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 ←Attention!必ず読んでください →鬼は内(2010節分、W塔)
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「QuinRose」
アリスシリーズ

Sexy Christmas!(2009クリスマス企画、グレアリ)

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 間接照明の薄暗い店内は、上品な大人のカップルで全席埋まっている。
 そのうちのひとつに座り、ウェイターが優雅な仕草でシャンパンを注いでいくのを見つめた。ふと向かい合った彼と目が合う。いつもは鋭い印象を与える金の瞳が、傍目にもわかるくらいに優しく私を見つめていて、その甘さに顔が赤くなりそうだった。
 シミ一つない真っ白なテーブルクロスの上にある小さなキャンドルは、温かな火をともす。
 耳に煩わしくなく、会話の邪魔をしない程度に、ピアノの音が曲を奏でる。

「素敵なお店ね」

 ウェイターが一礼して下がるのを見届け、そう話しかけた。
 誰もが憧れるような大人びた雰囲気のお洒落な店。カップルに人気が高いのも頷ける。
 ・・・・・・正直、自分が場違いに思えてしょうがないほど。
 会合などの場で着る落ち着いた色のワンピースを着ているとは言え、私は明らかに周りのカップルの中でも最年少だ。他の女の人のような大人っぽさなど、欠片もない。
 大人な恋人に連れられて食事をするにしては、あまりにも不相応な・・・・・・。

「そうか。君が気に入ってくれたならよかった。俺はあまりこういうのに詳しくないから、少し心配だったんだ」
「またまた。グレイ、こういうお店によく行きそうなのに」
「いや、そんなことはないさ。少なくとも・・・・・・」

 すっと自然な動作で、グレイがシャンパングラスを持ち上げる。
 短刀を自在に操る大きくてしっかりとした手が、華奢なグラスを優しく掴む。それだけなのに、妙な色気を感じてしまう私はおかしいんだろうか。こんな些細な仕草に、ドキリとしてしまう。


「こんなに幸せな気分で、誰かと二人きりで食事するなんて、初めてだよ」


 女たらしのような台詞なのに、グレイが言うと不思議とハマって聞こえる。
 卑屈な私にも「そんなのお世辞よ」だなんて思わせないほど。嘘だと思えば傷つきながらもどこか納得できるのかもしれないけれど、グレイの言葉は本当に聞こえるから、私はいつだって振り回されてドキドキしてしまう。
 優しい眼差しに促され、私もシャンパングラスを持ち上げた。
 僅かに金色がかった色合いの液体が、透明なグラスの中でゆらりと輝いた。

「・・・・・・乾杯しましょうか?」
「ああ。それじゃあ、」


「「Merry Christmas」」


 チンと涼やかな音を立て、2つのグラスが合わせられる。
 今日は聖なる夜。無粋なことは言いっこなしだ。



 デザートにと出されたケーキはクリスマス限定だということで、その可愛らしさに私は思わず小さな歓声をあげた。
 小さなブッシュド・ノエルに雪を思わせる粉砂糖が降りかけられ、傍には小さくアイスクリームも添えられている。プレートにはラズベリーソースで「Merry Christmas」の文字が描かれていて、崩すのがひどくもったいない。

「それにしても、君は意外と酒に強かったんだな、アリス」

 食後にと運ばれてきたコーヒーに口を付けながら、グレイがふとそんなことを言う。
 いつもはアルコールには口をつけないけれど、今日は特別に何杯か口を付けさせてもらった。子供っぽい抵抗とはわかっていても、何となく背伸びせずにはいられなかった・・・・・・なんて、絶対口には出さないけれど。

「女としては、ちょっとくらい酔った方が可愛いんだろうけどね」

 茶化してわざと言うけれど、本音だった。
 本当はそういう方が男の人にとっては可愛らしく映るのだろう。でも私はそんなに弱いほうではない。強くもないが、弱い酒を2杯ほど飲んだ程度ではせいぜいが顔が赤くなるくらいだ。
 まだ時計塔にいた頃、舞踏会の時にもユリウス達と一緒にシャンパンを飲んでいたくらいだ。まあ、エースのペースに巻き込まれ、不覚にも飲みすぎたけれど。

「まあ、君の酔った姿というのも見たかったかもしれないが・・・・・・少し、安心した」
「安心?」
「ああ。君の可愛らしい姿を他の奴に見せなくて済むからな」
「っ・・・・・・・!?」
「酔った君の姿は、俺だけが見られればいい」

 とんでもない言葉に、今度こそ隠せないほど顔が赤くなるのがわかった。
 紅茶を飲むふりをして、視線を逸らす。
 俯いていても、グレイは相変わらずこちらが恥ずかしくなるほど甘い視線を向けてくる。酔っているのだろうかと思ったけれど、彼は全く顔色も変わっていない。言動もハッキリしているし、それに大してアルコールに口を付けていないと、一緒に食事をしていた私自身が知っている。


「・・・・・・ずるいと思うの」
「うん?」
「グレイって、なんかずるいと思う」


 私の心拍数を上げるのが、うますぎる。
 普段は大人っぽくて優しくて余裕のある男の人。距離を感じて、子供すぎる自分が惨めになって、少し寂しくなってしまうほど・・・・・・・私にはもったいない大人の恋人。
 それなのに、たまに子供っぽい面も見せてくれるから、たまらない。彼もそんなに大人な人じゃないのだと、安心させてくれるところ。独占欲が強いところとか、ちょっと心が狭いところとか・・・・・・。
 あまり知られたくないと彼は言うけれど、私は知りたいと思う。もっと見たいと思う。
 怖いところ、子供っぽいところ、もっともっと知らないところ。

 知りたいと思い、覗き込んだところを抱き込まれて・・・・・・結局そのまま、グレイに溺れてしまう。

 不安に思ったって、それを安心に変えてしまう。
 過保護なほどに優しく、けれど決して離れられないのだと覚えさせるように激しく、求めてくれているから。
 そんなの、愛さずにはいられない。


「ずるい、か。そうだな、俺はずるいかもしれない」


 かちゃり、とカップをソーサーに置く音がした。
 僅かにグレイが体を伸ばし、私の髪にそっと触れる。
 思わず視線を上げると、鼻先すれすれにグレイの顔が迫っていた。咄嗟に顔を引こうとしたが、いつの間にか頭の後ろに手が回され、引き寄せられる。



「・・・・・・ずるいついでに、提案なんだが」



 キスされるかと思ったが、グレイの唇はそのまま私の耳元へと落ちる。
 掠れた低音に、違う熱がこみ上げてきて、ぞくりと背筋が震えた。
 囁かれた「提案」をまともに考えていられない。
 反射的に頷くと、満足そうな吐息と共に、頬に軽くキスをされた。


「~~~~~~本当にずるいわ」
「でも、付き合ってくれるんだろう?」


 ようやく解放された耳元を押さえながら、目の前の恋人を睨みつける。
 効果はおそらくゼロだろう。彼はしれっとした顔で、悪戯めいた目をして笑っている。



 この後、別の宿を予約してあるんだが・・・・・・付き合ってくれるか?



 その言葉を理解できないほどには、子供じゃない。
 顔が熱くてしょうがない。
 人目のある場所で、あんなことをするなんて。恥ずかしすぎて、どうにかなりそうだ。

「・・・・・・条件付で、付き合ってもいいわ」
「条件?」

 意外そうに目を瞬かせたその顔に、少し身を乗り出してみせる。
 グレイがしてみせたほどにスマートじゃなかったけれど、テーブル越のその頬に、ちゅっと音を立ててキスをしてみせた。


「もうちょっと、一緒にクリスマスを楽しみましょう?いろいろ、行きたいところがあるの。グレイと二人で」


 ここは時間の狂った世界の「クリスマス」。
 聖夜はまだしばらく続くだろうが、このグレイと過ごす「一晩」は、もっともっと大事にしていたい。
 いくら時間がおかしくなっていても、「今」の時間は一度しかない。


「・・・・・・どっちがずるいんだ」
「え?グレイ?どうしたの?」


 グレイが突然顔を背けて深々と溜息をついたものだから、そんなに困らせることを言ってしまっただろうかと焦る。
 だけど、ゆっくりと振り向いた彼に、不安は霧散する。
 とろけそうなほどに優しい視線の先に、私が映っている。甘く甘く、視線だけで「好きだ」と伝わるほど。間接照明の中でも、彼の目元が少し赤くなっているのがわかった。


「君の望みなら、喜んで」


 その甘い笑みと言葉が、私にとっては何よりの幸せ。
 もうこれだけで、クリスマスプレゼントはいらない。





End.
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