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「QuinRose」
アリスシリーズ(パラレル設定)

Cat's Cafe!(なんちゃって御伽話、ボリアリ)

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 こんなお話を知っていますか?

 今、あなた方が生きている世界のちょうど反対側に猫の国があるんだそうです。その猫の国では、普段は四本足でにゃあにゃあと鳴いている猫が洋服を着て、立って歩いて生活して、普通に会話しているんです。
 でも普通の人間は、猫の国に絶対行けません。なぜかと言いますのは、猫というのは頭のいい生き物ですから、人間が間違っても入れないように猫の国の入り口をうまく隠してしまっているのです。
 だから猫の国に行けるのは、その国の王様に認められた人だけ、なんだとか。
 考えてみるとずるい話です。猫は人間の世界も猫の国も行き来自由なのに、人間だけパスポートが必要となってくるのです。でも仕方ないのかもしれません。人間は猫以上にずるい賢い生き物ですから、猫たちも警戒してしまうのでしょうね。

 そうそう、こんなお話も知っていますか?
 猫の中には人に化けるのが上手な猫もいるのです。



「いらっしゃい、Cat's Cafeへようこそ」

 人懐っこそうな笑みと金色に輝くどことなく艶っぽい眼差しに迎えられ、店のドアを入った女性の大半はその場で固まります。
 髪はショッキングピンク、耳には金のピアス、指にも指輪などをつけ、白いシャツを大胆に前を肌蹴た一見すると軽めな格好・・・・・・・なのに仕草は妙に洗練されていて、思わず見蕩れてしまうほどにしなやかな物腰。・・・・・・・・・何よりも、なかなかの美青年です。
 初めての客は思いもよらない美青年のエスコートに魅了されて硬直し、常連はうっとりとした視線を送ります。クラシカルな雰囲気のお洒落なカファは、たったひとりのウェイター目当ての女性でここのところ常に満員御礼です。
 そんな様子を見ながら、このカファのオーナー代理を務める少女・・・・・・・アリスは、とても複雑な溜息をついたのでした。

(・・・・・・・・・・すっかり騙されちゃって、まあ。私には猫耳と尻尾をつけた男がウェイターやってる、ちょっと危ないお店にしか見えないんだけど)

 アリス以外の人には、あの青年が普通の人間に見えているなんて、嘘だと思っていたのですが・・・・・・この繁盛っぷりを見る限り、嘘じゃなさそうだと彼女は今更ながら思ったのでした。
 人間としてアルバイト中の彼・・・・・・・・ボリスが、実は猫の国の王子様だというのですから。
 世の中とは、わからないものです。



「あ~~~~・・・・・・・疲れた。俺、猫なのに。猫は仕事なんてしないものなんだよ?」
「最初に手伝うって言い出したのはボリスでしょう?言い出したことは最後まで責任を持ちなさい」
「わかってるけどさ・・・・・・・疲れた・・・・・・・アリス~、膝枕して?」
「アホなこと言ってないで、さっさと掃除。それ終わったら戸締り確認ね」
「・・・・・・・・ケチ。いいじゃん、たまにはサボろうぜ~~」
「ダメよ。オーナーが帰ってくるまでは、この店がつぶれない程度にがんばらなきゃ」

 不満そうに頬を膨らませながらも素直に立ち上がるボリスに、あとで好きな魚料理でも作ってあげようとこっそりアリスは笑いました。
 口では面倒くさいと言っていますが、器用なボリスのおかげでやっていけているのは事実です。彼がいなければ、今頃アリスは途方にくれていたことでしょう。

 アリスがボリスと出会ったのは、1月ほど前。
 お世話になっていたカフェのオーナーが倒れ、経営が傾きかけている店がいよいよつぶれそうになっていた頃です。
 心底カフェを大切にしていたオーナーのために、アリスは自らがオーナー代理として店を立て直すことを決めました。しかしアルバイトをしていただけの街娘が急にオーナー代理というのはやはり難しく、アリスはいきなり難問にぶつかっていたのです。
 そんな時現れたのが、猫耳をつけた派手な格好の青年でした。
 突然そんな人物が尋ねてきたのでアリスも驚きましたが、ボリスもどうやら相当驚いたようです。人間に化けている彼の正体を、たとえ一部だけとは言え、見破ってしまったのですから。


『俺はボリス。今は人に化けているけど、本当は猫だよ。一応、あっちじゃ王子って呼ばれてる』


 初めてボリスと会った時のことを、アリスは今でも鮮明に思い出せます。
 彼は人懐っこい笑顔でアリスに微笑むと、猫が懐くようにすりっと頬をすりよせて、嬉しそうにこう告げたのです。


『アリス、あんたにお願いがあるんだ。俺をあんたの飼い猫にして』


 ちなみに、このときは即答で「嫌」と断りましたが。

 それから月日が経ち。今ではボリスが猫だということを何とか信じるまでには至りました。早い話が、アリスはすっかりおかしなことが起こることに慣れてしまったのです。
 もう猫が人間になろうが、猫の国なんてものが存在しようが、仮にも王子がカフェのアルバイトなんてものをしようが、その程度では動じません。

「ねえ、アリス。俺は役に立ってる?」
「なによ、突然。もちろん助かってるわよ。あんたのおかげで集客もものすごく伸びたし」

 女性ばっかりだけど、とは心の中で付け加え、アリスは笑いかけました。
 ボリスの尻尾がわかりやすく揺れ、傍目から見ても明らかに嬉しそうな笑顔がその表情に浮かびます。

「そっか。俺、あんたの役に立ててるんだな。なら、嬉しい。俺はあんたの助けになりたくて、ここまで来たんだから・・・・・・・・・役に立ってないなんていわれたら、どうしようかと思った」
「・・・・・・・・・前々から思ってたんだけど、ボリスはどうして私の助けになりたいと思ったの?仮にも王子が今にもつぶれそうだったカフェでバイトだなんて・・・・・・・・・・・」
「ん?だからさ、言ってるじゃん。あんたが好きだから。好きな子の助けになりたいって思うの、当然だろ」
「いやだから・・・・・・・・別に命を助けたとかそういうわけじゃないんでしょう?私、あんたにそこまでしてもらえるようなことした覚えないし、好かれるような覚えもないんだけど」

 何か恩返し的な理由でもあるのかと思っていたのですが、ボリスはいつも違うと言います。
 特に何をせずとも好かれるような美人でもないとアリスは自負していたので、ボリスがここまで尽くしてくれる理由がよくわからないのです。好きだからと言われて、はいそうですかと素直に納得できるようなタイプではありません。


「あんたは・・・・・・・・いい匂いがする。見てるだけで優しくて、甘くて・・・・・・・・傍についていてあげたいって思うくらい、可愛い。あんたの飼い猫になりたいって思ったんだ。こんな気持ち、俺、初めて」


 ・・・・・・・・・アリスとしては、それも多少複雑です。
 本質が猫だと理解してはいるつもりですが、外見が人間に近いので忘れてしまいそうになります。
 ですから、カフェの客をことごとく虜にするような美青年に「飼い猫にして」と迫られても、ときめくというよりは・・・・・・・・・複雑な気分になってしまいました。

「強制したいわけじゃないから、返事は急かさないけど・・・・・・・・考えといてよ。このアルバイトが終わるまでに、俺を飼い猫にしてくれるかどうかってこと」
「いや、ちょっとそれは・・・・・・・・って、ち、近いわよ!?」
「え~~~~~・・・・・・・・・・・・・・・ダメ?」

 強制しないと言っているわりには、その上目遣いは反則じゃないかと言いたいのをアリスはぐっと堪えました。
 最初はそれこそ考えられないと思っていましたが・・・・・・・・・近頃は別にいいかもしれないと思っている自分に、アリスはちょっとだけ自己嫌悪気味でした。

「・・・・・・・・・考えとくくらいなら、してあげるわ」
「やった♪あ、あと・・・・・・・・」
「なによ、まだあるの?」

 思わず顔を上げたアリスの唇に、柔らかい感覚が一瞬だけ触れました。
 目を見開いて硬直したところを、今度はぺろりと味わうように舐められ、アリスの顔は一気に赤く染まります。
 それを満足そうに見やり、ボリスはにっと実に不敵な笑みを浮かべたのでした。



「あと・・・・・・・・・・浮気しちゃ、ダメだぜ?」



 あんたは俺だけのもの、などと抱きついてくるボリスに、アリスは静かに拳を震わせました。
 数秒後・・・・・・・Cat's Cafeの店内から悲痛なボリスの声とアリスの怒鳴り声が響き渡りました。



 ある街の片隅にあるカフェには、猫の王子様とそのご主人様が暮らしているそうです。
 彼らの物語は、また機会がある時にでも・・・・・・・・





おしまい
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