手を取られる。
 ただ握るのではなく、指と指を絡ませてしっかりと握られた。いわゆる「恋人繋ぎ」というやつに、思わず頬が熱くなる。手袋越しの体温がじんわりと伝わって、知らずに安心している自分がいた。

「じゃ、行こーぜ!!」

 ぐいっと手を引かれ、人ごみへ飛び込む。
 器用に人の間を縫って、ボリスはすいすいと進む。私は少し人の波に翻弄されそうになるけれど、手を引いてくれるボリスのおかげで迷わない。
 猫は器用で、自由。どんなところでも楽に進んで行ける。ひとりで、先へ。

(でも・・・・・・ボリスは私を、置いていかない)

 置いていかないでいてくれる。見捨てないでいてくれる。
 それがとても嬉しいのだと、ボリスは知っているだろうか。



 クローバーの塔の街には、中心となっている広場がある。そこに設置された巨大なツリーに人々の目は集まっていた。
 カラフルな色合いを放つイルミネーションと様々な飾りつけがなされ、木は夜の街で美しく輝いている。てっ辺には大きな星の飾りが金色に光り、誇らしげにさえ見える。

「うわあっ・・・・・・・」
「うん、やっぱりこっちの方がいいね。綺麗に見える」

 思わず隣にいるボリスにしがみついたまま、感嘆の声をあげた。
 私達がいる場所は、人の集まるツリー周辺ではない。広場に面した家々のうちの一軒、その屋根の上。
 本当だったら上ってはいけないその場所で、ボリスと私はツリーを見つめている。

「それにしても、ボリスって本当にこういうところ見つけるの上手よね」
「まあね、俺、猫だから」
「猫だからって、本当はよそ様の家の屋根に勝手に上っちゃういけないと思うけど」

 人ごみをある程度まで進んだ後、唐突にわき道に反れたボリスに連れられて屋根を上ることになった時は、本当に驚いた。
 いろいろな言葉は「大丈夫大丈夫」で軽くいなされ、結局私も共犯でここにいる。
 傾斜の緩い屋根を選んだこともあって、足元には雪が結構深く積もっている。しかも屋根の上、だ。危なっかしさの欠片もないボリスが支えてくれているから、そこまで不安には感じていないけれど・・・・・・いつ滑り落ちてしまっても、正直おかしくない。

「いいじゃん。細かいことは言いっこなし。だってここなら、二人っきりだよ?」
「っ!」

 ちゅっと可愛らしい音つきで額にキスされる。
 身を引こうにも足場の不安定さがあって、ボリスの腕から逃れられない。結局、ボリスの腕に腰を捕らえられたまま、講義の意味を込めて軽く睨むくらいしかできない。

「だってアリス、人前だと恥ずかしがってあんまりキスさせてくれないし。折角のクリスマスなんだぜ?どうせなら、恋人と甘~~い時間を過ごしたくない?」
「・・・・・・ボリスが意外とロマンチストだったなんてね」
「男は結構夢見がち、なんだってさ。俺も・・・・・・そういう甘い夢なら、いつだって見たいと思ってる」

 ねだるように金色の瞳が近づく。
 そっと瞳を閉じると、冷たく冷えたそれが唇に触れて、一瞬体が震えた。


「ん・・・・・・」


 柔らかく触れ、食むような動きの中にゆっくりと舌が絡められ、冷たかった感触は次第に互いの体温へと馴染んでいく。
 キスの合間に頬に触れた指先の冷たさに身をすくめると、交わった吐息の片隅で彼が小さく笑った。

「クリスマスに・・・・・・」
「ん?」

 呼吸の合間にふと漏らした呟きに、ボリスが不思議そうな顔をした。
 何となく思い出したことがあった。こういうクリスマスにはありがちな、ジンクスというやつを。


「クリスマスに、0時ぴったりにツリーの前でキスをすると、永遠に一緒にいられる・・・・・・とか、あったなあって」


 馬鹿げた話。恋愛にはありがちなジンクスだ。以前の私ならそう言いきっただろうし、今だって思っている。
 永遠に一緒にいられる、なんていう時点でありえないのに。ずっと一緒にいられるかはわからない。未来なんて見えない。保証はどこにも存在しない。
 それでも何故だろう。
 あれだけ嫌だと思っていた恋愛感情をボリスに対して抱き始めてから、少しだけ変わった。永遠なんて信じていない気持ちは変わらない。それでも・・・・・・信じたい、と思うようになった。

「アリスは・・・・・・俺と永遠に一緒にいたいって、思ってくれてるの?」
「・・・・・・永遠なんて、ありえないでしょ?」
「それでも。永遠は無理でも・・・・・・ずっとずっと一緒にいたいって思うことは、悪いことじゃない。それに、叶う願いだ」
「ジンクスは絶対に叶うってものじゃ・・・・・・」
「叶うよ」

 自信に満ちたその笑顔は、どこから生まれるものなのだろう。
 ボリスが羨ましくなる。彼は迷わない。いつだって前向きだ。私とはまるで逆の存在。だから・・・・・・惹かれるのだろうか。
 彼が言うと、根拠のないことだって本当になるような気がする。
 私に、信じさせてくれる。

「今が、0時じゃなくても?」
「ここでは時間なんて関係ない。いつだって0時だし、いつだって0時じゃない」
「ここはツリーの前じゃないわ。」
「ツリーの近くにはいるよ。しかも2人っきりの特等席だ」
「・・・・・・永遠に、なんて、いられないわ」
「アリスが望んでくれれば、俺がずっと一緒にいてあげる。ずっとずっと・・・・・・離してあげない」


 ずっとずっと、それを繰り返していれば、永遠になるんだよ。


 力強く抱きしめられて、何だか少し泣きそうになる。
 子供のお遊びみたいな夢物語だと思う。永遠を信じてる、なんてある意味子供っぽい恋愛観。本気で信じていられるわけがない。信じていられなくなる時期が、きっといつかくる。

「それ、ジンクスとか、もう関係ないじゃない」
「そうだよ。関係ない。別にジンクスなんてなくていいしね」

 それでも彼は信じてる。
 彼に引っ張られて、私も信じてしまう。


「俺が、本当にしてあげる。これから先ずっと、絶対に傍にいる。アリスのこと、大好きだから」


 もう一度近づいて触れた唇は、きっと誓い。
 聖夜に誓われた言葉と願いを、受け止めるのは神様などではなくて、私自身。


 愛してる。


 そう呟いて深まったキスに、私も応える。背中を抱く手に力を込めて、願う。彼だけは、失くしたくないから、どうかどうか・・・・・・ずっと抱きしめさせてほしい。
 クリスマス。
 誰もが見惚れるツリーも、イルミネーションも、綺麗に舞い落ち始めた雪も、何も見えなくなる。
 目の前の大事な人だけを見つめ続ける。

 私にとって、彼こそが、絶対のジンクス。





End.
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