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「ネオロマ」
遙かシリーズ

恋人予告(遙か3迷宮エンド後、将望)

 ←フェアリーテールは幕開く(なんちゃって御伽話番外、ジョーカー&アリス) →POP Christmas!(2009クリスマス企画、ユリアリ&エース)
 龍脈を停滞させていた迷宮の謎究明と異世界で知り合った仲間達との最後の思い出作りに奔走した冬休みが終わり、あるべき時間が戻ってきた。
 平和で少し退屈な、ただの高校生として生きる日常が、望美と将臣と譲を再び包むことになった。
 そんな冬休み明けのある日のこと。


「ずっと・・・・・・・好きでした!!俺と付き合ってください、春日さん」


 僅かながら顔を赤らめ、深々とお辞儀をした男子生徒に望美は困った表情を浮かべる。
 告白をされたことがないとは言わないけれど、こういうのは久しぶりだ。・・・・・・・なにせ冬休み前は異世界に跳ばされて、「白龍の神子」などという肩書きを持って剣を振るっていたのだから。
 明日の命がどうなるかもわからない戦の日々の中で、何度も運命を繰り返してきた。
 どのくらいの時間を過ごしたのか、正直わからない。それほどの長い日々、恋愛なんてあまり考えている暇はなかった。
 ・・・・・・・だから、隣のクラスのそれなりに親しい男の子から校舎裏に呼び出され、こうして告白されるまで、まさか自分を好きだと言い出す人がいるだなんて、望美は本気で思っていなかった。

(うっ、ど、どうしよう・・・・・・・・なんて言えばいいのかなあ・・・・・・・)

 じっと我慢強く望美を見つめる男子生徒の視線は真剣そのもので、生半可な気持ちで答えてはいけないという妙な責任感を増幅させてくる。
 望美は何とか遠い過去の思い出になりかけていた告白の断り文句を思い返しながら、素直に口を開いた。

「き、気持ちはその・・・・・・・・・・嬉しいんだけど、そういう風には見られない、というか。ごめんなさいっ!!」
「・・・・・・・・・付き合ってる人とか、いるの?」
「え?そ、そういうわけじゃない、けど・・・・・・・・」
「じゃあさ、あの、お試しってわけじゃないけど、一度付き合ってみてくれない!?それでどうしてもダメって言うなら諦める。春日さんに今、付き合ってる人とか好きな人とかいないんだったら・・・・・・・・俺に、チャンス、くれないかな?」

 本気なんだ、と真剣に告げてくる男子生徒に、思わず望美も顔を赤らめる。
 それと同時に、やはり困ってしまった。今までは、「ごめんなさい」と言えば大抵の相手は引いてくれた。諦めたような、どこかスッキリした苦笑で「やっぱりね」と諦めてくれていた。・・・・・・・なにが「やっぱり」なのか、望美にはよくわからなかったけれど。
 この彼は、そんな言葉で納得してはくれないらしい。
 確かにそこまで思ってもらえるのは嬉しいが、望美はそんなに器用な性格はしていない。恋愛対象として好きになることを前提で、付き合ってみるだなんて。いくら相手側の望みとは言え、真剣な気持ちで向き合ってきてくれる相手に失礼じゃないかと感じてしまう。
 ここはやはり、他に好きな人がいるとでも言っておくべきなのかもしれない。

(好きな人・・・・・・・・好きな人かあ・・・・・・・・)

 途端、真っ先に思い浮かんだ見慣れた笑顔に望美は慌てて首を振る。
 確かに好きかと聞かれたら好きかもしれないが、彼は恋愛対象ではないはずだ。そうだと信じてきたし、それは変わらないと思っていた。
 彼との関係は、幼馴染。それでいい。

「す、好きな人は・・・・・・・いな・・・・・・・・」
「悪いけど、俺とこいつ付き合ってるから」

 「いないけど、やっぱり付き合えない」と言いかけた口が止まった。
 何でもないことのように、けれど真剣みを帯びた声がその場に響く。今まさに思い描いていた、聞き覚えのある人物の声に、思わず望美は固まった。
 少し乱暴に引き寄せられ、顔を押し付けられる。すぐ目の前に迫った制服の胸元から、すっかり慣れ親しんだ香りを感じる。ほんの少しだけ自由になる首を動かすと、告白してきた男子生徒は呆気に取られた顔をしているのが見えた。


「有川・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・手、出すなよ?」


 低く響いたその声に、望美は一気に顔を赤らめると「将臣くんっ!!??」と素っ頓狂な声をあげた。





 幼馴染だと思ってた。幼馴染でいいと思っていた。
 ・・・・・・・・そんな気持ちに最近、少し変化が出てきたことに、実は望美も気が付いていた。
 彼を見るとドキドキするとか、傍にいると照れくささを感じてしまったりとか、今まででは考えられないほどの感情の波が押し寄せてくる。それが何かなんて考えるのが少し怖くて、見ないフリをしてしまっていたけれど。


「お~い、望美?いい加減、機嫌直せって」
「~~~~~~~~知らないっ!!」


 放課後、茜色の道を二人で歩く。
 あの異世界へと飛ばされる前は、よくある光景だった。将臣か譲、あるいは3人で。放課後にお互い用事がなければ、一緒に下校するのが日常だった。
 違うのは、望美の気持ちだけだろう。距離が縮まった、というのだろうか。昔より遙かに彼を近くに感じる。そのことに落ち着かない気持ちになり、将臣の顔をまともに見ることができない。
 本当はひとりで帰りたかったのだが、将臣は当然のように隣を歩いてくる。いくら望美がソッポを向こうと、足早で歩こうと、お構いなしといった調子で話しかけてくる。

「お前が困ってるみたいだったから、助け舟出してやっただけだろ?」
「頼んでないもん!!」
「・・・・・・なんだ、あいつの告白受けようとしてたのか?」

 心なしか少し低くなった声と同時に、ぐいっと腕を引かれる。
 不機嫌そうに細められた瞳で覗き込まれ、望美はついつい足を止めて俯いた。
 白龍の力で今は異世界へ跳ばされる前の姿に戻ったとは言え、あの世界で経験したことはしっかりと彼らの中に息づいている。還内府として恐れられてきた眼光の鋭さは、17歳の姿でも健在だ。

「そういうわけじゃなくて!ま、将臣くんが、つ、つつつつきあってる、とか言うから・・・・・」

 語尾がゴニョゴニョと消えていく。あの時のことを思い出して、望美はまた顔を赤くした。確かに男子生徒は諦めてくれたが、よりによってあれはないと思う。
 本当に困ってしまう。将臣の言葉ひとつ、行動ひとつで、こんなにも振り回されるのだ。いつからこうなってしまったのだろう、と望美は半ば頭を抱えてしまいたくなった。迷宮の謎を解くために行動していた時は、少なくともこんな感じではなかったような気がする。

「だ、大体、ついていい嘘と悪い嘘があるでしょう?あの人、本気で告白してきてくれたのに、嘘ついて断るなんて失礼だよ!」
「・・・・・・その気配りを少しでも俺に向けてくれよな・・・・・・・・」
「え?」
「何でもねーよ。てか、嘘じゃなければいいってことだよな、それって」

 不機嫌な表情を一変、なにか企むような悪戯めいた笑みを浮かべた将臣に、望美は思わず後ずさる。
 幼馴染として長いこと将臣と行動していた分、よくわかる。こういう表情の将臣がとる行動は、いつだって突拍子のないものだ。正直、あまりいい思い出はない。


「てか、俺は最初から嘘のつもりじゃなかったんだけどな・・・・・・」
「嘘じゃない、って・・・・・・・・え?なにが?」
「付き合ってる、って言ったことを・・・・・・・・・嘘にするつもりがないってことだ」


 ・・・・・・・・その言葉の意味を理解するまで、望美は少し時間がかかった。
 なんとか思考回路が追いつき始めた頃には、将臣の顔が驚くほど間近に迫っていた。深い海を思わせる群青色の双眸が、望美だけを映す。告白してきた男子生徒と同じくらい、けれどずっと真摯に感じる光を感じる。
 反射的に目を閉じて身構えた望美の唇すれすれで、苦笑する吐息を感じた。

「ばーか。隙ありっ!」
「いたっ!!?」
「ぶっ・・・・・・・ははは!!その間抜け面!!」

 ビシッと実にいい音が聞こえると同時に、望美の額に鈍い痛みが走る。
 軽く涙目になった視界を開くと、片手をでこぴんの形にしたまま、目の前で爆笑する将臣の姿がそこにあった。
 じんじんとする額を押さえながら、望美は怒りやら痛みやらで顔を俯かせる。
 何かと思えば、人のことをからかっただけとは・・・・・・・・・・しかもあのでこぴんは手抜きなしの本気だった。それなのに、一瞬でも「キスされる!?」とビックリするやらときめくやらをしていた自分が腹立たしい。

「ちょっと将臣く・・・・・・・・・・!?」

 文句を言おうと勢いよく顔をあげた瞬間、ちゅっと今度は可愛らしい音が耳に届く。
 頬に触れた柔らかい感触に、望美の怒りは吹き飛んだ。



「いい加減気づけ。・・・・・・・・次はねーぞ」



 これは予告だからな、と耳元で微かな囁きを残して温もりが離れていく。
 すたすたと先に将臣が歩き出すまで、望美は完全に動けなかった。
 恐る恐る、まだ触れた感触が残る頬へと手をあてる。さっきでこぴんを受けた額よりも、ずっとずっと熱くてじんじんとしている。


「え?え・・・・・・・・・・・ええっ!?」


 道端でパニックを起こしている望美にかまわず、将臣はさっさと足を進める。
 望美にもう少し余裕があれば。将臣を追いかけて、どういうつもりかを問い詰める勇気があれば。
 きっと、彼女も見ることができただろう。


 夕日に負けないほど赤く染まった、恋する幼馴染の姿を。



 その関係が変化するまで。
 嘘が、嘘じゃなくなるまで。
 予告が現実になるまで。

 あと、ほんの少し。





終わり
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