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「オトメイト系」
ワンドオブフォーチュン

La carta bugiarda(ワンド、ノエルル)

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「よしっ、僕の勝ちだ!!!」

 夜な夜な熱いバトルが繰り広げられる娯楽室。多くの生徒がベターカードで対戦する中、ひときわ大きな勝利宣言が響き渡る。
 何事かと顔をあげた生徒達は、立ち上がってガッツポーズを取る金髪の(黙っていれば)それなりに整った外見の少年を見て、「ああまたノエルか」といったようにそれぞれの対戦へと興味を戻していく。
 そんな周囲にはお構いなく、ノエルは嬉々とした表情で目の前の対戦相手を見下ろす。ふわふわとしたピンク色の髪を揺らし、少し悔しそうな表情で「負けちゃった・・・・・」と呟くルルを見つめる蒼の瞳は、本当にきらきらと得意げに輝いている。

 ・・・・・・・・まあ、それも無理はない。

 何しろノエルは、この最近付き合い始めた「恋人」である少女にベターカードで勝てたことがほとんどないのだから。
 最初の頃こそ多少は勝てたのだが、回数を重ねるごとにどんどんルルに手の内がバレてきたのか、連敗続きとなり・・・・・・・・・ルルが15勝する頃には、ノエルはまだ2勝のみ。この残念な結果が、彼を非常に打ちのめした。
 元々負けず嫌いな上に、好きな少女に負けてばかりの情けない姿を見せるのが悔しかったノエルは、戦略に戦略を練って猛特訓を重ね・・・・・・・ついにこの日を迎えたというわけだ。


「さて、ルル・・・・・・・・今日の勝負だが、確か僕が勝てば・・・・・・・・」
「うう・・・・・・・わかってる、はい。」


 しぶしぶ差し出されたカードに、ノエルの目が宝物をゲットした子供のように輝く。
 同じ相手に3回勝つことができた者へのご褒美である「嘘つきカード」。
 実際にもらうのは初めてで、その達成感がノエルをさらに有頂天にさせる。

「カードをくれた人間が、絶対に言わないことを言ってくれるカードか・・・・・・・本人じゃないとしても、それなりに楽しみではあるな。君が一体どんなことを言うのか」
「の、ノエル。それ絶対に他の人がいるところで聞かないでね!はあ・・・・・そのカードが何を言うのか、ちょっと怖いなあ・・・・・あまり恥ずかしいこと言わないで欲しいんだけど」
「僕からその恥ずかしいカードを5枚も受け取ったんだ。僕だって、君のカードをもらわないと不公平だと思わないか?」
「それはそうかもしれないけど・・・・・・・・うう、やっぱり恥ずかしい・・・・・・・」
「そう心配することもないさ。このカードが何を言おうと、君の言葉じゃないのはちゃーんとわかっているから。たかがこんなカードで、僕の君への見方が変わったりなどしないから、安心してくれていいぞ」

 自信満々にそう言いのけ、ノエルは大切そうにその嘘つきカードを握りしめる。今日さっそく聞いてみるかと内心決意して。
 ・・・・・・・・・思えば、これがそもそもの発端だった。





 翌朝、寮前の庭。
 庭師プーペがせっせと花の手入れをしているのを横目に、ルルは不安そうに玄関を見つめていた。
 他の生徒が学校へと向かうには少し早い時間。けれど、必ず「彼」がこの庭の前にいるいつもの登校時間。なのに今日は、それを過ぎてもノエルが現れない。

「ノエル、どうしたんだろう・・・・・・・・・?遅刻かなあ?」

 明確に約束しているわけではないが、お互いの登校時間がわかっている分、自然と合わせて当たり前のように一緒に学校まで向かう。特に最終試験が終わり、少し遅めの告白を経て恋人同士になってからは、一日もずれることなく待ち合わせしていたというのに。
 5分程度の遅刻とかならたまにあるけれど、さすがに今回は少し遅い。
 学校へと向かう学生達の数がどんどん増えてルルの前を通り過ぎ、やがてだんだんその数もまばらになってきた。そういえば、朝食の時間にもノエルの姿を見ていないのを思い出し、一気にルルは不安になった。
 誰かに聞いたほうがいいかもしれないと、すっかり少なくなった生徒の中に知り合いがいないかと探し始めて。


「あ、ノエル!!」
「!?る、ルル・・・・・・・・・」


 心ここにあらずといった表情で、玄関から出てきたノエルを見つけた。咄嗟に声をかけ、傍へと駆け寄る。
 とりあえずは姿を見せてくれたことにホッとしたが、声をかけた瞬間のノエルの様子がおかしいことにルルの心配はますます膨らむ。
 具合が悪そう、というよりは落ち込んでいるといった表情に近いかもしれない。ただ、落ち込んでいるというわりには少し複雑そうで・・・・・・・・・気のせいか、どことなく嬉しそうにも見える。ルルを見て気まずそうに視線をうろうろさせ、その顔はなぜか少し赤い。

「ノエル・・・・・・・・どうしたの?何か悩みごとでもあるの?」
「い、いや。大したことじゃないんだ。君が気にするようなことは何も・・・・・・・・」
「嘘。ノエル、なんだか難しい顔しているもの。ねえ、よかったら私に話してくれない?悩みごとって話すと楽になるって言うし!」
「な、悩みというか・・・・・・・・まあいろいろ考え事というか、複雑すぎてなんとも言えないんだが・・・・・・・・・あ~、と、とにかく大丈夫だ!ルルが心配することじゃない」
「・・・・・・・・・私には言えないこと?」

 ノエルの役に立ちたいという思いをあっさりと拒絶されたようで、ルルは思わずしゅんとうな垂れてしまう。人の悩みごとにまで口を突っ込むべきではないのかもしれないけれど、ノエルは恋人なのだ。少しくらい頼ってくれてもいいのにと思ってしまうのは、我侭なのだろうか。
 落ち込んだルルの様子に慌てたのか、ノエルが首を勢いよく振りながら「そういうわけじゃなくてだな!君の気持ちは嬉しいが、正直そんなに深刻なことでは・・・・・・・いや、僕にとってはわりと深刻というか気になってしょうがないことなんだが、君に伝えるのは少々恥ずかしいというか」と必死で言い訳するのが聞こえる。
 少しだけ顔をあげ、じっと上目遣いで見つめる。ルルの無言の訴えに気圧されたのか、ノエルが少し黙り込む。

 数秒の沈黙が流れた。

「・・・・・・・・・わかった、話そう」

 観念したように肩をすくめ、ノエルは困ったように視線をあちこちへと飛ばす。周りに誰もいないことを確認し、そしてなおも言うのを躊躇っているノエルの様子に、ルルも自然と真剣に話を聞く体勢になった。
 笑わないでくれよ?と念押しした後、ノエルはゆっくりと口を開いた。


「・・・・・・・この世の誰よりも大嫌い、傍に近寄らないで、触らないでと、君に言われたんだ」


 ぽかん、と思わずルルは口を開けてしまった。
 昨日は娯楽室で別れた後、そのまま今ここで話をするまでノエルに会ってはいない。それより前のことかと思って記憶を思い返しても、全く言った覚えもない。
 そもそも、そんなこと思っているわけがないのだから、ノエル本人に言うことなどありえないと思うのだが。

「あーいや、すまない・・・・・・・・・今のは言い方が悪かったな。正確には、君が言ったわけじゃないんだ・・・・・・・まあ、そもそもそんなことを君が言うわけがないと明らかになったからこそ、僕はどうしていいかわからないんだが・・・・・・・」
「ちょ、ちょっと待ってノエル!話が見えないんだけど・・・・・・・ええっと、結局、それは誰に言われたの?」

 困惑した表情のルルから気まずそうに視線を逸らしながら、ノエルはズボンの後ろポケットから一枚のカードを取り出した。
 それは昨日、彼が手にした・・・・・・

「もしかして・・・・・・・・・嘘つきカードがそう言ったの?」
「あ、ああ・・・・・・・・・・」

 言うなり顔を赤くしたノエルに、その意味を察してルルも赤くなる。


 嘘つきカードは、くれた相手が絶対に言わないようなことをしゃべるカード。
 昨日ルルが渡したそのカードが、ノエルに向かって「この世の誰よりも大嫌い、傍に近寄らないで、触らないで」と言ったということは、それはつまり・・・・・・・・・・


「の、ノエル!あの、ね・・・・・・・・そ、その、ええっと・・・・・・・!!」
「・・・・・・・・君の言いたいことはよくわかる。僕もその、どう反応していいか・・・・・・・さすがに、初めて聞いた時はショックを受けたが・・・・・・・・これが嘘つきカードだと思い出して、その、君が・・・・・・・つまりは、僕のことをそれほどまでに・・・・・・・」
「わーわーわーっ!!恥ずかしいから言わないでー!!」
「あ、ああ、そうか、そうだな。わかったすまない、少し無神経だったな。あーだから、つまり・・・・・・・だな・・・・・・・」

 コホンと咳払いをし、ノエルは玄関から出てきた時と同じ複雑そうな表情を浮かべる。
 嬉しそうでもあるのに、全体的に落ち込んでいるような顔。


「君がそういう気持ちでいてくれるということがわかって、その、確かに嬉しいんだが・・・・・・・・たかがカードとわかっていても、君の声で『大嫌い』と言われることが、予想以上に、こう・・・・・・・・・・情けない話ですまない」


 眉を下げ、情けなさそうに地面を見つめるノエルは、自分の情けなさをどうやら恥じているらしい。落ち込んでいる理由が、所詮は嘘つきカードとわかっているのに、その言葉に真面目に凹んでしまったことに関係していると気がつき、ルルは胸に温かいものが満ちていくのを感じた。
 ノエルには悪いけれど、そこに含まれている意味を考えると嬉しい気持ちになる。



「・・・・・・・・・ノエル」
「本当に・・・・・・・もう少し僕はマシになったと思っていたんだが、こんなことでいちいち悩むなんて、まだまだだな。ルルにも心配をかけないように、もっと」
「大好き」
「そう、大好きと言ってもらえるような・・・・・・・・・・って、え、えっ!!??」



 精一杯背伸びをして、ちゅっとその頬に口付ける。
 面食らったような顔が、そのうち面白いくらい真っ赤に染まっていくのをルルは楽しそうに見つめた。
 キスした頬を片手で押さえ、魚のようにぱくぱくと口を開きながら何か声にならない言葉を発しているノエル。そのコロコロ変わる表情が、照れた時の行動が、とても愛おしいのだと告げたら、次はどんな反応を返すのだろう。


「嘘つきカードの言葉に、ノエルは落ち込んじゃったんでしょう?それなら私が、本当の気持ちを言ってあげる!大好きよ、ノエル。ずっと傍にいて、抱きしめていて」


 まがいものの言葉にまで、傷ついてくれる人。嘘だと知っていても、自分からの「嫌い」という言葉に真剣に落ち込んでくれた優しい人。
 ノエルが傷つくのは嫌だし悲しいことだけれど、今だけはその傷を嬉しいと思ってしまう。
 ・・・・・・・・・それだけ自分を、好きでいてくれるということだから。


「誰よりも大好きよ、ノエル・・・・・ね、私の言葉と嘘つきカード、どちらを信じる?」
「・・・・・・・君は、本当に・・・・・・・・・」


 気持ちを込めて、ノエルを抱きしめる。ルルの方が背は低いから、傍から見れば抱きついているように見えるかもしれないが、気分的にはルルがノエルを抱きしめているような感じだ。
 恐る恐るといった感じで、それでもしっかりとルルの背に腕が回される。
 ルルから表情はうかがうことはできなかったが、ノエルは心底幸せそうに笑っていた。



「君は、本当に僕にはもったいないくらいの恋人だ・・・・・・・・」



 小さな小さな囁きは、優しくそよぐ風にかき消されて。
 あとに残るのは、優しく幸せな恋人達の姿だけ。





End.
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