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「QuinRose」
アリスシリーズ

複雑単純な その答え(ハートの国、エリアリ)

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「つまんねえ」

 その理由がわからない。



複雑単純な その答え



「つまんねえつまんねえつまんねえ・・・・・・・・・・」

 オレンジ色のふかふかと寝心地のいいベッドに長身の体を横たえ、エリオットは天井を睨む。
 断続的な短い休みが取れる度、この部屋でぐっすり眠ることが最近の彼のお気に入りだ。

 エリオットは疲れていた。

 少なくとも、短期間の休みだけでは完全回復できない程度に疲れが溜まっていた。
 けれど、アリスと遠出できるくらいの長い休みを取るために休みをなるべく削ることを決めたのは、他でもないエリオット自身だ。自分で決めたことに文句はないし、そんなハードスケジュールをこなすのに十分な体力はある。
 実際、エリオット本人に「疲れている」という実感はない。
 ただ仕事を終え、部屋に戻ってきた途端襲ってくる眠気に、何となく体の疲れを知る・・・・・という感じだ。そのまま穏やかで優しい空気に身を任せてベッドの上に倒れれば、後は時間帯の変わる頃に目が覚めるまで死んだように眠ってしまう。
 それがエリオットが自室で過ごす当たり前の光景になりつつあるし、彼はこの時間が意外と気に入っていた。

 が、何故か今はこの時間がつまらない。

 眠くないわけじゃない。
 シーツに沈む体はやたらと重いし、気を抜くと瞼は閉じかけるし、あくびだって何度も零れ落ちる。
 だけどそれだけ。
 眠い眠い眠い、だけどなんだかつまらなくて眠れない。
 何かが足りないような気がして、落ち着けない。
 モヤモヤした寂しさにも似た感覚に、寝ようという気さえ奪われていく。

「・・・・・・・・・つまんねえ」

 このまま無理に寝たとしても、ろくに疲れを取ることもできない浅い眠りになることだろう。何を捨てたっていいような無上の安心感に溢れた眠りこそ、エリオットが好きで求めるものなのに。

 足りない、足りない、決定的なものが足りない。

 それがないだけで、ふかふかのベッドも眠気を誘う昼下がりの空も全然意味がなくなってしまう。


 たった一つ、彼女が傍にいないというだけで。


 つまらないような寂しいような複雑な気持ちにイラついて、エリオットは少し乱暴に体を起こした。
 こんなにつまらないのは、アリスがいないせいだというのはわかっても、どうしてそれだけでモヤモヤするのかが彼にはわからない。もともと深く物事を考えるのが苦手な性質のエリオットは、とりあえずこのモヤモヤを、どうせサボっているだろう双子にぶつけて気晴らしでもしようとベッドから立ち上がりかけた。

 コンコン

「エリオット、いる?」

 少し控えめなノックの後に聞こえた声に、エリオットの耳がヒョコッと勢いよく動いた。


「アリスっっっっっ!!!!!」
「わっ!!??び、びっくりした・・・・・・・・って、ちょ、エリオット!!!」


 アリスの声だと知るやいなや、ドアを壊さんばかりに開けて飛び出し、思いっきり抱きついてきたエリオットに驚きの声があがる。
 ほんのちょっと屋敷の仕事を片付けに行っていただけなのに、数年ぶりに再会したようなこの喜びようは何だろう。
 そういう思いが一瞬アリスの中を掠めたけれど、主人の帰りを待ちわびていた忠犬よろしく、これでもかと言うほど嬉しさを体全体で表現している姿に、離れてだの苦しいだの言う気も失せて深く溜息をつくしかなかった。

「アリス~~~~~~~~会いたかったぜ!!」
「はいはい。2時間帯前に会ったばかりだけどね」
「え?そう・・・・・・・だったか?なんか全然会ってなかった気が・・・・・・・・・」

 不思議そうに、本当に不思議そうにエリオットは首を傾げる。耳もつられてひょこりと動く。それがいちいち可愛くて、アリスは想像の中だけで思いっきり耳を引っ張った。
 ウサギ耳の生えた男を可愛いと思う時点で、もう随分彼に慣れてしまったとアリスは思う。それだけ何度も会いに来て、時間を過ごしてきているのだ。エリオットとは。

「ま、いいや。それより・・・・・・・・」
「?っ・・・・・・・ちょ・・・・・!!」

 ひょいと浮き上がる感覚に、再びアリスは驚いて声をあげる。軽々とエリオットがアリスを横抱き・・・・・・いわゆるお姫様だっこをしたのだ。
 ドアが閉まる音を後ろに聞きながら、アリスはひたすらジタバタ暴れた。が、そんな抵抗どこ吹く風とばかりにエリオットは彼女をベッドの上まで運ぶ。


「寝ようぜ・・・・・・・・・一緒に」


 オレンジ色のシーツに優しく横たえられ、覆いかぶさるように抱きしめられる。
 アリスは思いっきり眉をひそめたまま、顔を赤くした。
 今の状況も彼が低く囁く越えも、大人な方向への展開を予想させるようなものだ。けれどエリオットはそんな艶っぽい誘いを口にしているわけではないし、彼とアリスの関係はあくまでも「親しい友人」だ。

 わかりきっているはずなのに、妙にドキドキしてしまう。顔が火照って熱い。

 どうして動揺しているんだと悔しさを感じて、アリスは顔を背けた。
 顔が赤いのがバレることが心配だったけれど、眠そうに目をトロンとさせて熟睡モードに突入しかけているエリオットは気がついていないようだった。

「あ~~~~~・・・・・・・・・落ち着く・・・・・・・・・」

 随分とのんきな態度にアリスが心中腹を立てていることに気付かず、エリオットは幸せそうに呟く。
 抱きしめたところから伝わる温もり、柔らかさ、甘い香り、微かに聞こえる鼓動。
 アリスの存在全てがエリオットを満たしてくれる。
 さっきまでのイラつきが凪いで、あるのはただ安らぎと心地いい眠気だけ。

 隣にアリスがいて、同じ時間を過ごす。
 それがとても幸せで、嬉しくて、大好きな時間。

 ・・・・・・・・どうしてだかは、エリオットにはわかっていなかったけれど。



 最も複雑で最も単純な理由を、まどろみに横たわる2人は気付いていない。

 「恋」と言う答えに2人が行き着く、少し前のお話。





END
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